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第三十三夜 蠱毒に侵された者
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磔台に処された直美は全裸で両手両足を革の拘束具で固定されて、大股を開くようにされて、俺に玩具で玩弄されている。
この磔台を注文したのは恐らくというか、十中八九、先代の旦那様だろう。
物好きが好きそうな拷問道具だ。こうやって動けない女達を玩んだ事だろう。
まさかそれを巡り巡って俺がする事になるとは──という感慨と、俺もここに磔にされたのを記憶の彼方へと追いやった事を思い出していた。
地下の世界へ落とされて数日──。
この部屋に案内される前に直美に反骨心丸出しでいた時期があった。
地下に落とされて不平不満が蓄積して暴言とまではいかないが、余程反抗的な態度が気に入らなかったのであろう。
今の直美のように磔台に処されて、下半身の象徴を玩弄されてしまった。
罵詈雑言を浴びせられて、よく勃っていた息子を口戯をしながら、俺の愛液に塗れた彼女は満足気にしていた──。
その時は鞭などで嬲られた事は無かったが、余計な一言を言うので、口に拘束具を着けられて呻く事しか出来なかった──。
屈辱的な仕打ちだったから仲間にも話さないで俺の内側だけの秘密にしようとした。
実際、誰にも話す事は無かった。無かったから余計に記憶の底に追いやったのだ。
だから──当時、こう思っていた。
今に立場が逆転したら、同じ苦痛を味あわせてやる──と。
実際に今、それをしている。
男の象徴の形の硬くて冷たい物で直美の花びらを蹂躙している。
かなり乱暴に、しかし壊さないように力を加減しながら、快楽へと繋がるように抜き差ししている。
革の拘束具は手首足首をキツく縛り付け、逃げようと藻掻くと痛みを連れてくるように造られている。
上手い拷問道具だと思った。
妙な感慨があったな──本当に人間を苦しめる為に造られた物は、芸術ものの出来だなと考えた。
俺もだんだんと毒されていくのが解る。
この『黒猫館』には人を惑わす何かが宿っている──狂気や、憎悪や、歪んだ何かを。
亜美さんが話してくれた、怨霊の話はあながち間違いではない。そうでなければ説明がつかない蠱毒がある。
気付かない内に打ち込まれた媚薬も蠱毒だし、まるで狂気に取り憑かれたように女を玩弄するこれも──蠱毒だろう。
だが──それに侵された女や男は際限なくその毒を喰らおうと要求するのであった──。
「旦那様─っ、旦那様ぁ! もっとそこを苛めてぇ──旦那様の言う事なら聞きますから」
「聞きますというより、従うの間違いではないかな?」
玩具を持つ手は直美の愛液塗れになってドロドロになっている。
玩具を刺したまま、手を離して亜美さんが差し出すハンカチで拭く。
宵闇の瞳はもう陶酔しきって俺しか見えて居ない。俺はやはりそこでも嬲るような視線を送って見下していた。
不機嫌では無いが、腕を組んでみせた。
亜美さんが椅子を持って差し出すのでそれに座る。こうやって磔台に処された女を見渡すのは意外と良い光景だ。俺もそういう性癖があるかもしれない──。
直美の豊満な身体は、まさに磔に処すると良い香辛料になる。
あの傲岸不遜な女が磔に処された事実は、本当に写真に収めて眺めたい──。
だが、俺の怒りはまだ収まらないかな。
「貴様。俺の事を『愛犬』と称した時があったな──。まあ、雄犬と言われるよりかはマシだが、ならお前はなんだろうな──?」
「あ、あれは言葉の綾で──」
「言葉の綾ね──。なら俺の言葉の綾はこうかな──雌豚め」
「──!」
「豚なら食用に使える。使い道があるから救いはあるな──お前は何に使えるんだ?」
とことん傷を抉る事にした。
俺は怒らせると肉体的に傷を付けるんじゃなくて、言葉で殺しにかかるぞ……。
「毎日毎夜、色事ばかりに興じて、男達を欲望のままになぶり殺し、見下げた態度でヤリまくる──雌豚以外に何の言い方がある。雌犬か?」
「旦那様──」
「雌犬を屈服させてもつまらないな」
俺は言葉遊びで暇をつぶす。
そこに刺さった玩具で満足するなら、永遠に玩具で愛欲を満たすがいいさ。
俺の滾るこれが欲しい──と言わせてやる。
「どうなんだ? 雌犬。そこの玩具で満足か? それとも早く抜いて、俺に尽くしたいのか?」
直美の顔は涙が今にも出そうになっている。
こんなに傷を抉られるなら尚更だろう。それも散々、自らが愛犬として扱った男だったから。まさに飼い犬に手を噛まれるとはこの事だった。
それは俺も気を付けなければならない。
俺はそこでいやに優しく言葉にした。
「雌犬になんかにするには美しい女性だ。その美しさに気品と人を思いやる心さえあれば、こんな事にはならなかったろうに──」
「旦那様──」
「どうする? 今なら間に合うだろう。俺の言う事に従うか? 悪いようにはしない──」
「従います」
直美が折れた──。
あの誇り高さをかなぐり捨てて俺に乞い願う。
「貴方に従わせてください──旦那様。私に一から愛欲とは何かを教えてください──」
「──そうか」
俺はおもむろに磔台に近寄ると拘束具を外す前に一言だけ謝罪する。
「雌犬などと言い、申し訳無かった──許してくれ──直美」
深く接吻をする。彼女は拘束されても、激しく唇を貪って俺の唾液を舐めてくれた。
その光景を観ていた雪菜さんと亜美さんは革の拘束具を外しにかかる。
晴れて自由になった全裸の直美を受け止めると、俺は抱きかかえ椅子に座り込む。
そして、また深く接吻を交わし──激しい愛の交換が始まった──。
この磔台を注文したのは恐らくというか、十中八九、先代の旦那様だろう。
物好きが好きそうな拷問道具だ。こうやって動けない女達を玩んだ事だろう。
まさかそれを巡り巡って俺がする事になるとは──という感慨と、俺もここに磔にされたのを記憶の彼方へと追いやった事を思い出していた。
地下の世界へ落とされて数日──。
この部屋に案内される前に直美に反骨心丸出しでいた時期があった。
地下に落とされて不平不満が蓄積して暴言とまではいかないが、余程反抗的な態度が気に入らなかったのであろう。
今の直美のように磔台に処されて、下半身の象徴を玩弄されてしまった。
罵詈雑言を浴びせられて、よく勃っていた息子を口戯をしながら、俺の愛液に塗れた彼女は満足気にしていた──。
その時は鞭などで嬲られた事は無かったが、余計な一言を言うので、口に拘束具を着けられて呻く事しか出来なかった──。
屈辱的な仕打ちだったから仲間にも話さないで俺の内側だけの秘密にしようとした。
実際、誰にも話す事は無かった。無かったから余計に記憶の底に追いやったのだ。
だから──当時、こう思っていた。
今に立場が逆転したら、同じ苦痛を味あわせてやる──と。
実際に今、それをしている。
男の象徴の形の硬くて冷たい物で直美の花びらを蹂躙している。
かなり乱暴に、しかし壊さないように力を加減しながら、快楽へと繋がるように抜き差ししている。
革の拘束具は手首足首をキツく縛り付け、逃げようと藻掻くと痛みを連れてくるように造られている。
上手い拷問道具だと思った。
妙な感慨があったな──本当に人間を苦しめる為に造られた物は、芸術ものの出来だなと考えた。
俺もだんだんと毒されていくのが解る。
この『黒猫館』には人を惑わす何かが宿っている──狂気や、憎悪や、歪んだ何かを。
亜美さんが話してくれた、怨霊の話はあながち間違いではない。そうでなければ説明がつかない蠱毒がある。
気付かない内に打ち込まれた媚薬も蠱毒だし、まるで狂気に取り憑かれたように女を玩弄するこれも──蠱毒だろう。
だが──それに侵された女や男は際限なくその毒を喰らおうと要求するのであった──。
「旦那様─っ、旦那様ぁ! もっとそこを苛めてぇ──旦那様の言う事なら聞きますから」
「聞きますというより、従うの間違いではないかな?」
玩具を持つ手は直美の愛液塗れになってドロドロになっている。
玩具を刺したまま、手を離して亜美さんが差し出すハンカチで拭く。
宵闇の瞳はもう陶酔しきって俺しか見えて居ない。俺はやはりそこでも嬲るような視線を送って見下していた。
不機嫌では無いが、腕を組んでみせた。
亜美さんが椅子を持って差し出すのでそれに座る。こうやって磔台に処された女を見渡すのは意外と良い光景だ。俺もそういう性癖があるかもしれない──。
直美の豊満な身体は、まさに磔に処すると良い香辛料になる。
あの傲岸不遜な女が磔に処された事実は、本当に写真に収めて眺めたい──。
だが、俺の怒りはまだ収まらないかな。
「貴様。俺の事を『愛犬』と称した時があったな──。まあ、雄犬と言われるよりかはマシだが、ならお前はなんだろうな──?」
「あ、あれは言葉の綾で──」
「言葉の綾ね──。なら俺の言葉の綾はこうかな──雌豚め」
「──!」
「豚なら食用に使える。使い道があるから救いはあるな──お前は何に使えるんだ?」
とことん傷を抉る事にした。
俺は怒らせると肉体的に傷を付けるんじゃなくて、言葉で殺しにかかるぞ……。
「毎日毎夜、色事ばかりに興じて、男達を欲望のままになぶり殺し、見下げた態度でヤリまくる──雌豚以外に何の言い方がある。雌犬か?」
「旦那様──」
「雌犬を屈服させてもつまらないな」
俺は言葉遊びで暇をつぶす。
そこに刺さった玩具で満足するなら、永遠に玩具で愛欲を満たすがいいさ。
俺の滾るこれが欲しい──と言わせてやる。
「どうなんだ? 雌犬。そこの玩具で満足か? それとも早く抜いて、俺に尽くしたいのか?」
直美の顔は涙が今にも出そうになっている。
こんなに傷を抉られるなら尚更だろう。それも散々、自らが愛犬として扱った男だったから。まさに飼い犬に手を噛まれるとはこの事だった。
それは俺も気を付けなければならない。
俺はそこでいやに優しく言葉にした。
「雌犬になんかにするには美しい女性だ。その美しさに気品と人を思いやる心さえあれば、こんな事にはならなかったろうに──」
「旦那様──」
「どうする? 今なら間に合うだろう。俺の言う事に従うか? 悪いようにはしない──」
「従います」
直美が折れた──。
あの誇り高さをかなぐり捨てて俺に乞い願う。
「貴方に従わせてください──旦那様。私に一から愛欲とは何かを教えてください──」
「──そうか」
俺はおもむろに磔台に近寄ると拘束具を外す前に一言だけ謝罪する。
「雌犬などと言い、申し訳無かった──許してくれ──直美」
深く接吻をする。彼女は拘束されても、激しく唇を貪って俺の唾液を舐めてくれた。
その光景を観ていた雪菜さんと亜美さんは革の拘束具を外しにかかる。
晴れて自由になった全裸の直美を受け止めると、俺は抱きかかえ椅子に座り込む。
そして、また深く接吻を交わし──激しい愛の交換が始まった──。
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