インフィニート!!

桜木雨

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五話目!

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あの後、僕は慶に職員室まで連れて行ってもらうことによって、遅刻を免れた。
慶には感謝しかない。
僕は職員室に行けば、この学校に関する説明があるのかと思っていたが、始業式前は忙しいらしくルームメイトにでも聞いてくれとのことだ。
そもそも、今初めてルームメイトの存在を知った。
驚きだ。
仮にもアイドルと同じ部屋って大丈夫なのだろうか。
まぁ、セキュリティはきっちりしていそうな学校だし、そう言うところはちゃんとしているのだろう。多分。
あと、担任だと紹介された穏やかで優しそうな先生は朝霧あさぎり先生と言うらしい。
朝霧先生曰く、今日は教室に一度集まりHRをしてから大講堂で始業式というスケジュールだそうだ。
そのため、僕の身には教室で黒板に名前を書かれて紹介されるというテンプレ展開が起こるらしい。
一度やられてみたいと思ったことはあるが、本当に起こってしまうとそんな呑気なことは言ってられない。
そもそも、自己紹介って何て言えばいいんだっけ?
去年したよな。うん。した。高一の時。
いやでも、アイドルってもしかして「haruでーす!」みたいな挨拶するのか?
キャラじゃねぇ。てか、全然イメージできない。
そんなテンション高い感じ無理。
そんなことを考えている内に教室にたどり着いてしまった。
「先生が呼んだら入ってきてね」
「はい」
まじか。めっちゃテンプレ。凄い。こんなことあんの?
もう緊張と緊張と緊張と不安で頭がおかしくなりそうだ。
教室の中から微かに先生の声が聞こえてくる。
「今日は始業式です。新しいクラスになり不安なこともあるかと思いますが、頑張って下さい。今日からこの学年に新しい仲間が加わります。困っていたら助けてあげて下さい。それでは、入ってきて下さい」
もう緊張のしすぎで、意味のわからないことしか考えられない。
先生って敬語使うタイプだったんだ~とか、小学生みたいな紹介のされ方したなぁとか。
「大丈夫ですか?」
あ。教室入るの忘れてた。ごめんなさい、先生。
「大丈夫です」
そう言って教室に入る。

緊張して臨んだ僕の自己紹介はこの二人によってぶち壊された。
「今日からこのクラスに入る、小羽春樹こはねはるき君です」
「あーーーー!やっぱりリーダーだ!こんな時期に転入とかおかしいと思ったんだよね。ほら言ったでしょ、桜介」
「俺と海斗のクラスになったか。運が良かったな」
待って?何でこの二人と同じクラスなの?まぁ当然といえば当然?
てか、そんなことはっきりいってどうでもいい。

取りあえず、僕に挨拶ぐらいさせろぉぉおおお!!!
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