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シルバーヘアーのメロディー
2話 最後の夜
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私は自室に戻るとパソコンの電源を入れた。
そして、とある映像のファイルを開いた。
その映像には、これまでの私達の夫婦の営みが記録してある。
元々、これは最初は私が趣味で記録を残し出したのが始まりだった。
だが、彼女が…アネットが病魔に侵されてからは、むしろ彼女の方が積極的に記録に残していった。
アネットを侵した病魔は、若年性の乳がんだった。
それを知らされた時はもう手遅れだった。
彼女は残り少ない人生を、私と身体を…愛を交換することに捧げた。
涙はとうに枯れたと思ったのに…止まることなく私の頬を伝う。
映像のファイルは古い物は八年くらい前のから、最近のは彼女が天に召される三日前のまで。
私はその映像で割と最近の、彼女が天に召される一週間前のフォルダーを開いた。
映像が流れる。もう触れることも、あの愛液の匂いを嗅ぐことも、汗の匂いを、身体の匂いを嗅ぐことも叶わない彼女が、彼女の人生の中で、そして私の人生の中で最も激しく乱れた夜。
その映像を収める前にアネットは私にこう切り出した。
「多分、今夜が、私達の最後の夜になると思うの…。だから…私の全てを撮影して。私の恥ずかしいところも、あなたとの愛のセックスも何もかも」
その言葉に私はありったけのカメラを動員した。三台のビデオカメラをそれぞれ別の角度から、彼女の全てを収める為にセットして、最後の夜を記録として収めた。
彼女は初めて、全ての照明をつけた状態で、私に抱かれた。
彼女が恥ずかしそうに…自分の蕾をさらけ出して自慰をするところから始まった。
「ねえ…? 見える? 私のあそこ…?」
彼女が恥ずかしさで頬を赤く染めながら自分のラビアを開いて見せる。
甘やかな愛の蜜でいっぱい滴っていた。
そして自分の指で、鍵盤を叩いていた白い繊細な指でやがて花芯を擦り出す。
彼女がだんだん、熱を帯び、私を求めるようにして名前を呼んだ。
「エリオット…! エリオット…!!」
そして、大きなディルドを挿入しながら…私の分身を咥え、私がその行為で、快楽で顔を歪ませる。彼女のきれいな顔に私の愛液がかけられる。それにも構わないで、今度は私が彼女の蕾を舌で愛撫し、彼女の蕾を花にしていく。その愛の蜜でいっぱいになったところで私達がシックスナインをする。彼女を…私は激しく愛した。己の舌を目いっぱい使って。全ての枷を外して私は彼女を愛したのをよく憶えている。彼女は私のオーラルセックスが大好きだった。いつも限界まで私を求めた。彼女が悲鳴のような喘ぎ声を上げる。その顔を甘美なまでに淫らにして、快楽の絶頂に駆け上がる。やがて、私の屹立した分身を自分の花になった蕾に挿入して、あらゆる体位で、とことん激しく彼女と交わった。最後は今までしたことのないアナルセックスまでして。最後は彼女の菊の花で私があまりの快感で果てたのを憶えている…。
悲しかった…。
何で彼女が死ななければならなかったんだ?
私はそのもはや音と映像のみの世界の住人になってしまった人を想って、その映像を観て、思いだすように自慰をした。
無論こんな浅ましい光景、娘のジェニファーに見せられるわけがない。
私はデスクの椅子で己のもてあます欲望を発散させていた。
涙で頬を濡らして…。目の前の映像が涙で曇って見えた。
私にはもはや、一人娘のジェニファーしか残っていない。
アネット…。君はジェニファーに何を望むんだい…?
まだジェニファーは小学生だというのに…君という存在を失った。
君はいつも…泣くように私に抱かれていたね。泣くように喘いでいたね…。
そして、終わった後は…私にその繊細な指を絡めて…私の唇を貪っていた。
君の口は甘くて、そしてどのビンテージワインより美味しかった。
もっとこんなことなら、身体を重ねておくべきだった。
でもお互いに、世界的なピアニストだったから、別れて行動していたね。
君がイタリアで公演している時は、私はイギリスにいて、私がドイツで公演している時は、君がイギリスにいて、すれ違うような人生だった。
でも心ではいつもつながっていたような気がする。
そして、お互いに暇を見つけては…身体を重ねた。
君がジェニファーを宿した時は私は嬉しかったよ。
その間、私は世界中でオーケストラ公演やらチャリティーコンサートやらに呼ばれて、イギリスに帰る時間が無かった。
でも、いつも携帯電話のメールで私を励ましてくれていた。
ジェニファーが生まれたのは、確か三月二十日だったよね。
私の誕生日の二日前だから…憶えている。
君が私に最初に教えてくれたピアノの曲は、ショパンの”ノクターン2番”だったよね。
あの時は私にピアノの才能があるとは思ってなかった。
ずっと理数系が得意で、でも不思議と音楽は大好きな授業だった。
私が将来にあれこれ悩んでいる所に、君に出逢った。
何だか運命の女性に見えたよ。君が。そして、君は昔から得意だったピアノを私に時間を惜しまず教えてくれた。君はいつの間にか私の人生の一部になっていったんだ。
そして君は私のことを”真夜中のピアニスト”と呼んだ。
私のこの銀髪を見て、私が夜になると瞳を銀色に輝かせるのを見て。
アネット…。君がいないこの世界で、一体誰に、この身体を許せばいいんだ?
風俗なんて嫌だし、誰にでも開いている蕾に己を入れるなんて嫌だよ。
君とのセックスは、私の愛の交換だったんだよ?君だから抱いた。
君だから…私は乱れることが出来たんだ。
なのに…もう君はいない。このパソコンの中でしか。
それとも、その矛先をジェニファーに向けろというのかい?
まだ穢れのないあの子に?
そんなこと…していいはずがない…。
なら…この欲望をどこに向ければいいのだろう?
濁流のような質問が次から次へと湧いて出てきた。
私はひとしきり欲望を発散させると…ピアノへと向かう。
今は真夜中の一時。
私は、ショパンの”ノクターン2番”を弾きだした。
そして…あれから十年の歳月が流れて…
私とあの子の運命の歯車は回り出す。
そして、とある映像のファイルを開いた。
その映像には、これまでの私達の夫婦の営みが記録してある。
元々、これは最初は私が趣味で記録を残し出したのが始まりだった。
だが、彼女が…アネットが病魔に侵されてからは、むしろ彼女の方が積極的に記録に残していった。
アネットを侵した病魔は、若年性の乳がんだった。
それを知らされた時はもう手遅れだった。
彼女は残り少ない人生を、私と身体を…愛を交換することに捧げた。
涙はとうに枯れたと思ったのに…止まることなく私の頬を伝う。
映像のファイルは古い物は八年くらい前のから、最近のは彼女が天に召される三日前のまで。
私はその映像で割と最近の、彼女が天に召される一週間前のフォルダーを開いた。
映像が流れる。もう触れることも、あの愛液の匂いを嗅ぐことも、汗の匂いを、身体の匂いを嗅ぐことも叶わない彼女が、彼女の人生の中で、そして私の人生の中で最も激しく乱れた夜。
その映像を収める前にアネットは私にこう切り出した。
「多分、今夜が、私達の最後の夜になると思うの…。だから…私の全てを撮影して。私の恥ずかしいところも、あなたとの愛のセックスも何もかも」
その言葉に私はありったけのカメラを動員した。三台のビデオカメラをそれぞれ別の角度から、彼女の全てを収める為にセットして、最後の夜を記録として収めた。
彼女は初めて、全ての照明をつけた状態で、私に抱かれた。
彼女が恥ずかしそうに…自分の蕾をさらけ出して自慰をするところから始まった。
「ねえ…? 見える? 私のあそこ…?」
彼女が恥ずかしさで頬を赤く染めながら自分のラビアを開いて見せる。
甘やかな愛の蜜でいっぱい滴っていた。
そして自分の指で、鍵盤を叩いていた白い繊細な指でやがて花芯を擦り出す。
彼女がだんだん、熱を帯び、私を求めるようにして名前を呼んだ。
「エリオット…! エリオット…!!」
そして、大きなディルドを挿入しながら…私の分身を咥え、私がその行為で、快楽で顔を歪ませる。彼女のきれいな顔に私の愛液がかけられる。それにも構わないで、今度は私が彼女の蕾を舌で愛撫し、彼女の蕾を花にしていく。その愛の蜜でいっぱいになったところで私達がシックスナインをする。彼女を…私は激しく愛した。己の舌を目いっぱい使って。全ての枷を外して私は彼女を愛したのをよく憶えている。彼女は私のオーラルセックスが大好きだった。いつも限界まで私を求めた。彼女が悲鳴のような喘ぎ声を上げる。その顔を甘美なまでに淫らにして、快楽の絶頂に駆け上がる。やがて、私の屹立した分身を自分の花になった蕾に挿入して、あらゆる体位で、とことん激しく彼女と交わった。最後は今までしたことのないアナルセックスまでして。最後は彼女の菊の花で私があまりの快感で果てたのを憶えている…。
悲しかった…。
何で彼女が死ななければならなかったんだ?
私はそのもはや音と映像のみの世界の住人になってしまった人を想って、その映像を観て、思いだすように自慰をした。
無論こんな浅ましい光景、娘のジェニファーに見せられるわけがない。
私はデスクの椅子で己のもてあます欲望を発散させていた。
涙で頬を濡らして…。目の前の映像が涙で曇って見えた。
私にはもはや、一人娘のジェニファーしか残っていない。
アネット…。君はジェニファーに何を望むんだい…?
まだジェニファーは小学生だというのに…君という存在を失った。
君はいつも…泣くように私に抱かれていたね。泣くように喘いでいたね…。
そして、終わった後は…私にその繊細な指を絡めて…私の唇を貪っていた。
君の口は甘くて、そしてどのビンテージワインより美味しかった。
もっとこんなことなら、身体を重ねておくべきだった。
でもお互いに、世界的なピアニストだったから、別れて行動していたね。
君がイタリアで公演している時は、私はイギリスにいて、私がドイツで公演している時は、君がイギリスにいて、すれ違うような人生だった。
でも心ではいつもつながっていたような気がする。
そして、お互いに暇を見つけては…身体を重ねた。
君がジェニファーを宿した時は私は嬉しかったよ。
その間、私は世界中でオーケストラ公演やらチャリティーコンサートやらに呼ばれて、イギリスに帰る時間が無かった。
でも、いつも携帯電話のメールで私を励ましてくれていた。
ジェニファーが生まれたのは、確か三月二十日だったよね。
私の誕生日の二日前だから…憶えている。
君が私に最初に教えてくれたピアノの曲は、ショパンの”ノクターン2番”だったよね。
あの時は私にピアノの才能があるとは思ってなかった。
ずっと理数系が得意で、でも不思議と音楽は大好きな授業だった。
私が将来にあれこれ悩んでいる所に、君に出逢った。
何だか運命の女性に見えたよ。君が。そして、君は昔から得意だったピアノを私に時間を惜しまず教えてくれた。君はいつの間にか私の人生の一部になっていったんだ。
そして君は私のことを”真夜中のピアニスト”と呼んだ。
私のこの銀髪を見て、私が夜になると瞳を銀色に輝かせるのを見て。
アネット…。君がいないこの世界で、一体誰に、この身体を許せばいいんだ?
風俗なんて嫌だし、誰にでも開いている蕾に己を入れるなんて嫌だよ。
君とのセックスは、私の愛の交換だったんだよ?君だから抱いた。
君だから…私は乱れることが出来たんだ。
なのに…もう君はいない。このパソコンの中でしか。
それとも、その矛先をジェニファーに向けろというのかい?
まだ穢れのないあの子に?
そんなこと…していいはずがない…。
なら…この欲望をどこに向ければいいのだろう?
濁流のような質問が次から次へと湧いて出てきた。
私はひとしきり欲望を発散させると…ピアノへと向かう。
今は真夜中の一時。
私は、ショパンの”ノクターン2番”を弾きだした。
そして…あれから十年の歳月が流れて…
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