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2、兄
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コンコン
扉を叩く音がし、私は飛び起きた。
母だったら勉強をしろと怒られてしまう。
だから、私はすぐに机に向かった。
「お茶をお持ちしました。」
使用人の声が聞こえ、胸を撫で下ろす。
扉へ近づき開けた。
「ありがと」
私はお茶を受け取ると、机へ戻った。
「失礼致しました。」
使用人がそう言って出ていった。
部屋がまた静まりかえる。
私はいつもこうして一人静かに部屋にいる。
しなければいけないことはする。
義務・責務は果たす。
だが、それ以上はしない。
私は“面倒くさいこと”が嫌いなのだ。
(勉強…)
私は明日の学校の予習を始めた。
※
外で車の音がした。
私はペンを止め外へ飛び出る。
階段を滑るようにおり、玄関へ向かった。
ガチャっと扉が開き、一人の男が入ってきた。
茶色がかった髪、白い肌、高い鼻。
とてもカッコイイが、鋭い目により怖さの方が優る。
その鋭い目が私を見つけると細くなり、口角が上がる。
「百兄!!」
私は男に飛びついた。
そうこの人は私の兄、百(ハク)だ。
「ただいま、葱」
そう言って百兄は微笑む。
優しい手つきで私の髪を撫でてくれる。
私は百兄が大好きだ。
「荷物持つよ。」
私はそう言って、百兄の荷物をとる。
「今日はお見合いだったんでしょ。
いい人だった?」
私は百兄の顔をのぞき込む。
大学生になって百兄のお見合いの数は増えた。
「んー。なんかこの顔にビビられて、逃げられた」
百兄はそう言って苦笑いをする。
百兄は確かに目つきは鋭く、とても怖く見えるが本当はとても優しい人だ。
けれどそれは私だけが知っている秘密のようで、誰にも教えたくない。
独占欲というやつだろうか。
まぁ、私がブラコンなのは自覚している。
「百兄は、ずっと私のものだね。」
私がそう言うと、百兄苦笑いをする。
兄妹だから恋愛が出来ないのは知っている。
それに、私の好きは恋愛感情じゃない……はずだ。
「葱さん!!」
大きな声に体が跳ねる。
母が後ろから怒りながら歩いてくる。
「百に迷惑をかけないでください。
百はこれからが大事なの。」
そう言って私の持っていた荷物をひったくり、百兄を引っ張って連れていく。
「まったく。
百も迷惑よね。」
ブツブツ言いながら去っていく。
「申し訳ありません。」
私は母の姿が見えなくなるまで頭を下げていた。
扉を叩く音がし、私は飛び起きた。
母だったら勉強をしろと怒られてしまう。
だから、私はすぐに机に向かった。
「お茶をお持ちしました。」
使用人の声が聞こえ、胸を撫で下ろす。
扉へ近づき開けた。
「ありがと」
私はお茶を受け取ると、机へ戻った。
「失礼致しました。」
使用人がそう言って出ていった。
部屋がまた静まりかえる。
私はいつもこうして一人静かに部屋にいる。
しなければいけないことはする。
義務・責務は果たす。
だが、それ以上はしない。
私は“面倒くさいこと”が嫌いなのだ。
(勉強…)
私は明日の学校の予習を始めた。
※
外で車の音がした。
私はペンを止め外へ飛び出る。
階段を滑るようにおり、玄関へ向かった。
ガチャっと扉が開き、一人の男が入ってきた。
茶色がかった髪、白い肌、高い鼻。
とてもカッコイイが、鋭い目により怖さの方が優る。
その鋭い目が私を見つけると細くなり、口角が上がる。
「百兄!!」
私は男に飛びついた。
そうこの人は私の兄、百(ハク)だ。
「ただいま、葱」
そう言って百兄は微笑む。
優しい手つきで私の髪を撫でてくれる。
私は百兄が大好きだ。
「荷物持つよ。」
私はそう言って、百兄の荷物をとる。
「今日はお見合いだったんでしょ。
いい人だった?」
私は百兄の顔をのぞき込む。
大学生になって百兄のお見合いの数は増えた。
「んー。なんかこの顔にビビられて、逃げられた」
百兄はそう言って苦笑いをする。
百兄は確かに目つきは鋭く、とても怖く見えるが本当はとても優しい人だ。
けれどそれは私だけが知っている秘密のようで、誰にも教えたくない。
独占欲というやつだろうか。
まぁ、私がブラコンなのは自覚している。
「百兄は、ずっと私のものだね。」
私がそう言うと、百兄苦笑いをする。
兄妹だから恋愛が出来ないのは知っている。
それに、私の好きは恋愛感情じゃない……はずだ。
「葱さん!!」
大きな声に体が跳ねる。
母が後ろから怒りながら歩いてくる。
「百に迷惑をかけないでください。
百はこれからが大事なの。」
そう言って私の持っていた荷物をひったくり、百兄を引っ張って連れていく。
「まったく。
百も迷惑よね。」
ブツブツ言いながら去っていく。
「申し訳ありません。」
私は母の姿が見えなくなるまで頭を下げていた。
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