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七話 旦那様
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時を遡ること、数日前。
玉穂は、眠った佐吉を見て言う。
「おまえはとても優しい男だ・・・・・・けど、それが仇になるとは思わなかったろ?」
玉穂は二本の指先に妖力を集め、それを佐吉のおでこに当て、目を閉じる。
玉穂の精神は、佐吉が見る夢に入る。
そこには、佐吉が気持ち良さそうな顔をして宙を舞ってる姿があった。
玉穂は佐吉を抱くようにして、玉穂の中に取り込んだ。
「頭の中を書き換えるのは、いつやってもぞくぞくしてたまらん。ふふふ」
玉穂は佐吉の頭の中を自分の思うように変えていった。そして、それが終わると玉穂は目を開けた。
これで、精神支配はできたはず・・・・・・と心で呟いた。
玉穂は佐吉を膝からそっと下ろした。そして、佐吉の隣で、腕を枕に眠りについた。
時が流れ、森には朝日が差し込んでいた。佐吉が目を覚ますと、佐吉は仰向けの状態になっていた。その隣で佐吉を見つめ、手を枕にして横になる玉穂がいた。
「よく、眠れたか?」
「はい。お陰様で」
返事に応えると佐吉は起き上がる。
「そうか、それはよかった」
そう言いながら玉穂も起き上がった。真剣な顔をして、佐吉に質問をする。
「佐吉よ。わっちと妻どっちが大事だ?」
佐吉は片膝をついて、頭を下げながら答える。
「それはもちろん、目の前にいるあなたです。玉穂様」
「そうか」
玉穂がにやりと笑う。
「まず、わっちにかけた使役術を解いてくれ」
「はい」
佐吉は使役術を解いた。首と手首の鎖絵が消える。玉穂はそれを水の鏡で確認した。
「ちゃんと、消えてるな・・・・・・佐吉よ!おまえは今日からわっちの下僕だ」
「はい!ありがたき幸せ」
精神支配は成功した──と心でつぶやく。
「玉穂様、何なりと御申しを」
佐吉は片膝をつきながら言った。
「わっちの旦那様・・・・・・最愛の妖怪が封印されてる場所を見つけてほしい。この森のどこかに封印されてるはずなんだが、見つからない。おそらく結界の類がかかっていると思う──探せるか?」
「はい」
佐吉は右手を顔の前に出し、二本指を立て念じる。
「・・・・・・あちらです」
佐吉は場所を案内する
「このあたりです」
「やはり結界の類がかかっていたか?」
「ええ、それと人、妖怪避けもかかっております。私のような陰陽術の使える者が、今のように意識して感知しなければ、わかりませんでした」
「そうか・・・・・・で、解けるか?」
「はい」
佐吉はぶつぶつと呪文を唱えると、透明の硝子が割れるように結界が解除した。しかし、さっきと変わりない景観であった。
「佐吉、これはもしや──」
「はい。さらに結界が施されています」
「やはりか・・・・・・」
「あそこです」
佐吉はその場所で止まり、同じくぶつぶつと呪文を唱え、解除する。すると、目の前に大きな岩があ現れた。
「おお、これだ!旦那様が封印されてる岩だ!」
玉穂は駆け寄り、触り始める。
「わずかだが、妖気を感じる。これで間違い!」
岩に顔をこすらせながら、喜ぶ玉穂。
「佐吉、この岩の封印を解いてほしい」
「はい」
佐吉が手を触れる
「解けそうか?」
「すみません、私だけの力だけでは解けそうにありません」
「何が必要なんだ?」
「私の法力と人の負の感情が必要となります」
「そうか、それはどれくらい必要なんだ?」
「それはなんとも・・・・・・例えるなら無数の錠があって、その鍵穴を開けるために私の法力と負の感情を混ぜて、使い捨ての鍵を作って開けていくような感じでしょうか?」
「つまり、上手くいかない場合があるからどれくらい必要かわからない」
「はい、わたしの力が足りないばかりに申し訳ありません」
「いや、そもそもこれを解くのは、かなり難しい。時がかかるのはしかたあるまい。それより、ここをさっきと同じ結界でわっちとおまえのみが出入りできる仕様にすることは可能か?」
「はい、可能です」
「そうか。では、頼む」
佐吉は結界作りの作業に取り掛かる。
「佐吉、おまえの村は近いのか?」
「近くはありませんが、ここより約十里歩いた所にあります」
「そうか、ではそこで最初の負の感情を集めるとしよう。村のことを隅々まで教えてくれ。それから計画と準備をしたい」
「かしこまりました」
そして、現在──。
玉穂は、眠った佐吉を見て言う。
「おまえはとても優しい男だ・・・・・・けど、それが仇になるとは思わなかったろ?」
玉穂は二本の指先に妖力を集め、それを佐吉のおでこに当て、目を閉じる。
玉穂の精神は、佐吉が見る夢に入る。
そこには、佐吉が気持ち良さそうな顔をして宙を舞ってる姿があった。
玉穂は佐吉を抱くようにして、玉穂の中に取り込んだ。
「頭の中を書き換えるのは、いつやってもぞくぞくしてたまらん。ふふふ」
玉穂は佐吉の頭の中を自分の思うように変えていった。そして、それが終わると玉穂は目を開けた。
これで、精神支配はできたはず・・・・・・と心で呟いた。
玉穂は佐吉を膝からそっと下ろした。そして、佐吉の隣で、腕を枕に眠りについた。
時が流れ、森には朝日が差し込んでいた。佐吉が目を覚ますと、佐吉は仰向けの状態になっていた。その隣で佐吉を見つめ、手を枕にして横になる玉穂がいた。
「よく、眠れたか?」
「はい。お陰様で」
返事に応えると佐吉は起き上がる。
「そうか、それはよかった」
そう言いながら玉穂も起き上がった。真剣な顔をして、佐吉に質問をする。
「佐吉よ。わっちと妻どっちが大事だ?」
佐吉は片膝をついて、頭を下げながら答える。
「それはもちろん、目の前にいるあなたです。玉穂様」
「そうか」
玉穂がにやりと笑う。
「まず、わっちにかけた使役術を解いてくれ」
「はい」
佐吉は使役術を解いた。首と手首の鎖絵が消える。玉穂はそれを水の鏡で確認した。
「ちゃんと、消えてるな・・・・・・佐吉よ!おまえは今日からわっちの下僕だ」
「はい!ありがたき幸せ」
精神支配は成功した──と心でつぶやく。
「玉穂様、何なりと御申しを」
佐吉は片膝をつきながら言った。
「わっちの旦那様・・・・・・最愛の妖怪が封印されてる場所を見つけてほしい。この森のどこかに封印されてるはずなんだが、見つからない。おそらく結界の類がかかっていると思う──探せるか?」
「はい」
佐吉は右手を顔の前に出し、二本指を立て念じる。
「・・・・・・あちらです」
佐吉は場所を案内する
「このあたりです」
「やはり結界の類がかかっていたか?」
「ええ、それと人、妖怪避けもかかっております。私のような陰陽術の使える者が、今のように意識して感知しなければ、わかりませんでした」
「そうか・・・・・・で、解けるか?」
「はい」
佐吉はぶつぶつと呪文を唱えると、透明の硝子が割れるように結界が解除した。しかし、さっきと変わりない景観であった。
「佐吉、これはもしや──」
「はい。さらに結界が施されています」
「やはりか・・・・・・」
「あそこです」
佐吉はその場所で止まり、同じくぶつぶつと呪文を唱え、解除する。すると、目の前に大きな岩があ現れた。
「おお、これだ!旦那様が封印されてる岩だ!」
玉穂は駆け寄り、触り始める。
「わずかだが、妖気を感じる。これで間違い!」
岩に顔をこすらせながら、喜ぶ玉穂。
「佐吉、この岩の封印を解いてほしい」
「はい」
佐吉が手を触れる
「解けそうか?」
「すみません、私だけの力だけでは解けそうにありません」
「何が必要なんだ?」
「私の法力と人の負の感情が必要となります」
「そうか、それはどれくらい必要なんだ?」
「それはなんとも・・・・・・例えるなら無数の錠があって、その鍵穴を開けるために私の法力と負の感情を混ぜて、使い捨ての鍵を作って開けていくような感じでしょうか?」
「つまり、上手くいかない場合があるからどれくらい必要かわからない」
「はい、わたしの力が足りないばかりに申し訳ありません」
「いや、そもそもこれを解くのは、かなり難しい。時がかかるのはしかたあるまい。それより、ここをさっきと同じ結界でわっちとおまえのみが出入りできる仕様にすることは可能か?」
「はい、可能です」
「そうか。では、頼む」
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そして、現在──。
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