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ep.5
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明くる朝、アルフレッドは目を覚まして晴天であったことに訳もなく嬉しくなった。それはただ単に天気が良くて気分がいいのかもしれないし、仕事がはかどるからかもしれないし、ピーチ・フロイラインが雨に濡れないで済むからいいなぁと思ったからかもしれない。
アルフレッドは、今日も今日とて水上乗合魔車遅番の出勤であるため、13時半に出勤だ。ただお昼を食べがてら早めに着くように11時半には家を出るようにしていた。現在の時刻は、9時。これからシャワーを浴びて目を覚ましてから着がえても、十二分に時間がある。気分が良いし散歩しがてら出勤しようかな、なんて思う。
支度をして、家を出る。アルフレッドが住んでいるアパルトメントは、単身の男性向けのサービスが色々とあり、その中のうちの一つが洗濯代行サービスだ。有料ではあるが、アルフレッドは重用しており、今日も管理室のおばちゃんに汚れ物を入れた専用の洗濯物袋を渡してアパルトメントを出た。
(今日も良い天気だなぁ……。)
職場までは徒歩で行けるため、街中をゆっくり歩く。その職場である王都水上魔車省の水上乗合魔車庁は王都フィローメの市民街の東に位置している。東北側にアパルトメントがあるアルフレッドは、通勤しやすく街並みを楽しめるここが気に入っていた。
街中を歩く。明るくどこか愉快な騒々しさや様々な景色が目に映り込んでくるが、アルフレッドが考えるのは昨日のピーチ・フロイラインのことだった。
「アル坊、そのままじゃ落っこちちまうよ!」
「……っとと、危ない。アニェーゼさんおはよう!」
「おはようじゃないよ、全く……。」
アニェーゼさんこと花屋のおばちゃんに声を掛けられて、足元を見れば蒼碧川へ落ちる寸前。慌てて進行方向を修正して、花屋のおばちゃんに礼を言った。
「かかかっ、アル坊も春が来て足元まで浮ついてるのかい。」
「春が来る?今は初夏じゃないか、春は終わったよ。」
「なぁに言ってんだい、恋してるって言ったんだ。」
アル坊はボケボケしてて危なっかしいねぇ、なんて言われたがアルフレッドは耳に入ってなかった。
恋、恋かぁ。最後に恋したのは誰だっけ、家庭教師の何とかさんだったような、とぐるぐると余計なことを、しかし物凄い勢いで思考をめぐらせていた。その様子を見て頑張んな、とアルフレッドを気持ちのいい音がするくらい思い切り肩を叩くと、花屋のおばちゃんは店番に戻っていった。
どうやってお昼を食べてから職場に着いたのかは、覚えてない。ただ言えるのは、川に落ちなくてよかったということだけだ。
「──いおーい、アルさんよ。」
「……ん?どうしたの、リオ。」
「どうしたの、じゃねぇよ。始業5分前なんだから、そろそろ起きろ。」
声を掛けられて振り向けば、同僚のメルクリオが呆れたような表情をしていた。ちなみにメルクリオがこの顔をするのはいつもの事なので、アルフレッドは気にしない。面倒見がいいよね、と思いながら簡易ミーティングに向かうべく立ち上がる。
「で、どうしたんだよ?」
「いや、花屋のおばちゃんに恋してるねって言われたから──。」
「おい、皆っ!緊急事態だ!天然ボケ野郎がついに初恋に落ちやがった!」
アルフレッドの言葉に急に叫び始めたメルクリオを横に、初恋じゃないんだけどなぁとどこかズレたことを考えていた。
アルフレッドは、今日も今日とて水上乗合魔車遅番の出勤であるため、13時半に出勤だ。ただお昼を食べがてら早めに着くように11時半には家を出るようにしていた。現在の時刻は、9時。これからシャワーを浴びて目を覚ましてから着がえても、十二分に時間がある。気分が良いし散歩しがてら出勤しようかな、なんて思う。
支度をして、家を出る。アルフレッドが住んでいるアパルトメントは、単身の男性向けのサービスが色々とあり、その中のうちの一つが洗濯代行サービスだ。有料ではあるが、アルフレッドは重用しており、今日も管理室のおばちゃんに汚れ物を入れた専用の洗濯物袋を渡してアパルトメントを出た。
(今日も良い天気だなぁ……。)
職場までは徒歩で行けるため、街中をゆっくり歩く。その職場である王都水上魔車省の水上乗合魔車庁は王都フィローメの市民街の東に位置している。東北側にアパルトメントがあるアルフレッドは、通勤しやすく街並みを楽しめるここが気に入っていた。
街中を歩く。明るくどこか愉快な騒々しさや様々な景色が目に映り込んでくるが、アルフレッドが考えるのは昨日のピーチ・フロイラインのことだった。
「アル坊、そのままじゃ落っこちちまうよ!」
「……っとと、危ない。アニェーゼさんおはよう!」
「おはようじゃないよ、全く……。」
アニェーゼさんこと花屋のおばちゃんに声を掛けられて、足元を見れば蒼碧川へ落ちる寸前。慌てて進行方向を修正して、花屋のおばちゃんに礼を言った。
「かかかっ、アル坊も春が来て足元まで浮ついてるのかい。」
「春が来る?今は初夏じゃないか、春は終わったよ。」
「なぁに言ってんだい、恋してるって言ったんだ。」
アル坊はボケボケしてて危なっかしいねぇ、なんて言われたがアルフレッドは耳に入ってなかった。
恋、恋かぁ。最後に恋したのは誰だっけ、家庭教師の何とかさんだったような、とぐるぐると余計なことを、しかし物凄い勢いで思考をめぐらせていた。その様子を見て頑張んな、とアルフレッドを気持ちのいい音がするくらい思い切り肩を叩くと、花屋のおばちゃんは店番に戻っていった。
どうやってお昼を食べてから職場に着いたのかは、覚えてない。ただ言えるのは、川に落ちなくてよかったということだけだ。
「──いおーい、アルさんよ。」
「……ん?どうしたの、リオ。」
「どうしたの、じゃねぇよ。始業5分前なんだから、そろそろ起きろ。」
声を掛けられて振り向けば、同僚のメルクリオが呆れたような表情をしていた。ちなみにメルクリオがこの顔をするのはいつもの事なので、アルフレッドは気にしない。面倒見がいいよね、と思いながら簡易ミーティングに向かうべく立ち上がる。
「で、どうしたんだよ?」
「いや、花屋のおばちゃんに恋してるねって言われたから──。」
「おい、皆っ!緊急事態だ!天然ボケ野郎がついに初恋に落ちやがった!」
アルフレッドの言葉に急に叫び始めたメルクリオを横に、初恋じゃないんだけどなぁとどこかズレたことを考えていた。
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