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魔王を倒せば良いんじゃない?
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《世界人類サミット》は魔王城から約300キロしか離れていない、野営地で行われていた。これは人類にとって総力を結集した最終決戦の場であった。
「魔王が予想外の後退を始めたのを追撃した形にはなったが、正面決戦はなく小競り合いばかり。もしやこれは我々を魔王領へと誘き寄せ、補給線と疲労がピークなった連合軍を粉砕しようとする罠ではなかろうか?」
「、、、ありそうな話だ。しかし周りに配置した斥候の情報では魔王城や周辺での目立った動きはないと言う、、《ある一点を除いて》、、。」
「あれか、、。」
「アレだな。」
「そうだな。」
己の肉体の限界に挑戦。
ブラックマウンテン(魔王城)を踏破せよ!!
《YUUSHA WARRIOR》
【本日、千年に一度の聖剣をめぐる最高の鉄人アスレチック開催!!!】
踏破者には魔王を倒せる聖剣を贈呈。そしてその場で魔王を倒し英雄の称号を獲得しちゃおう☆
開催日:本日(12:45分より)
場所:魔王城前絶望広場→ゴール:魔王城謁見の間
※但し、屋外の為天候により中止になる場合がございます。その場合相談窓口(ラファエル)へ確認連絡をお願いします。
魔王領内の土地の所々に突き刺さった<のぼり>にはそう明記されていた。
「悪い冗談だろう、、」
一人が苦笑混じりに呟いた。そして皆が同意するが、周りから高笑いが聞こえ天幕より各国の将軍や外交官が飛び出した。
「わ~っはっは!」
そこには銀色の棒を腰につけた燕尾服の男と、デイモンロードの魔法戦士が腰に手を当てて笑っていたのだった。
「───という訳で、おめでとうなのだ!《ここにいる全員ブラックマウンテンへの挑戦権を得たのだ。」
「でッデイモンロード!!何だお前達は、魔王の手先か?!」
「真の勇者を探している、只の一般人なのだ。」
そういってラファエルは銀色のヒノキの棒をその場にいる全員に見せるが、それを《悪趣味な冗談》と思った将軍達は怒りを顕にする。
「ふざけるなよ!こんなモノが聖剣の筈ーガガガ!!」
プシュー。ドサリ。
まるで雷に撃たれたように感電して倒れる衛兵。
「えっ??、、。
、、おのれ!攻撃してくるとは!」
一瞬戸惑った各国の将軍・騎士達だが、すぐさま正気を取り戻し各々の剣の柄にガチャリと手を置いた。
「聖剣に触れたからなのだ。電気ネズミの十万ボルト位の電流が流れただけなのだ。」
「出鱈目を。魔王軍の幹部だ!であえ、であえ。撃ち取って名を挙げろ。」
瞬く間に兵士や傭兵・冒険者達が集まる。
「この砂漠のロンメールが魔王軍の幹部を叩き伏せてやるぜ!」
「フッ、やっと剣帝ナッポレの出番か、、。」
「天才魔術師チョーリョー・ムカンシン様が相手になってやる。」
「オレ、ティムールンバ、ツヨイヤツ、アイニキタ。」
そして連合軍全てが魔王軍の幹部と勘違いされたラファエルに突撃したのだった。
*
「全く勘違い甚《はなは》だしいのだ。将軍ならば微かな違いポロムとパロム、ベホイムスライムとベホイミスライム、デンデとカルゴ位は瞬時に見分けなければいけないのだ。それが軍を率いる将軍なのだ。」
「??、、とにかく、すっすいませんでした!あのような無礼を!我々の命で済むのならば腹を切る覚悟も出来ております。」
全身ズタボロの《各国将軍》達はラファエルに土下座をして謝罪をしていた。ラファエルの尋常ではない強さに気が付いた時には遅く、殆どの対城兵器・魔道具が破壊され兵士達は再起不能にされてしまった。これでは魔王と正面から戦った方か遥かに勝算があるだろう。
そして死人等がいないことから目の前のラファエルという人間は間違いなく《魔王》等より余程《化け物》だと言うことを察知した。
「では、ここにいる全員にはブラックマウンテンに挑戦してもらい、アスレチック踏破を目指すのだ。」
「は、、い。」
溜め息を肯定で無理矢理飲み込む彼等だったが気になる事があった。
「そこのデイモンロードは?」
注目を浴びたジェラードは、メガネとスーツの襟を正す。
「今回のイベント運営には我々魔王軍が全面協力しますので、その報告にきました。」
「魔王軍の全面協力?!クリア出来るのかそれは。」
完全制覇したら魔王○ロされちゃうじゃん──という意見はもっともだ。ならば取らせない様に魔王軍側は難易度を上げてくるのは必至である。
全員がゴクリと喉を鳴らしたのだった。
ボンボンボン。花火が空へと撃ち上がる。
《マオウジョウ・ゼツボウヒロバ》
「──というわけで始まりました。今回は原点回帰ということで進行役の私《司会》と《解説》のラファエルさんでお送りする。勇者ウォーリアーとなります。そしてこの大会は全世界の都市で生中継されています。」
「うむ。」
「人類の参加者は何と一万人という大規模になるそうです。しかも尺の関係で全員が一斉にステージを挑戦していくチーム戦、いえ、、軍団戦方式になるそうですね。」
「絶対にクリア出来ない魔王軍の作った舞台を、絶対にクリアするという意気込みの勇者ウォリアー達。このシチュエーションこそ、肉体・精神の限界を越え真の勇者を産み出す土壌となるのだ。うむ。」
「人類の存亡を掛けた戦いを、最もマイルドにしたスポーツ競技だと言えましょう。」
ブォー!
うおおおぉぉ。
法螺貝が吹かれると同時にファーストステージのゲートが開きその中へと兵士達が乱入する。
グツグツグツ。
戦士達が見たのは沸騰した川だった。
「初めの難関は──熱湯の川の渡河だ。何故熱湯なのか分かりません。」
「リハーサルではマグマだったのだが、死者が出そうなので却下したのだ。さすがにマグマはやりすぎなのだ。」
「流石のラファエルさんにも多少の公平性はあるようだ。」
兵士達はお湯の温度を確かめる。かなり熱い。
温度は60度は越えるだろう。しかし耐えられない温度ではない。中には鎧を脱いで素早く渡河しようと考える。
「どりゃぁああ!!」
ジャバン。
「あっーい!!」
「あつつつ。」
「俺はいかねぇぞ。」
「じゃあ俺が行くよ」
「俺も」
「なら俺も」
「「どうぞどうぞ。」」
「ホッホッ、この程度は水風呂じゃ。」
中には心地良さそうに熱湯に入る中年の男もいた。
「この川は急造されたのだろう、浅い、、。熱い湯が嫌いな奴は足場を作って渡るぞ。」
「おぉー。」
各々が判断し、難関を突破する。
その先の難関はすぐに現れた。
かなりの傾斜がある巨大な鉄製の滑り台だ。川の縁のすぐから始まり全体としては25メートルプール程もある。
「この程度の登り坂など障害にならんわ。」
百戦錬磨を思わせる厳つい顔の戦士が滑り台を駆け上ろうとする。
スタた、ズリュ。
「あれ?」
ぬちゅルルルルる。ザバン。熱湯に頭から落ちる。
「熱ぅ!!!」
ブクブクブク。
もがきながら溺れて沈黙する。
解説は資料を黒子から渡される。
「えー、ここで情報が入りました。坂にはヌルヌルした液体が塗られているようです。」
「うむ。スライム社特製のススローションなのだ。人体に無害で、しかも優しさが求められる部分にとっても優しいという、、mamazonの梱包並の優しさの一品なのだ。」
「それは優しい。過剰梱包気味だ。」
だが鉄製の滑り台は優しくはなかった。
駆け上った戦士達を次々に熱湯ぶちこんでいく。
ザバンザバン。ゴン、ザバン。ブクブク。
「フン。」
ブオンブオン!キン!グイグイ。
レンジャーの風の男は投げ縄を滑り台の終点の側の突起に巻き付けた。
「魔王軍め!クリアさせる気が無いなコリャ。」
彼は生まれたての子鹿の様にプルプルと足を震わせながら、滑り台を突破する。
「連合国からのボーナスもあるみたいだがチャンスの分母を増やさんと、、」
そういって縄を所々に巻き付けていく。
「うおぉ。」
縄が滑り台に取り付けられたことによって次々に難関を突破していく戦士達。
最後の難関は勿論。
運命の道という只の二択の道を選ぶクイズだった。
「いらっしゃーい。」
片方は華やかなサキュバス達が手招きしていた。
「ここの道を通って建物に入ると失格になるわ。あっちの道がほんとの道なの。でもねホントに完全制覇出来ると思うの?
こっちに来てくれたら参加賞の10万ピコと色々良いことしてア・ゲ・ル。この封筒の中身も確認して良いわ。」
100人いや200人程はいるのか、グラマーな美女達は戦士達を手招きする。
そしてすぐ側にはもう一方の道、ステージクリアの門が若干見えるが、その門はボロボロで《地獄の入り口》《下記の免責事項をよく読み、通過してください》《保険には入りましたか?生命保険とえば魔王商会》《魔王に仇なす人間録画中・大会後暗殺注意》とデカデカと書いてある。
「おおっと!ここで精神的攻撃、なんという難関だ。二択を迫られた戦士達は一体どうするのかー?!」
、、、。
苦渋の表情の戦士達は呟く。
「、、俺、、ずっと戦ってばかりでさ、、女の子と手、、繋いだこと無かったんだ。俺は!俺は!!あっちにいくぞ!!!」
「、、これは高度な罠だな。あの門は偽物だ、本当の道はサキュバスがいる道に違いない。うひひょーい。」
「恐いのではない、戦術的撤退だ。(やベェな命あっての物種だ)」
次々とリタイアしていく参加者達。
「これは予想外の出来事だ。殆どの参加者がリタイアしてしまうぞ。良いのですかラファエルさん?」
「この先は本当に危ないのだ、《勇気》を持つ戦士でなければ聖剣に選ばれない。これは篩《ふるい》の役回りなのだ。」
*
結局、この最大の難関を突破する者もいたが、参加者の人数はもう100名程しか残っていなかった。
「先ずは、最も伝説の勇者に近い存在!レベル99の男、タナカだ!!聖獣のポチもいるぞ。」
オオオ、サイキョウ、サイキョウ!
「、、いや、待つのだ、あのコンビには聖剣は抜けないのだ。多分、、。」
「、、そうですか。次の人物は《オウマ》さんだ。仮面をつけていて何処か怪しい人物です。」
「、、、オウマ?」
ラファエルの鋭い視線がオウマの身体に突き刺さる。ギクギクリ、オウマの身体をラファエルは穴が空くほど見つめる。ギラリと目が鋭かった。
「身体が全身毛むくじゃらなのだな。」
「ぎくぅ!えっ、、毛深いだけですよ。はははっ。」
「背も大きい。三メートルはあるぞ。」
「お母さんありがとう!!」
「魔王みたいな、尻の穴から実と屁がでる様な声なのだ。」
「ショック!どんな声だよ!!いえあーあー、似てますか?昨日一人カラオケで熱唱したから、、。」
「、、、喉を労るのだぞ、そして龍○散を飲むのだ。うむ、天晴れなのだ、ものまね師ゴゴもビックリの魔王の声と能力の男だったのだ。」
パチパチパチ。
「ふぅー。」
オウマは額の汗を拭うのだった。
***********
第二ステージ
知力の谷。
「魔王城へ行きたいかー!さて第二ステージです。今度は知力を試されるステージということです。どういう事でしょうか?」
「ふむ、巨大な檻のなかにクイズの問題と凶悪なドラゴンを配置。そのクイズに答えるという、某クイズ番組をパクったステージなのだ。」
「ドラゴンを?!、、危険なのでは無いのですか?」
「大丈夫、死にはしないのだ。賢いドラゴンには丸のみにするように調教してあるし、そのまま消化されずに出るように下剤も飲ませる準備はしてあるのだ。糞と共に出るのだ。」
各々が解説を聞かなければ良かったと後悔しながら、スタートの合図を待つ。
ブオー。
ガオオ!とヨダレを滴しながらドラゴンの群れがウォーリアー達に殺到する。
「来たぞぉ!逃げろ!」
ブンブン、パク。
ブン、パク。
ブリリ。プッ。
飛び出した勇者ウォリアー達はドラゴンに食べられのを回避、または食べられ排出されつつ、問題の書かれた石板を拾う。石板には見慣れない文字が刻まれている。
魔族文字だ。
「読めるかい?!」
これではクイズの問題が読めない。
「安心するのだ、問題の回答ボタンは《反り立つ》塔の頂上にあるのだ。しかも問題を呼んでくれる係員もいるのだ。」
参加者は遠目から塔の天辺を見上げるが、恐ろしく高い、しかも突起も少なく石板を持ってよじ登るにはあまりにも凹凸がすくなかった。
「ラファエルさん、塔が少し高いような気がしますが、、。」
「ふふふ、そんなウォーリアー達に朗報なのだ。ワープ装置が塔の近くに設置してあるのだ。」
それは巨大な大砲だった。数は10台。簡単な標準もついていた。
「物理ワープ、マジかよ、、。」
「だが、危険を犯してもこれはチャンス。俺は使うぞ。」
大砲を操作するウォーリアーと大砲の筒に入るウォーリアー各々持ち場に付く。
ボヨヨン!
スプリングからウォーリアー達が放たれる。
矢と化した彼ら────
ギァギァ、パクリ。
「ちょっ、イヤー。」
こうして待ち構えていた飛龍に半分が丸のみにされ、大半は引っ掛け問題の回答で失格となった。
*******
ファイナルステージ。
「正真正銘のファイナルステージ。今回は魔王城内から謁見の間まで魔王軍達の妨害を回避しながら移動して聖剣に触れる、それをもってゴールとなります。しかし、参加者は三人まで絞られました果たして完全制覇するウォーリアーは現れるのでしょうか?ラファエルさん?」
「、、、。」
そこには無言のラファエルに似た人形が席に座っているだけだった。
「くくくっ」
城内を一人疾走するオウマは笑いを堪えていた。今回のアスレチック企画はラファエルが考えたものだ。しかし内容は変えられ、しかも魔王軍側が有利になるように設計されていた。
オウマ──いや魔王は謁見の間に突き刺さった聖剣に触れさえすれば《所有権》を主張でき、しかもラファエルは聖剣から離れる。人間の連合軍にも多少被害がでるという一石二鳥、、三鳥の作戦だった。
目の前には聖剣《ヒノキノボウ》が聖剣とは思えない情けない姿をさらしている。触れるだけなら死なないし触れさえすれば、、世界は自分のものとなる。
「、、、。」
「持ち上げてみるのだオウマ。」
ラファエルの問に魔王は眉をひそめた。
「触れるだけでゴールではないのか?」
「真の勇者なら持ち上げる事も可能なのだ。そしてお前の能力は参加者で一番、、いや今までの人間の中では最も高いのだ。違うのなら、聖剣を持てる人間はいないのだ。ということで!」
ガシィ!
ラファエルは魔王の腕を無理矢理掴むと聖剣を魔王に掴ませた。
バリリリリ!
「アバババっ!死ぬぅ!無理矢理!!」
「ムムム、これは?!黒焦げにならないのだ!勇者なのか、そうなのか?!」
バリリリリ!
「ブギぁ!死ぬぅ!止めて、ストップ、ストップ!!私、魔王だから、勇者じゃないから!ほらはら!」
「?!」
ラファエルが魔王の腕を離すと、ボロボロの魔王は青息吐息を吐く。全世界に放送されているため計画は失敗、魔王が大会に参加するという蛮行は各国各国の首脳陣を更に団結させるに違いない。
「もうやだよ、魔王。命がいくつあっても足りないよ。そもそも何だよ魔王って、括りが曖昧だし。平和に暮らしたくなってきた。」
「、、、これは魔王が改心した?聖剣の力なのか。」
「聖剣というより、別枠予算の圧迫だったり、ムチャ振り、無茶ハラスメント系統だよ。」
「フム」
*
魔王の休戦発表は各国にとっては寝耳に水だった。しかし某主人公が両陣営の各国国内を混乱させ、魔王軍討伐の軍隊も戦える状態ではない事で受けるに値すると考えられ。
仲介人の存在によって滞りなく協議され発効されたのだった。
*
「魔王が暴れず世界が滅亡しないのなら、聖剣は不要なのだ。不要なら勇者探しも必要ない。おおっ!これは嬉しい誤算だったのだ!」
ラファエルは聖剣を人間領内の古びた丘に突き刺すと、空を見上げ歩きだした。
本日は快晴、息を吸い込むラファエル。
パリンリン!シルルシュキャーン!!
それは玉だった、玉だったものが転がっておりラファエルに踏まれバッバラバラになったのだ。
そして各々の破片がその場から飛んでいく。
「ああアー!!」
「何なのだ?」
「世界の宝珠が!このままでは世界がバラバラになってしまう!!どうしてこんなことに!!!」
ショックを受けて頭を抱える村人にゆっくりと視線を移すラファエル。
直後、ピシピシと世界に透明な見えない亀裂が入っていた。
「待つのだ、何でそんな重要アイテムがそこら辺に転がっているのだ?管理体制がガバガバなのだぁ!!」
ラファエルの旅はまだ終わらない。
********************
魔王側被害額
アスレチック改装費
306,000,000ピコ
各国放送領(中継基地)
72,000,000,000ピコ
人類側被害額
治療・兵器購入費
487,000,000,000ピコ
「魔王が予想外の後退を始めたのを追撃した形にはなったが、正面決戦はなく小競り合いばかり。もしやこれは我々を魔王領へと誘き寄せ、補給線と疲労がピークなった連合軍を粉砕しようとする罠ではなかろうか?」
「、、、ありそうな話だ。しかし周りに配置した斥候の情報では魔王城や周辺での目立った動きはないと言う、、《ある一点を除いて》、、。」
「あれか、、。」
「アレだな。」
「そうだな。」
己の肉体の限界に挑戦。
ブラックマウンテン(魔王城)を踏破せよ!!
《YUUSHA WARRIOR》
【本日、千年に一度の聖剣をめぐる最高の鉄人アスレチック開催!!!】
踏破者には魔王を倒せる聖剣を贈呈。そしてその場で魔王を倒し英雄の称号を獲得しちゃおう☆
開催日:本日(12:45分より)
場所:魔王城前絶望広場→ゴール:魔王城謁見の間
※但し、屋外の為天候により中止になる場合がございます。その場合相談窓口(ラファエル)へ確認連絡をお願いします。
魔王領内の土地の所々に突き刺さった<のぼり>にはそう明記されていた。
「悪い冗談だろう、、」
一人が苦笑混じりに呟いた。そして皆が同意するが、周りから高笑いが聞こえ天幕より各国の将軍や外交官が飛び出した。
「わ~っはっは!」
そこには銀色の棒を腰につけた燕尾服の男と、デイモンロードの魔法戦士が腰に手を当てて笑っていたのだった。
「───という訳で、おめでとうなのだ!《ここにいる全員ブラックマウンテンへの挑戦権を得たのだ。」
「でッデイモンロード!!何だお前達は、魔王の手先か?!」
「真の勇者を探している、只の一般人なのだ。」
そういってラファエルは銀色のヒノキの棒をその場にいる全員に見せるが、それを《悪趣味な冗談》と思った将軍達は怒りを顕にする。
「ふざけるなよ!こんなモノが聖剣の筈ーガガガ!!」
プシュー。ドサリ。
まるで雷に撃たれたように感電して倒れる衛兵。
「えっ??、、。
、、おのれ!攻撃してくるとは!」
一瞬戸惑った各国の将軍・騎士達だが、すぐさま正気を取り戻し各々の剣の柄にガチャリと手を置いた。
「聖剣に触れたからなのだ。電気ネズミの十万ボルト位の電流が流れただけなのだ。」
「出鱈目を。魔王軍の幹部だ!であえ、であえ。撃ち取って名を挙げろ。」
瞬く間に兵士や傭兵・冒険者達が集まる。
「この砂漠のロンメールが魔王軍の幹部を叩き伏せてやるぜ!」
「フッ、やっと剣帝ナッポレの出番か、、。」
「天才魔術師チョーリョー・ムカンシン様が相手になってやる。」
「オレ、ティムールンバ、ツヨイヤツ、アイニキタ。」
そして連合軍全てが魔王軍の幹部と勘違いされたラファエルに突撃したのだった。
*
「全く勘違い甚《はなは》だしいのだ。将軍ならば微かな違いポロムとパロム、ベホイムスライムとベホイミスライム、デンデとカルゴ位は瞬時に見分けなければいけないのだ。それが軍を率いる将軍なのだ。」
「??、、とにかく、すっすいませんでした!あのような無礼を!我々の命で済むのならば腹を切る覚悟も出来ております。」
全身ズタボロの《各国将軍》達はラファエルに土下座をして謝罪をしていた。ラファエルの尋常ではない強さに気が付いた時には遅く、殆どの対城兵器・魔道具が破壊され兵士達は再起不能にされてしまった。これでは魔王と正面から戦った方か遥かに勝算があるだろう。
そして死人等がいないことから目の前のラファエルという人間は間違いなく《魔王》等より余程《化け物》だと言うことを察知した。
「では、ここにいる全員にはブラックマウンテンに挑戦してもらい、アスレチック踏破を目指すのだ。」
「は、、い。」
溜め息を肯定で無理矢理飲み込む彼等だったが気になる事があった。
「そこのデイモンロードは?」
注目を浴びたジェラードは、メガネとスーツの襟を正す。
「今回のイベント運営には我々魔王軍が全面協力しますので、その報告にきました。」
「魔王軍の全面協力?!クリア出来るのかそれは。」
完全制覇したら魔王○ロされちゃうじゃん──という意見はもっともだ。ならば取らせない様に魔王軍側は難易度を上げてくるのは必至である。
全員がゴクリと喉を鳴らしたのだった。
ボンボンボン。花火が空へと撃ち上がる。
《マオウジョウ・ゼツボウヒロバ》
「──というわけで始まりました。今回は原点回帰ということで進行役の私《司会》と《解説》のラファエルさんでお送りする。勇者ウォーリアーとなります。そしてこの大会は全世界の都市で生中継されています。」
「うむ。」
「人類の参加者は何と一万人という大規模になるそうです。しかも尺の関係で全員が一斉にステージを挑戦していくチーム戦、いえ、、軍団戦方式になるそうですね。」
「絶対にクリア出来ない魔王軍の作った舞台を、絶対にクリアするという意気込みの勇者ウォリアー達。このシチュエーションこそ、肉体・精神の限界を越え真の勇者を産み出す土壌となるのだ。うむ。」
「人類の存亡を掛けた戦いを、最もマイルドにしたスポーツ競技だと言えましょう。」
ブォー!
うおおおぉぉ。
法螺貝が吹かれると同時にファーストステージのゲートが開きその中へと兵士達が乱入する。
グツグツグツ。
戦士達が見たのは沸騰した川だった。
「初めの難関は──熱湯の川の渡河だ。何故熱湯なのか分かりません。」
「リハーサルではマグマだったのだが、死者が出そうなので却下したのだ。さすがにマグマはやりすぎなのだ。」
「流石のラファエルさんにも多少の公平性はあるようだ。」
兵士達はお湯の温度を確かめる。かなり熱い。
温度は60度は越えるだろう。しかし耐えられない温度ではない。中には鎧を脱いで素早く渡河しようと考える。
「どりゃぁああ!!」
ジャバン。
「あっーい!!」
「あつつつ。」
「俺はいかねぇぞ。」
「じゃあ俺が行くよ」
「俺も」
「なら俺も」
「「どうぞどうぞ。」」
「ホッホッ、この程度は水風呂じゃ。」
中には心地良さそうに熱湯に入る中年の男もいた。
「この川は急造されたのだろう、浅い、、。熱い湯が嫌いな奴は足場を作って渡るぞ。」
「おぉー。」
各々が判断し、難関を突破する。
その先の難関はすぐに現れた。
かなりの傾斜がある巨大な鉄製の滑り台だ。川の縁のすぐから始まり全体としては25メートルプール程もある。
「この程度の登り坂など障害にならんわ。」
百戦錬磨を思わせる厳つい顔の戦士が滑り台を駆け上ろうとする。
スタた、ズリュ。
「あれ?」
ぬちゅルルルルる。ザバン。熱湯に頭から落ちる。
「熱ぅ!!!」
ブクブクブク。
もがきながら溺れて沈黙する。
解説は資料を黒子から渡される。
「えー、ここで情報が入りました。坂にはヌルヌルした液体が塗られているようです。」
「うむ。スライム社特製のススローションなのだ。人体に無害で、しかも優しさが求められる部分にとっても優しいという、、mamazonの梱包並の優しさの一品なのだ。」
「それは優しい。過剰梱包気味だ。」
だが鉄製の滑り台は優しくはなかった。
駆け上った戦士達を次々に熱湯ぶちこんでいく。
ザバンザバン。ゴン、ザバン。ブクブク。
「フン。」
ブオンブオン!キン!グイグイ。
レンジャーの風の男は投げ縄を滑り台の終点の側の突起に巻き付けた。
「魔王軍め!クリアさせる気が無いなコリャ。」
彼は生まれたての子鹿の様にプルプルと足を震わせながら、滑り台を突破する。
「連合国からのボーナスもあるみたいだがチャンスの分母を増やさんと、、」
そういって縄を所々に巻き付けていく。
「うおぉ。」
縄が滑り台に取り付けられたことによって次々に難関を突破していく戦士達。
最後の難関は勿論。
運命の道という只の二択の道を選ぶクイズだった。
「いらっしゃーい。」
片方は華やかなサキュバス達が手招きしていた。
「ここの道を通って建物に入ると失格になるわ。あっちの道がほんとの道なの。でもねホントに完全制覇出来ると思うの?
こっちに来てくれたら参加賞の10万ピコと色々良いことしてア・ゲ・ル。この封筒の中身も確認して良いわ。」
100人いや200人程はいるのか、グラマーな美女達は戦士達を手招きする。
そしてすぐ側にはもう一方の道、ステージクリアの門が若干見えるが、その門はボロボロで《地獄の入り口》《下記の免責事項をよく読み、通過してください》《保険には入りましたか?生命保険とえば魔王商会》《魔王に仇なす人間録画中・大会後暗殺注意》とデカデカと書いてある。
「おおっと!ここで精神的攻撃、なんという難関だ。二択を迫られた戦士達は一体どうするのかー?!」
、、、。
苦渋の表情の戦士達は呟く。
「、、俺、、ずっと戦ってばかりでさ、、女の子と手、、繋いだこと無かったんだ。俺は!俺は!!あっちにいくぞ!!!」
「、、これは高度な罠だな。あの門は偽物だ、本当の道はサキュバスがいる道に違いない。うひひょーい。」
「恐いのではない、戦術的撤退だ。(やベェな命あっての物種だ)」
次々とリタイアしていく参加者達。
「これは予想外の出来事だ。殆どの参加者がリタイアしてしまうぞ。良いのですかラファエルさん?」
「この先は本当に危ないのだ、《勇気》を持つ戦士でなければ聖剣に選ばれない。これは篩《ふるい》の役回りなのだ。」
*
結局、この最大の難関を突破する者もいたが、参加者の人数はもう100名程しか残っていなかった。
「先ずは、最も伝説の勇者に近い存在!レベル99の男、タナカだ!!聖獣のポチもいるぞ。」
オオオ、サイキョウ、サイキョウ!
「、、いや、待つのだ、あのコンビには聖剣は抜けないのだ。多分、、。」
「、、そうですか。次の人物は《オウマ》さんだ。仮面をつけていて何処か怪しい人物です。」
「、、、オウマ?」
ラファエルの鋭い視線がオウマの身体に突き刺さる。ギクギクリ、オウマの身体をラファエルは穴が空くほど見つめる。ギラリと目が鋭かった。
「身体が全身毛むくじゃらなのだな。」
「ぎくぅ!えっ、、毛深いだけですよ。はははっ。」
「背も大きい。三メートルはあるぞ。」
「お母さんありがとう!!」
「魔王みたいな、尻の穴から実と屁がでる様な声なのだ。」
「ショック!どんな声だよ!!いえあーあー、似てますか?昨日一人カラオケで熱唱したから、、。」
「、、、喉を労るのだぞ、そして龍○散を飲むのだ。うむ、天晴れなのだ、ものまね師ゴゴもビックリの魔王の声と能力の男だったのだ。」
パチパチパチ。
「ふぅー。」
オウマは額の汗を拭うのだった。
***********
第二ステージ
知力の谷。
「魔王城へ行きたいかー!さて第二ステージです。今度は知力を試されるステージということです。どういう事でしょうか?」
「ふむ、巨大な檻のなかにクイズの問題と凶悪なドラゴンを配置。そのクイズに答えるという、某クイズ番組をパクったステージなのだ。」
「ドラゴンを?!、、危険なのでは無いのですか?」
「大丈夫、死にはしないのだ。賢いドラゴンには丸のみにするように調教してあるし、そのまま消化されずに出るように下剤も飲ませる準備はしてあるのだ。糞と共に出るのだ。」
各々が解説を聞かなければ良かったと後悔しながら、スタートの合図を待つ。
ブオー。
ガオオ!とヨダレを滴しながらドラゴンの群れがウォーリアー達に殺到する。
「来たぞぉ!逃げろ!」
ブンブン、パク。
ブン、パク。
ブリリ。プッ。
飛び出した勇者ウォリアー達はドラゴンに食べられのを回避、または食べられ排出されつつ、問題の書かれた石板を拾う。石板には見慣れない文字が刻まれている。
魔族文字だ。
「読めるかい?!」
これではクイズの問題が読めない。
「安心するのだ、問題の回答ボタンは《反り立つ》塔の頂上にあるのだ。しかも問題を呼んでくれる係員もいるのだ。」
参加者は遠目から塔の天辺を見上げるが、恐ろしく高い、しかも突起も少なく石板を持ってよじ登るにはあまりにも凹凸がすくなかった。
「ラファエルさん、塔が少し高いような気がしますが、、。」
「ふふふ、そんなウォーリアー達に朗報なのだ。ワープ装置が塔の近くに設置してあるのだ。」
それは巨大な大砲だった。数は10台。簡単な標準もついていた。
「物理ワープ、マジかよ、、。」
「だが、危険を犯してもこれはチャンス。俺は使うぞ。」
大砲を操作するウォーリアーと大砲の筒に入るウォーリアー各々持ち場に付く。
ボヨヨン!
スプリングからウォーリアー達が放たれる。
矢と化した彼ら────
ギァギァ、パクリ。
「ちょっ、イヤー。」
こうして待ち構えていた飛龍に半分が丸のみにされ、大半は引っ掛け問題の回答で失格となった。
*******
ファイナルステージ。
「正真正銘のファイナルステージ。今回は魔王城内から謁見の間まで魔王軍達の妨害を回避しながら移動して聖剣に触れる、それをもってゴールとなります。しかし、参加者は三人まで絞られました果たして完全制覇するウォーリアーは現れるのでしょうか?ラファエルさん?」
「、、、。」
そこには無言のラファエルに似た人形が席に座っているだけだった。
「くくくっ」
城内を一人疾走するオウマは笑いを堪えていた。今回のアスレチック企画はラファエルが考えたものだ。しかし内容は変えられ、しかも魔王軍側が有利になるように設計されていた。
オウマ──いや魔王は謁見の間に突き刺さった聖剣に触れさえすれば《所有権》を主張でき、しかもラファエルは聖剣から離れる。人間の連合軍にも多少被害がでるという一石二鳥、、三鳥の作戦だった。
目の前には聖剣《ヒノキノボウ》が聖剣とは思えない情けない姿をさらしている。触れるだけなら死なないし触れさえすれば、、世界は自分のものとなる。
「、、、。」
「持ち上げてみるのだオウマ。」
ラファエルの問に魔王は眉をひそめた。
「触れるだけでゴールではないのか?」
「真の勇者なら持ち上げる事も可能なのだ。そしてお前の能力は参加者で一番、、いや今までの人間の中では最も高いのだ。違うのなら、聖剣を持てる人間はいないのだ。ということで!」
ガシィ!
ラファエルは魔王の腕を無理矢理掴むと聖剣を魔王に掴ませた。
バリリリリ!
「アバババっ!死ぬぅ!無理矢理!!」
「ムムム、これは?!黒焦げにならないのだ!勇者なのか、そうなのか?!」
バリリリリ!
「ブギぁ!死ぬぅ!止めて、ストップ、ストップ!!私、魔王だから、勇者じゃないから!ほらはら!」
「?!」
ラファエルが魔王の腕を離すと、ボロボロの魔王は青息吐息を吐く。全世界に放送されているため計画は失敗、魔王が大会に参加するという蛮行は各国各国の首脳陣を更に団結させるに違いない。
「もうやだよ、魔王。命がいくつあっても足りないよ。そもそも何だよ魔王って、括りが曖昧だし。平和に暮らしたくなってきた。」
「、、、これは魔王が改心した?聖剣の力なのか。」
「聖剣というより、別枠予算の圧迫だったり、ムチャ振り、無茶ハラスメント系統だよ。」
「フム」
*
魔王の休戦発表は各国にとっては寝耳に水だった。しかし某主人公が両陣営の各国国内を混乱させ、魔王軍討伐の軍隊も戦える状態ではない事で受けるに値すると考えられ。
仲介人の存在によって滞りなく協議され発効されたのだった。
*
「魔王が暴れず世界が滅亡しないのなら、聖剣は不要なのだ。不要なら勇者探しも必要ない。おおっ!これは嬉しい誤算だったのだ!」
ラファエルは聖剣を人間領内の古びた丘に突き刺すと、空を見上げ歩きだした。
本日は快晴、息を吸い込むラファエル。
パリンリン!シルルシュキャーン!!
それは玉だった、玉だったものが転がっておりラファエルに踏まれバッバラバラになったのだ。
そして各々の破片がその場から飛んでいく。
「ああアー!!」
「何なのだ?」
「世界の宝珠が!このままでは世界がバラバラになってしまう!!どうしてこんなことに!!!」
ショックを受けて頭を抱える村人にゆっくりと視線を移すラファエル。
直後、ピシピシと世界に透明な見えない亀裂が入っていた。
「待つのだ、何でそんな重要アイテムがそこら辺に転がっているのだ?管理体制がガバガバなのだぁ!!」
ラファエルの旅はまだ終わらない。
********************
魔王側被害額
アスレチック改装費
306,000,000ピコ
各国放送領(中継基地)
72,000,000,000ピコ
人類側被害額
治療・兵器購入費
487,000,000,000ピコ
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