私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

絶望

――それからどれ位の時間が経ったのだろう。

「ぅぅ……」

気付くと私は、真っ暗な部屋の中にいた。

「ここ、は……？」

私は風香と自分の部屋にいて……それで確か、彼女に頼まれて、彼女の体を抱き締めたのだ。

そこまでは、しっかりと覚えている。

だが、その後に関しては記憶が曖昧だった。

「……私は風香を抱き締めて……。……あれ？あの後、何が起きたんだっけ……？」

確か、風香を抱き締めた後、何かがあった様な――。

私はいつも考え事をする時の癖で、つい左手を口元に当てようとして――気がついた。

（手が……動かない？）

と、言っても、麻痺しているとかそういうのではなく……どうやら、両手が後ろ手に縛られている様なのだ。

両足も動かしてみようとするが、やはり手と同じ様に縛られているのか、全く自由になる気配がない。

手足を縛られ、横に倒された状態で、どこかの部屋の中に転がされている私。

部屋にある明かりは、窓から差している月明かりのみだった。