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第1クール 魔女裁判編
Case09 センスおバカ魔女の悲劇
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開廷の鐘が鳴らなかった。その代わりに鳴ったのは突然のサイレン、否週に一度の狂気のイベント【魔女狩りの夜】の始まりだった。
そこでは観客席の誰かが強制的に舞台に引き出されるという。
そこでの判事は、レア判事、ギャリー・オズモンド判事。魔女狩りの夜に駆り出される事が多いレア判事である。
「これより、【魔女狩りの夜】を始める! この私が特別に魔女の裁定をしてやろう!」
「きたーー!」
「【魔女狩りの夜】だーーー!」
ギャリー判事が舞台の裁判官席から降りて、観客席へと歩みを進める。黒子が普段閉鎖されている舞台と観客席を繋ぐ階段を開けた。
ギャリー判事が観客を値踏みする。顔を眺めて、頷いたり、腕を組んだり──。
観客達はわかっている。判事には気軽に触れてはならないと。
しかし、その静寂を破る愚かな魔女がいた。
「ねえ? 判事様ぁ~」
ギャリー判事は顔を顰めた。
その魔女の姿は余りにもセンスの欠片がないからだ。
髪の毛は無理やり茶髪したボサボサの髪の毛、ドレスコードは無視。黒のダウンジャケットが合わない。ジャンバーの選別にでも失敗したか? 靴は何処かのコスプレショップに置いていそうな安物の人形靴。こんなものを平然と履く阿呆さ。絶望的なのは頭頂のピンク色のリボン。アホさ加減を絶妙に演出している……。
脳みその出来は言わずもがな。言葉は軽々しい。
ギャリー判事は溜め息をつくと魔女狩りの第一の犠牲者にセンスおバカ魔女を選ぶ。
「おい、この魔女を舞台に出せ。こういう魔女を矯正してやる」
「来るがいい」
「や、やめて~!」
「ハハッ、やれやれーー! ギャリー判事」
「この魔女のメンツ、潰したれーー!」
一気に舞台は火を焚べられたかのように過熱していく───。
センスおバカ魔女は黒子に引きずられ即時磔台ヘ処される。
「何で、アタシが!?」
「お前の格好がドレスコード違反なんよ!」
「馬鹿魔女ーー! 鏡も見てないのかー?」
「眼ぇ、腐ってやがる」
周囲の罵倒は過熱するばかり。
「──それでは、貴様の魔女裁判を始めてやる。一応名前だけは聞いてやる」
「キャシー……」
「魔女キャシーよ、貴様の罪はセンス壊滅罪だ」
「そ、そんなセンス壊滅って……私は可愛いって思って」
「眼ぇ、腐ってんの? お前の何処にセンスがあるんだよ!」
「そこが浅いってんだ! クソが!」
「つーか、こんなもん、見せられる周りのことを考えろーー!」
「センスが迷子過ぎて救えねえ……」
「そ、そんな救えないって」
既に魔女キャシーは半泣きである。
しかし周りは更に暴言の祝詞の火力をあげる。
ギャリー判事は腕を組み、肩で微笑っている──。
「お前、一度死んでセンス構築してこい!」
「そーだ、死ね!」
「てめえみたいなのがいるからオタクが誤解されるんだわ!」
「てめーの美意識、死んでるのよ」
「不愉快な奴には鞭打ちを」
「その服、引き裂いて、裸にしてやれよ!」
「裸の方が綺麗よ?」
「そーだ、ギャリー判事、服引き裂いてください!」
ギャリー判事は鞭を軽く肩に担ぐと、その鞭で肩を叩きつつ、舞台を歩く。
「──そうだな。今夜は魔女狩りの夜。少しはサービスしてやろうか」
「ひいっ……!」
「文句あるか? 魔女キャシー」
「観客は貴様の壊滅的センスを剥げと言ってるよ。私も同意だ」
「そ、そんな! 必死でコーデしたのに!」
「では、その必死のコーデを引き裂いてやろう。刑はコーデ引き裂きの儀だ」
瞬間、一気に観客は歓喜に轟いた。
「おっしゃ! やれ! やれ!」
「判事の手で汚らわしいコーデを引き裂いたれ!」
「てめーの壊滅的センスを呪えや!」
ギャリー判事は周囲の黒子に「やれ」と命じると、黒子はダウンジャケットを文字通り銀のナイフで引き裂いた。
「いやあああっ!」
「こんなもの、役立たずですね」
次は上着のフリルたっぷりブラウスをボタンごと引きちぎる。
「だめええぇ!」
「全く何を考えているのですかね」
次はフリルたっぷりスカートを引き裂いた。銀のナイフが猛威を振るう。
「やめてええ! やめてぇ!」
「ふん、本当に馬鹿ですね」
髪の毛もボサボサの彼女を鋏で更に荒らす。
「このような髪の毛など要りません」
「ダメェ……ダメェ……」
頭頂のピンク色のリボンも外して靴で踏みつける。
「似合わないアイテムは処分ですね」
「ああっ! 一番大事なものなのにぃ!」
ほぼ下着だけになったキャシーは周囲のライトに照らされる。
「身体付きはフツーな」
「ふん、特段綺麗でもねぇ……」
「やっぱりお粗末な魂よ……」
周囲の観客の暴言が飛ぶ。
ギャリー判事は肩に担いだ黒い鞭を弄び、嗤いながら淡々と裁く。
「ふむ、やっと直視できるレベルに落ち着いたな。さて、貴様のその粗末なセンスはなんだ?」
「……粗末って」
「何処が源泉なのだ。創作か?」
「人形……。き、綺麗だったから真似てみた」
魔女キャシーは震える声で自白する。
ギャリー判事はそこで顔をあからさまにしかめる。
「それは、創作者への最大の無礼だよ……」
「そんな姿を晒す事自体が罪なのだ」
「そ、そんな……!」
「てめえみたいな馬鹿がいるから誤解されるんだよ! 償え!」
周囲の観客の怒りの焔は燃え盛る──。
今夜は魔女狩りの夜。過激なまでに魔女は糾弾される。
「さて、観客に問おう。この魔女をどの罪に落とす?」
「性奴隷だ!」
「そうだ! 性奴隷として嬲ってやれよ!」
「永遠に嬲られてきやがれ」
「いやあ、そんなのいやぁ!」
「ほう……永遠の性奴隷コースか……それも良いな」
「魔女キャシーよ、判決を言い渡す。永遠の性奴隷コースへ送致する! そこで判事達に嬲られるがいい」
魔女キャシーが泣き叫ぶ中、魔女狩りの狂気の一夜は終わりを迎えるどころか次の魔女を求めて、ショーは続く──。
そこでは観客席の誰かが強制的に舞台に引き出されるという。
そこでの判事は、レア判事、ギャリー・オズモンド判事。魔女狩りの夜に駆り出される事が多いレア判事である。
「これより、【魔女狩りの夜】を始める! この私が特別に魔女の裁定をしてやろう!」
「きたーー!」
「【魔女狩りの夜】だーーー!」
ギャリー判事が舞台の裁判官席から降りて、観客席へと歩みを進める。黒子が普段閉鎖されている舞台と観客席を繋ぐ階段を開けた。
ギャリー判事が観客を値踏みする。顔を眺めて、頷いたり、腕を組んだり──。
観客達はわかっている。判事には気軽に触れてはならないと。
しかし、その静寂を破る愚かな魔女がいた。
「ねえ? 判事様ぁ~」
ギャリー判事は顔を顰めた。
その魔女の姿は余りにもセンスの欠片がないからだ。
髪の毛は無理やり茶髪したボサボサの髪の毛、ドレスコードは無視。黒のダウンジャケットが合わない。ジャンバーの選別にでも失敗したか? 靴は何処かのコスプレショップに置いていそうな安物の人形靴。こんなものを平然と履く阿呆さ。絶望的なのは頭頂のピンク色のリボン。アホさ加減を絶妙に演出している……。
脳みその出来は言わずもがな。言葉は軽々しい。
ギャリー判事は溜め息をつくと魔女狩りの第一の犠牲者にセンスおバカ魔女を選ぶ。
「おい、この魔女を舞台に出せ。こういう魔女を矯正してやる」
「来るがいい」
「や、やめて~!」
「ハハッ、やれやれーー! ギャリー判事」
「この魔女のメンツ、潰したれーー!」
一気に舞台は火を焚べられたかのように過熱していく───。
センスおバカ魔女は黒子に引きずられ即時磔台ヘ処される。
「何で、アタシが!?」
「お前の格好がドレスコード違反なんよ!」
「馬鹿魔女ーー! 鏡も見てないのかー?」
「眼ぇ、腐ってやがる」
周囲の罵倒は過熱するばかり。
「──それでは、貴様の魔女裁判を始めてやる。一応名前だけは聞いてやる」
「キャシー……」
「魔女キャシーよ、貴様の罪はセンス壊滅罪だ」
「そ、そんなセンス壊滅って……私は可愛いって思って」
「眼ぇ、腐ってんの? お前の何処にセンスがあるんだよ!」
「そこが浅いってんだ! クソが!」
「つーか、こんなもん、見せられる周りのことを考えろーー!」
「センスが迷子過ぎて救えねえ……」
「そ、そんな救えないって」
既に魔女キャシーは半泣きである。
しかし周りは更に暴言の祝詞の火力をあげる。
ギャリー判事は腕を組み、肩で微笑っている──。
「お前、一度死んでセンス構築してこい!」
「そーだ、死ね!」
「てめえみたいなのがいるからオタクが誤解されるんだわ!」
「てめーの美意識、死んでるのよ」
「不愉快な奴には鞭打ちを」
「その服、引き裂いて、裸にしてやれよ!」
「裸の方が綺麗よ?」
「そーだ、ギャリー判事、服引き裂いてください!」
ギャリー判事は鞭を軽く肩に担ぐと、その鞭で肩を叩きつつ、舞台を歩く。
「──そうだな。今夜は魔女狩りの夜。少しはサービスしてやろうか」
「ひいっ……!」
「文句あるか? 魔女キャシー」
「観客は貴様の壊滅的センスを剥げと言ってるよ。私も同意だ」
「そ、そんな! 必死でコーデしたのに!」
「では、その必死のコーデを引き裂いてやろう。刑はコーデ引き裂きの儀だ」
瞬間、一気に観客は歓喜に轟いた。
「おっしゃ! やれ! やれ!」
「判事の手で汚らわしいコーデを引き裂いたれ!」
「てめーの壊滅的センスを呪えや!」
ギャリー判事は周囲の黒子に「やれ」と命じると、黒子はダウンジャケットを文字通り銀のナイフで引き裂いた。
「いやあああっ!」
「こんなもの、役立たずですね」
次は上着のフリルたっぷりブラウスをボタンごと引きちぎる。
「だめええぇ!」
「全く何を考えているのですかね」
次はフリルたっぷりスカートを引き裂いた。銀のナイフが猛威を振るう。
「やめてええ! やめてぇ!」
「ふん、本当に馬鹿ですね」
髪の毛もボサボサの彼女を鋏で更に荒らす。
「このような髪の毛など要りません」
「ダメェ……ダメェ……」
頭頂のピンク色のリボンも外して靴で踏みつける。
「似合わないアイテムは処分ですね」
「ああっ! 一番大事なものなのにぃ!」
ほぼ下着だけになったキャシーは周囲のライトに照らされる。
「身体付きはフツーな」
「ふん、特段綺麗でもねぇ……」
「やっぱりお粗末な魂よ……」
周囲の観客の暴言が飛ぶ。
ギャリー判事は肩に担いだ黒い鞭を弄び、嗤いながら淡々と裁く。
「ふむ、やっと直視できるレベルに落ち着いたな。さて、貴様のその粗末なセンスはなんだ?」
「……粗末って」
「何処が源泉なのだ。創作か?」
「人形……。き、綺麗だったから真似てみた」
魔女キャシーは震える声で自白する。
ギャリー判事はそこで顔をあからさまにしかめる。
「それは、創作者への最大の無礼だよ……」
「そんな姿を晒す事自体が罪なのだ」
「そ、そんな……!」
「てめえみたいな馬鹿がいるから誤解されるんだよ! 償え!」
周囲の観客の怒りの焔は燃え盛る──。
今夜は魔女狩りの夜。過激なまでに魔女は糾弾される。
「さて、観客に問おう。この魔女をどの罪に落とす?」
「性奴隷だ!」
「そうだ! 性奴隷として嬲ってやれよ!」
「永遠に嬲られてきやがれ」
「いやあ、そんなのいやぁ!」
「ほう……永遠の性奴隷コースか……それも良いな」
「魔女キャシーよ、判決を言い渡す。永遠の性奴隷コースへ送致する! そこで判事達に嬲られるがいい」
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