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第4章
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触られているところからじわじわと場違いな熱が侵食してくる。アキラくんの顔を見ないまま手を取って、これ以上動かないようにぎゅっと握った。
最初、大人しく握られていたアキラくんの手は、しばらくすると私の手を子供みたいにぎゅっと握ってきたり、わざとらしく指を絡めたりしてきた。
「……っ」
アキラくんの爪が、もがくように私の指先をカリカリと引っ掻く。くすぐったいけど、振り解けば、今度はどこをどんなふうに触られるかわからないから解けない。
無言でアキラくんの顔を見つめてみる。真顔だった表情は、目と口元が意地悪そうに歪んでいた。この目で見られると、緊張する。
背骨にビリッと電気が走る感じがした。
「ダメ?」
アキラくんの唇が形取る。声を出せない代わりに、ふるふると首を振った。ダメに決まっている。空いている右手でルーズリーフに「おわってから」と殴り書きして見せる。アキラくんの表情から毒気が抜かれて、いつものへにゃり顔になった。安心して手の力を緩めたけど、アキラくんの指はきゅっと握ったまま離れない。
「このままでいい?」
甘えるように首を傾げている。しょうがないなぁなんて、心の中でデレデレしながら了承した。
それから終始、手を繋ぎながら講義を聴いた。アキラくんは前も受けたことがあると言っていたのに、足を組んでじっと前を向いて真面目な顔をしながら、教授の話を聞いている。
横顔が本当に綺麗。鼻すじとあごの鋭利さとか、薄い唇の血色の良さとか、目と眉毛の間隔の狭さとか、もう顔面のパーツとその配置すべてが私の好みで、今度は私の方が集中できなくなってしまった。また悪い癖が出そうになる。スマホをバッグの中に入れっぱなしにしていたのが悔やまれる。せめて気づかれないように、アキラくんの前にあるレジュメを見るふりしながら、何度も視界に収めていく。
退屈だと思っていた授業は、アキラくんがいるとあっという間だった。このまま終わってくれたら最高だったのに、「来週までに提出してください」とレポートが課題として出されて、回ってきたテーマの書かれたプリントに眉をしかめる。
終業のチャイムが鳴って、講義室から続々と人がいなくなっていく。
「あれ、俺のときと内容変わってないな。コハルちゃん、大丈夫そう?」
「だ、ダメそう」
生まれてこの方、日本から出たことがないから、海外やフィールドワークなんて縁遠い話は無意識にアレルギー反応が出る。
「俺の書いたレポート、参考にする? 多分まだデータ残ってるはず」
「うん、ありがと」
「じゃあ、先にご飯食べに行こっか」
私が講義室を出るのが遅かったせいで、学食はすでに座る場所がないほど人で溢れかえっていて、結局、大学近くのコンビニで買って空き教室で食べることになった。
本当は私の部屋に誘いたかったけど、昼は真希ちゃんのところにいる兄と出くわす可能性を考えたらできない。
毎週月曜日に使ういつもの小さな講義室で、買ってきたサンドイッチとカフェラテを並べて食べる。アキラくんはホットスナックのチキンを買っていて、コンビニから講義室までの道中に食べていて、講義室では私と同じようにサンドイッチの包みを開けていた。
食べ終わるのに、そんなに時間がかからなかった。それよりも講義中に書き殴った「おわってから」という約束を果たすのに、頭がいっぱいだった。
「っ、んんっ、ぅ、っ、ぷぁ…っ、はぁっ…」
唇を離して、アキラくんの肩にもたれながら呼吸を整える。膝の上に乗って密着しているから、アキラくんの顔がすぐ近くにあるのが恥ずかしい……。
「コハルちゃん、次の授業は?」
アキラくんにしがみつくように腕を回していると、髪を撫でていた指が、今度は耳たぶをくすぐってくる。もう片方の手ではマキシスカートを膝上まで持ち上げられて、剥き出しになった太ももを撫でられる。
「あっ、もう、ないの……。アキラくんは?」
「俺は次、三限ある」
「あぅ…、そう、なんだ……、っ」
太ももを撫でていた手が、足の間に侵入してきた。ショーツ越しにふにふにと恥丘を揉まれて、じゅわ…っと蜜が漏れる。
「お利口に待ってられる?」
耳元に唇を寄せながら、訊ねられる。手は下着のクロッチを往復しながら撫でて、ねちねちと粘ついた音が背筋を震わせた。
「あっ…ま、って、られる…っ」
「ん、えらいえらい。ねぇ、もう一回キスしよ」
「っ」
舌を差し出されて、自分から絡ませる。こんなことしたことないのに、頭がぼうっとして、気持ちいい……。
「んぅっ、ふ、…はー…っ、はぁ…っ、あっ、んっ」
舌先に吸い付いて唾液を飲み込む。夢中になってアキラくん口内を貪っている間も、クロッチを這う指は止まらなかった。次第に昂って硬く主張してくるクリトリスを捕らえて、ぐにゅぐにゅと押しつぶす。
「ぅうっ、ん、ぁっ…あぁっ」
ビクビクと逃げる肩を押さえつけられて、指の動きが早くなる。気づいたら自分から足を広げて、アキラくんの指が動かしやすいように迎え入れていた。
あと少しでイケそうというところで、一番敏感なクリトリスへの刺激は避けるように、蜜壺の入り口をこしゅこしゅくすぐるだけで肝心なところは触ってくれない。
「ふっ……ぅ、っ」
期待と興奮で、焦らされた体を震わせる。それなのに。
「あ、そろそろ行かなきゃ」
白々しく呟いて、足の間から手が抜き取られる。何事もなかったようにスカートを整えて、アキラくんの唇が私の額に触れた。
最初、大人しく握られていたアキラくんの手は、しばらくすると私の手を子供みたいにぎゅっと握ってきたり、わざとらしく指を絡めたりしてきた。
「……っ」
アキラくんの爪が、もがくように私の指先をカリカリと引っ掻く。くすぐったいけど、振り解けば、今度はどこをどんなふうに触られるかわからないから解けない。
無言でアキラくんの顔を見つめてみる。真顔だった表情は、目と口元が意地悪そうに歪んでいた。この目で見られると、緊張する。
背骨にビリッと電気が走る感じがした。
「ダメ?」
アキラくんの唇が形取る。声を出せない代わりに、ふるふると首を振った。ダメに決まっている。空いている右手でルーズリーフに「おわってから」と殴り書きして見せる。アキラくんの表情から毒気が抜かれて、いつものへにゃり顔になった。安心して手の力を緩めたけど、アキラくんの指はきゅっと握ったまま離れない。
「このままでいい?」
甘えるように首を傾げている。しょうがないなぁなんて、心の中でデレデレしながら了承した。
それから終始、手を繋ぎながら講義を聴いた。アキラくんは前も受けたことがあると言っていたのに、足を組んでじっと前を向いて真面目な顔をしながら、教授の話を聞いている。
横顔が本当に綺麗。鼻すじとあごの鋭利さとか、薄い唇の血色の良さとか、目と眉毛の間隔の狭さとか、もう顔面のパーツとその配置すべてが私の好みで、今度は私の方が集中できなくなってしまった。また悪い癖が出そうになる。スマホをバッグの中に入れっぱなしにしていたのが悔やまれる。せめて気づかれないように、アキラくんの前にあるレジュメを見るふりしながら、何度も視界に収めていく。
退屈だと思っていた授業は、アキラくんがいるとあっという間だった。このまま終わってくれたら最高だったのに、「来週までに提出してください」とレポートが課題として出されて、回ってきたテーマの書かれたプリントに眉をしかめる。
終業のチャイムが鳴って、講義室から続々と人がいなくなっていく。
「あれ、俺のときと内容変わってないな。コハルちゃん、大丈夫そう?」
「だ、ダメそう」
生まれてこの方、日本から出たことがないから、海外やフィールドワークなんて縁遠い話は無意識にアレルギー反応が出る。
「俺の書いたレポート、参考にする? 多分まだデータ残ってるはず」
「うん、ありがと」
「じゃあ、先にご飯食べに行こっか」
私が講義室を出るのが遅かったせいで、学食はすでに座る場所がないほど人で溢れかえっていて、結局、大学近くのコンビニで買って空き教室で食べることになった。
本当は私の部屋に誘いたかったけど、昼は真希ちゃんのところにいる兄と出くわす可能性を考えたらできない。
毎週月曜日に使ういつもの小さな講義室で、買ってきたサンドイッチとカフェラテを並べて食べる。アキラくんはホットスナックのチキンを買っていて、コンビニから講義室までの道中に食べていて、講義室では私と同じようにサンドイッチの包みを開けていた。
食べ終わるのに、そんなに時間がかからなかった。それよりも講義中に書き殴った「おわってから」という約束を果たすのに、頭がいっぱいだった。
「っ、んんっ、ぅ、っ、ぷぁ…っ、はぁっ…」
唇を離して、アキラくんの肩にもたれながら呼吸を整える。膝の上に乗って密着しているから、アキラくんの顔がすぐ近くにあるのが恥ずかしい……。
「コハルちゃん、次の授業は?」
アキラくんにしがみつくように腕を回していると、髪を撫でていた指が、今度は耳たぶをくすぐってくる。もう片方の手ではマキシスカートを膝上まで持ち上げられて、剥き出しになった太ももを撫でられる。
「あっ、もう、ないの……。アキラくんは?」
「俺は次、三限ある」
「あぅ…、そう、なんだ……、っ」
太ももを撫でていた手が、足の間に侵入してきた。ショーツ越しにふにふにと恥丘を揉まれて、じゅわ…っと蜜が漏れる。
「お利口に待ってられる?」
耳元に唇を寄せながら、訊ねられる。手は下着のクロッチを往復しながら撫でて、ねちねちと粘ついた音が背筋を震わせた。
「あっ…ま、って、られる…っ」
「ん、えらいえらい。ねぇ、もう一回キスしよ」
「っ」
舌を差し出されて、自分から絡ませる。こんなことしたことないのに、頭がぼうっとして、気持ちいい……。
「んぅっ、ふ、…はー…っ、はぁ…っ、あっ、んっ」
舌先に吸い付いて唾液を飲み込む。夢中になってアキラくん口内を貪っている間も、クロッチを這う指は止まらなかった。次第に昂って硬く主張してくるクリトリスを捕らえて、ぐにゅぐにゅと押しつぶす。
「ぅうっ、ん、ぁっ…あぁっ」
ビクビクと逃げる肩を押さえつけられて、指の動きが早くなる。気づいたら自分から足を広げて、アキラくんの指が動かしやすいように迎え入れていた。
あと少しでイケそうというところで、一番敏感なクリトリスへの刺激は避けるように、蜜壺の入り口をこしゅこしゅくすぐるだけで肝心なところは触ってくれない。
「ふっ……ぅ、っ」
期待と興奮で、焦らされた体を震わせる。それなのに。
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