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第4章 一泊二日の大阪旅行は行く先々でハプニングだらけ
第24話 別に全然これっぽっちも怖く無いし
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「次はここに行かないか?」
ようやく酔いから復活した俺がパンフレットのとあるアトラクションを指差すと、それを見たアリスは黙り込む。
俺が提案したのはパンデミックオブザデッドというゾンビ映画をモチーフにしたガンシューティングアトラクションだ。
ウイルスに侵された街でゾンビにいつ襲われるかわからない緊張と恐怖の中、敵を撃ち進みながら街からの脱出を目指すという内容になっているらしい。
「……ここは辞めよう」
「えっ、何でだ?」
真顔になって行く事を反対し始めたアリスに俺はそう尋ねた。するとアリスは一瞬黙り込んだ後、ゆっくりと口を開く。
「ほら、危ないかもしれないしさ……」
「アトラクションなんだからそこは大丈夫だろ」
アトラクション内の各所に設置された画面の中に現れるゾンビ達を専用の銃で撃ちながら中を歩いて進んでいくだけなので別に危険な要素なんて無いはずだが。
「……あっ、ひょっとして怖いのか?」
「そ、そんな事ないよ」
アリスはめちゃくちゃ分かりやすく反応してくれた。なるほど、どうやら怖いから行くのを反対していたらしい。そう言えば雷で停電した日も怖がっていたわけだし、暗い場所が苦手なのだろう。
「そっかそっか、アリスは怖いの駄目なんだ。意外と子供っぽいところもあるんだな」
「別に全然これっぽっちも怖く無いし」
俺の揶揄うような言葉に対してアリスは少しムキになって反応してくる。だが強がっているだけというのは火を見るよりも明らかだった。
「そう言ってる割には足が震えてるように見えるけど?」
「これは武者震いだから。いやー、今から楽しみだな」
「えっ、行く気なのか?」
「勿論だよ。さあ、早く行こう」
そう言い終わったアリスは俺の手を取ってアトラクションの方へと歩き始める。その道中で何度か本当に行く気のか確認をしたが、完全に意地を張ってしまっているのか大丈夫としか答えなかった。
そしてアトラクションに到着した俺達はしばらく順番待ちをした後、アサルトライフル型とショットガン型の銃を渡されて中に入る。
「へー、めちゃくちゃ雰囲気出てるな」
ショットガンを構えた俺とアサルトライフルを手に持ったアリスは暗いアトラクション内を進み始めるが、映画の世界を忠実に再現していてかなり不気味さが出ていた。
「ねえ、拓馬。そろそろ出口かな……?」
「そんな訳ないだろ、まだ入ってから一分も経ってないし」
まだゾンビすら出現してないというのにもう出口だったらいくら何でも短すぎる。これで終わりならクレームが続出に違いない。そんな事を思っていた矢先、窓ガラスの割れる音とともにゾンビが数体現れる。
「きゃあぁぁぁぁ!」
ショットガンを構えようとしていた俺にアリスは大きな悲鳴をあげながら思いっきり抱きついてきた。
「このままだと上手く狙えないから、てか胸が思いっきり当たってるって」
「無理無理無理、怖いから早く何とかしてよ」
軽くパニックを起こしたらしいアリスは俺に抱きついたまま支離滅裂な発言をしている。結局アリスに抱きつかれたままゾンビを倒すはめになった。
それから行く先々でゾンビが現れるたびにアリスは悲鳴をあげまくって俺に抱きついてきたため、想像以上に時間がかかってしまった事は言うまでもない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ガンシューティングアトラクションを後にした俺達は空中ブランコやメリーゴーランド、フリーフォールに乗った後、レストランで少し遅めの昼食をとっている。
「拓馬が頼んだハンバーグ、めちゃくちゃ美味しいね」
「アリスのグラタンも中々いける」
俺とアリスは頼んだ料理を二人でシェアしていた。ちょっと前までは間接キスが気になっていたが、アリスとはもう既に何度も唇を重ねているのでそのくらいはもはや気にならない。
やっている事が完全にカップルな気はするがそこを気にするのは負けだと思っているので、あえて考えないようにしている。
「この後はどうする?」
「うーん……あっ、こことかどうかな?」
パンフレットを見ていたアリスが指差したのはハリウッド映画に登場するキャラクターのコスプレをして写真撮影が出来る場所だった。
「へー、結構面白そうだな」
「だよね、じゃあ次はここにしよう」
昼食を済ませた俺達は早速目的地へと向かう。少しして到着すると様々な衣装を着た人達で賑わっていた。
「アリスは何か着たい衣装はあるのか?」
「私はバリーポーターに出てくる魔術学校のローブが着たいんだよね」
「アリスにはめちゃくちゃ似合いそうだな」
バリーポーターはイギリスのファンタジー小説が原作の映画となっているが、劇中に登場するメインヒロインは金髪翠眼となっているためまさにアリスにピッタリと言えるだろう。
「そういう拓馬はどうするの?」
「俺はエリミネーターのE-1000が気になってる、まあ体格とかが全然違うけど」
エリミネーターは人間が開発した人工知能が意思を持ち、やがて自我に目覚めて人間を攻撃し始めるというSFアクション映画だ。
その作中に登場するE-1000というアンドロイドのコスプレをしたい俺だったが、演じている俳優が身長百九十センチ以上もあるボディービルダーのため似合うかどうかは分からない。
「せっかくだし、とりあえず着てみたら?」
「そうだな、そうするよ」
俺達は受付で希望するコスプレ衣装を受け取り、それぞれ更衣室で着替える。そして外に出てしばらく待っているとアリスがやってきた。
「どう、似合うかな?」
「うん、めっちゃ似合ってる」
映画に出てくるヒロインが現実世界に飛び出して来たのかと錯覚するほどのクオリティだ。周りにいた人達もアリスの姿を見てかなり騒ついている。
「拓馬も以外と似合ってるじゃん」
「以外は一言余計な気がするけど、とりあえずありがとう」
それから俺達は気が済むまで写真撮影を続けた。
ようやく酔いから復活した俺がパンフレットのとあるアトラクションを指差すと、それを見たアリスは黙り込む。
俺が提案したのはパンデミックオブザデッドというゾンビ映画をモチーフにしたガンシューティングアトラクションだ。
ウイルスに侵された街でゾンビにいつ襲われるかわからない緊張と恐怖の中、敵を撃ち進みながら街からの脱出を目指すという内容になっているらしい。
「……ここは辞めよう」
「えっ、何でだ?」
真顔になって行く事を反対し始めたアリスに俺はそう尋ねた。するとアリスは一瞬黙り込んだ後、ゆっくりと口を開く。
「ほら、危ないかもしれないしさ……」
「アトラクションなんだからそこは大丈夫だろ」
アトラクション内の各所に設置された画面の中に現れるゾンビ達を専用の銃で撃ちながら中を歩いて進んでいくだけなので別に危険な要素なんて無いはずだが。
「……あっ、ひょっとして怖いのか?」
「そ、そんな事ないよ」
アリスはめちゃくちゃ分かりやすく反応してくれた。なるほど、どうやら怖いから行くのを反対していたらしい。そう言えば雷で停電した日も怖がっていたわけだし、暗い場所が苦手なのだろう。
「そっかそっか、アリスは怖いの駄目なんだ。意外と子供っぽいところもあるんだな」
「別に全然これっぽっちも怖く無いし」
俺の揶揄うような言葉に対してアリスは少しムキになって反応してくる。だが強がっているだけというのは火を見るよりも明らかだった。
「そう言ってる割には足が震えてるように見えるけど?」
「これは武者震いだから。いやー、今から楽しみだな」
「えっ、行く気なのか?」
「勿論だよ。さあ、早く行こう」
そう言い終わったアリスは俺の手を取ってアトラクションの方へと歩き始める。その道中で何度か本当に行く気のか確認をしたが、完全に意地を張ってしまっているのか大丈夫としか答えなかった。
そしてアトラクションに到着した俺達はしばらく順番待ちをした後、アサルトライフル型とショットガン型の銃を渡されて中に入る。
「へー、めちゃくちゃ雰囲気出てるな」
ショットガンを構えた俺とアサルトライフルを手に持ったアリスは暗いアトラクション内を進み始めるが、映画の世界を忠実に再現していてかなり不気味さが出ていた。
「ねえ、拓馬。そろそろ出口かな……?」
「そんな訳ないだろ、まだ入ってから一分も経ってないし」
まだゾンビすら出現してないというのにもう出口だったらいくら何でも短すぎる。これで終わりならクレームが続出に違いない。そんな事を思っていた矢先、窓ガラスの割れる音とともにゾンビが数体現れる。
「きゃあぁぁぁぁ!」
ショットガンを構えようとしていた俺にアリスは大きな悲鳴をあげながら思いっきり抱きついてきた。
「このままだと上手く狙えないから、てか胸が思いっきり当たってるって」
「無理無理無理、怖いから早く何とかしてよ」
軽くパニックを起こしたらしいアリスは俺に抱きついたまま支離滅裂な発言をしている。結局アリスに抱きつかれたままゾンビを倒すはめになった。
それから行く先々でゾンビが現れるたびにアリスは悲鳴をあげまくって俺に抱きついてきたため、想像以上に時間がかかってしまった事は言うまでもない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ガンシューティングアトラクションを後にした俺達は空中ブランコやメリーゴーランド、フリーフォールに乗った後、レストランで少し遅めの昼食をとっている。
「拓馬が頼んだハンバーグ、めちゃくちゃ美味しいね」
「アリスのグラタンも中々いける」
俺とアリスは頼んだ料理を二人でシェアしていた。ちょっと前までは間接キスが気になっていたが、アリスとはもう既に何度も唇を重ねているのでそのくらいはもはや気にならない。
やっている事が完全にカップルな気はするがそこを気にするのは負けだと思っているので、あえて考えないようにしている。
「この後はどうする?」
「うーん……あっ、こことかどうかな?」
パンフレットを見ていたアリスが指差したのはハリウッド映画に登場するキャラクターのコスプレをして写真撮影が出来る場所だった。
「へー、結構面白そうだな」
「だよね、じゃあ次はここにしよう」
昼食を済ませた俺達は早速目的地へと向かう。少しして到着すると様々な衣装を着た人達で賑わっていた。
「アリスは何か着たい衣装はあるのか?」
「私はバリーポーターに出てくる魔術学校のローブが着たいんだよね」
「アリスにはめちゃくちゃ似合いそうだな」
バリーポーターはイギリスのファンタジー小説が原作の映画となっているが、劇中に登場するメインヒロインは金髪翠眼となっているためまさにアリスにピッタリと言えるだろう。
「そういう拓馬はどうするの?」
「俺はエリミネーターのE-1000が気になってる、まあ体格とかが全然違うけど」
エリミネーターは人間が開発した人工知能が意思を持ち、やがて自我に目覚めて人間を攻撃し始めるというSFアクション映画だ。
その作中に登場するE-1000というアンドロイドのコスプレをしたい俺だったが、演じている俳優が身長百九十センチ以上もあるボディービルダーのため似合うかどうかは分からない。
「せっかくだし、とりあえず着てみたら?」
「そうだな、そうするよ」
俺達は受付で希望するコスプレ衣装を受け取り、それぞれ更衣室で着替える。そして外に出てしばらく待っているとアリスがやってきた。
「どう、似合うかな?」
「うん、めっちゃ似合ってる」
映画に出てくるヒロインが現実世界に飛び出して来たのかと錯覚するほどのクオリティだ。周りにいた人達もアリスの姿を見てかなり騒ついている。
「拓馬も以外と似合ってるじゃん」
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それから俺達は気が済むまで写真撮影を続けた。
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