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僕だって不本意なんですけど
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「それで、どうしてお前んちに来てるんだ」
結局あのまま強めに手を引かれながら店を出て、タクシーに放り込まれて今に至る。
「僕だって不本意なんですけど、そのほうが都合がいいので」
「不本意って、なんだそりゃ」
ますます意味がわかんねえ。
「あの店……ほんとに普通の店だと思ってるんですか」
「あ? 違うのかよ。確かに今までどんな店に通ってもダメだったから、おれの知らねえ最新技術とかそういう」
「はあ」
「やっぱり……やべえのか」
「あんたほんとに自覚ないんですね」
「自覚って」
「大体、あんなにグレア浴びてんのに元気ですよね、ああ俺余計なこと……いや、あれは」
「なにぶつぶついってんだ」
本当に、なんの話をしてるんだ?
「はあ……、これも不本意なんですけど。任せてもらえますか? 悪いようにはしないので」
「おう、お前が言うならそうなんだろうな」
もうわかんねえけど、冴島なら信用できるってなんでか思っちまうんだよな。
「ま、おれの後輩だし?」
「……そういうとこですよ」
「あ?」
「いえ、ひとりごとです」
あー、わかんねえ。
「おう、もう任せた」
こいつなら、悪いようにはならねえだろうしな。
「はあ……、じゃあ、いきますよ」
ああ、これマジな声だ。
「先輩。こっち、見て下さい」
「ああ……」
なんの疑いもなくその声の方向をまっすぐ向けば眼鏡越しに視線がぶつかって、ああ、こいつこんな顔してたな、なんてどうでもいいことに思考が飛んでいく。
「まずは、僕の言うこと聞いて下さって……えらいですね」
そう言ったかと思えば冴島の腕がおれを抱え込むように……いや、なんつうか、抱きしめられてるっっつうか。
いやなんでだ? これおかしいだろ、って言ってやりてえのにどうにも全身から力が抜けていく。
誘導されるがままにぼすんとこいつの肩に額が乗っかって、横抱きされてるみてえに寄りかかって身体を預ける恰好になっちまう。
「そう、上手です。そのまま聞いて」
「……」
まるで子どもでもあやすように、嘘みてえに優しい手つきで腰を抱えられつつ頭が撫でられる。
あ、顔近けえ。
「これは……僕が中途半端に連れ出してしまったので、応急処置です。別に先輩をどうこうしようというわけでは」
「それはそうだろ」
「……、話が早くて助かります」
おーきゅー……? どうにも難しい単語が頭に入ってこねえが、言うておっさんのおれをどうこうっつうのはまあ違げえだろってのはさすがにわかる。
「で、これは僕も重ねて不本意ではあるんですが……僕の声、気持ちいいと思いませんか?」
「あ……」
気持ちいい? こいつの声が……?
そんなの考えたこともねえ、でも考えた途端にこいつから目が離せなくなってぶわっと身体が熱くなる。
「ああ、すみません。刺激しちゃいましたね」
「っ、あ、おまえ」
なんだ、なんだってんだよ。
後輩相手におっ勃ててんなんてただのやべーやつじゃねえか、っつって頭じゃわかってんのにそう考えるほど余計に治まりそうにねえ。
「責任もって、処理してあげますね」
「は……? いや、いい、自分で、っ」
こんな痴態を晒すおれもやべーが、お前もなにいって……?
「待て」
「…………っ!?」
いやおかしいだろ? 逃げ出してえのに身体が動かねえ。
「見せて」
「なんで、っあ」
んだよ、後輩にちんこ見せるなんて意味わかんねえ。どんなセクハラだ。
なのにおれの意思なんてまるで存在しねえとばかり、言われた通りに身体が動いて止められねえ。
「そう、上手です」
「っ、んなの、上手とか、ねえだろ」
「いいえ、上手に命令聞けてえらいですね」
「は……」
こいつ、命令っつったか……?
「……僕、Domなので」
「Domって、お前」
「秘密にしてたわけではないですが、言う必要もなかったですしね」
たった今Domだと宣言した男の視線が、まっすぐおれに向く。
「そして、あなたは……十中八九、Subのはずです」
「は」
「病院に行って診断を受ければ、薬も処方されますのでこんなになることもないですよ」
「こんなに、って、おまえが」
「そうですね、Domの視線でこんなにグズグズな先輩、かわいいです」
ああもう、一気に情報が押し寄せてきてわけわかんねえ。
「ああ、ずっと「待て」できていい子でしたね」
「は、あ、っ、ちょ、おまえがまて、っ」
言うが早いか、さっきまでおれの頭を撫でていたはずの冴島の手のひらが降りてきて、どうしようもなく焦らされたまま熱が冷めないおれのちんこに迷いなく到達する。
「言ったでしょう、応急処置」
「は……、っあ、さわっ」
「生理現象とはいえ、Domとしては嬉しいものですね」
「あっ、あああっ、やめ」
後輩にちんこ握られてる時点でこの状況、どう考えてもおかしいのに。なのに流されることしかできないまま扱かれて先走りで滑る生々しい水音がうるせえし、意味わかんねえのに気持ちよくて変な声が止まらねえ。
「先輩、かわいい……ほら、イっていいですよ」
「か……? あっ、っっ……」
ああダメだ、こんなの、イくしかねえだろ…………
「は…………まじか…………」
「…………はあ。病院、行って下さいね」
結局あのまま強めに手を引かれながら店を出て、タクシーに放り込まれて今に至る。
「僕だって不本意なんですけど、そのほうが都合がいいので」
「不本意って、なんだそりゃ」
ますます意味がわかんねえ。
「あの店……ほんとに普通の店だと思ってるんですか」
「あ? 違うのかよ。確かに今までどんな店に通ってもダメだったから、おれの知らねえ最新技術とかそういう」
「はあ」
「やっぱり……やべえのか」
「あんたほんとに自覚ないんですね」
「自覚って」
「大体、あんなにグレア浴びてんのに元気ですよね、ああ俺余計なこと……いや、あれは」
「なにぶつぶついってんだ」
本当に、なんの話をしてるんだ?
「はあ……、これも不本意なんですけど。任せてもらえますか? 悪いようにはしないので」
「おう、お前が言うならそうなんだろうな」
もうわかんねえけど、冴島なら信用できるってなんでか思っちまうんだよな。
「ま、おれの後輩だし?」
「……そういうとこですよ」
「あ?」
「いえ、ひとりごとです」
あー、わかんねえ。
「おう、もう任せた」
こいつなら、悪いようにはならねえだろうしな。
「はあ……、じゃあ、いきますよ」
ああ、これマジな声だ。
「先輩。こっち、見て下さい」
「ああ……」
なんの疑いもなくその声の方向をまっすぐ向けば眼鏡越しに視線がぶつかって、ああ、こいつこんな顔してたな、なんてどうでもいいことに思考が飛んでいく。
「まずは、僕の言うこと聞いて下さって……えらいですね」
そう言ったかと思えば冴島の腕がおれを抱え込むように……いや、なんつうか、抱きしめられてるっっつうか。
いやなんでだ? これおかしいだろ、って言ってやりてえのにどうにも全身から力が抜けていく。
誘導されるがままにぼすんとこいつの肩に額が乗っかって、横抱きされてるみてえに寄りかかって身体を預ける恰好になっちまう。
「そう、上手です。そのまま聞いて」
「……」
まるで子どもでもあやすように、嘘みてえに優しい手つきで腰を抱えられつつ頭が撫でられる。
あ、顔近けえ。
「これは……僕が中途半端に連れ出してしまったので、応急処置です。別に先輩をどうこうしようというわけでは」
「それはそうだろ」
「……、話が早くて助かります」
おーきゅー……? どうにも難しい単語が頭に入ってこねえが、言うておっさんのおれをどうこうっつうのはまあ違げえだろってのはさすがにわかる。
「で、これは僕も重ねて不本意ではあるんですが……僕の声、気持ちいいと思いませんか?」
「あ……」
気持ちいい? こいつの声が……?
そんなの考えたこともねえ、でも考えた途端にこいつから目が離せなくなってぶわっと身体が熱くなる。
「ああ、すみません。刺激しちゃいましたね」
「っ、あ、おまえ」
なんだ、なんだってんだよ。
後輩相手におっ勃ててんなんてただのやべーやつじゃねえか、っつって頭じゃわかってんのにそう考えるほど余計に治まりそうにねえ。
「責任もって、処理してあげますね」
「は……? いや、いい、自分で、っ」
こんな痴態を晒すおれもやべーが、お前もなにいって……?
「待て」
「…………っ!?」
いやおかしいだろ? 逃げ出してえのに身体が動かねえ。
「見せて」
「なんで、っあ」
んだよ、後輩にちんこ見せるなんて意味わかんねえ。どんなセクハラだ。
なのにおれの意思なんてまるで存在しねえとばかり、言われた通りに身体が動いて止められねえ。
「そう、上手です」
「っ、んなの、上手とか、ねえだろ」
「いいえ、上手に命令聞けてえらいですね」
「は……」
こいつ、命令っつったか……?
「……僕、Domなので」
「Domって、お前」
「秘密にしてたわけではないですが、言う必要もなかったですしね」
たった今Domだと宣言した男の視線が、まっすぐおれに向く。
「そして、あなたは……十中八九、Subのはずです」
「は」
「病院に行って診断を受ければ、薬も処方されますのでこんなになることもないですよ」
「こんなに、って、おまえが」
「そうですね、Domの視線でこんなにグズグズな先輩、かわいいです」
ああもう、一気に情報が押し寄せてきてわけわかんねえ。
「ああ、ずっと「待て」できていい子でしたね」
「は、あ、っ、ちょ、おまえがまて、っ」
言うが早いか、さっきまでおれの頭を撫でていたはずの冴島の手のひらが降りてきて、どうしようもなく焦らされたまま熱が冷めないおれのちんこに迷いなく到達する。
「言ったでしょう、応急処置」
「は……、っあ、さわっ」
「生理現象とはいえ、Domとしては嬉しいものですね」
「あっ、あああっ、やめ」
後輩にちんこ握られてる時点でこの状況、どう考えてもおかしいのに。なのに流されることしかできないまま扱かれて先走りで滑る生々しい水音がうるせえし、意味わかんねえのに気持ちよくて変な声が止まらねえ。
「先輩、かわいい……ほら、イっていいですよ」
「か……? あっ、っっ……」
ああダメだ、こんなの、イくしかねえだろ…………
「は…………まじか…………」
「…………はあ。病院、行って下さいね」
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