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もう15歳
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「おはよう。オニキス」
昨日は早く寝てしまったので、いつもより早く目が覚めてしまいました。普段はもう少し明るくなってからなのですが、今朝はようやく空が白み始めたくらいの時間のようです。早朝すぎて、まだ鳥の囀りさえ聞こえません。
『おはよう。今朝は早いな』
目の前にあったオニキスのふさふさした胸元へ手を伸ばして、もふもふします。毎朝恒例の至福のひと時ですね。
ややぼんやりしたまま撫で続けていると、目元にオニキスの鼻先が押し付けられました。催促するようにオニキスが顔を寄せてくるので、その目元にキスをします。
なんとなく気恥しいのは相変わらずですが、今朝はこの当然のようにオニキスが隣にいることがとても幸せなことに感じました。衝動のままに、ぐっと彼の首を抱き寄せてもう一度、今度は頬の辺りにキスをします。
『・・・どうした? 何か心配事でもあるのか?』
されるがままに体を寄せてくれたオニキスの背を、そっと撫でます。
心配事は・・・ありますね。いろいろ。ついにゲームの舞台となる学園へ足を踏み入れたわけですし。
このなんとなく心が落ちつかない、ざわつく感じは環境が変わったせいかもしれません。
「慣れない場所で緊張しているだけですよ」
2日目にしてホームシックとか、私も案外繊細なようです。
オニキスの首に回していた腕を解き、ゆっくり体を起こすと、心配そうに私の目を覗き込んできました。その頭をひと撫でして、ベッドから降ります。
化粧台の上に置いてあった空のたらいに水魔法で水を張り、顔を洗いました。隣に置いてあったタオルで拭いてから、夜着を脱いで着慣れた鍛錬着へ袖を通します。
ちなみに順調に育ったお胸様たちを自由にしたまま走ると、たゆんたゆんしてかなり楽しい!・・・のですが、皮膚が引っ張られる感じがして地味に痛いため、スポーツブラ的なものを植物魔法を使い自分で作ってみました。自分で自分に合わせて作りましたから、もちろんオーダーメイド並みで、隙間もなく、苦しくもなく、快適でございます。
着替えを終えて髪をひとつに括った後にお手洗いへ向かうと、すでに下の階で誰かが活動している気配がしました。
もうクラウドが起きているようです。ルーカスは昨日、レオンと長風呂し、さらに遅くまではしゃいでいたようなので、彼が起きている可能性は低い。
従者であるクラウドは、普段から私より遅く寝て早く起きるのですが、ちゃんと休めているのでしょうか。
「おはようございます。カーラ様」
「おはよう。クラウド」
鍛錬着姿のクラウドは玄関前にいて、すでに体を動かした後らしく、首にかけていた手拭いで額の汗をぬぐっていました。
「クラウド。自分でできることはしますから、屋敷と同じ水準にしようとしないでくださいね。それでは貴方の負担が大きすぎます」
そう言うと、クラウドはきまりが悪そうに視線を落としました。
「あ・・・いえ。昨晩は体を動かす前に寝てしまいまして・・・今朝はいつもより早く目が覚めただけです」
やはり無理をしていて、自分の時間もとれないのでしょうか。
本音を探るために目線を合わせようと、クラウドに一歩近付いて見上げます。彼はびくっとして体を引きました。
「違うんです! その・・・昨晩はつい長風呂をしてしまいまして・・・少し休もうとベッドに横になったら、そのまま寝てしまったのです。ですからカーラ様が心配されているように、無理をしているわけではありません」
なるほど。クラウドは使用人用の大風呂を使っていたはずなので、湯船が大きい事には惹かれなかったかもしれませんが、広い浴室に一人で入るという事にはテンションが上がったのかもしれません。
やはり広いお風呂はいい! いつか温泉を探しに行きたいな。
「そう。それならいいのだけれど」
私はクラウドから離れて、前世の知識の通りに準備体操を始めました。
さて。この後はどこを走りましょうか。今朝は早く起きたので、学園の外周を走ってみるのもいいかもしれません。
ぼんやり考えながら体をほぐし、走り出す前にとんっとんっと軽く跳んでいると、クラウドがすうっと斜め後ろへ着きました。
「お供いたします」
そう言うと思いました。振り返って訊ねます。
「この学園の外周はどの程度の距離がありますか?」
「テトラディル領のお屋敷の10倍程度でしょうか。普段と同じ距離を走るおつもりでしたら、この林の周りを4周ほどか、または林を1周してから南の奥にある鍛錬場をまわって帰ってくるくらいです」
思ったより広いのですね。ゲームでは画面で行先を選択するだけでしたから、移動距離など考えたこともありませんでした。
走り出す前に聞いておいてよかったです。
「他の人がいない間に鍛錬場まで行って、それから林を1周しましょうか」
「はい」
林を4周でもいいのですが、同じ景色より変化があった方が楽しいので、鍛錬場をまわるコースを走ることにしました。
この別館は林の中にあり、さすがに林の中は走り辛いですから、まずは寮の方へ続く小道を走って寮へ向かいます。まだ東の空が朝焼けに染まっているような時間のため、生徒の誰も起きている気配がしません。
「おはよ。カム。今朝は早いね」
訂正。レオンは起きていたようです。
鍛錬着なのか、飾り気のないシャツのボタンを3つ目まであけた、黒のパンツ姿のレオンが寮の壁にもたれかかって、私を待っていました。レオンの部屋らしい2階の端の窓が開いているので、あそこから飛び降りてきたのでしょう。
「おはようございます」
私は足を止めることなく、寮の横を通って、その先にある芝の広場へ向かいます。レオンも後をついてきました。
テトラディル領でもこうして朝の鍛錬に参加してきましたから、特に何か言葉を交わすでもなく、走り続けます。
「ここを左へ行くと鍛錬場です」
広場に突き当たると、クラウドが次に向かう先を教えてくれました。先ほどまでとは違い、石畳で舗装された道を、遠くになんとなく見える建物へ向かって走ります。
「思ったより・・・大きいですね・・・」
近づいてきた建物は、コロッセオのような円形の巨大な建物でした。やや息が上がってきたので、途切れ気味に感想を口にすると、まだ余裕そうなレオンが答えます。
「魔法演習場はもっと大きいよ!」
爽やかな笑顔に闘争心が掻き立てられたので、速度を上げます。
予想通り人気のない、東京ドームほどの大きさの鍛錬場を1周して、寮へと戻ります。さらにクラブ棟と林の間を走り、学園の外周を囲む塀まで来ました。突き当りを右へ曲がって、林と塀の間を走ります。
警備の巡回路なのでしょう。舗装されてはいませんが、地面は踏み固められており、林と塀の間は侵入者を発見しやすいように4、5人並んで走れる程度に開いています。
林の中ほどまで来た頃でしょうか、前方から警備の方らしき、紺の軍服のような服装の2人が歩いてきました。
「おはようございます」
「え? あっ!! おはようございます!!」
遠くからでも私の髪色がわかる程度に、明るくなっていたからだと思います。止められて、私の正体を尋ねられることはありませんでした。
2人の横を走り抜けて、林の中の小道を通り、別館まで戻ってきました。
王都はテトラディル侯爵領より北に位置するため比較的涼しいですが、それでも汗ばんでいます。息を整えながら、クラウドと向き合い構えました。
普段のメニュー通りに、クラウドと組み手を開始します。
「僕は部屋に帰って、着替えてくるね」
去っていくレオンを横目に組手を続けます。
もうそろそろ終了かという頃に、2階の窓が開いた音がしました。
「姉上! おはようございます!」
「あ・・・おはようございます」
最後の掴みかかる手をはらって距離を置く動作を失敗して、クラウドに左手首を掴まれてしまいました。私はそのまま上を見上げてルーカスに挨拶をし、朝の鍛錬を終えました。
昨日は早く寝てしまったので、いつもより早く目が覚めてしまいました。普段はもう少し明るくなってからなのですが、今朝はようやく空が白み始めたくらいの時間のようです。早朝すぎて、まだ鳥の囀りさえ聞こえません。
『おはよう。今朝は早いな』
目の前にあったオニキスのふさふさした胸元へ手を伸ばして、もふもふします。毎朝恒例の至福のひと時ですね。
ややぼんやりしたまま撫で続けていると、目元にオニキスの鼻先が押し付けられました。催促するようにオニキスが顔を寄せてくるので、その目元にキスをします。
なんとなく気恥しいのは相変わらずですが、今朝はこの当然のようにオニキスが隣にいることがとても幸せなことに感じました。衝動のままに、ぐっと彼の首を抱き寄せてもう一度、今度は頬の辺りにキスをします。
『・・・どうした? 何か心配事でもあるのか?』
されるがままに体を寄せてくれたオニキスの背を、そっと撫でます。
心配事は・・・ありますね。いろいろ。ついにゲームの舞台となる学園へ足を踏み入れたわけですし。
このなんとなく心が落ちつかない、ざわつく感じは環境が変わったせいかもしれません。
「慣れない場所で緊張しているだけですよ」
2日目にしてホームシックとか、私も案外繊細なようです。
オニキスの首に回していた腕を解き、ゆっくり体を起こすと、心配そうに私の目を覗き込んできました。その頭をひと撫でして、ベッドから降ります。
化粧台の上に置いてあった空のたらいに水魔法で水を張り、顔を洗いました。隣に置いてあったタオルで拭いてから、夜着を脱いで着慣れた鍛錬着へ袖を通します。
ちなみに順調に育ったお胸様たちを自由にしたまま走ると、たゆんたゆんしてかなり楽しい!・・・のですが、皮膚が引っ張られる感じがして地味に痛いため、スポーツブラ的なものを植物魔法を使い自分で作ってみました。自分で自分に合わせて作りましたから、もちろんオーダーメイド並みで、隙間もなく、苦しくもなく、快適でございます。
着替えを終えて髪をひとつに括った後にお手洗いへ向かうと、すでに下の階で誰かが活動している気配がしました。
もうクラウドが起きているようです。ルーカスは昨日、レオンと長風呂し、さらに遅くまではしゃいでいたようなので、彼が起きている可能性は低い。
従者であるクラウドは、普段から私より遅く寝て早く起きるのですが、ちゃんと休めているのでしょうか。
「おはようございます。カーラ様」
「おはよう。クラウド」
鍛錬着姿のクラウドは玄関前にいて、すでに体を動かした後らしく、首にかけていた手拭いで額の汗をぬぐっていました。
「クラウド。自分でできることはしますから、屋敷と同じ水準にしようとしないでくださいね。それでは貴方の負担が大きすぎます」
そう言うと、クラウドはきまりが悪そうに視線を落としました。
「あ・・・いえ。昨晩は体を動かす前に寝てしまいまして・・・今朝はいつもより早く目が覚めただけです」
やはり無理をしていて、自分の時間もとれないのでしょうか。
本音を探るために目線を合わせようと、クラウドに一歩近付いて見上げます。彼はびくっとして体を引きました。
「違うんです! その・・・昨晩はつい長風呂をしてしまいまして・・・少し休もうとベッドに横になったら、そのまま寝てしまったのです。ですからカーラ様が心配されているように、無理をしているわけではありません」
なるほど。クラウドは使用人用の大風呂を使っていたはずなので、湯船が大きい事には惹かれなかったかもしれませんが、広い浴室に一人で入るという事にはテンションが上がったのかもしれません。
やはり広いお風呂はいい! いつか温泉を探しに行きたいな。
「そう。それならいいのだけれど」
私はクラウドから離れて、前世の知識の通りに準備体操を始めました。
さて。この後はどこを走りましょうか。今朝は早く起きたので、学園の外周を走ってみるのもいいかもしれません。
ぼんやり考えながら体をほぐし、走り出す前にとんっとんっと軽く跳んでいると、クラウドがすうっと斜め後ろへ着きました。
「お供いたします」
そう言うと思いました。振り返って訊ねます。
「この学園の外周はどの程度の距離がありますか?」
「テトラディル領のお屋敷の10倍程度でしょうか。普段と同じ距離を走るおつもりでしたら、この林の周りを4周ほどか、または林を1周してから南の奥にある鍛錬場をまわって帰ってくるくらいです」
思ったより広いのですね。ゲームでは画面で行先を選択するだけでしたから、移動距離など考えたこともありませんでした。
走り出す前に聞いておいてよかったです。
「他の人がいない間に鍛錬場まで行って、それから林を1周しましょうか」
「はい」
林を4周でもいいのですが、同じ景色より変化があった方が楽しいので、鍛錬場をまわるコースを走ることにしました。
この別館は林の中にあり、さすがに林の中は走り辛いですから、まずは寮の方へ続く小道を走って寮へ向かいます。まだ東の空が朝焼けに染まっているような時間のため、生徒の誰も起きている気配がしません。
「おはよ。カム。今朝は早いね」
訂正。レオンは起きていたようです。
鍛錬着なのか、飾り気のないシャツのボタンを3つ目まであけた、黒のパンツ姿のレオンが寮の壁にもたれかかって、私を待っていました。レオンの部屋らしい2階の端の窓が開いているので、あそこから飛び降りてきたのでしょう。
「おはようございます」
私は足を止めることなく、寮の横を通って、その先にある芝の広場へ向かいます。レオンも後をついてきました。
テトラディル領でもこうして朝の鍛錬に参加してきましたから、特に何か言葉を交わすでもなく、走り続けます。
「ここを左へ行くと鍛錬場です」
広場に突き当たると、クラウドが次に向かう先を教えてくれました。先ほどまでとは違い、石畳で舗装された道を、遠くになんとなく見える建物へ向かって走ります。
「思ったより・・・大きいですね・・・」
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警備の巡回路なのでしょう。舗装されてはいませんが、地面は踏み固められており、林と塀の間は侵入者を発見しやすいように4、5人並んで走れる程度に開いています。
林の中ほどまで来た頃でしょうか、前方から警備の方らしき、紺の軍服のような服装の2人が歩いてきました。
「おはようございます」
「え? あっ!! おはようございます!!」
遠くからでも私の髪色がわかる程度に、明るくなっていたからだと思います。止められて、私の正体を尋ねられることはありませんでした。
2人の横を走り抜けて、林の中の小道を通り、別館まで戻ってきました。
王都はテトラディル侯爵領より北に位置するため比較的涼しいですが、それでも汗ばんでいます。息を整えながら、クラウドと向き合い構えました。
普段のメニュー通りに、クラウドと組み手を開始します。
「僕は部屋に帰って、着替えてくるね」
去っていくレオンを横目に組手を続けます。
もうそろそろ終了かという頃に、2階の窓が開いた音がしました。
「姉上! おはようございます!」
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