いつだってあなたが私を強くする

泥んことかげ

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第19話【避難所への道行き】(2)

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【協会魔法壁マジックウォール前】

「くそっ!!応援はまだかー!!」
隊員達の怒号が飛び交う中、一人、また一人と着実に人間が減っていく。

【精鋭隊200人→177人】

【討伐隊300人→198人】

「まずは確実に倒せる軍隊蜂アーミービーをまとめて拘束し炎魔法で焼き払え!!全部隊、隊列を整え襲撃に備えよ、バラバラになればこちらが不利だ!!一体ずつ着実にに潰すぞ!!」
【部隊長】クラスが精神感応テレパシーを使い伝達を行う。


「奴等は完璧な組織で動いているが所詮虫だ!!何処かで群れを統率する女王を無力化せよ!!」

合図と同時に数名が詠唱えいしょうを唱える。
地中から植物が折り重なり1つの巨大な手が現れ、大きく凪ぎ払うが、軍隊蜂アーミービーは全軍一斉に特攻し、その姿はまるで1つの生物かたまりの様に植物の隙間を通り抜け部隊へ襲いかかる。

「ババババッ!」と羽と植物が擦れる音が辺りに鳴り響く。
先頭がすり抜けた途端に、有象無象の蜂達は道に迷ったように「ぐるぐる」と空中を旋回し始めたのだ。
あるじを失った奴隷どれい達は、女王クイーンの後を追うように霧散むさんしていく。
女王蜂クイーンビーは他の蜂達に比べ約1.5倍、体が大きい。
それを利用し、【入り口】、【出口】は植物の交わりが大きく、中央は狭めていたのだ。
勢い良く特攻した蜂たちは、巣のあるじたる女王クイーンを置き去りにしたのだ。
よって、突入された段階でその隙間を無くし、植物達が織り成す檻は女王蜂クイーンビーその物を無力化に成功したのだ。

第2陣が炎魔法で焚き付け植物が親指を立て「パチパチ」と燃え上がるその様は少しではあるが隊員達の心に【勝利】という【希望】が見えていた。

「やったぞ!作戦成功だ!」
隊員達が喜ぶのも束の間だった。


「大変です!!部隊長!!前方より物凄い速さで何かが接近しております!!」
探知ディテクションを使うが、「前方」、「上空」と激しく燃え盛る物体しか視界に入らず、困惑する隊員達。

「違う!下だ!!下に何かいるぞ!」
地中から、巨大な2ついのハサミが現れる。
部隊は、地中から死蠍デススコーピオンが出てきたことにより散り散りになってしまう。

隊列を組み直せ!と言う合図もむなしく「ぐるり」と一蹴する。
全長11Mもあるその体は横一線に隊員達を吹き飛ばすと地面に激しく打ち付けられる。
全身を強打し気絶する者、内臓を損傷し血反吐ちへどを吐く者がいた。
そんな中、諦めてない者がいた。
「くそっ!!反撃の狼煙のろしをあげるぞ!いくぞお前ら!!」
意気揚々いきようようと高々に腕をあげる!
上がらない!?地面についた、手足は何かに捕まれたようにビクともしない。
叫び声をあげる隊員達は一体自分に何が起こったのか理解出来ずにいた。

地面から静かに現れたのは、劇毒ポイズン蜘蛛スパイダー、その自慢の糸を、周囲へ張り巡らせ獲物じゃくしゃが掛かるのを「ジッ」と待っていたのだ。
「ジリジリ」近づき恐怖のあまり泣き叫ぶものもいた。
捕食は一体ずつ糸を綺麗に巻き付け、消化液を体内に流し入れる。そうすると獲物の体内は「クリーミー」な流動体になり丈夫な骨でさえ、食べやすいとされている。
獲物は背中に備蓄する習性を持つ。
その糸の粘着性と汎用性もあり【攻撃アタック】【防御ディフェンス】【トラップ】と用途は様々である。

前方に死蠍デススコーピオン、後方は劇毒ポイズン蜘蛛スパイダー
男達は、前へ進まなければいけなかった。
【精鋭隊】177人→140人(捕縛23)

【討伐隊】198人→128人(捕縛37名)


前方では、視認できない、蠍のはさみが「カチカチ」と鳴り、見えぬ強者さそり弱者ひとは後方へ下がらざるをえなかった。
蜘蛛は「ゆっくり」と確実に【捕食プレデター】&【備蓄ストック】を繰り返す。
幸いにも、蜘蛛はどうやら狩りへの参加はしないみたいだった。
仲間を使い、己は無傷のまま甘い汁をすする。
形は違えど、種族は同じであり【蠍の誘導】、【蜘蛛の捕食】は自然界の中でも完成された計画プランとなりえる。

蠍の装甲は強固であり、弱点とされる炎や氷でさえその装甲に歯も立たないでいた。

「部隊長!もうもちません!これ以上は我々が全滅してしまいます!」

部隊長はポケットから、1枚の写真を取り出す。
それは、何気ない風景を切り取られたものだった。
只、当たり前で、変わった事はなく誰が見ても【平凡】と言えるだろう。
そんな1枚の写真は彼にとって何よりの宝だった。
隊長は、隊員達に合図サインを送り特攻をかける。
「お前たち、今......行くぞ!!」
部隊長は強者でなければいけない、
訳ではない。隊を導き【最良の判断】、【最善の
作戦】を立て【最小の犠牲者】、【最高の勝利】をみなと分かち合い生き抜くのが役目だ。

単身走りだし、蠍の元へ飛び込む。
見えぬ両のはさみは鞭の様にしなやかに襲いくる。

それを己が戦場で磨いた、「感覚センス」のみで回避する。
高速の、連撃は体力を奪い反撃する余地をも奪っていた。

「駄目だ!いくら隊長でも一人では到底......」
誰かが弱音を口にした。

「バカ野郎!俺たちが信じねぇで誰が信じるんだよ!いつだってあの人が何とかしてくれただろ!信じろ......そして、俺たちの部隊長ボスは必ず......成功させてくれる!」

部下を守るため、単身強敵に挑む姿は勇気を与え、もはや絶対絶命の中誰一人としてこの戦いを諦める者はいなかった。
都を守るため、そしてなにより、愛する家族のため。
男達は、ボスに命を捧げる事を誓う。

「装甲は破れず、中途半端な攻撃では地中へ潜り逃げられるかもしれん。やるなら一撃で倒さねば」

思考は比較的穏やかであり、ただその時を待っていた。
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