あお

あまえ うる

文字の大きさ
2 / 3

1、前置き

しおりを挟む
「ただいま帰りました。」
「お帰りなさいませ、お嬢様。」

私が大きな扉を開けると、数人の使用人が私を出迎える。
少し鬱陶しいのだが、10年も続くと慣れてきた。
慣れというのは怖いものだ。
いずれ人の死さえも慣れてしまいそうで。

「葱さん!
 どこへ行っていたの!?」

母が勢いよく階段を駆け下りてきた。
私を“葱さん”と他人行儀に呼ぶ。

「申し訳ありません。
 勉強の気分転換に外へ出ていました。」
「そう、」
「今すぐ部屋へ戻ります。」

私は何か言いたげな母を尻目に階段を上がった。
私は母があまり好きではない。

玄関に入って目の前にある階段を上がり、左へ進み突き当たったところの扉を開けると私の部屋だ。
私の部屋はきっとその辺の家の部屋より広いだろう。
が、この家ではいちばん狭い部屋だ。
左奥にベッドがあり、右に勉強机がある。

「ふぅー」
私はベッドに飛び込んだ。
体か跳ね上がり、ベッドに沈んでいく。

そうだ自己紹介がまだだった。
私は、星伽 葱。
誰もが1度は聞いたことのある星伽家の娘だ。
星伽家とは、まぁ成金というやつだ。
祖父の代でたまたま商業が上手くいき、たまたま日本一の金持ちになっただけの家だ。
家族構成は祖父の兼好 祖母の君子 母の直子 父の兼吉
そして、兄の百に私だ。
祖父は星伽グループの会長で、父は社長をしている。
祖母は婦人会の会長をしていて、それに付き添う形で母も婦人会に入った。
兄は〇大生で、来年父の会社に入る予定だ。
兄、父ともに我が家族ながら整った顔立ちをしていて、それなりにモテる。

私の葱という名前は兄が新撰組が好きで、浅葱色の葱から取った。
それなりに気に入っている。
私は今、16歳で高校一年生だ。
私の希望で、私は兄も通っていた少し賢い高校へ通っている。
成績もいつもトップ。
家族の期待に応えないといけない。

まあそんな所で私は育った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

6回目のさようなら

音爽(ネソウ)
恋愛
恋人ごっこのその先は……

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

処理中です...