DEATH GAME ー宝玉争奪戦

DP

文字の大きさ
62 / 81
3章

61話 ストーキング

しおりを挟む


噴水広場を離れた和歌太郎は、観覧車やメリーゴーランドが立ち並ぶアトラクションゾーンまで移動していた。

「かなり離れた。でもおかしいな」

和歌太郎は首を傾げる。
何故なら自分を追ってくると思っていたカワデンの気配がしないのだ。

アトラクションゾーンは、基本的に開けた場所のため見通しはいい。にもかわらずカワデンの影も匂いも音もしない。

「もしかして速く移動しすぎた…」

カワデンの和歌太郎に対して向ける殺意より必ず追いかけてくるだろうと考えていたため、肩透かしを喰らう和歌太郎。

カワデンはいない……そう油断した時

「ーーっ!!!」

本能が激しく警鐘鳴らす
和歌太郎は反射的に前へと移動した。

(何……この殺気!!)

振り返り、先ほどまでいた場所に目をむける。
そこには

「へへへへ…」

ナイフを突き出し、顔を赤らめ笑うカワデンの姿が
和歌太郎の全身に悪寒がはしる。

(さっきまでは確実にいなかったのに…)

困惑する和歌太郎
何故なら殺気に気づき避けるまで、音も気配も匂いさえも一切しなかったんだ。

「へへへへ……気づけば後ろにいる…」

カワデンはボソリと呟く
そして、その場からスッと溶けるように消えた。

「なっ!消えた!?」

視界に入れていたにも関わらずカワデンの姿を見失った和歌太郎。
五感を研ぎ澄まし、周囲を探る。

しかし、カワデンの姿はどこにもいない…

だが

「また後ろ!!」

和歌太郎は反転、背後に剣を振るった。

"キンっ"

ナイフと剣が打ち合う。

カワデンは背後に移動していた。
和歌太郎は気配は感じないが、僅かな殺気を感じ取り背後に剣を向けたのだ。

(やっぱりそうだ。スキルだと思うけどこいつからは匂いや音、気配が一切しないんだ)

和歌太郎はカワデンを冷静に分析する。

「へへへへ……やっぱ強い…ウヒ」

下を向き、頬を染めるカワデン
カワデンのスキルは自身の発する音を消す"消音サイレンス"。自身の放つ臭いを消す"無臭デオドラント"。
そして、影から影へ移動するスキル"影渡りシャドウ"
まさに暗殺者ともいえるスキル構成。

「見えてる内に叩く」

和歌太郎は姿を消す前にと考え、カワデンへと高速で近づき、剣を振るった。

だが剣は空を切る。
一瞬早くカワデンはメリーゴーランドの影へと移動していた。
しかし、僅かに服が裂けている。
どうやら和歌太郎の剣が掠ったらしい。

「へへへへ……強い。殺してみたい。解放…死の追跡者デス・ストーカー

カワデンが称号"死の追跡者デス・ストーカー"'を発動させた。

カワデンの身体から紫の煙が溢れ出す。
和歌太郎は警戒を最大限にする。

すると紫の煙は、人の形に変形し始め

「増えた!?」

困惑する和歌太郎
それもそのはずカワデンが5人に増えたのだ。

「「「「「へへへ……解剖楽しみ」」」」」

5人のカワデンが顔を赤らめ、不気味に笑う。
そして一斉に影の中に溶けた。

「くっ!気配も薄いし、厄介だね」

和歌太郎は苦笑を浮かべる。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

処理中です...