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第二十章 漏れ出す者
第259話 チュートリアル:スタンピード
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国連による『攻略者緊急招集』が発令したのは昨日の出来事である。
「――皆さま、お忙しい中緊急の招集にお集まりいただき、感謝します」
場は国連が用意した大会議室。
成人した老若男女問わず、様々な人物が参列。そこには日本きっての大型サークルである銀獅子の獅童に加えパンサーダンサーの椿、ディメンションフォースの妻夫木と言ったサークル長と副サークル長、又は長の側近の顔が並んでいる。
収集された実力のある中堅サークルの長たちは、名だたる顔ぶれに驚くと同時に、当然招集されている日本最強のサークル――ヤマトサークルの長、大和撫子の圧倒的存在感に、自分たちは場違いなんじゃないかと不安を顔に出す。
「既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、もう一度、私の責務を全うさせてください」
国連の末席に名を連ねる四十物静はこう説明する。
「昨日、北陸のダンジョン『鬼の島』にて、『スタンピード』が発生しました」
ざわつく会場。
いったい誰がこのざわつきを止められようか。
「おさらいとして、そもそもダンジョンにおけるスタンピード現象と言うのは――」
熱狂的行動である。
一般的にスタンピードは、動物や人々が恐怖や興奮によって突然、大勢で一斉に走り出す現象である。転じて、人々が同じことを同時に行おうとする様も指す。
一部のメディアでは、人が密集する中で押しつぶされ、負傷し死亡する事故をスタンピードと呼んでいる例があるが、同義ではない。群集事故、雑踏事故といった言葉があてられる。
「――自然界でも起こっているスタンピードですが、今まさに、ダンジョン『鬼の島』にて事が起きているのです」
事態の表れは、稀に起こるとされる徘徊型ボスの低層部出現であった。
ボスに遭遇し生還したサークルの証言である。
前述の通り、ボスの低層部出現事態は起こりうる可能性があり報告義務が課せられるも、起こりうる事ではあるため国連の事務官も驚きはしなかった。
しかしそれは、報告された出現に加え、更に二件同時に報告されたならば話は別であった。
中ボスに遭遇した各サークルは窮地に陥るも、実力のある中堅サークルの介入により無事生還。事態の報告発見は遅れる事なく伝わり、攻略者緊急招集へと繋がった次第であった。
「この映像をご覧ください」
ブオンッ、と正面の大画面に映し出されたのは、崖である下半分に加え、上画面いっぱいに広がった蠢く何かである。
それはまるで小さな虫の大群。蟻の軍隊を彷彿させる様であり、よく見ると体の大きな個体もチラホラと散見された。
「……この映像は、ドローンによる鬼の島中心部に近い大荒野の映像」
誰かが息を飲む。
誰かがジワリと汗をかく。
誰かが口を閉じる事を忘れる。
誰もが思った。感じた。
「――モンスターの大群。スタンピードです」
当然の回答に獅童は腕を組み、椿は爪の手入れをし、妻夫木は欠伸。
撫子は無表情だった。
しかし平然とする大型サークルの面々と違い、中小堅サークルの面々はざわざわと驚嘆《きょうたん》を隠せないでいた。
彼彼女らは現役攻略者として当然スタンピードの存在は知っていた。
しかしそれは知識として知っている事であり、今現在、まさに事が起きていると驚きを隠せないでいる。
そんな状況にも動じず、四十物は続ける。
「ここに招集した皆さま方サークル各位ですが、魔術や剣術、統率といった面からこのスタンピードに対応できる実力を持つと国連が判断し、集まってもらった次第です」
淡々とする四十物の言葉だが、対応できる実力、つまりは相応の力を認められたと同義と思った攻略者たち。背筋が伸びる。
「スタンピードを制さなければダンジョンブレイクが起こり、日本に甚大な被害が被ります。僭越ながら、皆さま方にはこのスタンピードの対処を辞退する権限はありません。それほどまでに切羽詰まっているとお考えください」
断るものならサークルを解散させる……。理不尽極まりないが国連日本支部の威信を賭けて、日本人だけでスタンピードを治めなければならない。
去年に起こったマーメイドレイドに続き、日本や世界に影を落とした記憶に新しいマリオネットレイドの被害。まだ治っていないそれらの傷痕を抱えながらも、ダンジョン『鬼の島』スタンピードは日本の意地で絶対に負けられないのだ。
「――って聞こえはいいけど、裏である私たちの駆け引きの都合だったり」
はぁ……。と大きく溜息をつく黒髪の女性――花房有栖。
「……現場の状況報告を」
「中小から大型サークル各位、作戦に参加するサークルは続々と『鬼の島』へと到着している模様です。ヤマトサークル及び銀獅子、パンサーダンサー、ディメンションフォースは既に大荒野に到着しているとの報告が入っています」
「そう。引き続き観測してちょうだい」
招集した作戦会議から既に十八時間が経過。
迅速な行動の結果、息もつかせぬ間も無しにとんとん拍子に進み、攻略者たちは意気揚々とダンジョンに入った。
(……初めは小さな違和感だった。純血派《あいつら》の動きは)
有栖らが組している混血派に相対するは、血を重んじる純血派である。
何かと厄介事を起こし、または巻き込まれるその派閥。思惑を張り巡らせては自爆するという最近の純血派。真の意味で純血を重んじる世代交代前ならいざ知らず、今の純血派はギャグの領域で荒唐無稽《こうとうむけい》ぷりを発揮。
常に厄介事を招き入れる派閥に、喜々として中指を立てる程の嫌悪感を持つ有栖だからこそ、小さな動きを感知した。
(スタンピードの対処を他国に依頼……。バカなのかしら……)
そう。今、攻略者たちが意気揚々と集っているスタンピード討伐作戦。日本国の危機であるこれらの対処を、他国に任せようとしたのが純血派だった。
「――今の日本は弱り切っている。だから隣国に頼るのはおかしくない」
それが純血派の言い分だった。
(……バカだったわ)
日本は弱っている。
それは間違いではない。度重なる大型レイドで死傷者は増え、攻略者という国力が落ちたのは間違いない。
しかしそれは、世界同時多発的に起きたマリオネットレイドの被害を見れば、アメリカに始まり中国、フランス、ロシア等々と言った世界情勢も、日本と同じく国力が下がったのも間違いない。
だが一つ世界と違うところ上げるとすれば、日本の主戦力の大半はマリオネットレイドに不参加だったという点であった。
計らずも日本最強の女である大和撫子や獅童猛、椿舞、妻夫木蓮等に加え、サークルに所属する相応の実力者がほぼ無傷のままであった。
エルドラドら理性のルーラーの介入はあったものの、主戦力不参加であったと言うのにマリオネットレイドの使徒たちを倒せたのは、それもこれも各攻略者たちの奮起にほかならず、文字通り嬉しい誤算。国連はいい意味で舌を巻いたのである。
したがい主戦力をそのままスタンピードに投入できると言うのに、純血派は同じくひっ迫した他国を頼ったのは何故か……。
(自分たちの利益……か……)
中央画面にて今も尚荒野に展開されるサークルを見ながらそう思う有栖。
他国を頼って無問題。
利益と考えるも、やはり憶測に過ぎず有栖の妄想の域を出ない。
しかし憶測だろうが妄想だろうが純血派《アホ》に任せるより絶対いいと思い、裏ではあるが混血派の力を動員して今回のスタンピードの制圧権限を捥ぎ取ったのだ。
だが、有栖には気がかりな事があった。
(純血派の動きが早すぎるわ……)
人一倍純血派の動きに敏感な有栖だが、事が動くのがあまりにも用意周到。早いのだった。
一度疑問視した事柄を考査するも、やはり真相には辿り着けない。
(私のあずかり知らぬところ、上層部が絡んでるとしたか……)
深い思考の海にどっぷり沈んでいると――
「――大半のサークルが指定の位置に着きました!!」
中央画面には大勢の攻略者。サークルが陣形を成してモンスターの大群――スタンピードと対峙していた。
(――撫子。蹴散らしなさい!!)
真顔の撫子。
「……」
刀の鍔を親指で弾き、妖艶な刃区《はまち》を魅せる。
「――皆さま、お忙しい中緊急の招集にお集まりいただき、感謝します」
場は国連が用意した大会議室。
成人した老若男女問わず、様々な人物が参列。そこには日本きっての大型サークルである銀獅子の獅童に加えパンサーダンサーの椿、ディメンションフォースの妻夫木と言ったサークル長と副サークル長、又は長の側近の顔が並んでいる。
収集された実力のある中堅サークルの長たちは、名だたる顔ぶれに驚くと同時に、当然招集されている日本最強のサークル――ヤマトサークルの長、大和撫子の圧倒的存在感に、自分たちは場違いなんじゃないかと不安を顔に出す。
「既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、もう一度、私の責務を全うさせてください」
国連の末席に名を連ねる四十物静はこう説明する。
「昨日、北陸のダンジョン『鬼の島』にて、『スタンピード』が発生しました」
ざわつく会場。
いったい誰がこのざわつきを止められようか。
「おさらいとして、そもそもダンジョンにおけるスタンピード現象と言うのは――」
熱狂的行動である。
一般的にスタンピードは、動物や人々が恐怖や興奮によって突然、大勢で一斉に走り出す現象である。転じて、人々が同じことを同時に行おうとする様も指す。
一部のメディアでは、人が密集する中で押しつぶされ、負傷し死亡する事故をスタンピードと呼んでいる例があるが、同義ではない。群集事故、雑踏事故といった言葉があてられる。
「――自然界でも起こっているスタンピードですが、今まさに、ダンジョン『鬼の島』にて事が起きているのです」
事態の表れは、稀に起こるとされる徘徊型ボスの低層部出現であった。
ボスに遭遇し生還したサークルの証言である。
前述の通り、ボスの低層部出現事態は起こりうる可能性があり報告義務が課せられるも、起こりうる事ではあるため国連の事務官も驚きはしなかった。
しかしそれは、報告された出現に加え、更に二件同時に報告されたならば話は別であった。
中ボスに遭遇した各サークルは窮地に陥るも、実力のある中堅サークルの介入により無事生還。事態の報告発見は遅れる事なく伝わり、攻略者緊急招集へと繋がった次第であった。
「この映像をご覧ください」
ブオンッ、と正面の大画面に映し出されたのは、崖である下半分に加え、上画面いっぱいに広がった蠢く何かである。
それはまるで小さな虫の大群。蟻の軍隊を彷彿させる様であり、よく見ると体の大きな個体もチラホラと散見された。
「……この映像は、ドローンによる鬼の島中心部に近い大荒野の映像」
誰かが息を飲む。
誰かがジワリと汗をかく。
誰かが口を閉じる事を忘れる。
誰もが思った。感じた。
「――モンスターの大群。スタンピードです」
当然の回答に獅童は腕を組み、椿は爪の手入れをし、妻夫木は欠伸。
撫子は無表情だった。
しかし平然とする大型サークルの面々と違い、中小堅サークルの面々はざわざわと驚嘆《きょうたん》を隠せないでいた。
彼彼女らは現役攻略者として当然スタンピードの存在は知っていた。
しかしそれは知識として知っている事であり、今現在、まさに事が起きていると驚きを隠せないでいる。
そんな状況にも動じず、四十物は続ける。
「ここに招集した皆さま方サークル各位ですが、魔術や剣術、統率といった面からこのスタンピードに対応できる実力を持つと国連が判断し、集まってもらった次第です」
淡々とする四十物の言葉だが、対応できる実力、つまりは相応の力を認められたと同義と思った攻略者たち。背筋が伸びる。
「スタンピードを制さなければダンジョンブレイクが起こり、日本に甚大な被害が被ります。僭越ながら、皆さま方にはこのスタンピードの対処を辞退する権限はありません。それほどまでに切羽詰まっているとお考えください」
断るものならサークルを解散させる……。理不尽極まりないが国連日本支部の威信を賭けて、日本人だけでスタンピードを治めなければならない。
去年に起こったマーメイドレイドに続き、日本や世界に影を落とした記憶に新しいマリオネットレイドの被害。まだ治っていないそれらの傷痕を抱えながらも、ダンジョン『鬼の島』スタンピードは日本の意地で絶対に負けられないのだ。
「――って聞こえはいいけど、裏である私たちの駆け引きの都合だったり」
はぁ……。と大きく溜息をつく黒髪の女性――花房有栖。
「……現場の状況報告を」
「中小から大型サークル各位、作戦に参加するサークルは続々と『鬼の島』へと到着している模様です。ヤマトサークル及び銀獅子、パンサーダンサー、ディメンションフォースは既に大荒野に到着しているとの報告が入っています」
「そう。引き続き観測してちょうだい」
招集した作戦会議から既に十八時間が経過。
迅速な行動の結果、息もつかせぬ間も無しにとんとん拍子に進み、攻略者たちは意気揚々とダンジョンに入った。
(……初めは小さな違和感だった。純血派《あいつら》の動きは)
有栖らが組している混血派に相対するは、血を重んじる純血派である。
何かと厄介事を起こし、または巻き込まれるその派閥。思惑を張り巡らせては自爆するという最近の純血派。真の意味で純血を重んじる世代交代前ならいざ知らず、今の純血派はギャグの領域で荒唐無稽《こうとうむけい》ぷりを発揮。
常に厄介事を招き入れる派閥に、喜々として中指を立てる程の嫌悪感を持つ有栖だからこそ、小さな動きを感知した。
(スタンピードの対処を他国に依頼……。バカなのかしら……)
そう。今、攻略者たちが意気揚々と集っているスタンピード討伐作戦。日本国の危機であるこれらの対処を、他国に任せようとしたのが純血派だった。
「――今の日本は弱り切っている。だから隣国に頼るのはおかしくない」
それが純血派の言い分だった。
(……バカだったわ)
日本は弱っている。
それは間違いではない。度重なる大型レイドで死傷者は増え、攻略者という国力が落ちたのは間違いない。
しかしそれは、世界同時多発的に起きたマリオネットレイドの被害を見れば、アメリカに始まり中国、フランス、ロシア等々と言った世界情勢も、日本と同じく国力が下がったのも間違いない。
だが一つ世界と違うところ上げるとすれば、日本の主戦力の大半はマリオネットレイドに不参加だったという点であった。
計らずも日本最強の女である大和撫子や獅童猛、椿舞、妻夫木蓮等に加え、サークルに所属する相応の実力者がほぼ無傷のままであった。
エルドラドら理性のルーラーの介入はあったものの、主戦力不参加であったと言うのにマリオネットレイドの使徒たちを倒せたのは、それもこれも各攻略者たちの奮起にほかならず、文字通り嬉しい誤算。国連はいい意味で舌を巻いたのである。
したがい主戦力をそのままスタンピードに投入できると言うのに、純血派は同じくひっ迫した他国を頼ったのは何故か……。
(自分たちの利益……か……)
中央画面にて今も尚荒野に展開されるサークルを見ながらそう思う有栖。
他国を頼って無問題。
利益と考えるも、やはり憶測に過ぎず有栖の妄想の域を出ない。
しかし憶測だろうが妄想だろうが純血派《アホ》に任せるより絶対いいと思い、裏ではあるが混血派の力を動員して今回のスタンピードの制圧権限を捥ぎ取ったのだ。
だが、有栖には気がかりな事があった。
(純血派の動きが早すぎるわ……)
人一倍純血派の動きに敏感な有栖だが、事が動くのがあまりにも用意周到。早いのだった。
一度疑問視した事柄を考査するも、やはり真相には辿り着けない。
(私のあずかり知らぬところ、上層部が絡んでるとしたか……)
深い思考の海にどっぷり沈んでいると――
「――大半のサークルが指定の位置に着きました!!」
中央画面には大勢の攻略者。サークルが陣形を成してモンスターの大群――スタンピードと対峙していた。
(――撫子。蹴散らしなさい!!)
真顔の撫子。
「……」
刀の鍔を親指で弾き、妖艶な刃区《はまち》を魅せる。
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