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人間×小人
準備完了(優榴side)
しおりを挟むなぎさはどうしてまだ精通がきていないのか。
連続で空イキするのも可愛かったし今後なぎさの精子が誰かに注がれるなんてことはないのだからそのままでも良かった。
しかし、身体が未熟なせいで人間になった時に後遺症が残ってしまったら大変だ。
最近は薬の開発のため被験者の小人に会うことがしばしばあった。
今日は既に人間となった男の小人の定期診察だったのでついでに小人の精通について聞いてみることにした。
「精通?確か20歳頃にきたよ。」
「随分と遅いんですね。
小人はみんなそのくらいにくるんですか?」
「あぁ、小人って昔からずっと絶滅危惧種だろう?
それで昔、子孫を一人でも多く残そうと男達が幼い子供達を強姦するようになったんだ。
その悪習から身を守ろうとした進化の過程で第二次性徴期が遅くなったんだよ」
「そうだったんですね」
なぎさは17歳。
ということは精通を迎えるのは随分と後になるだろう。
とにかく、なぎさの身体に異常がなくて良かった。
もしかしたら僕の手で初めての精通を迎えさせることが出来るかもしれない。
もしそうでなくても性器から白濁のものが出てきたら大慌てで僕のところに来るだろう。
だってなぎさのコミュニティの中で一番頼れるのは僕だから。
そう考えると鼻歌を歌いたい気分だった。
頬が緩みながら男に水色の薬を渡す。
ちなみに人間化の薬はピンク色のカプセルだ。
「どうですか?」
さっきまで同じくらいの背丈だった男はグングン縮んでいき、なぎさより少し大きい小人になっている。
「いつも通り全然辛くないな。
まぁ、何かあったら報告するよ」
「よろしくお願いします」
水色のカプセルは人間を小人に戻す薬。
だから、人間でも小人の遺伝子を持つ者にしか反応しない。
これも先々代から始まった開発である。
当初はなぎさを人間にできればそれで終わりかと考えていたが、
“突然人間にされて家族に最後の挨拶も出来なかった”
等の理由で嫌われてしまったら本末転倒。
ということで、人間化の薬と同じようにほぼ完成していた小人化の薬の最後の仕上げにも全力で取り組み始めた。
僕の生まれる前から始まっていた治験ももう少しで終了だ。
先々代には足を向けて寝られないな。
人間化の薬の治験は無事終了しており、いつなぎさに与えても問題はない。
準備はあと数ヶ月で完璧になる。
______________________
「優榴~!!!今日もあの本の続き読もう~!」
なぎさと出会ってから2年が経った。
僕の手により無事精通も迎えたなぎさが無邪気に駆け寄ってくる。
そして2月14日の今日、
なぎさの人生を変えるであろうチョコレートが今、僕の手元にあった。
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