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最高の奴隷

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「……」

 自然と目が覚めて身体を起こした。カーテンの隙間からは弱々しいながらも光が差し込んでいる。昨日買った置時計の針は朝の七時を示していた。

 健康的な起床で気分はすこぶる良い。隣ではプリムラが布団に包まって寝ていた。

 こう見るとまるで猫だな。自然と頭に手が伸びてしまう。意味もなく撫でていると耳が動いた気がした。

 起こしたかな、と思ったが大丈夫そうか。ゆっくりベッドを離れて洗面所へ向かう。昨日は結局三回戦までしてしまった。

 プリムラの身体は魅力的すぎて思い出すだけでも興奮してくる。今からベッドに戻って飛びかかりたいぐらいだが、今はシャワーを浴びたかった。最後はプリムラに身体中を舐められたし。猫人族の愛情表現なのかもしれない。

 それに、脇に顔を埋めてきたりもした。匂いフェチだとして、俺がそこまで良い匂いだとは思えないが。

 そういえば首元を噛まれたっけ。洗面所の鏡を見ると首元にはしっかり歯型が残っていた。

 行為中はプリムラも気持ち良さそうにしていたが、奴隷だからという事情を考慮すれば素直に受け取るのは早計だ。出会ったばかりだし心を開いてくれなくても仕方ない。多少は俺への好意があると嬉しいんだけれど、それを本人に聞く勇気などあるはずもなく。

 少しため息。

 避妊すらしていなかったが、異種族同士の間に子供ができることはまずないらしい。絶対というわけではないところがまたあれだった。

 風呂場に入ってシャワーを浴びる。今日は迷宮にでも見学へ行こうかな、と考えていると急にドアが開く。

「あら、入っていたのね」

 そこには裸のプリムラが立っていた。

 随分と積極的なラッキースケベがあったもんだ。プリムラは俺の前に身体を滑り込ませてドアを閉めた。

 当然のように俺の前尻尾は膨張してしまう。プリムラの尻尾の付け根に当たると、その尻尾が巻きついてくる。

 たまらず抱きつき、首元が目に入ったので噛み付いてみた。

「あっ……」

 プリムラは艶のある声を出すとこちらへ顔を向けてキスをする。そんなことをされて我慢できる男などいるだろうか。いや、いないな。



 ◇



「ふぅ……」

 パンツ姿でベッドに身体を投げ出す。置時計はすでに八時を示していた。一時間も風呂場にいたのか。やれやれだな。

 少しして髪を乾かし終えたプリムラが洗面所から出てきた。もちろん裸だ。

 いちいち色っぽくて興奮が止まらない。プリムラは昨日買った物が入った袋を開けると中身を取り出す。手に取ったのは下着だ。

 まずはパンツを左足に通し、続けて右足に通して穿く。次に手にしたのは乳首丸出しブラジャー。ストラップに両腕を通して肩にかける。少し前かがみになって下乳に位置を合わせた。

 それからホックを留めると胸の横に手を当て寄せて整える。最後にストラップを調整してブラジャーを着け終えた。

 こんなにまじまじと異性の着替えを見たのは初めてだ。まだ乳首は出たままなのがなんとも。色素が薄めで綺麗なピンク色をしていた。

 落ち着け、我慢我慢。このままでは一日中まぐわうことになってしまう。こちらの視線に気づいたプリムラが近づいてきた。

 そして、キスをされる。これは愛情表現と考えていいのだろうか。プリムラの肩を取ってベッドに押し倒した。

「……するの?」

 そんな顔をして甘えた声を出すとか。どうやら俺をダメ人間にしたいらしい。

「……今日は迷宮に行くから」

 だがしかし、俺は鋼の心を持つ男。最後にもう一度キスをすると舌を絡められた。

 頭が沸騰する前にプリムラから離れる。

「ご主人様、今夜も愛してくださいますか?」
「は、はい……」

 そんなことを言われたら素で返事をするしかなかった。プリムラは可愛い笑顔を見せるとベッドから立ち上がる。からかわれた気がしないでもない。

 なんというか、この若干弄ばれている感じも悪くないのがな。そのうち俺がプリムラのことをご主人様って言い出しそう。足をお舐めなさい、とか言われたりして……最高かよ。

 プリムラは袋からハート型の乳首シールを取り、膨らみの先端に貼り付けた。

 エロいというより下品な領域に入ってるな。結局はエロいのだが。

 次にショートパンツを手に取ったのでストップをかける。

「ソックスからにしよう」

 そのほうがエッチだ。

「わかったわ」

 プリムラはにやりと口元を変化させる。ソックスを手に取るとこちらへ渡してきた。

「穿かせていただけませんか?」

 ほいきた。

 ベッドに腰掛けたプリムラの足元に正座する。プリムラは左足を俺の目の前に上げた。

 まずは匂いチェックから。鼻をスンスンさせると足の指でその鼻を挟まれてしまう。

「ご主人様の変態」

 プリムラの足にソックスを通す。ひざ上までの長いソックスだ。穿かせ終えると境界部分の肌が微妙に盛り上がった……実に良い。

「ありがとうございます、ご主人様」

 それはこっちのセリフなんで。

 プリムラが前かがみになると、暴力的な胸が眼前にきて頬へキスをされた。ああ、一日で俺の扱い方を心得るとは……。

 最高の奴隷だな。
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