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王城編

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 血の気が引いたランドン、ガタガタと震え始めたジェフ、何が起きて居るのか把握できて居ないネイサン。

「第二王子に対する不敬は万死に値する。
 その者を投獄し、明日には処刑台に送るように…」

 断罪の言葉を言われたネイサンが、ようやく事の次第を理解したのだが、時すでに遅し…で有った。

「・・・ネイサン、馬鹿な事をしなければウォーリスで最強の男になれて居たのにな。
 もてはやされる事もなく断罪される運命になるとは…本当に残念だよ」

 くるり…と背を向け王城内に戻って行くアレク。

「本気で騎士を目指して居れば団長として隊を率いる事も可能だったのに…」

 バルトも又、ライバルだった男が過ちを犯し、断罪される運命になってしまった事を嘆いた。

「騎士希望の者と庇おうとした者の処遇は、
 如何いかがいたしましょう?」

 ヘンリーがライに残った2名の処遇を問いただした。

「騎士になる為に来た、と言った人物は、そのまま騎士の試験を受けさせてくれ。
 庇った者に関しては…投獄の上、国外追放では甘いか…」

 ガタガタと体を震わせ自分に処罰が下されてしまう事にランドンは怯える。

「そうだな…1か月は牢屋に投獄し、2か月目に国外追放としよう」

「アレクシス殿下に噛みついた者は犯罪者専用の牢ですね?」

「あぁ、頼む」

 ライも私室に戻って行き、残されたのは捕縛を担当した騎士とネイサンたち。

「騎士になる為に来た、と言った君…名前は?」

「は、はいっ…ジェフと言います」

「ジェフ君、試験を行うからついて来て欲しい」

「あ、有難う御座います!
 試験は終わってしまったと聞かされて居たので
 受けられるのは有難いです!」

 本気で騎士になる事を決めて居たジェフはヘンリーと共にその場を離れ、ネイサンとランドンを牢屋へと連れて行く騎士たちとに分かれた。

 庇わなければ牢に入る事も無かっただろうに…と言う騎士たちからの視線に、いたたまれなくなったランドン。

「放せっ!!俺はアレクをっ…奴と決着つけなきゃ気が済まないんだぁ!!」

「・・・未だ言うのか…。
 ランフォース様からも言われた事を忘れ、
 第二王子殿下に対する不敬を止める気配すら無いのか…」

「例え、お前がアレクシス殿下と対峙したとしても、
 殿下に勝てる訳が無いだろ」

「何だとぉ?!」

「アレクシス殿下はバルト殿と、
 たった2名でコンダーと対峙し王都へ向かうのを阻止できた。
 お前にコンダーと対峙できるだけの勇気が有るのか?」

 その事を知らされたネイサンは瞬時に顔を青くさせた。

「コ、コ、コン…ダァー?」

「そうだ。
 魔物の中でも厄災級のコンダーに遭遇し、
 彼らは王都に向かいそうなのを食い止めてくれた。
 そんな勇気が有るのなら今から森へと向かわせても良いが?」

 厄災級の魔物はコンダーだけでは無い。

 熊のように大きな魔物も居るし、最強のドラゴンすら世界の何処かには居るらしいと聞いた。

 そんな魔物と対峙するなんてネイサンには無理な話だった。

「ム、ムッ…無理ですっっ」

 アレクとの戦いに執着して居たネイサンは犯罪者が収監された牢屋へと押し込まれ、ランドンも牢屋へと連れて行かれアレクの命が危ぶまれる事が無くなった
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