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Side 木田
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“来週の土日は仕事が入ってないんですが、佐伯さんのご予定は?”
レコーディングやジャケット撮影など、デビューに向けた準備がひと段落し、久しぶりに3連休になった木田は早速佐伯にメッセージを送る。
二人は出逢って半年以上経っても敬語を使っていた。誰にでも礼儀正しい木田は、よほど年下でない限り敬語で話しかける。そしてそのままタメ口に移行するタイミングをつかめず、親しくなっても敬語のままであることが多かった。
だから“佐伯は年下だろうな”と思いながらも、そして“もっと近づきたいな”と思いながらも敬語が続いていた。
基本的に土日が休みな佐伯は、木田の連絡にすぐOKの返事をくれた。そして木田は教えられた住所を自分で探し当てて、佐伯のマンションにたどり着いた。
1LDKでオートロックのエントランスと管理室があるマンション。入り口で部屋番号を押して呼び出し、中から開けてもらわないと入れないようになっている。いつか俺もこういう日本らしい場所に住める日が来るのかな…と思いながらエレベーターに乗った。
「どうぞ」
佐伯が部屋着で迎えてくれた。外で会うのとは違い、パーカーにウェストゴム綿スウェット姿の佐伯は…それでも美しかった。
「やっぱりキレイにしてるんですね」
グリーン系のラグマットの上には、木目調のコタツにもなるテーブル。木製で統一されたローテーブルやチェスト。まさに大海原にある陸地。
「かけてください」
漂着した船人のように、呆然と部屋を見渡しながら立ち尽くす木田の背中を佐伯が叩いた。
「あ、はい」
佐伯は野菜たっぷりのカレーを作ってくれていた。信州の野菜は腐る前にと佐伯の胃に入った後だったけど、野菜たっぷりカレーは木田の心に染み込む味だった。二人は木田が持ってきたワインを飲みながらカレーを食べた。
「佐伯さん、カレー好きなんですね」
「ええ…まあ…このワインも長野県産ですか?」
「はい。母が送ってくれました」
「そうですか…優しいお母さんですね」
佐伯が目を伏せる。寂しそうな表情。なぜか木田は自分の心臓をねじられている感覚に陥った。
胸が痛い…美しい人が、美しい瞳を伏せるから…
気がつくと木田は佐伯の横に座り、しっかりと彼を抱きしめていた。
美しい顔が目の前にある。そのまま顔を近づけて唇を重ねた。最初は固く閉じられていた佐伯の唇が薄っすら開き、求めるようにそっと舌を差し出した。
木田は魔物に取り憑かれていた。息継ぎしようと離れる唇を頭を押えて再び塞ぐ。引っ込めようとする舌を噛み付くように力いっぱい吸い上げた。
パーカーの中に手を入れ、素肌を撫で回す。そしてその手をパンツの中に入れ、下着の上から固くなっている佐伯のものを握った。
「あっ…」
荒っぽい木田の手つきに佐伯が攻めるような声をあげた。それでも木田は手の動きを止められなかった。
すっかり立ち上がった佐伯のものを下着から出して擦りあげる。一方、佐伯も喘ぎながら木田のジッパーを降ろし、中に手を差し入れた。
「あ…」
気持ちいい…長い指でこすられ木田も喘いでいた。
二人はそのまま互いのものを扱きながら口づけを続け、相手の手の中に熱を放った。
欲望を開放した二人はゆっくりと体を離す。木田は佐伯が放ったものをじっと見つめてしまった。そして…舐めたい…と、白い液体を凝視していると、佐伯がティッシュをその手に被せた。
「すみません。拭いてください」
佐伯は自分の手を拭き、服を整えていた。
木田は呆然としていた。
俺は…何してたんだ…何をしてしまったんだろう…俺…
動かない木田の手を佐伯が拭っている間も、木田の思考は停止したままだった。
「木田さん?」
佐伯に呼ばれ、ハッとしてその美しい顔を見る。赤く染まった頬。潤んだ瞳。悲しそうな表情。途端に羞恥心と申し訳なさと恐怖と、更なる欲望が込み上げてきた。
「あ…すみません。ごめんなさい」
木田はジッパーを上げるのも忘れ、走って佐伯の家を出た。
レコーディングやジャケット撮影など、デビューに向けた準備がひと段落し、久しぶりに3連休になった木田は早速佐伯にメッセージを送る。
二人は出逢って半年以上経っても敬語を使っていた。誰にでも礼儀正しい木田は、よほど年下でない限り敬語で話しかける。そしてそのままタメ口に移行するタイミングをつかめず、親しくなっても敬語のままであることが多かった。
だから“佐伯は年下だろうな”と思いながらも、そして“もっと近づきたいな”と思いながらも敬語が続いていた。
基本的に土日が休みな佐伯は、木田の連絡にすぐOKの返事をくれた。そして木田は教えられた住所を自分で探し当てて、佐伯のマンションにたどり着いた。
1LDKでオートロックのエントランスと管理室があるマンション。入り口で部屋番号を押して呼び出し、中から開けてもらわないと入れないようになっている。いつか俺もこういう日本らしい場所に住める日が来るのかな…と思いながらエレベーターに乗った。
「どうぞ」
佐伯が部屋着で迎えてくれた。外で会うのとは違い、パーカーにウェストゴム綿スウェット姿の佐伯は…それでも美しかった。
「やっぱりキレイにしてるんですね」
グリーン系のラグマットの上には、木目調のコタツにもなるテーブル。木製で統一されたローテーブルやチェスト。まさに大海原にある陸地。
「かけてください」
漂着した船人のように、呆然と部屋を見渡しながら立ち尽くす木田の背中を佐伯が叩いた。
「あ、はい」
佐伯は野菜たっぷりのカレーを作ってくれていた。信州の野菜は腐る前にと佐伯の胃に入った後だったけど、野菜たっぷりカレーは木田の心に染み込む味だった。二人は木田が持ってきたワインを飲みながらカレーを食べた。
「佐伯さん、カレー好きなんですね」
「ええ…まあ…このワインも長野県産ですか?」
「はい。母が送ってくれました」
「そうですか…優しいお母さんですね」
佐伯が目を伏せる。寂しそうな表情。なぜか木田は自分の心臓をねじられている感覚に陥った。
胸が痛い…美しい人が、美しい瞳を伏せるから…
気がつくと木田は佐伯の横に座り、しっかりと彼を抱きしめていた。
美しい顔が目の前にある。そのまま顔を近づけて唇を重ねた。最初は固く閉じられていた佐伯の唇が薄っすら開き、求めるようにそっと舌を差し出した。
木田は魔物に取り憑かれていた。息継ぎしようと離れる唇を頭を押えて再び塞ぐ。引っ込めようとする舌を噛み付くように力いっぱい吸い上げた。
パーカーの中に手を入れ、素肌を撫で回す。そしてその手をパンツの中に入れ、下着の上から固くなっている佐伯のものを握った。
「あっ…」
荒っぽい木田の手つきに佐伯が攻めるような声をあげた。それでも木田は手の動きを止められなかった。
すっかり立ち上がった佐伯のものを下着から出して擦りあげる。一方、佐伯も喘ぎながら木田のジッパーを降ろし、中に手を差し入れた。
「あ…」
気持ちいい…長い指でこすられ木田も喘いでいた。
二人はそのまま互いのものを扱きながら口づけを続け、相手の手の中に熱を放った。
欲望を開放した二人はゆっくりと体を離す。木田は佐伯が放ったものをじっと見つめてしまった。そして…舐めたい…と、白い液体を凝視していると、佐伯がティッシュをその手に被せた。
「すみません。拭いてください」
佐伯は自分の手を拭き、服を整えていた。
木田は呆然としていた。
俺は…何してたんだ…何をしてしまったんだろう…俺…
動かない木田の手を佐伯が拭っている間も、木田の思考は停止したままだった。
「木田さん?」
佐伯に呼ばれ、ハッとしてその美しい顔を見る。赤く染まった頬。潤んだ瞳。悲しそうな表情。途端に羞恥心と申し訳なさと恐怖と、更なる欲望が込み上げてきた。
「あ…すみません。ごめんなさい」
木田はジッパーを上げるのも忘れ、走って佐伯の家を出た。
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