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第6話【ある小さな絵描きさん】(4)
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【Ⅱ速まで】〔03:00〕
私は、熊にふらふらになりながらも一礼をし、右手を庇い足を引きずりながら、ミフィレンの元へ歩く。雨で体が濡れているが、無数の蒸気がニッシャから流れ出る。
熊と兎の攻防が熾烈を極める中、一歩、また一歩と着実にミフィレンの元へ歩みだす。
「ニッシャー!!熊さーん!!みんながんばれー!!」
小さな応援団は私を勇気づけてくれた。
「ありがとうな。お前にまた救われたよ」
【Ⅱ速まで】〔00:30〕
熊はよたよたと倒れ、そこには体中を巡る電気が放電するかの如くその身を光らせる兎がいた。
(もう少しだけ、時間があれば......)
ミフィレンは両手を広げ、ニッシャの前に立ち、暴走している兎の前へ立ちはだかる
「これ以上、みんなをいじめないで!!あなただって傷つくから!!」
兎はこんなに小さな命にも歯向かわれていると思い込み、全身全霊をもってミフィレンに向かい雷撃を放つ。
地を這うように凄まじい轟音と共にそれは小さな体へと吸い込まれるように向かう。
その時だった。
【パチンッ】という音と共に、あれほど大きな雷撃が瞬時に消えたのだ。
「1つ...貸しだぞ」
ノーメンはそう言うと、まだ先程のダメージが残っているのか気絶した。
「この礼は、きちんと都でしてやるよ。ありがとうな」
【Ⅱ速開始】【00:00 】
ニッシャの体が燃え上がる。
己の魔力を発火させることで、全身に巡らせその身は小さな活火山が如く活動を開始する。
折れた右手は急速な魔力供給により元に戻る
その魔力の名は、
【火速炎迅】
「多少のお痛で済むと思うなよ!!」
兎は防御に徹する。
(雷尾兎と呼ばれる所以はその尻尾にある。その強靭な尾はあらゆる物理をはね除ける)
はずだが、そんなのはお構い無く殴り付ける。
【炎武一の段‐一火次炎】
燃え上がりながら勢いよく吹き飛ぶ兎。
その姿まさに【脱兎の如く】一目散に逃げていった。
心配そうに涙ぐむミフィレン
その横で寝てる巨体
助けてくれた熊や他の動物達。
そして満身創痍の私
魔法を解除すると、体から魔力が放出され空へと昇る。
曇天の空は、どこまでも青空が広がっていた。
「んまぁ、久しぶりにしては、悪くない気分かな」
懐から煙草を取り出し、吸いだす。
空を見ればまたいつも通りの晴れ模様がうかんでいた。
~それから数日後~
私は、数年ぶりとなる都へ赴くことにした。
ちょっとした憂さ晴らしと、あの子に外の世界をみせてやりたかったんだ。
「ほら、支度は出来たか?もういくぞ!!」
小さくうずくまり馬の尾の様にゆらゆらと揺れる1つ結びの髪の毛は地面に何かを彫っていた。
その指先を見ると、確信した。
「ミフィレンは、やっぱり絵が上手いな」
そこには、2人の絵の他に熊の親子や他の動物達と兎達、それとノーメンの姿が描かれていた。サイズ感はちぐはぐだが決まって笑顔で手を繋いでいた。
そう言って、くしゃくしゃに頭を撫でると手を繋いで魔法協会がある都へ向かった。
晴れ渡る空には1つの雲がない満天の快晴であり、嵐の後の静けさが如く。
7色の個々に煌めく虹が森と都を繋ぐ橋のように、2人の門出を祝っていたのでした。
私は、熊にふらふらになりながらも一礼をし、右手を庇い足を引きずりながら、ミフィレンの元へ歩く。雨で体が濡れているが、無数の蒸気がニッシャから流れ出る。
熊と兎の攻防が熾烈を極める中、一歩、また一歩と着実にミフィレンの元へ歩みだす。
「ニッシャー!!熊さーん!!みんながんばれー!!」
小さな応援団は私を勇気づけてくれた。
「ありがとうな。お前にまた救われたよ」
【Ⅱ速まで】〔00:30〕
熊はよたよたと倒れ、そこには体中を巡る電気が放電するかの如くその身を光らせる兎がいた。
(もう少しだけ、時間があれば......)
ミフィレンは両手を広げ、ニッシャの前に立ち、暴走している兎の前へ立ちはだかる
「これ以上、みんなをいじめないで!!あなただって傷つくから!!」
兎はこんなに小さな命にも歯向かわれていると思い込み、全身全霊をもってミフィレンに向かい雷撃を放つ。
地を這うように凄まじい轟音と共にそれは小さな体へと吸い込まれるように向かう。
その時だった。
【パチンッ】という音と共に、あれほど大きな雷撃が瞬時に消えたのだ。
「1つ...貸しだぞ」
ノーメンはそう言うと、まだ先程のダメージが残っているのか気絶した。
「この礼は、きちんと都でしてやるよ。ありがとうな」
【Ⅱ速開始】【00:00 】
ニッシャの体が燃え上がる。
己の魔力を発火させることで、全身に巡らせその身は小さな活火山が如く活動を開始する。
折れた右手は急速な魔力供給により元に戻る
その魔力の名は、
【火速炎迅】
「多少のお痛で済むと思うなよ!!」
兎は防御に徹する。
(雷尾兎と呼ばれる所以はその尻尾にある。その強靭な尾はあらゆる物理をはね除ける)
はずだが、そんなのはお構い無く殴り付ける。
【炎武一の段‐一火次炎】
燃え上がりながら勢いよく吹き飛ぶ兎。
その姿まさに【脱兎の如く】一目散に逃げていった。
心配そうに涙ぐむミフィレン
その横で寝てる巨体
助けてくれた熊や他の動物達。
そして満身創痍の私
魔法を解除すると、体から魔力が放出され空へと昇る。
曇天の空は、どこまでも青空が広がっていた。
「んまぁ、久しぶりにしては、悪くない気分かな」
懐から煙草を取り出し、吸いだす。
空を見ればまたいつも通りの晴れ模様がうかんでいた。
~それから数日後~
私は、数年ぶりとなる都へ赴くことにした。
ちょっとした憂さ晴らしと、あの子に外の世界をみせてやりたかったんだ。
「ほら、支度は出来たか?もういくぞ!!」
小さくうずくまり馬の尾の様にゆらゆらと揺れる1つ結びの髪の毛は地面に何かを彫っていた。
その指先を見ると、確信した。
「ミフィレンは、やっぱり絵が上手いな」
そこには、2人の絵の他に熊の親子や他の動物達と兎達、それとノーメンの姿が描かれていた。サイズ感はちぐはぐだが決まって笑顔で手を繋いでいた。
そう言って、くしゃくしゃに頭を撫でると手を繋いで魔法協会がある都へ向かった。
晴れ渡る空には1つの雲がない満天の快晴であり、嵐の後の静けさが如く。
7色の個々に煌めく虹が森と都を繋ぐ橋のように、2人の門出を祝っていたのでした。
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