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第30話【燃ゆる思い】(6)
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【非常通路兜武者側】
抵抗もなくゆっくりと沈むニッシャ。
小さな火が音を立てながら体を包み込み、その姿を見ることなく強者を求め歩み始める。
「答えも聞けぬまま......か、まぁ良いこの先にさらに強力な魔力の気配がする。そこへいけばあるいは......」
「ズズズッ」と地面を割き、角刀を引きずる音を辺りに反響させる。
己が目指すは、強者の気配がする「避難所」、そこに答えはあると直感でわかっていた。
ニッシャの魔力により、体のあらゆる箇所が削ぎ落とされ再構築し、炎が鎧の様に纏わり、その姿はまるで炎極の武者である。
「避難所扉前」
(ここが、我が求める強者への入り口か)
角刀を両手で頭上高く持ち上げ、一刀両断が如く振り下ろす。
扉は、斬られた箇所から燃え広がり頑丈な扉その物の存在を焼失させたと同時に、強烈な突風が兜武者を吹き飛ばすが、咄嗟に刀を地面へ突き刺し勢いを殺す。
並の魔法ではこの肉体に傷こそ与えないが数Mも後退してしまった。
やがて強烈な風は止み、刀を地面から抜き、立ち上がる。
「なかなかやるではないか、1つ殺す前に聞くとしよう。名はなんと言う?」
目の前には風魔法で空中に浮き、気だるそうなその男は琥珀色と翠の髪をなびかせて寝転んでいた。
「あ~俺?......俺わねぇ......」
抵抗もなくゆっくりと沈むニッシャ。
小さな火が音を立てながら体を包み込み、その姿を見ることなく強者を求め歩み始める。
「答えも聞けぬまま......か、まぁ良いこの先にさらに強力な魔力の気配がする。そこへいけばあるいは......」
「ズズズッ」と地面を割き、角刀を引きずる音を辺りに反響させる。
己が目指すは、強者の気配がする「避難所」、そこに答えはあると直感でわかっていた。
ニッシャの魔力により、体のあらゆる箇所が削ぎ落とされ再構築し、炎が鎧の様に纏わり、その姿はまるで炎極の武者である。
「避難所扉前」
(ここが、我が求める強者への入り口か)
角刀を両手で頭上高く持ち上げ、一刀両断が如く振り下ろす。
扉は、斬られた箇所から燃え広がり頑丈な扉その物の存在を焼失させたと同時に、強烈な突風が兜武者を吹き飛ばすが、咄嗟に刀を地面へ突き刺し勢いを殺す。
並の魔法ではこの肉体に傷こそ与えないが数Mも後退してしまった。
やがて強烈な風は止み、刀を地面から抜き、立ち上がる。
「なかなかやるではないか、1つ殺す前に聞くとしよう。名はなんと言う?」
目の前には風魔法で空中に浮き、気だるそうなその男は琥珀色と翠の髪をなびかせて寝転んでいた。
「あ~俺?......俺わねぇ......」
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