翔田美琴のエリオットシリーズ

翔田美琴

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シルバーヘアーのメロディー

22話 Epilogue

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 私は、昔から、お父さんしか目に見えていなかった。
 お父さんは、昔から、その不思議な銀色の髪とその穏やかな性格で、誰からも好かれていた。
 滅多に怒りも露わにしないで、いつも穏やかに、笑っていた。
 お父さんを好きになるファンも凄く多い。みんな、そのお父さんに好かれたお母さんを羨ましいと思って、嫉妬していた。私も同じだった。
 不思議な色の瞳の先には、いつもお母さんが写っている。

 だから、お母さんが、私は嫌いだった。

 だから、お母さんが天国に行った時、私は悲しいというより、嬉しい感情が湧いてきた。

 これで、私はお父さんを独り占めできるんだ。
 でも、私がまだ小さい頃はまだ、完全に独占出来てはいなかった。いつまでたっても邪魔な女がお父さんの心を独り占めしていた。許せない。あの世に行ってまで、独占しようだなんて…!

 きれいなお父さんは、私だけの男なの。その声も、舌も、唇も、口髭も、瞳も、銀色の髪も。
 私を抱いているお父さんは、まるで、そう肉食獣のようなしなやかな唇で私の肌をさまよう。
 鍛えていないように見えて、実は、趣味がスポーツだから、昔から細身なのに、艶やかな艶のある乳白色の肌に覆われた、一切の無駄のない身体つきだった。
 腰も信じられないくらいに細くて、脚も長いし背も高い。まさに完璧な姿と色気を持った男だった。

 私は自慰に目覚めたのは、九歳の頃だった。
 きっかけはお父さんだった。私は既にお父さんに頭の中で、何回も犯されている。
 キッチンに行けば、硬いテーブルの上でのキッチンセックス。後ろから突き上げられるシチュエーションを思い浮かべ、ピアノの練習をしている時は、お父さんが椅子の上でピアノをバックに私に無理矢理迫ってのセックス。お父さんのオーディオルームでは、エッチな音楽をかけての、SMみたいな束縛プレイと目隠しプレイを想像して、その度、私のアソコは溢れるほどに愛の蜜が滴り、いじくれば、お父さんの舌が無性に欲しかった。

 あのお父さんがしてくれた、性のプライベートレッスン程、幸せな時間はなかった。
 お父さんが私をいつも、銀色の瞳で犯してくれていた。最高の快楽を教えてくれた。
 ひとたびオーラルセックスが始まれば、お父さんの舌が、私のアソコを存分に舐めて、いつしか最高に気持ちいい、世の中で一番楽しい時間だった。ねちっこいお父さんの舌が、私の花の芯を舐める度、とてつもない快楽が“私”を満たしていくの。それだけを味わっていたい。だから、お父さんにそれをされるのがいつも楽しみだった。世の中にお父さん以上に上手な人なんていない。

 私が“嫌”とか“恥ずかしい”という言葉を聴くとお父さんは、まるで肉食獣みたいな性格になって、更に私を“快楽”という罠にはめていった。でも、それは私がそうされたいからだった。
 いつもすましたイギリス人紳士のお父さんの内なる野獣みたいな、半端という言葉を知らない、女を陥落させるオーラルセックス。穏やかな紳士の内側には、まるで肉食獣みたいな、牙を隠し持っていた。でも、そういうお父さんが好きだった。
 お父さんと電話をすれば、テレホンセックスをしたくなり、お父さんが仕事で着るタキシード姿になれば、そんなお父さんとコスチュームプレイをしたい。

 これは、もう、最高のピアニストを独占できる特権だった。

 そして、そんなお父さんが、快楽に身を委ねる仕草も、私はたまらなく好きだった。
 お父さんが、私に自分の分身を咥えさせている時間。お父さんは信じられないくらいにセクシーになって、低めのバリトンを艶やかに、私の心に響かせる。切なく喘いで、銀髪を乱す姿もきれいだった。その度に綺麗なピンク色の唇を甘く開いて、私を誘っていた。
 お父さんが無意識のうちに始めた、唇に唇を重ねる行為。だけど、初めてそれをされた日から、私はお父さんに心を奪われた。お父さんのキスは媚薬だった。いつでも甘い。こんな甘い唇が、他の女の肌をさまようなんて許さない。こんなきれいな唇が、他の女に触れるのも許せない。

 お父さんは、私だけの男なんだ…。

 そして、今日は、その憎い女がいなくなって、十年目。
 キリスト教のカトリック系の私の家は、毎年十一月二日になると万霊節オールソウルズデイになって、お母さんのお墓の掃除に行く。そして、死者の為に行われる追悼ミサが生前お母さんが行っていた教会で執り行われる。その時は、お父さんも私も、喪服に着替えて教会に行く。この追悼ミサは今年は節目の十年目だから、その後、我が家では生前のお母さんの知り合いの人が来て、お茶会も開かれる。
 そこで、お母さんの知人が、昔のお母さんの話をするの。
 あの、憎い女の話を聴かなきゃならないなんて、苦痛なだけなのに。
 でも、家はカトリック系の宗教だから、仕方ない。
 そして、その数日前になると、お父さんも仕事をキャンセルする。
 キリスト教のカトリック系の教徒だったお父さんも、それは仕方ないことだと思っているみたい。
 周囲の人間もそれは判っている人がいる。だから、文句一つ、それについては誰も言わないみたい。
 お父さんの周りの人もキリスト教のカトリック系の人達がいる。その人達も例外なく、十一月二日は仕事は休みになって、死者のためのミサに出る。
 日本で言う所の”お彼岸”みたいなものと考えていいと思う。
 この日はみんなミサに出る。カトリック系の人間なら誰でも。
 でも、このお茶会が済めば、後はもう、私との快楽の時間にあててくれる。
 静かな、追悼ミサがあったこの日の夜。
 深夜十二時を越える頃、私達はまた、身体を重ねた。

「お父さん…っ!」
「はあっ…はあっ…ジェニファー」

 今夜のお父さんは、そのまま喪服姿で、私の唇を貪っていた…。
 なんて背徳的な光景なのかな…?生前のお母さんを悼む夜なのに、お父さんはお茶会が済んで、二時間後には、もう淫らな肉食獣みたいな瞳になって、私の身体を貪っているんだよ…。
 でも、そんなの関係ないよね。私も夢に想っていた。
 お父さんの喪服姿はそそられちゃうよ。お父さんは黒が一番似合う男性なんだもの。
 それにその喪服の裏から匂う体臭も、上品なムスクになっている。
 誘っているんだね。私を。
 だから、この日はもっと…私も淫らになっちゃう。

「脱いで? お父さんの肌…見たいよぉ…」
「ああ。今夜はどこでしたい?」
「キッチン…」
「いいよ…。ジェニファーの喪服姿もそそるな…。その姿で後ろから責めてみたいよ」

 そうして、キッチンに行くと、硬いテーブルの上に、喪服姿の私をうつ伏せで倒し込んで、喪服のスカートの下の白いパンティーをすぐ脱がしちゃう。
 鍵盤を叩くお父さんの淫らな指が、自然と私の花の芯を擦り出す。

「あはあっ! あん! お父さん…っ!」
「ジェニファーのここは、すぐに濡れるんだね? 本当に淫らでエッチなだ…」
「あん。いいよぉ…。早くぅ…突っ込んで…ぇ」
「ダメだ。もっと…ここを濡らしてからだ」

 うん。私もその方が好き。いっぱい濡らして…?お父さん。
 お父さんの手淫が以前より上手になっている。私の太ももに…エッチな液が滴るように流れる。

「はあっ…すごい…お父さんのエッチな指…好きっ」
「ここなんて…どうだ…?」

 私の菊の花に、指がいった。私の花びらから溢れる蜜を使って馴染ませるように菊の花に刷り込む。

「はあん! いいっ…!! もっとぉ…いじくって」
「だんだん…興奮してきた…。お前を犯したい…!」
「早く…後ろから突っ込んでぇ…! お父さん…っ!」
「ほら」
「あうっ!!」

 硬いテーブルの上で、私はお父さんを後ろから受け入れた。
 そのまま、お父さんが動きだす。
 私は悦びに震えていたの…! 憧れのキッチンセックス…。ずっと昔からのシチュエーション。
 キッチンの硬いテーブルの上でこうされるのが夢だった…!
 乱暴なくらいに私を責め立てるお父さんが、大好き…!

「ジェニファーのここは、何回しても…緩くならないね…? どうやって鍛えているのか…。はあっ…はあっ…すごい…こんな快感…一度でも味わうと…!」
「すごい…すごいよぉ…! お父さんっ! もっと激しく…突いて」

 お父さんが私の腰に両手を掴んで、後ろから立ちバックで、私を上の方に貫いた。
 お父さんが踊っている。私に分身を入れて、淫らに腰を振っている。
 こんな恐ろしい快感を味わったら、他の同級生の男の子なんて、興味ない。
 そして…なだれこんでくる、この快楽が……甘美なの。
 ああ…。お父さん。綺麗な紫色の瞳…乳白色の艶のある肌…渋いバリトンの声…繊細な指…狂暴な下半身…長い脚…無駄のない身体…その口髭…唇…端正な眉毛…高い鼻…器用な舌も…。全部、愛しいよ?お父さん。

 この快感を得られるなら、どんな痛みも甘美なの…。
 美しいの。この世の中でこんなに気持ちいいことなんてない。
 だから…私は喘いじゃう。

「だめぇ…もう…いっちゃう…!」
「じゃあ…やめようかな…?」

 そこでお父さんはわざと中断する。抜き差ししている分身の動きを止める。
 そうやって中断されると、もっと欲しくなっちゃう…。
 何回でも、何回でも、もっとお父さんが欲しいと思っちゃう。

「やめないで! お願い! お父さん…っ!」
「今夜は一回では終わらせないよ?」

 うん。私も…十回でも二十回でも、来て欲しい…!

「あ…後で…お父さんを咥えたいから…続きをして!」
「偉いね…。奉仕までしてくれるのかい? じゃあ…」
「あうっ!! ああっ! お…奥の方まで突っ込んで…!」
「えぐるように貫いてあげる」

 ああっ…お父さんが入ってくる……。“私”が最高に満たされる瞬間だった。
 でも、それは、“エリオット・レム”という人間も同時に満たされる瞬間だった。
 エリオット・レムが、甘美なまでに快感に酔いしれる瞬間…。
 あの声が…喘ぐように…囁く…。

「たまらない…”快楽”…だ」
「こんな快楽を味わったら…他の女なんかどうでもいい」

 そうだよ…? 私はお父さんの物なんだもの。

「何時間でも、愛せる花びらだ…」

 腰が勝手に動く。激しい快楽を求めている…。もっと激しく…自分が吹き飛ぶくらいに…!

「そう…君こそ、私が手に入れるべき花!」
「あうっ!!」

 奥の肉がぎゅうっと締まるみたい…。私はお父さんを逃がしたくないって身体も言っているんだ。
 やがて…お父さんは一回目の絶頂に駆け上がる。

「で…出るっ!」
「ああーっ!!」

 そうやって、いつもお父さんは、自分の愛を、私に注いでいる。
 意識を失うような激しい快楽が…お父さんを満たしている。
 その後、お父さんはしばらく、じっと…快楽の余韻に浸っていた。

「……はあっ……はあっ……すごい…ジェニファー…」

 私の名前を喘ぐように呼ぶお父さん…すごいセクシー…。
 私を満たしていたものがゆっくりと抜けていく。名残惜しそうに。
 お父さんは軽く額に汗をにじませていた…。
 息も少し乱していた…。
 背後から私を抱きしめている。

「ジェニファー…どうだった? キッチンセックスもいいだろう?」
「うん!」
「今度は私の番だよね…?」
「いいや。口戯はいいよ」

 お父さんは、両手を出してそれを遮った。

「これ以上すると気絶しちゃうかも知れない」
「じゃあ、どうして欲しいの?」
「まだ、私の上半身は元気だから…君のここを愛させてくれ……」

 近くのソファに私を座らせると、お父さんは大きく股を広げさせて…私の花びらを瞳で犯す。

「美味しいそうだ…。んんっ…はあっ…すごい…ジェニファー」

 お父さんのオーラルセックスが始まった…。いつでもこれは…気持ちいい…!
 お父さんは膝をついて、喪服姿で、私の花びらを貪っていた。
 きちんと瞳で犯すことも忘れない。
 綺麗な紫色の瞳が、快楽でとろんと陶酔してしまっている…。その表情が、男性なのに妖艶に見えた。
 きちんと自慢のナイフみたいに鋭い鼻で、大事な所を刺激してくれる。
 整えられた口髭が私の花の芯に当たるようにして、ラビアの中に舌を入れる…。
 私が快楽の叫びを上げると、更にお父さんは追い討ちをしてくれるの。
 そうやって…お父さんは何時間でも、愛してくれた…。

 お父さん。昔、初めて身体をつなげた時、言っていたね。
 地獄に堕ちるんだって。
 もう、私はとっくに堕ちているよ…?
 だから…一緒に地獄へ行こうね…。お父さんが死んだら、一緒に地獄へ行こうね…?
 天国のお母さんの所へは行かせないよ。
 私と一緒に地獄に堕ちるんだよ?
 この世でも、あの世でも、お父さんと私は一緒なの。離れられない恋人同士なの。
 だから…一緒に地獄に堕ちるんだよ。
 
 お父さんから香る“闇”の香水…。
 もう、お父さんの匂いだね。お父さんの罪の印だね…。
 お父さん…やっと、私だけに振り向いてくれた…。
 私も一緒に地獄に堕ちるんだよ。一人じゃないから平気だよ?
 あの憎い女が、十年経って、お父さんの心からいなくなった。
 もう、邪魔をする女はいない。
 この完璧なピアニストは、“私”だけの男。
 誰にも渡さない。
 私だけの物なんだもの。
 お父さん、見つけた。
 私だけに微笑んでね。
 一緒に地獄に堕ちるんだよ。
 一緒に地獄に堕ちるんだよ…?

 ……判っているって。ジェニファー……一緒に地獄に堕ちよう……。

 END
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