浮気されたくない幸の恋愛奮闘記

第二十ニ話 理由

「そりゃあ、ひどいなぁ」

「知らない内に不倫相手になっていて･･････」

「でも、こんなこと言うようであれだけど、どうして、真知さんには内緒で？」

「実は──」

　幸は、父母の離婚した日のこととこれまでにできた彼氏の話を道夫に話した。

「なるほど、離婚したとは聞いてたけど、そんな理由だったのか･･････それは話しにくいね」

「はい。彼氏二人目からは浮気はないと判断してから、母に話そうと思ってたんですけど、その前に浮気されたり、すでに既婚者だったりで話せませんでした。
　
　お母さんの心の傷に塩を塗ってしまうような気がして･･････」

「なるほど･･････」

「でも、言わなかったら、言わなかったで、今度は見合いの話を持って来ちゃうし･･････正直、今は見合いをしたくありません」

「そっか･･････だそうですよ。真知さん！」

「えっ!?」

　すると、ベンチ後ろの木の影から、真知ともう一人三十代後半くらいの女性がでてきた。

「お母さんに晴美さん!?」

「こんばんわ幸ちゃん。久しぶり」

「久しぶりね。幸」

「なんで、二人がここに？」