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蓮野に降る雪⑧
無垢な令嬢は月の輝く夜に甘く乱される~駆け落ちから始まった結婚の結末は私にもわかりませんでした。
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「仕方ない。お嬢さまは嫌でしょうが、ここからは俺が背負って行きます」
いきなりしゃがみ込み背中を差し出され、サヨンは当惑した。トンジュに背負われるだなんて、絶対に嫌だ。
なおも躊躇し続けていると、厳しい声が飛んできた。
「今、俺がここにあなたを置き去りにしたら、どうなると思ってるんです? この山には獰猛な猪がいるんですよ。それだけじゃない、猪の他にも狼だっている。明日の朝には獣にさんざん食い尽くされて骸になったあなたが転がってるでしょうね」
「―!」
サヨンは慌ててトンジュの背に近づいた。このままここにいたら、トンジュの恐ろしい話が現実になってしまいそうで、途方もなく怖かった。
「さあ、骸になるのが嫌なら、素直に言うことをきいて下さい」
そのひと言で覚悟を決め、サヨンは男の背に負われた。どんな卑劣な男であろうと、人食い狼や鋭い牙を持つ猪よりはマシだ。
サヨンを背に負ったトンジュは、難なく山道を登ってゆく。人ひとりを背負っているとは信じられないほどの身軽さである。
―こんな男の助けなど当てにするのではなかった。
刻が経つにつれて、サヨンの中で渦巻く後悔は大きく膨れ上がってゆく。あまりの怖ろしさと不安に、サヨンの精神状態はギリギリまで追い詰められていた。
大声を上げて泣くことすらできず、サヨンは込み上げきた涙を懸命に堪えた。しかし、どうしても堪えきれなかった涙がひと粒こぼれ落ちる。
その温かな滴はトンジュのうなじの辺りに落ちた。
「―泣いているのですか?」
しばらくして、静かな声で問うてきた。
「泣いてなんかないわ」
それでもサヨンが気丈に応えると、トンジュの低い笑い声が聞こえた。
「相変わらずですね。敵に弱音は吐かず、ですか?」
「それよりも、今の話は本当なの?」
どうしても気になって仕方なかったことについて質問をぶつけてみた。
「今の話?」
見せかけではなく、本当にトンジュは何の話が見当がつかなかったようである。
「狼と猪のことよ。本当に人を食らうの?」
「ああ、あれね」
トンジュは頷き、しばらく無言だった。
「ねえ、教えて。本当に夜な夜な狼が出るの?」
ややあって、トンジュがプッと吹き出した。
「まさか、猪くらいはいるでしょうが、この山に狼はいませんよ。少なくとも、俺はここで生まれ育ちましたが、狼を見たことはいまだかつて一度もありませんね。まあ、この山に棲むのはせいぜいが兎や狐、鹿くらいのものです」
「トンジュ、あなたは私を騙したの?」
サヨンの声が大きくなった。
「そうでも言わなければ、お嬢さまは俺におぶわれようとはしなかったでしょう?」
トンジュは事もなげに言う。
サヨンは、うっと詰まってしまった。確かに、それについては言い訳のしようもない。
「本当に面白い女ですね、あなたは。それに、可愛い」
トンジュが子どもをあやすようにサヨンを揺すり上げた。
「言ったじゃないですか。女を大人しくさせるには、色々と方法があるんです」
サヨンは頬を膨らませた。
「今のは女というよりは、子どもを扱うやり方ではないの? 私は子どもではないのよ」
トンジュが笑った。
「もし、お嬢さまが本当に幼い子どもだったらね。俺もどんなにか良かったと思います。あなたがほんの子どもなら、俺はあなたを攫おうだなんて大それたことを思いつきはしなかった」
「トンジュ、今からでも遅くはないわ。お願い、私を都に、お父さまの許に返して」
懇願するように言っても、トンジュはまともに取り合おうとしない。
「何度も同じ台詞を言わせないでくれませんか。俺はあなたをもう誰にも渡すつもりはない、サヨンさま」
〝サヨンさま〟と、トンジュはわざと彼女の名前をゆっくりと引き延ばすように発音した。
何故なのか、この男に名を呼ばれると、サヨンの奥深くに眠る何かが烈しくざわめくようであった。
「もうちょっと愉しい話をするとしましょうか」
ふいにトンジュの声の調子がガラリと変わった。やや抑え気味だったのが少し明るくなる。
「先刻、見た氷華は、いかがでした?」
「綺麗だったわ。そんな単調な言い方で片付けてしまうのは勿体ないくらい。何て言ったら良いのか、夢の中の光景のように美しかった」
そこで、ほんの悪戯心が起きた。
「あなたとここまで一緒に来て、良かったといえば、あの素晴らしい眺めを見せて貰ったことくらいだわね」
「お嬢さまもなかなかきついことをさらりと言いますね。これもまた新たに発見した意外な一面だ」
トンジュもまた負けずに応酬する。
「私たち、お互いについて短い間に色々な発見があったわ」
口にしてから、サヨンは後悔する羽目になった。うっかり〝私たち〟などと言ってしまったけれど、二人だけで逃避行を続けている真っ最中に使うには、あまりに親密すぎる気がした。
「ただの働き者の下男から少しは印象が変わりましたか?」
案の定、トンジュがまたその話を持ち出したので、サヨンは沈黙という形で我が身を守った。
トンジュもまた、折角明るくなりかけた雰囲気を壊したくはなかったようだ。今し方の話題など存在しなかったかのように話を元に戻した。
「あそこの氷華には、ちゃんと名前があるんですよ」
「名前? 地名のようなものなの」
「ええ、〝天上苑〟っていう名前が昔から伝わっているんです」
「トンジュはあそこが蓮の枯れ跡だと言っていたわよね」
「今は池全体が凍っているから、よく判りにくいかもしれませんが、あれは大きな一つの池なんです。夏には薄紅色の大輪の花が無数に池を埋め尽くして、それはもう壮大な眺めですよ」
「まあ、本当なの? それは是非、見てみたいわ」
またしても、サヨンは口を押さえる。この男の前で、自分たちの関係がこれからも続いてゆくだろうと期待を抱かせるような発言は極力避けるべきなのに。
「見られますよ。夏になったら、ここに来ましょう」
夏までこの男といるつもりなんて、毛頭ない。声を大にして叫びたかったが、今は我慢しなければ。
狼はどうやら出ないらしいけれど、猪だって人間を襲う生き物なのだ。
サヨンが黙り込んだので、トンジュはまたサヨンをあやすように揺する。
「天上苑って、興味深い名前だと思いませんか?」
この男なりに何とか雰囲気を良くしようと努力しているのが伝わってくる。このまま頑なに口をつぐんでいるのも大人げない気がして、サヨンは相槌を打った。
「そうよね。何か謂われがあるのかしら」
サヨンの反応に元気づけられたように、トンジュが勢い込んだ。
「今から百年ほど昔のことですが、この付近に、さる両班が棲んでいたそうです」
その両班はかつては朝廷で高官を務めたこともあるほどの人物だったが、あまりに国王の信頼が厚かったがゆえに、他の臣下の妬みを買い讒言によって陥れられた。
讒言であるのは判っていたため、お咎めはなかったものの、その男はそれ以上宮中にはいられず、都から離れたこの地方にやって来て、わび住まいを始めた。
その両班には美しい一人娘がいた。年頃の娘には毎日、門の前に求婚者が行列をなすほどであった。
ある日、二人の青年が娘に求愛したことが悲劇の始まりとなった。青年たちは互いに幼なじみの親友であり、実の兄弟同然に仲良かった。その二人の男が同じ娘を好きになったのだ。
そして、娘も凛々しく理知的なこの二人の男たちを好もしく思った。娘は二人のうちのいずれかを選ぶ羽目になったが、結局、最後まで選べなかった。
娘はひたすら恐れたのだ。もし自分がどちらか一方を生涯の伴侶として選べば、選ばれなかった方は当然哀しむだろうし、二人の親友の仲がどう悪化するか判らない。
娘は人知れず近くの山に分け入り、自害して果てたといわれる。
その後、娘の父である両班は娘の供養のために大がかりな工事を行い、池を作らせた。到底人の手になるものとは思えない巨大な池に無数の蓮花を植えさせたのだ。
いきなりしゃがみ込み背中を差し出され、サヨンは当惑した。トンジュに背負われるだなんて、絶対に嫌だ。
なおも躊躇し続けていると、厳しい声が飛んできた。
「今、俺がここにあなたを置き去りにしたら、どうなると思ってるんです? この山には獰猛な猪がいるんですよ。それだけじゃない、猪の他にも狼だっている。明日の朝には獣にさんざん食い尽くされて骸になったあなたが転がってるでしょうね」
「―!」
サヨンは慌ててトンジュの背に近づいた。このままここにいたら、トンジュの恐ろしい話が現実になってしまいそうで、途方もなく怖かった。
「さあ、骸になるのが嫌なら、素直に言うことをきいて下さい」
そのひと言で覚悟を決め、サヨンは男の背に負われた。どんな卑劣な男であろうと、人食い狼や鋭い牙を持つ猪よりはマシだ。
サヨンを背に負ったトンジュは、難なく山道を登ってゆく。人ひとりを背負っているとは信じられないほどの身軽さである。
―こんな男の助けなど当てにするのではなかった。
刻が経つにつれて、サヨンの中で渦巻く後悔は大きく膨れ上がってゆく。あまりの怖ろしさと不安に、サヨンの精神状態はギリギリまで追い詰められていた。
大声を上げて泣くことすらできず、サヨンは込み上げきた涙を懸命に堪えた。しかし、どうしても堪えきれなかった涙がひと粒こぼれ落ちる。
その温かな滴はトンジュのうなじの辺りに落ちた。
「―泣いているのですか?」
しばらくして、静かな声で問うてきた。
「泣いてなんかないわ」
それでもサヨンが気丈に応えると、トンジュの低い笑い声が聞こえた。
「相変わらずですね。敵に弱音は吐かず、ですか?」
「それよりも、今の話は本当なの?」
どうしても気になって仕方なかったことについて質問をぶつけてみた。
「今の話?」
見せかけではなく、本当にトンジュは何の話が見当がつかなかったようである。
「狼と猪のことよ。本当に人を食らうの?」
「ああ、あれね」
トンジュは頷き、しばらく無言だった。
「ねえ、教えて。本当に夜な夜な狼が出るの?」
ややあって、トンジュがプッと吹き出した。
「まさか、猪くらいはいるでしょうが、この山に狼はいませんよ。少なくとも、俺はここで生まれ育ちましたが、狼を見たことはいまだかつて一度もありませんね。まあ、この山に棲むのはせいぜいが兎や狐、鹿くらいのものです」
「トンジュ、あなたは私を騙したの?」
サヨンの声が大きくなった。
「そうでも言わなければ、お嬢さまは俺におぶわれようとはしなかったでしょう?」
トンジュは事もなげに言う。
サヨンは、うっと詰まってしまった。確かに、それについては言い訳のしようもない。
「本当に面白い女ですね、あなたは。それに、可愛い」
トンジュが子どもをあやすようにサヨンを揺すり上げた。
「言ったじゃないですか。女を大人しくさせるには、色々と方法があるんです」
サヨンは頬を膨らませた。
「今のは女というよりは、子どもを扱うやり方ではないの? 私は子どもではないのよ」
トンジュが笑った。
「もし、お嬢さまが本当に幼い子どもだったらね。俺もどんなにか良かったと思います。あなたがほんの子どもなら、俺はあなたを攫おうだなんて大それたことを思いつきはしなかった」
「トンジュ、今からでも遅くはないわ。お願い、私を都に、お父さまの許に返して」
懇願するように言っても、トンジュはまともに取り合おうとしない。
「何度も同じ台詞を言わせないでくれませんか。俺はあなたをもう誰にも渡すつもりはない、サヨンさま」
〝サヨンさま〟と、トンジュはわざと彼女の名前をゆっくりと引き延ばすように発音した。
何故なのか、この男に名を呼ばれると、サヨンの奥深くに眠る何かが烈しくざわめくようであった。
「もうちょっと愉しい話をするとしましょうか」
ふいにトンジュの声の調子がガラリと変わった。やや抑え気味だったのが少し明るくなる。
「先刻、見た氷華は、いかがでした?」
「綺麗だったわ。そんな単調な言い方で片付けてしまうのは勿体ないくらい。何て言ったら良いのか、夢の中の光景のように美しかった」
そこで、ほんの悪戯心が起きた。
「あなたとここまで一緒に来て、良かったといえば、あの素晴らしい眺めを見せて貰ったことくらいだわね」
「お嬢さまもなかなかきついことをさらりと言いますね。これもまた新たに発見した意外な一面だ」
トンジュもまた負けずに応酬する。
「私たち、お互いについて短い間に色々な発見があったわ」
口にしてから、サヨンは後悔する羽目になった。うっかり〝私たち〟などと言ってしまったけれど、二人だけで逃避行を続けている真っ最中に使うには、あまりに親密すぎる気がした。
「ただの働き者の下男から少しは印象が変わりましたか?」
案の定、トンジュがまたその話を持ち出したので、サヨンは沈黙という形で我が身を守った。
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「名前? 地名のようなものなの」
「ええ、〝天上苑〟っていう名前が昔から伝わっているんです」
「トンジュはあそこが蓮の枯れ跡だと言っていたわよね」
「今は池全体が凍っているから、よく判りにくいかもしれませんが、あれは大きな一つの池なんです。夏には薄紅色の大輪の花が無数に池を埋め尽くして、それはもう壮大な眺めですよ」
「まあ、本当なの? それは是非、見てみたいわ」
またしても、サヨンは口を押さえる。この男の前で、自分たちの関係がこれからも続いてゆくだろうと期待を抱かせるような発言は極力避けるべきなのに。
「見られますよ。夏になったら、ここに来ましょう」
夏までこの男といるつもりなんて、毛頭ない。声を大にして叫びたかったが、今は我慢しなければ。
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サヨンが黙り込んだので、トンジュはまたサヨンをあやすように揺する。
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「今から百年ほど昔のことですが、この付近に、さる両班が棲んでいたそうです」
その両班はかつては朝廷で高官を務めたこともあるほどの人物だったが、あまりに国王の信頼が厚かったがゆえに、他の臣下の妬みを買い讒言によって陥れられた。
讒言であるのは判っていたため、お咎めはなかったものの、その男はそれ以上宮中にはいられず、都から離れたこの地方にやって来て、わび住まいを始めた。
その両班には美しい一人娘がいた。年頃の娘には毎日、門の前に求婚者が行列をなすほどであった。
ある日、二人の青年が娘に求愛したことが悲劇の始まりとなった。青年たちは互いに幼なじみの親友であり、実の兄弟同然に仲良かった。その二人の男が同じ娘を好きになったのだ。
そして、娘も凛々しく理知的なこの二人の男たちを好もしく思った。娘は二人のうちのいずれかを選ぶ羽目になったが、結局、最後まで選べなかった。
娘はひたすら恐れたのだ。もし自分がどちらか一方を生涯の伴侶として選べば、選ばれなかった方は当然哀しむだろうし、二人の親友の仲がどう悪化するか判らない。
娘は人知れず近くの山に分け入り、自害して果てたといわれる。
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