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ep.4
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雨の日の翌日。カラッと晴れて良い天気だなぁ、なんて思いながら今日ものほほんとアルフレッドは水上乗合魔車を運行していた。
アル坊お聞きなさい昨日蒼碧外3番通りの八百屋の店主がね、と捲し立てるように話し始める花屋のおばあちゃん。いつもの新聞を読みに乗車するおじいちゃん。実は我が商店ではこちらも扱っており……と怪しげな商談を始める2人の男。いつも通りの日常、だった。いや最後の2人組は日常としてはご遠慮願いたい。ただ、言いたいのはそんなことではない。
(あれ、ピーチ・フロイラインが降りない、ような?)
夕刻のアルフレッドの一旦上がりの17時間際になって、アルフレッドは桃色髪の彼女がまだ降りていないことに気付く。
基本的に水上乗合魔車は朝6時半から夜の22時まで運行していて、職場としては3部制になっている。アルフレッドは遅番であり、12時から17時までと19時から22時までが表で運行する。なお、入れ替えの時間にあたる12時と17時、19時などを人々は避ける傾向にあるので、その時間付近に乗っている人がいると目立つのだ。実際に、たまたまだが今日はいつものおじいちゃんと桃色髪の彼女、そのお伴の侍女の3人しか乗っていない。
いつもは16時頃には降りている彼女が居ることが気になったので、念のために停留所に止まった時に声をかけることにした。
「レディ、そろそろ交代の時間ですから、乗り換えの支度をされるとよろしいかと思います。」
「リリィにも言われましたわ、でもその……──」
「ははっ、要らぬ気遣いでしたね。では、──……出発しまあ~す。」
気遣いは不要だったらしく少し気恥しい。頬をポリポリと掻きながら、侍女はリリィさんって言うんだなぁ、なんて思いつつ出発して数分。あれ、桃色髪の彼女は何か言いかけて無かっただろうかと、遮ってしまっただろうかと少し冷や汗かいた。
いつものおじいちゃんが降りていくのを見送り、自分の時計を見ると17時ちょっと前。ならば、最後の客であるピーチ・フロイライン御一行をお送りする形で問題あるまい。実際に自分と交代する水上魔車を見かけたので、軽く手をひらひらと振って挨拶した。
「レディ、乗り換えますか?降りますか?」
「降りますわ、3番乗り場に。どうしたらいいかしら?」
「お送りしますよ、最後のお客様の特権です。」
いいのかしら、と困る彼女に大丈夫だとにっこりと笑んだ。こちらもあとは書類仕事だけなので送る分には規定上問題ないし、自分の帰宅時間が遅くなるだけだ。それにいつもより、桃色髪の彼女と会話できてるという方がアルフレッドにとっては重要だった。要するにちょっぴり浮ついていたのである。
「レディ、着きましたよ。お気を付けてお帰り下さいませ。」
「──っあの!昨日といい本日といいありがとうございます。」
「とんでもないことです。──またのご乗車を、お待ちしております。」
どこか恥ずかしげに、でもしっかりと此方を見て礼を言う桃色髪の彼女。アルフレッドがさらに浮ついたのは言うまでもない。
なぜなら、彼女の言葉はアルフレッドにとって、何よりも嬉しいご褒美でしかなかったのだから。
アル坊お聞きなさい昨日蒼碧外3番通りの八百屋の店主がね、と捲し立てるように話し始める花屋のおばあちゃん。いつもの新聞を読みに乗車するおじいちゃん。実は我が商店ではこちらも扱っており……と怪しげな商談を始める2人の男。いつも通りの日常、だった。いや最後の2人組は日常としてはご遠慮願いたい。ただ、言いたいのはそんなことではない。
(あれ、ピーチ・フロイラインが降りない、ような?)
夕刻のアルフレッドの一旦上がりの17時間際になって、アルフレッドは桃色髪の彼女がまだ降りていないことに気付く。
基本的に水上乗合魔車は朝6時半から夜の22時まで運行していて、職場としては3部制になっている。アルフレッドは遅番であり、12時から17時までと19時から22時までが表で運行する。なお、入れ替えの時間にあたる12時と17時、19時などを人々は避ける傾向にあるので、その時間付近に乗っている人がいると目立つのだ。実際に、たまたまだが今日はいつものおじいちゃんと桃色髪の彼女、そのお伴の侍女の3人しか乗っていない。
いつもは16時頃には降りている彼女が居ることが気になったので、念のために停留所に止まった時に声をかけることにした。
「レディ、そろそろ交代の時間ですから、乗り換えの支度をされるとよろしいかと思います。」
「リリィにも言われましたわ、でもその……──」
「ははっ、要らぬ気遣いでしたね。では、──……出発しまあ~す。」
気遣いは不要だったらしく少し気恥しい。頬をポリポリと掻きながら、侍女はリリィさんって言うんだなぁ、なんて思いつつ出発して数分。あれ、桃色髪の彼女は何か言いかけて無かっただろうかと、遮ってしまっただろうかと少し冷や汗かいた。
いつものおじいちゃんが降りていくのを見送り、自分の時計を見ると17時ちょっと前。ならば、最後の客であるピーチ・フロイライン御一行をお送りする形で問題あるまい。実際に自分と交代する水上魔車を見かけたので、軽く手をひらひらと振って挨拶した。
「レディ、乗り換えますか?降りますか?」
「降りますわ、3番乗り場に。どうしたらいいかしら?」
「お送りしますよ、最後のお客様の特権です。」
いいのかしら、と困る彼女に大丈夫だとにっこりと笑んだ。こちらもあとは書類仕事だけなので送る分には規定上問題ないし、自分の帰宅時間が遅くなるだけだ。それにいつもより、桃色髪の彼女と会話できてるという方がアルフレッドにとっては重要だった。要するにちょっぴり浮ついていたのである。
「レディ、着きましたよ。お気を付けてお帰り下さいませ。」
「──っあの!昨日といい本日といいありがとうございます。」
「とんでもないことです。──またのご乗車を、お待ちしております。」
どこか恥ずかしげに、でもしっかりと此方を見て礼を言う桃色髪の彼女。アルフレッドがさらに浮ついたのは言うまでもない。
なぜなら、彼女の言葉はアルフレッドにとって、何よりも嬉しいご褒美でしかなかったのだから。
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