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㉙どんな想いがあるともしらないで
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「くっ、……」
ユーグが医務室へ向かう道すがら、先程のフォートとのやり取りで込み上げた激情をどうにか押し殺していた。
胸が……心が、苦しいくらいに、熱い。
もう少しで、手が出てしまうところだった。
こんなにも心をかき乱されるのは、いつだってアリセアに関してだけだ。
彼女に最初から強い関心を向けていただろう、彼。
常に彼女の周りをうろうろしていたのは知っていたけれど。
……一体、何を知っているのか。
あの、視線の鋭さは一体……。
そもそも、アリセアを「もらう」
などと口にする資格が、あの男にあるのか。
彼女は物ではない。
誰かのものになるために存在しているんじゃない。
彼女には、彼女自身の意志がある。
俺が……今までどんな思いで彼女を見守ってきたか、分かりもしないだろうに。
彼女は、小さな頃から、俺にとって何よりも大切な存在だった。
たとえ記憶をなくしても、
たとえもう一度俺のことを忘れたとしても
きっと、それは変わらない。
傍にいて、笑ってくれればそれでいい。
それだけで、俺の世界は成り立つ。
だけど。
誰かの力で彼女の意志を無視して、奪われてしまったら。
それでも、
彼の真っ直ぐな彼女への想いを聞いてしまったら、
頭では分かっていても、焼け付くような嫉妬と、
どうしようもない悔しさが、胸を締めつける。
「……でも、決めるのはアリセアだ。
誰かの想いより、彼女自身の気持ちが一番大切……」
しかし……やはり、
彼女をあんなふうに扱われるのは……
どうしても、許せない。
医務室の前のドアにたどり着く。
ユーグストは、激情を振り切るように、目を伏せ、
意図的に一呼吸をした。
彼女がーーアリセアが無事でありますように。
「アリセア、入るよ?」
医務室の扉をノックする。
「ユーグ!」
扉が開き、彼女が崩れ落ちるかのように出てきて、咄嗟に抱きとめた。
「アリセア?!そんな身体で、無理しなくてもいいーー」
魔力暴走後で、きっと、まだふらふらな状態なはずだ。
「それどころじゃなくてっ……」
胸の中のアリセアの声色が、震えている。
「フォートに何かされたのか?」
つい、先程のことを思い出し、低い声になってしまう。
「違っ……むしろ助けてくれて。実はさっき」
アリセアをベッドに座らせ、俺も隣に座ってじっくりと彼女の話を聞いた。
唇を震わせながら話すアリセアの背中を優しくさする。
「……でも、どうして暴走が収まったのか、
私にはわからないんです。
あの時、私は意識を失ってしまって……。
目が覚めたら、もう……収まっていて」
「……不安になるのは当然だ」
アリセアにはまだはっきりと言ってなかったが、
魔力暴走は最悪、植物状態にも、なりうる。
だが、博識の彼女だ、知らないにしても、
きっとこのまま続くのは危険だとは自分でも気がついていてーー。
「それに、あんなこと言われて………
フォートが何か知らない人みたいに感じてしまって」
「知らない人、ね」
言い得ているかもしれない。
飄々とした人物ではあるが、実際はどんな人物なのか。
「アリセア、一旦、横になろう。身体がきついはずだ」
「……ありがとうございます」
ユーグは、アリセアをベッドに横になるようにそっと促し自身は椅子に座った。
横たわった彼女は、どこか遠くを見ていた。
「きっと、フォートからしたら、……実際に知らない人に感じたのは私の方なのでしょうけど」
そう言って、彼女はすっかり、落ち込んでしまった。
「フォートに、記憶が無い事、知られたと思うんです。
私がフォートにその事を相談せずにいたから、
その事で、彼を傷つけたんじゃ……」
アリセアはどこまでも優しい。
他人をいつだって自分よりもさきに、思いやることが出来るのが、彼女の魅力で、そういう彼女だからこそ、俺は惹かれた。
少し涙目になった彼女に、そっとハンカチを差し出す。
「ありがとうございます」
気まずそうに笑う彼女が、なんだかいじらしくて愛おしい。
「お見苦しいところ見せて、すみません」
アリセアは言った。
「いや、俺の前ではいくらでも泣いたり笑ったりしてくれて構わない。
アリセアの自然な感情のすべてを見せて欲しい」
「ユーグは……優しすぎます」
泣き笑いのような表情でそう言う彼女に、胸の奥からこみ上げるものがある。
「そんなことを言ってくれるのはアリセアだけかもしれないよ?」
「まさか、そんな……」
そう言いながらも、彼女はふふっと小さく笑ってくれて。
涙の中に浮かんだその笑顔が、何よりも嬉しかった。
「けれど……あいつはそれくらいで、傷つくようなタマじゃない」
彼女からしたら、彼にずっと黙っていたことに罪悪感があるようだが。
俺の、あいつ呼びに、アリセアは戸惑ったようだが、気を使ってくれたのか何も言ってこない。
「フォートは、話を聞くに、恐らく最初から君に対して違和感を感じていたはずだ」
先程の彼を思い出し、そうだろうなと改めて思う。
彼はアリセアの変化に気が付き……それでも見守っていた。
「……最初から」
アリセアが、どんどん顔を曇らせる。
「やっぱり私の対応の仕方がダメだったんですね」
「アリセア。他に、彼に気が付かれている、そんな感じはしなかった?」
俺がそう尋ねると、アリセアは少し考え込むように目を伏せ、ぽつぽつと話し始めた。
「確かに……『休んでる間に何かあった?』って。
ドキリとする言葉を私にーー当時は、私の態度で違和感を与えてしまったのかと思ったのですが」
「そうか……」
「単純に休んだ理由を聞いてるだけとも受け取れて、すぐに違和感を流しちゃって……」
「他にも何か言っていた?」
俺が促すと、彼女はしばらく黙り込んだ後、はっとしたようにこちらに顔を向けた。
「ユーグ、ーー初日すぐ、彼が私に"アリセア、増えた?”って言ってきたんです」
その言葉に、僅かに眉を動かす。
彼女がそこまで言いながら、気まづそうに話し始める。
「私が、体重のことを、言われたのかと思って怒ったのですが、もしかして。ユーグ」
「……彼は『魔力が増えた?』そう言いたかった?」
そう言って、ユーグは、眉を寄せる。
「……これはただの憶測ですが。でも、普通肉眼で魔力は見えませんよね?気のせいかな」
彼女はそう言って、困ったように笑った。
フォートが……ただの一般生徒ではないかもしれない?
確かに、気配の察知力が並外れていたように想う。
怪我の出ない水柱に閉じ込める……という攻撃にはしたのは俺だ。
校舎内で技を繰り出した時に、あの瞬間、俺の気配を読み、避けた。
偶然かと思えたが……。
その後も、臆することも無く、俺に対峙した度胸。
あれは、実戦で鍛えられた反射なのでは?
さらにはあの場でアリセアを気遣う余裕さえあった。
そうだとすれば、アリセアの魔力暴走を収めたのは……やはり。
しかし、魔道具すらないとすると……
収束させるのは、理論上はあの方法しか、ない。
視線をずらし、すっかり落ち込んでいる彼女を改めてみる。
「……!」
アリセアの周りに、微かに、何かの力の残滓が感じ取れた。
澄み切った……この気配。
「アリセア、手を握ってもいい?」
「え?あ、……はい」
きょとんとした顔の彼女は、それでも素直に右手をさしだしてくれる。
彼女の手と己の手を重ね、指輪を発動させる。
指輪の、緩やかな振動が手に伝わってきて……。
彼女の体内に……"誰かの微量の魔力”が残っていた。
……ということは。
ーアリセアと、密に?ー
(フォート……さっきは「何もしていない」と言っていたが……
やはり、あいつがアリセアを……!?)
彼女の魔力暴走を、自らの力で抑え込んだ?
それが可能なら――それ相応の実力が、そして代償もあったはず。
それでも、彼は何も言わず、素振りも見せなかった。
……彼の正体は?――
無意識に、俺の眉が険しくなる。
「ユーグ。どうしました?」
心配そうに首を傾げるアリセアに、いいや、と、できるだけ普通に見えるように首を振る。
「アリセアが助かって良かったと思ってね」
これは、本当に、心の奥底からそう思った。
フォートの事は許せないが、それで彼女が助かったのも事実。
あの場に、俺がいれたら、どんなによかったか。
危惧していることがもし本当なら、……。
彼女の尊厳を守れたかもしれないのに。
「ユーグ……心配かけてすみません」
「いいんだ。アリセアが無事なら本当に。アリセア………実は、君に言っておくことがある」
「は、はい、……何でしょうか」
ユーグが医務室へ向かう道すがら、先程のフォートとのやり取りで込み上げた激情をどうにか押し殺していた。
胸が……心が、苦しいくらいに、熱い。
もう少しで、手が出てしまうところだった。
こんなにも心をかき乱されるのは、いつだってアリセアに関してだけだ。
彼女に最初から強い関心を向けていただろう、彼。
常に彼女の周りをうろうろしていたのは知っていたけれど。
……一体、何を知っているのか。
あの、視線の鋭さは一体……。
そもそも、アリセアを「もらう」
などと口にする資格が、あの男にあるのか。
彼女は物ではない。
誰かのものになるために存在しているんじゃない。
彼女には、彼女自身の意志がある。
俺が……今までどんな思いで彼女を見守ってきたか、分かりもしないだろうに。
彼女は、小さな頃から、俺にとって何よりも大切な存在だった。
たとえ記憶をなくしても、
たとえもう一度俺のことを忘れたとしても
きっと、それは変わらない。
傍にいて、笑ってくれればそれでいい。
それだけで、俺の世界は成り立つ。
だけど。
誰かの力で彼女の意志を無視して、奪われてしまったら。
それでも、
彼の真っ直ぐな彼女への想いを聞いてしまったら、
頭では分かっていても、焼け付くような嫉妬と、
どうしようもない悔しさが、胸を締めつける。
「……でも、決めるのはアリセアだ。
誰かの想いより、彼女自身の気持ちが一番大切……」
しかし……やはり、
彼女をあんなふうに扱われるのは……
どうしても、許せない。
医務室の前のドアにたどり着く。
ユーグストは、激情を振り切るように、目を伏せ、
意図的に一呼吸をした。
彼女がーーアリセアが無事でありますように。
「アリセア、入るよ?」
医務室の扉をノックする。
「ユーグ!」
扉が開き、彼女が崩れ落ちるかのように出てきて、咄嗟に抱きとめた。
「アリセア?!そんな身体で、無理しなくてもいいーー」
魔力暴走後で、きっと、まだふらふらな状態なはずだ。
「それどころじゃなくてっ……」
胸の中のアリセアの声色が、震えている。
「フォートに何かされたのか?」
つい、先程のことを思い出し、低い声になってしまう。
「違っ……むしろ助けてくれて。実はさっき」
アリセアをベッドに座らせ、俺も隣に座ってじっくりと彼女の話を聞いた。
唇を震わせながら話すアリセアの背中を優しくさする。
「……でも、どうして暴走が収まったのか、
私にはわからないんです。
あの時、私は意識を失ってしまって……。
目が覚めたら、もう……収まっていて」
「……不安になるのは当然だ」
アリセアにはまだはっきりと言ってなかったが、
魔力暴走は最悪、植物状態にも、なりうる。
だが、博識の彼女だ、知らないにしても、
きっとこのまま続くのは危険だとは自分でも気がついていてーー。
「それに、あんなこと言われて………
フォートが何か知らない人みたいに感じてしまって」
「知らない人、ね」
言い得ているかもしれない。
飄々とした人物ではあるが、実際はどんな人物なのか。
「アリセア、一旦、横になろう。身体がきついはずだ」
「……ありがとうございます」
ユーグは、アリセアをベッドに横になるようにそっと促し自身は椅子に座った。
横たわった彼女は、どこか遠くを見ていた。
「きっと、フォートからしたら、……実際に知らない人に感じたのは私の方なのでしょうけど」
そう言って、彼女はすっかり、落ち込んでしまった。
「フォートに、記憶が無い事、知られたと思うんです。
私がフォートにその事を相談せずにいたから、
その事で、彼を傷つけたんじゃ……」
アリセアはどこまでも優しい。
他人をいつだって自分よりもさきに、思いやることが出来るのが、彼女の魅力で、そういう彼女だからこそ、俺は惹かれた。
少し涙目になった彼女に、そっとハンカチを差し出す。
「ありがとうございます」
気まずそうに笑う彼女が、なんだかいじらしくて愛おしい。
「お見苦しいところ見せて、すみません」
アリセアは言った。
「いや、俺の前ではいくらでも泣いたり笑ったりしてくれて構わない。
アリセアの自然な感情のすべてを見せて欲しい」
「ユーグは……優しすぎます」
泣き笑いのような表情でそう言う彼女に、胸の奥からこみ上げるものがある。
「そんなことを言ってくれるのはアリセアだけかもしれないよ?」
「まさか、そんな……」
そう言いながらも、彼女はふふっと小さく笑ってくれて。
涙の中に浮かんだその笑顔が、何よりも嬉しかった。
「けれど……あいつはそれくらいで、傷つくようなタマじゃない」
彼女からしたら、彼にずっと黙っていたことに罪悪感があるようだが。
俺の、あいつ呼びに、アリセアは戸惑ったようだが、気を使ってくれたのか何も言ってこない。
「フォートは、話を聞くに、恐らく最初から君に対して違和感を感じていたはずだ」
先程の彼を思い出し、そうだろうなと改めて思う。
彼はアリセアの変化に気が付き……それでも見守っていた。
「……最初から」
アリセアが、どんどん顔を曇らせる。
「やっぱり私の対応の仕方がダメだったんですね」
「アリセア。他に、彼に気が付かれている、そんな感じはしなかった?」
俺がそう尋ねると、アリセアは少し考え込むように目を伏せ、ぽつぽつと話し始めた。
「確かに……『休んでる間に何かあった?』って。
ドキリとする言葉を私にーー当時は、私の態度で違和感を与えてしまったのかと思ったのですが」
「そうか……」
「単純に休んだ理由を聞いてるだけとも受け取れて、すぐに違和感を流しちゃって……」
「他にも何か言っていた?」
俺が促すと、彼女はしばらく黙り込んだ後、はっとしたようにこちらに顔を向けた。
「ユーグ、ーー初日すぐ、彼が私に"アリセア、増えた?”って言ってきたんです」
その言葉に、僅かに眉を動かす。
彼女がそこまで言いながら、気まづそうに話し始める。
「私が、体重のことを、言われたのかと思って怒ったのですが、もしかして。ユーグ」
「……彼は『魔力が増えた?』そう言いたかった?」
そう言って、ユーグは、眉を寄せる。
「……これはただの憶測ですが。でも、普通肉眼で魔力は見えませんよね?気のせいかな」
彼女はそう言って、困ったように笑った。
フォートが……ただの一般生徒ではないかもしれない?
確かに、気配の察知力が並外れていたように想う。
怪我の出ない水柱に閉じ込める……という攻撃にはしたのは俺だ。
校舎内で技を繰り出した時に、あの瞬間、俺の気配を読み、避けた。
偶然かと思えたが……。
その後も、臆することも無く、俺に対峙した度胸。
あれは、実戦で鍛えられた反射なのでは?
さらにはあの場でアリセアを気遣う余裕さえあった。
そうだとすれば、アリセアの魔力暴走を収めたのは……やはり。
しかし、魔道具すらないとすると……
収束させるのは、理論上はあの方法しか、ない。
視線をずらし、すっかり落ち込んでいる彼女を改めてみる。
「……!」
アリセアの周りに、微かに、何かの力の残滓が感じ取れた。
澄み切った……この気配。
「アリセア、手を握ってもいい?」
「え?あ、……はい」
きょとんとした顔の彼女は、それでも素直に右手をさしだしてくれる。
彼女の手と己の手を重ね、指輪を発動させる。
指輪の、緩やかな振動が手に伝わってきて……。
彼女の体内に……"誰かの微量の魔力”が残っていた。
……ということは。
ーアリセアと、密に?ー
(フォート……さっきは「何もしていない」と言っていたが……
やはり、あいつがアリセアを……!?)
彼女の魔力暴走を、自らの力で抑え込んだ?
それが可能なら――それ相応の実力が、そして代償もあったはず。
それでも、彼は何も言わず、素振りも見せなかった。
……彼の正体は?――
無意識に、俺の眉が険しくなる。
「ユーグ。どうしました?」
心配そうに首を傾げるアリセアに、いいや、と、できるだけ普通に見えるように首を振る。
「アリセアが助かって良かったと思ってね」
これは、本当に、心の奥底からそう思った。
フォートの事は許せないが、それで彼女が助かったのも事実。
あの場に、俺がいれたら、どんなによかったか。
危惧していることがもし本当なら、……。
彼女の尊厳を守れたかもしれないのに。
「ユーグ……心配かけてすみません」
「いいんだ。アリセアが無事なら本当に。アリセア………実は、君に言っておくことがある」
「は、はい、……何でしょうか」
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