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第二章 萌と愉快な仲間たち
第8話 チュートリアル:検査報告
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「阿久津先生。どうぞご覧になってください。非常に興味深い内容ですよ」
とある一室でタブレットを受け取る阿久津。鼻からため息を出し、気だるそうにフリックする。
今日の授業は終わり、事務仕事も終わったと息抜きのコーヒーを飲んでいると、検査機関の後輩から要請があり、嫌々出向いてきたのだ。
まったくなんだよ。と、半目で検査官を睨んだが、少し楽しそうに笑みを浮かべる表情を見ると、さらに大きくため息をついた。
「……」
スラスラと見ていく。
名前:花房 萌
年齢 17歳
性別、身長、体重、住所。胸囲と健康状態までも書いてある。
そこで検査官に指摘した。
「ここ間違ってるよ。体重」
タブレットを見せて指摘する。
「身長と体重が一緒て、ドラえもんじゃあるまいし」
馬鹿らしいと鼻で笑う阿久津。しかし、そのセリフを待ってましたと言わんばかりにドヤ顔になる。
「間違ってないです。その裏付けもちゃんとありますから」
「ほんとぉ?」
読み進める。そして数秒後、目を白黒した。
「筋繊維密度が平均の五十倍……?」
そんな馬鹿なと、阿久津は内心思ったが、一つだけ、脳裏に過ぎるものがあった。
「ミオスタチン関連筋肉肥大か!」
ミオスタチン関連筋肉肥大。通称、超人体質。人間を含む生物の筋は、ミオスタチンというたんぱく質によって過剰に成長できないようにできており、これが一種の筋肉の発達の仕組みの一つとして成り立っている。
「でもおかしくない? 花房くんって標準体型じゃん」
阿久津の指摘はもっともだ。筋肉肥大、肥大なのだ。ボディビルダーの様な筋肉のつき方になるはずなのだ。だが花房 萌は筋肉質ではあるがいたって標準体型。それがおかしいと。
「ええ、それは私も思いました。でも面白いものでね、彼だから可能なのですよ」
彼の骨格ならね。と締めくくった。
「骨格ねぇ」
「はい。私もいろいろ見てきましたが、学会にだしてもそん色ない奇跡の様な骨格です。その骨格が、筋肉の肥大化を許さないのです」
「ふーん……」
興味なし。そう取れるが、阿久津の目はダル気が抜け、真剣そのものになっていた。
「でもおかしいんですよ。過去の花房くんのデータを見るに、いたって普通。どこにでもいるごく普通の学生です」
「ミオスタチン関連筋肉肥大は、先天的なケースが最も。今回の検査で判明したとなると、考えられる答えは一つだけ……」
検査官が首を縦に振る。
タブレットをフリックする阿久津。
「覚醒したスキルに『オーラ』。それと、『至高の肉体』、か」
スキル『オーラ』は、少ないながらも認知されているスキルだ。身の内に宿る力をオーラとして扱い、それを行使して戦う。扱いは難しいが、本人の努力次第でどこまでも強くなる。だが精神力を使うので、非常に疲弊する。
そう阿久津は認識している。
「はい。花房くんの肢体は無駄な筋肉が付いておらず引き締まっている印象で、美的観点から見ても美しく、ダビデ像を彷彿とさせました」
だが問題は『至高の肉体』。こればかりは見聞きした事がない。肉体強化の意味合いで言えば、『身体強化』の類がこれに該当するのだろうか。如何せん、憶測だけでははっきりしないと、頭を掻く。
「確か、今日の午後にカウンセリングを受けたと思うんだけど、どう?」
「無粋な事聞きますね。カウンセリング内容は外部には漏らせません。……よほど気になるみたいですね」
「まぁねぇ……」
教えて貰えるとは阿久津も思っていない。ただ、興味があると伝えたかったのだ。
「やる気ゼロの阿久津さんがやる気を見せたので、私の独り言を聞いて下さい」
そう言われて半目になる。
「花房 萌くんかぁ。何か隠し事してるような……杞憂かなぁ」
そう言いながら、検査官は部屋を出ていった。
「……隠し事、ねぇ」
電子タバコを懐から取り出し、口にする。
「そういえば明日、アレかぁ。フー」
煙を吹いた。
翌日の午後。
「フー」
喫煙所ではない所で阿久津は電子タバコを吹かしていた。
ここは学園内にある体育館の一つ。中央には競技ができる程の区画が広く設けられており、用途に合わせて使え分けれる。
その中央より左側で阿久津は立っていた。
「マジで阿久津先生じゃん」
「午後から授業なくてラッキー」
二人の生徒が雑談している。
「なになに? 戦闘試験なのに何で先生なの?」
「なんでも、試験官の代わりに試験するんだって」
「見たらわかるわよ。なんにせよ、試験する人がそれ程の人って事でしょ」
女子三人組が観客席に座る。
「フー」
阿久津は思った。
(どこで漏れたのやら。右も左も、前方に後方。ぽつぽつ観客がよく居るわ)
本来ならば、今日の戦闘テストはいつも通り試験官が務めるはずだったが、阿久津が上申して今に至る。
(花房くんの実力は俺が直接見るって啖呵きったのはいいけど)
入場口に白衣姿の人物が見えた。
(なるほど。手のひらの上って訳ね。……性格わる)
そう思っていると。
「あのぉ。まだ始まってないです、よねぇ」
テストを受ける生徒。花房 萌がジャージ姿で入ってきた。
「大丈夫よー。ちょっと暇なお客さんが居るけどね」
ただの戦闘試験。試験官と一対一でするものと思っていた萌だったが、何処から来たのか観客の存在。そして担当の阿久津が相手となり、少し引き気味での登場となった。
「本当は試験官が相手だけども、どこも人手不足でね。今回は俺が相手だ」
「そ、そスか」
緊張していない。言葉はおどおどしているが、予想外の事態にも頭は冷える様子だ。と、阿久津は分析した。
「今回のテストだけど、花房くんの実力を見たい」
「はい」
「だから全力で来てね。ああ大丈夫。俺たちは生徒の力に合わせてセーブしてちゃんと相手するから。軽い怪我はするかもだけど、大きな怪我は起こさない様に務めるよ」
怪我と言っても無反応。普通なら多少にも体がこわばるが、非常に肝が据わっていると感心した。
「じゃあ始めるけど、武器とって」
親指で向こうにあると指摘。萌はその方向に首を向けるが、向かう様子はない。
一呼吸置いて、萌はこう言った。
「武器なら自分で出せます」
瞬間、萌から漏れ出す水色のオーラ。
「!?」
会場の誰もが驚愕した。自分たちの知っているオーラではないと。
無色で半透明。そしてじわじわと揺らぐ陽炎、蜃気楼。少しだけ威力が上がる。それが生徒たちの知っているオーラだ。
「お、おい! オーラが剣の形に!」
一人が驚愕を口にする。
(覚醒したばかりなのにこのレベルかぁ。凄まじいの一言だ)
阿久津の知っているオーラのレベル。ある一定値までのレベルのオーラに、半目で感心した。
「よし。じゃあ始めるか」
竹刀で床をトントンと突くと、透明な膜が生成され、競技場と観客席を隔てた。
「一応安全のためね。おっと、原理は俺も知らんからな。知りたかったら専門の人に聞いてくれ」
そう言うと、阿久津は腰を低くして、身構えた。
対して萌はいたって自然体。構えることなく、振動音がするオーラの剣を握っていた。
そして数秒後。
ブザーが鳴る。
「ッ」
先に仕掛けたのは阿久津。初動が速く、観客の生徒を驚かせた。
とある一室でタブレットを受け取る阿久津。鼻からため息を出し、気だるそうにフリックする。
今日の授業は終わり、事務仕事も終わったと息抜きのコーヒーを飲んでいると、検査機関の後輩から要請があり、嫌々出向いてきたのだ。
まったくなんだよ。と、半目で検査官を睨んだが、少し楽しそうに笑みを浮かべる表情を見ると、さらに大きくため息をついた。
「……」
スラスラと見ていく。
名前:花房 萌
年齢 17歳
性別、身長、体重、住所。胸囲と健康状態までも書いてある。
そこで検査官に指摘した。
「ここ間違ってるよ。体重」
タブレットを見せて指摘する。
「身長と体重が一緒て、ドラえもんじゃあるまいし」
馬鹿らしいと鼻で笑う阿久津。しかし、そのセリフを待ってましたと言わんばかりにドヤ顔になる。
「間違ってないです。その裏付けもちゃんとありますから」
「ほんとぉ?」
読み進める。そして数秒後、目を白黒した。
「筋繊維密度が平均の五十倍……?」
そんな馬鹿なと、阿久津は内心思ったが、一つだけ、脳裏に過ぎるものがあった。
「ミオスタチン関連筋肉肥大か!」
ミオスタチン関連筋肉肥大。通称、超人体質。人間を含む生物の筋は、ミオスタチンというたんぱく質によって過剰に成長できないようにできており、これが一種の筋肉の発達の仕組みの一つとして成り立っている。
「でもおかしくない? 花房くんって標準体型じゃん」
阿久津の指摘はもっともだ。筋肉肥大、肥大なのだ。ボディビルダーの様な筋肉のつき方になるはずなのだ。だが花房 萌は筋肉質ではあるがいたって標準体型。それがおかしいと。
「ええ、それは私も思いました。でも面白いものでね、彼だから可能なのですよ」
彼の骨格ならね。と締めくくった。
「骨格ねぇ」
「はい。私もいろいろ見てきましたが、学会にだしてもそん色ない奇跡の様な骨格です。その骨格が、筋肉の肥大化を許さないのです」
「ふーん……」
興味なし。そう取れるが、阿久津の目はダル気が抜け、真剣そのものになっていた。
「でもおかしいんですよ。過去の花房くんのデータを見るに、いたって普通。どこにでもいるごく普通の学生です」
「ミオスタチン関連筋肉肥大は、先天的なケースが最も。今回の検査で判明したとなると、考えられる答えは一つだけ……」
検査官が首を縦に振る。
タブレットをフリックする阿久津。
「覚醒したスキルに『オーラ』。それと、『至高の肉体』、か」
スキル『オーラ』は、少ないながらも認知されているスキルだ。身の内に宿る力をオーラとして扱い、それを行使して戦う。扱いは難しいが、本人の努力次第でどこまでも強くなる。だが精神力を使うので、非常に疲弊する。
そう阿久津は認識している。
「はい。花房くんの肢体は無駄な筋肉が付いておらず引き締まっている印象で、美的観点から見ても美しく、ダビデ像を彷彿とさせました」
だが問題は『至高の肉体』。こればかりは見聞きした事がない。肉体強化の意味合いで言えば、『身体強化』の類がこれに該当するのだろうか。如何せん、憶測だけでははっきりしないと、頭を掻く。
「確か、今日の午後にカウンセリングを受けたと思うんだけど、どう?」
「無粋な事聞きますね。カウンセリング内容は外部には漏らせません。……よほど気になるみたいですね」
「まぁねぇ……」
教えて貰えるとは阿久津も思っていない。ただ、興味があると伝えたかったのだ。
「やる気ゼロの阿久津さんがやる気を見せたので、私の独り言を聞いて下さい」
そう言われて半目になる。
「花房 萌くんかぁ。何か隠し事してるような……杞憂かなぁ」
そう言いながら、検査官は部屋を出ていった。
「……隠し事、ねぇ」
電子タバコを懐から取り出し、口にする。
「そういえば明日、アレかぁ。フー」
煙を吹いた。
翌日の午後。
「フー」
喫煙所ではない所で阿久津は電子タバコを吹かしていた。
ここは学園内にある体育館の一つ。中央には競技ができる程の区画が広く設けられており、用途に合わせて使え分けれる。
その中央より左側で阿久津は立っていた。
「マジで阿久津先生じゃん」
「午後から授業なくてラッキー」
二人の生徒が雑談している。
「なになに? 戦闘試験なのに何で先生なの?」
「なんでも、試験官の代わりに試験するんだって」
「見たらわかるわよ。なんにせよ、試験する人がそれ程の人って事でしょ」
女子三人組が観客席に座る。
「フー」
阿久津は思った。
(どこで漏れたのやら。右も左も、前方に後方。ぽつぽつ観客がよく居るわ)
本来ならば、今日の戦闘テストはいつも通り試験官が務めるはずだったが、阿久津が上申して今に至る。
(花房くんの実力は俺が直接見るって啖呵きったのはいいけど)
入場口に白衣姿の人物が見えた。
(なるほど。手のひらの上って訳ね。……性格わる)
そう思っていると。
「あのぉ。まだ始まってないです、よねぇ」
テストを受ける生徒。花房 萌がジャージ姿で入ってきた。
「大丈夫よー。ちょっと暇なお客さんが居るけどね」
ただの戦闘試験。試験官と一対一でするものと思っていた萌だったが、何処から来たのか観客の存在。そして担当の阿久津が相手となり、少し引き気味での登場となった。
「本当は試験官が相手だけども、どこも人手不足でね。今回は俺が相手だ」
「そ、そスか」
緊張していない。言葉はおどおどしているが、予想外の事態にも頭は冷える様子だ。と、阿久津は分析した。
「今回のテストだけど、花房くんの実力を見たい」
「はい」
「だから全力で来てね。ああ大丈夫。俺たちは生徒の力に合わせてセーブしてちゃんと相手するから。軽い怪我はするかもだけど、大きな怪我は起こさない様に務めるよ」
怪我と言っても無反応。普通なら多少にも体がこわばるが、非常に肝が据わっていると感心した。
「じゃあ始めるけど、武器とって」
親指で向こうにあると指摘。萌はその方向に首を向けるが、向かう様子はない。
一呼吸置いて、萌はこう言った。
「武器なら自分で出せます」
瞬間、萌から漏れ出す水色のオーラ。
「!?」
会場の誰もが驚愕した。自分たちの知っているオーラではないと。
無色で半透明。そしてじわじわと揺らぐ陽炎、蜃気楼。少しだけ威力が上がる。それが生徒たちの知っているオーラだ。
「お、おい! オーラが剣の形に!」
一人が驚愕を口にする。
(覚醒したばかりなのにこのレベルかぁ。凄まじいの一言だ)
阿久津の知っているオーラのレベル。ある一定値までのレベルのオーラに、半目で感心した。
「よし。じゃあ始めるか」
竹刀で床をトントンと突くと、透明な膜が生成され、競技場と観客席を隔てた。
「一応安全のためね。おっと、原理は俺も知らんからな。知りたかったら専門の人に聞いてくれ」
そう言うと、阿久津は腰を低くして、身構えた。
対して萌はいたって自然体。構えることなく、振動音がするオーラの剣を握っていた。
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