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第一部 Side 永宮 真紀
決心②
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3日後の夜。
いつも通り、夕食後の入浴の時間になり、看護師達に付き添われながら、浴室に向かう私。
そうして、浴室に入った私は――早速、脱走の準備を進めた。
決行はまさに、この夜――そう、『今』だ。
先ずは、中での音を誤魔化すため、シャワーを水量最大にして出したままにする私。
その間、私は病室から持ってきたバスタオルを広げると――中から、何枚かの布を取り出す。
これは、私の病室のベッドのシーツと毛布のカバー、それに枕カバーなどだ。
それらを手早く、しかし解けない様に固くぎゅっと結び……そこに更に自分の着替え用の病院服等も結びつけ、簡易的なロープを作る私。
次いで、私はそのロープの端をシャワーハンガー部分にしっかりと結びつけた。
そうして、窓を開け、それを外に垂らしてみる。
私の手製ロープは思った通り、2階よりほんの少し下まで伸びていた。
(これだけ長さがあれば、きっと大丈夫……!)
団地のあの高さから落とされたことを考えれば、最早あんな高さ全く怖くも何ともない。
それに、幸い……窓の下は屋根はないが駐輪スペースになっており、警備員などは立ってはいない様だった。
また、夜という時間もあってか人の通行もなく……誰かに目撃される心配もない。
唯一心配なのは、建物の周りを巡回している警備員の存在だが――この時間は駐輪場周辺が巡回の時間ではないのか、姿は一切見当たらなかった。
(……うん。行くなら今しかない)
私は自身の手製のロープを握りしめると、窓枠に足をかけた。
……失敗したら、きっと私は2度と病院……いや、そもそも家から出しては貰えないだろう。
もしかしたら、降りている途中でロープが解けて、地面に叩きつけられ死ぬかもしれない。
それでも――。
「この初恋を殺されるよりはマシだわ。私の心は私のモノよ。……よし、行こう……!」
私は誰にともなくそう告げると、そのまま窓の外にある壁を踏み締めた。
いつも通り、夕食後の入浴の時間になり、看護師達に付き添われながら、浴室に向かう私。
そうして、浴室に入った私は――早速、脱走の準備を進めた。
決行はまさに、この夜――そう、『今』だ。
先ずは、中での音を誤魔化すため、シャワーを水量最大にして出したままにする私。
その間、私は病室から持ってきたバスタオルを広げると――中から、何枚かの布を取り出す。
これは、私の病室のベッドのシーツと毛布のカバー、それに枕カバーなどだ。
それらを手早く、しかし解けない様に固くぎゅっと結び……そこに更に自分の着替え用の病院服等も結びつけ、簡易的なロープを作る私。
次いで、私はそのロープの端をシャワーハンガー部分にしっかりと結びつけた。
そうして、窓を開け、それを外に垂らしてみる。
私の手製ロープは思った通り、2階よりほんの少し下まで伸びていた。
(これだけ長さがあれば、きっと大丈夫……!)
団地のあの高さから落とされたことを考えれば、最早あんな高さ全く怖くも何ともない。
それに、幸い……窓の下は屋根はないが駐輪スペースになっており、警備員などは立ってはいない様だった。
また、夜という時間もあってか人の通行もなく……誰かに目撃される心配もない。
唯一心配なのは、建物の周りを巡回している警備員の存在だが――この時間は駐輪場周辺が巡回の時間ではないのか、姿は一切見当たらなかった。
(……うん。行くなら今しかない)
私は自身の手製のロープを握りしめると、窓枠に足をかけた。
……失敗したら、きっと私は2度と病院……いや、そもそも家から出しては貰えないだろう。
もしかしたら、降りている途中でロープが解けて、地面に叩きつけられ死ぬかもしれない。
それでも――。
「この初恋を殺されるよりはマシだわ。私の心は私のモノよ。……よし、行こう……!」
私は誰にともなくそう告げると、そのまま窓の外にある壁を踏み締めた。
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