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蓮野に降る雪⑥
無垢な令嬢は月の輝く夜に甘く乱される~駆け落ちから始まった結婚の結末は私にもわかりませんでした。
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サヨンは眼を見開いた。
「まさか。トンジュは大きな誤解をしていたようね。私は苦労知らずで育ったから、生活力はないけれど、これで結構頑丈にできているのよ。さっきもそう言ったでしょ。あなたが幾ら私を脅かそうと、私は思いどおりにはならないわよ」
〝残念だったわね〟と肩をそびやかしてやると、トンジュは先刻よりも更に高い声で笑った。
「判ったでしょう。私はあなたが思っていたような女ではないわ。この先、あなたが私に何を命令しようと、大人しく従うような従順で素直な娘ではないの。そんな女人が好みなら、さっさと私なんか放っぽり出して理想の女を見つけた方が賢明というものよ」
「あなたがこんなに面白い女(ひと)だとは」
トンジュはまだ笑いながら、呟いた。
「女人は見かけだけでは判断できませんね」
「でしょ? 失望したわよね?」
サヨンが勢い込んで言うと、トンジュは笑顔になった。
「まさか。その正反対ですよ。今のお嬢さまは、花の蕾だ。一体、何のどんな花が咲くのか判らない、そんな気がします。今はこんな面を見せたけれど、次の瞬間にはまた全く俺の知らなかった一面を見せてくれるような期待感を感じますね」
サヨンの愛らしい面がさっと翳った。
「じゃあ、あなたはまだ私を自由にしてくれるつもりはないのね」
それには応えず、トンジュは笑みを浮かべた
「お嬢さんはまだ男という生き物をよくご存じない。男にとっては暴れ馬を手なずけるのもまた一興なんですよ」
「―」
小首を傾げるサヨンをトンジュは満足げに見た。
「それに、一つ付け加えるとすれば、何も女を大人しく従わせる方法は一つだけではないんです。手負いの獣を服従させようと責め苦を与えれば、獣は大人しくなるどころか、余計に刃向かってくる。だが、裏腹に心地よさを与えてやれば、どうでしょうね。利口な狩人というものはけして獲物を必要以上に傷つけないものです。虐げるよりも優しくしてやれば、獲物だって本能的に従うようになっているのですよ」
「あなたの話は訳の判らないことばかりね。私には残念ながら、何の話なのか理解できないわ」
サヨンが首を振る。
トンジュは破顔した。
「今はそれで良いんです。お嬢さまには俺の期待を良い意味で裏切られましたが、その点は俺の見込みどおりだった」
サヨンはきついまなざしでトンジュを見た。
「ただ先刻の話の中で、一つだけ私にも理解できた部分があるわ。獲物というのは私のことなのね。そして、狩人というのは他でもないトンジュなのでしょう? そういう言い方は好きではないし、止めて欲しいの。私は動物ではないし、ましてや、あなたに仕留められた獲物なんかではないもの」
意外だったのは彼があっさりと退いたことだった。
「判りました。今の言い方が気に障ったのなら、謝ります。お嬢さまは、今はまだ判らなくて良いんです。そのうち、嫌でも判るようになりますから」
〝俺が教えてあげますよ〟と、トンジュはまたも意味不明の言葉を残し、再び歩き始めた。
更にいかほど歩いただろうか。
サヨンの体力も気力も既に極限状態を大きく超えていた。
すぐ手前を歩くトンジュが急に立ち止まったため、サヨンは危うく大きな背中にぶつかるところだった。抗議しようとしたその時、トンジュが振り返った。
「ここです」
トンジュの指した方向を何気なしに眺め、サヨンは思わず声を上げそうになった。
「これは―」
眼前にひろがるのは見渡す限りの氷の花だった。いや、正確にいえば何かの植物が枯れた跡に雪が降り積もり、それがあたかも氷の花が咲いているように見えるのだ。
「これは何なの?」
サヨンは今し方の確執も忘れ、つい訊ねずにはいられなかった。
それほどまでに見事というか圧巻としか形容のできない風景が今、この瞬間、サヨンの前にひろがっている。
「氷(ヒ)華(ファ)です」
「氷華?」
聞き慣れないというより、初めて聞く名前である。鸚鵡返しに繰り返すと、トンジュはうっすらと笑みを浮かべた。
「お嬢さまには初めて聞く言葉でしょうね。俺の生まれ育った地方に古くから伝わる言葉とでもいえば良いのかな。文字どおり、氷の花ですよ」
「氷の―花」
確かにその喩えがふさわしい眺めだ。一つ一つの枯れ跡が雪をうっすらと戴いた様は、こんもり盛り上がり、あたかも花が咲いているように見える。そんな氷の花が無限にひろがっているのは現(うつつ)とは思えない。まさに夢幻の世界そのものだ。
「見たところ、何かの花が咲いた跡のようなね。何の花なのかしら」
訊くとはなしに訊いただけなのに、トンジュからはすぐに応(いら)えがあった。
「蓮の花ですよ」
「蓮の花」
「そう、蓮が咲いた後の枯れ野に雪が降り積もって、このような素晴らしい氷の花畑が出現するのです」
どこか自慢げな口調で言い、トンジュはサヨンを見た。
「この風景をあなたに見せたかった」
「綺麗だわ」
サヨンはつい感嘆の声を洩らしていた。
いや、この群れ咲く氷の花を見ていると、思わずにはいられない。自分たち人間は、どれほど小さな存在なのだろう、と。
人間は考え、物を作り、様々な工夫を凝らし文明を作り上げてきたが、実のところ、大自然の前では、ただの無力な存在でしかない。
苦労して築き上げた文化も日々の営みですら、天の起こす自然の災害の前では一瞬にしてかき消され、飲み込まれてしまう。
人間の手にかかれば、眼を瞠る繊細な細工の工芸品ができあがるけれど、自然が作り上げるこの氷の花の前では、その美しさも色褪せてしまうに違いない。
幼い頃、父はサヨンをよく膝の上に乗せて言い聞かせたものだ。
―人間は誰でも何かをなすためにこの世に生まれてくるものなんだよ。この世に生を受けたからには、必ず、その者に課せられた役割がある。人生は、まず最初に、その使命を見つけることから始めなければならないんだ。
当時、サヨンはまだ幼すぎて、父の台詞の半分も理解はできなかった。成長してからも色々と考えてみたが、結局、明確な応えを見つけられないままだった。
親の言うなりに決められた相手に嫁ぎ、嫁しては良人の言いつけに従うしかない―、それが当時の女の一般的な生き方だった。まだしも庶民の方がそういう意味では自由があったといえるかもしれない。
夫婦が隣近所に響き渡るほどの大音声で喧嘩した挙げ句、妻が良人に鍋釜を投げつけるなどという光景も、その日暮らしの庶民ならではの光景だった。
身分が高くなればなるほど、結婚は家同士の結びつきと見なされ、家門の高さが重要視された。貴族である両班階級ともなれば、当人同士の意思などは最初から無視され、互いの権益やその結婚の及ぼす政略的効果が重要視される時代だったのだ。
一体、何のために自分はこの世に生まれてきたのか。
それは、常にサヨンの奥底にわだかまり続けた疑問であった。十九年生きてきて、自分はまだその応えを見つけられていない。
「何を考えているのですか?」
静かな刻はトンジュの突然の言葉によって終わった。
「氷華を見ていると、お父さまの言葉を思い出すわ」
「旦那さまの?」
「ええ」
サヨンは頷きながら、改めて父が一家僕にしては不自然なほどトンジュという男に興味を持っていたことを思い出していた。
大体、コ・ヨンセという男は商団を共に動かす団員たちだけではなく、屋敷の下働きの一人一人に至るまでに眼を配れる人物であった。自邸で働く奉公人を監督するのは夫人の役目であるが、妻を早くに失ったヨンセはそれを執事や女中頭任せにしなかった。
自らが屋敷内の人事にまで細かく気を配り、主人の世話を担当する上仕えだけでなく、対面することのない下仕えの者たちにも親しく声をかけ、その仕事ぶりを見ていたのだ。
その父はどういうわけか、下男の一人に過ぎないトンジュを気にかけていたのだ。
―あの男が奴婢の身分だというのが惜しまれてならないな。あれほどの人物はそうそうお目にはかかれないぞ。働き者であるのは言うに及ばず、頭の回転も良いし、何より物事の先を見通す先見の明というものを生まれながらに備えている。ソン・トンジュが賤民でなければ、お前の婿に迎えて、この商団の大行首の地位を譲りたいくらいだ。
「まさか。トンジュは大きな誤解をしていたようね。私は苦労知らずで育ったから、生活力はないけれど、これで結構頑丈にできているのよ。さっきもそう言ったでしょ。あなたが幾ら私を脅かそうと、私は思いどおりにはならないわよ」
〝残念だったわね〟と肩をそびやかしてやると、トンジュは先刻よりも更に高い声で笑った。
「判ったでしょう。私はあなたが思っていたような女ではないわ。この先、あなたが私に何を命令しようと、大人しく従うような従順で素直な娘ではないの。そんな女人が好みなら、さっさと私なんか放っぽり出して理想の女を見つけた方が賢明というものよ」
「あなたがこんなに面白い女(ひと)だとは」
トンジュはまだ笑いながら、呟いた。
「女人は見かけだけでは判断できませんね」
「でしょ? 失望したわよね?」
サヨンが勢い込んで言うと、トンジュは笑顔になった。
「まさか。その正反対ですよ。今のお嬢さまは、花の蕾だ。一体、何のどんな花が咲くのか判らない、そんな気がします。今はこんな面を見せたけれど、次の瞬間にはまた全く俺の知らなかった一面を見せてくれるような期待感を感じますね」
サヨンの愛らしい面がさっと翳った。
「じゃあ、あなたはまだ私を自由にしてくれるつもりはないのね」
それには応えず、トンジュは笑みを浮かべた
「お嬢さんはまだ男という生き物をよくご存じない。男にとっては暴れ馬を手なずけるのもまた一興なんですよ」
「―」
小首を傾げるサヨンをトンジュは満足げに見た。
「それに、一つ付け加えるとすれば、何も女を大人しく従わせる方法は一つだけではないんです。手負いの獣を服従させようと責め苦を与えれば、獣は大人しくなるどころか、余計に刃向かってくる。だが、裏腹に心地よさを与えてやれば、どうでしょうね。利口な狩人というものはけして獲物を必要以上に傷つけないものです。虐げるよりも優しくしてやれば、獲物だって本能的に従うようになっているのですよ」
「あなたの話は訳の判らないことばかりね。私には残念ながら、何の話なのか理解できないわ」
サヨンが首を振る。
トンジュは破顔した。
「今はそれで良いんです。お嬢さまには俺の期待を良い意味で裏切られましたが、その点は俺の見込みどおりだった」
サヨンはきついまなざしでトンジュを見た。
「ただ先刻の話の中で、一つだけ私にも理解できた部分があるわ。獲物というのは私のことなのね。そして、狩人というのは他でもないトンジュなのでしょう? そういう言い方は好きではないし、止めて欲しいの。私は動物ではないし、ましてや、あなたに仕留められた獲物なんかではないもの」
意外だったのは彼があっさりと退いたことだった。
「判りました。今の言い方が気に障ったのなら、謝ります。お嬢さまは、今はまだ判らなくて良いんです。そのうち、嫌でも判るようになりますから」
〝俺が教えてあげますよ〟と、トンジュはまたも意味不明の言葉を残し、再び歩き始めた。
更にいかほど歩いただろうか。
サヨンの体力も気力も既に極限状態を大きく超えていた。
すぐ手前を歩くトンジュが急に立ち止まったため、サヨンは危うく大きな背中にぶつかるところだった。抗議しようとしたその時、トンジュが振り返った。
「ここです」
トンジュの指した方向を何気なしに眺め、サヨンは思わず声を上げそうになった。
「これは―」
眼前にひろがるのは見渡す限りの氷の花だった。いや、正確にいえば何かの植物が枯れた跡に雪が降り積もり、それがあたかも氷の花が咲いているように見えるのだ。
「これは何なの?」
サヨンは今し方の確執も忘れ、つい訊ねずにはいられなかった。
それほどまでに見事というか圧巻としか形容のできない風景が今、この瞬間、サヨンの前にひろがっている。
「氷(ヒ)華(ファ)です」
「氷華?」
聞き慣れないというより、初めて聞く名前である。鸚鵡返しに繰り返すと、トンジュはうっすらと笑みを浮かべた。
「お嬢さまには初めて聞く言葉でしょうね。俺の生まれ育った地方に古くから伝わる言葉とでもいえば良いのかな。文字どおり、氷の花ですよ」
「氷の―花」
確かにその喩えがふさわしい眺めだ。一つ一つの枯れ跡が雪をうっすらと戴いた様は、こんもり盛り上がり、あたかも花が咲いているように見える。そんな氷の花が無限にひろがっているのは現(うつつ)とは思えない。まさに夢幻の世界そのものだ。
「見たところ、何かの花が咲いた跡のようなね。何の花なのかしら」
訊くとはなしに訊いただけなのに、トンジュからはすぐに応(いら)えがあった。
「蓮の花ですよ」
「蓮の花」
「そう、蓮が咲いた後の枯れ野に雪が降り積もって、このような素晴らしい氷の花畑が出現するのです」
どこか自慢げな口調で言い、トンジュはサヨンを見た。
「この風景をあなたに見せたかった」
「綺麗だわ」
サヨンはつい感嘆の声を洩らしていた。
いや、この群れ咲く氷の花を見ていると、思わずにはいられない。自分たち人間は、どれほど小さな存在なのだろう、と。
人間は考え、物を作り、様々な工夫を凝らし文明を作り上げてきたが、実のところ、大自然の前では、ただの無力な存在でしかない。
苦労して築き上げた文化も日々の営みですら、天の起こす自然の災害の前では一瞬にしてかき消され、飲み込まれてしまう。
人間の手にかかれば、眼を瞠る繊細な細工の工芸品ができあがるけれど、自然が作り上げるこの氷の花の前では、その美しさも色褪せてしまうに違いない。
幼い頃、父はサヨンをよく膝の上に乗せて言い聞かせたものだ。
―人間は誰でも何かをなすためにこの世に生まれてくるものなんだよ。この世に生を受けたからには、必ず、その者に課せられた役割がある。人生は、まず最初に、その使命を見つけることから始めなければならないんだ。
当時、サヨンはまだ幼すぎて、父の台詞の半分も理解はできなかった。成長してからも色々と考えてみたが、結局、明確な応えを見つけられないままだった。
親の言うなりに決められた相手に嫁ぎ、嫁しては良人の言いつけに従うしかない―、それが当時の女の一般的な生き方だった。まだしも庶民の方がそういう意味では自由があったといえるかもしれない。
夫婦が隣近所に響き渡るほどの大音声で喧嘩した挙げ句、妻が良人に鍋釜を投げつけるなどという光景も、その日暮らしの庶民ならではの光景だった。
身分が高くなればなるほど、結婚は家同士の結びつきと見なされ、家門の高さが重要視された。貴族である両班階級ともなれば、当人同士の意思などは最初から無視され、互いの権益やその結婚の及ぼす政略的効果が重要視される時代だったのだ。
一体、何のために自分はこの世に生まれてきたのか。
それは、常にサヨンの奥底にわだかまり続けた疑問であった。十九年生きてきて、自分はまだその応えを見つけられていない。
「何を考えているのですか?」
静かな刻はトンジュの突然の言葉によって終わった。
「氷華を見ていると、お父さまの言葉を思い出すわ」
「旦那さまの?」
「ええ」
サヨンは頷きながら、改めて父が一家僕にしては不自然なほどトンジュという男に興味を持っていたことを思い出していた。
大体、コ・ヨンセという男は商団を共に動かす団員たちだけではなく、屋敷の下働きの一人一人に至るまでに眼を配れる人物であった。自邸で働く奉公人を監督するのは夫人の役目であるが、妻を早くに失ったヨンセはそれを執事や女中頭任せにしなかった。
自らが屋敷内の人事にまで細かく気を配り、主人の世話を担当する上仕えだけでなく、対面することのない下仕えの者たちにも親しく声をかけ、その仕事ぶりを見ていたのだ。
その父はどういうわけか、下男の一人に過ぎないトンジュを気にかけていたのだ。
―あの男が奴婢の身分だというのが惜しまれてならないな。あれほどの人物はそうそうお目にはかかれないぞ。働き者であるのは言うに及ばず、頭の回転も良いし、何より物事の先を見通す先見の明というものを生まれながらに備えている。ソン・トンジュが賤民でなければ、お前の婿に迎えて、この商団の大行首の地位を譲りたいくらいだ。
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