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㊾あの日、返せなかった理由
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ミクリヤ球がある地下探索をした日から、数日が経った。
始まりは、クラス係の、クラスメイトの言葉だった。
「皆様、聞いてください。明日の演習授業は、魔法科・騎士科両科から学年ごとに代表を一名ずつ選出し、計六名による簡単なトーナメント形式の対抗戦に変更となります」
本日のクラス係の女の子が黒板前の壇上にて、少しだけ緊張した顔立ちで、話し始めた。
「え……」
「それはほんとう?」
クラスメイトのざわめきに、本を読んでいたアリセアは顔を上げる。
(え?対抗戦?……)
今まで騎士科と合同で授業をするなんて聞いたことがなかった。
けれど、同じ学び舎の生徒であることは変わらない。
こういうこともたまにはあるのだなと思っていると。
「信じられないかもしれませんが……どうやら先生同士が喧嘩して、魔法科か、騎士科、どちらが1番か、決めたいのだそうで……」
クラス係の子が、額に手を当てる。
どうやら呆れているようだ。
「えっ……つまり、俺たちは、それに巻き込まれる?」
唖然とするクラスメイトたちの声に、アリセアも呆ける。
(そんな理由で?)
不安が胸に広がっていく。
でも、私たちはまだ1年生だ……。
1年生から誰か代表に出たとして、2年生や3年生の先輩方に勝てる勝率はあるのかしら。
そう考えにふけっていると。
「アリセア」
「え?」
フォートが背後から呼びかけてきた。
アリセアが振り返ると、いつもの様に不敵に笑う彼がそこにはいてーー。
普通に話しかけてくれることにホッとした。
「俺、先生にたのまれたんだよね。もしかしたら1年生代表として、出るかも」
「え……代表?」
最近は寝てばかりのフォートが、珍しく起きていて。
元気そうな様子に少しだけホッとしたのもつかの間。
その彼の言葉に驚き聞き返す。
「うん、1年生代表」
「えっ!大丈夫なの?……最近、フォートなんだか疲れてるでしょ?」
そっと、彼の様子を探るような目で見つめると、フォートは言葉に詰まった。
「……気がついてた?」
「気がつかない方がおかしいと思うの……」
授業の合間に熟睡してるのだから。
「春だから、眠くなるのかもな」
「……もうすぐ、夏だけどね」
彼が疲れていることーーそれに気がついていても、なんだか問うことも出来ずにいた。
(あ、そうだわ)
アリセアは鞄からそっとソレを、取りだした。
フォートの為に持ってきていた事を思い出したのだ。
「フォート、これ……」
「なに?」
フォートの机の前まで行くと、アリセアは茶目っ気のある笑顔で握りこんだ手を、そっと彼に差し出した。
訝しげに見つめてくる彼の表情は、どこか緊張していて。
それに気が付かないフリをして、アリセアはそう言って深い眼差しで彼を見つめる。
「手をだしてくれる?」
「あ、あぁ……」
彼の手の平の上。
コロン。
飴玉の丸い包み紙が落ちた。
それを見たフォートが目を丸くする。
「え?飴玉?」
「ふふっ……元気が出るおまじない」
いつかフォートがそう言って飴玉をくれたように、今回はアリセアから。
「アリセア……ありがとうな」
それを見て苦笑するフォートに、アリセアは笑って話しかける。
「でも、それは食べれないの。飴玉の中味、実はお守り石なの」
「……え?」
フォートが一瞬、沈黙し……こちらを見あげてきた。
「ふふっ、驚いた?中見てみて」
渡された本人よりも、贈り物をする側の方が何故かわくわくするのよね。
「紫の花が入った、……水晶?」
フォートは震える指で、そっと包み紙を開いた。
「そうなの、この前街で見つけて、これみて貴方のことを思い出したから、良かったら貰ってくれると嬉しいな。本来は良い香りがするみたいだけど……」
ユーグと、久しぶりの息抜きで、街へと遊びに行った際に、お守り屋さんで見つけた石。
気がついたら購入していて。
他にも綺麗な石をたくさん買ってきたので、今度家族にも、日頃心配をかけているから、手紙と一緒に贈るつもりでいる。
「異国に咲いているラベンダーっていうお花らしいの。見た目の色も、フォートの瞳にぴったりでしょう」
本人には、元気が出るおまじない、とは言ったものの。
実は。
(フォートを、お守りください……)
そう願って購入したお守り石。
すごく透明感があってつるつるしている、光を通す石。
「ラベンダー…………」
フォートはそう言って言葉を失ってしまったように……。
それから、手で顔を覆って下を向いた。
「え?……ど、どうしたの?」
彼の肩が少しだけ震えているようで。
「……ごめんね、嫌だった?」
アリセアは慌てて、彼の背中にそっと優しく触れた。
(やっぱり、震えてる?何か嫌なものを連想させてしまったかしら。買う前にきいておくべきだった……)
元気づけようとしたのに、まさかこんな反応をされるとは思わず、おろおろしてしまう。
「フォート?ごめんね、私、何かしちゃったんだよね?」
アリセアはゆっくりと、彼の背中をさすって、彼の様子を伺う。
そうしてしばらくして……。
「いや、…………ごめん」
彼は一瞬、深く呼吸をして、……そして私の顔を見た。
フォートの目尻が赤くなっている気がして……。
(なんだか、泣きそう?)
切なげな表情で見つめられて、ドキッとした。
「……ちょっと昔のこと思い出して。この花の香り、すきなんだ。ありがとな、アリセア、大事にするよ。……すごく嬉しい」
そう言ってフォートは口元を緩ませた。
「ほんと?……喜んでくれたなら良かった」
(でも……無理してないかな。
何か嫌な記憶が蘇ったとかでなければいいのだけど)
ーーーーーー
アリセアから貰った石。
今の俺に物凄くささった。
本当に、彼女はいつも……俺を良い意味で驚かしてくれる。
フォートは目の前で戸惑っているアリセアの方に、ハンカチを差し出した。
「これ、アリセアのだろ?この前顔にかかっててびっくりしたんだけど、オレの寝顔そんなに酷かった?」
少しからかいを込めて笑うと、やっとアリセアも安堵したように笑ってくれた。
「返さなくても良かったのに。あ……もしかしてわざわざ洗濯してくれたの?気を使ってくれてありがとう」
そっと、彼女に差し出したハンカチを、手渡す時だけ、ほんの一瞬力が入った。
渡したくない。
……まだ、アリセアと、繋がっていたい。
それは、無意識の行動だった。
「フォート?」
けれど、そんな些細な抵抗を受けて、流石に彼女も首を傾げてきた。
「いや、女性用の可愛らしいハンカチだから、俺が貰ってもね」
なんて、誤魔化すように軽口を言うも、指は震えていた。
「もう、確かにそうなんだけど」
そう言って彼女は笑った。
……彼女が笑っていればいいと、笑顔が見れればそれで……そう思っているのはたしかなのに。
先日の、ヤールからの言葉が脳裏によみがえった。
「フォート・セフィオル……今は邪魔しないで貰っていいでしょうか」
あの日、ハンカチの件で話したくて、アリセアがいるだろう食堂へ行った時に。
入口にいた、ユーグスト殿下の護衛、ヤールと目があって開口一番そう言われた。
きっと、俺の表情で察したのだろう、鋭い視線で牽制されて。
今、あの2人は一緒に食べているのだと瞬時に悟った。
ここ最近、3人でよく食事をしているのは分かっていたけれど、今日も、か。
ちらっと遠方を見るとアリセアと目が合った。
その隣にはユーグスト殿下もいて。
「そんな権利あるんですか」
魔力暴走が起きた後だ。
ユーグスト殿下が、心配するのも頷ける。
けれど、2人の様子を見たら。
一瞬、なげやりな気持ちになって、つい、不貞腐れたような、突っかかる言葉が出てしまった。
ヤールは目を見張り、それから——ほんの少しだけ眉尻を下げて、苦笑した。
「確かに権利はないだろう。
……でも、今あの二人はやっと落ち着いた頃なんだ。分かってやってくれないか」
なんて、まるで、同情されるように、なだめられるように言われたもんだから、退散するしかなかった。
その回想を引き裂くように笑顔のアリセアがこちらを見つめてきた。
「フォート、明日無理しないようにね」
「……それはアリセアもな」
「うん、代表だけ戦うなら、私は観戦するだけだからいいのだけど。……そうだ!フォートが、出るのなら、記録係の1人として、私も立候補しようかな。フォート頑張ってね!」
「見てくれるんだ?」
「それはそうよ、フォートは大切な"友達”なんだから」
そう言って楽しそうに笑うアリセアに、気がつけば見惚れていてーー。
この無自覚な、花が開くような笑顔。
何度向けられても……やられてしまう。
あぁ、やっぱり、俺……アリセアのことが……
ーー好きなんだ。
いつからだろうか。
理屈じゃない。
ただ、気がつけば……アリセアに落ちていたんだ。
友だちだと言われたら、確かに胸の痛みを感じる。
これが恋ではなかったら……なんだと言うのだろうか。
フォートの手の中。
お守り石が、
ーー熱を帯びた気がした。
始まりは、クラス係の、クラスメイトの言葉だった。
「皆様、聞いてください。明日の演習授業は、魔法科・騎士科両科から学年ごとに代表を一名ずつ選出し、計六名による簡単なトーナメント形式の対抗戦に変更となります」
本日のクラス係の女の子が黒板前の壇上にて、少しだけ緊張した顔立ちで、話し始めた。
「え……」
「それはほんとう?」
クラスメイトのざわめきに、本を読んでいたアリセアは顔を上げる。
(え?対抗戦?……)
今まで騎士科と合同で授業をするなんて聞いたことがなかった。
けれど、同じ学び舎の生徒であることは変わらない。
こういうこともたまにはあるのだなと思っていると。
「信じられないかもしれませんが……どうやら先生同士が喧嘩して、魔法科か、騎士科、どちらが1番か、決めたいのだそうで……」
クラス係の子が、額に手を当てる。
どうやら呆れているようだ。
「えっ……つまり、俺たちは、それに巻き込まれる?」
唖然とするクラスメイトたちの声に、アリセアも呆ける。
(そんな理由で?)
不安が胸に広がっていく。
でも、私たちはまだ1年生だ……。
1年生から誰か代表に出たとして、2年生や3年生の先輩方に勝てる勝率はあるのかしら。
そう考えにふけっていると。
「アリセア」
「え?」
フォートが背後から呼びかけてきた。
アリセアが振り返ると、いつもの様に不敵に笑う彼がそこにはいてーー。
普通に話しかけてくれることにホッとした。
「俺、先生にたのまれたんだよね。もしかしたら1年生代表として、出るかも」
「え……代表?」
最近は寝てばかりのフォートが、珍しく起きていて。
元気そうな様子に少しだけホッとしたのもつかの間。
その彼の言葉に驚き聞き返す。
「うん、1年生代表」
「えっ!大丈夫なの?……最近、フォートなんだか疲れてるでしょ?」
そっと、彼の様子を探るような目で見つめると、フォートは言葉に詰まった。
「……気がついてた?」
「気がつかない方がおかしいと思うの……」
授業の合間に熟睡してるのだから。
「春だから、眠くなるのかもな」
「……もうすぐ、夏だけどね」
彼が疲れていることーーそれに気がついていても、なんだか問うことも出来ずにいた。
(あ、そうだわ)
アリセアは鞄からそっとソレを、取りだした。
フォートの為に持ってきていた事を思い出したのだ。
「フォート、これ……」
「なに?」
フォートの机の前まで行くと、アリセアは茶目っ気のある笑顔で握りこんだ手を、そっと彼に差し出した。
訝しげに見つめてくる彼の表情は、どこか緊張していて。
それに気が付かないフリをして、アリセアはそう言って深い眼差しで彼を見つめる。
「手をだしてくれる?」
「あ、あぁ……」
彼の手の平の上。
コロン。
飴玉の丸い包み紙が落ちた。
それを見たフォートが目を丸くする。
「え?飴玉?」
「ふふっ……元気が出るおまじない」
いつかフォートがそう言って飴玉をくれたように、今回はアリセアから。
「アリセア……ありがとうな」
それを見て苦笑するフォートに、アリセアは笑って話しかける。
「でも、それは食べれないの。飴玉の中味、実はお守り石なの」
「……え?」
フォートが一瞬、沈黙し……こちらを見あげてきた。
「ふふっ、驚いた?中見てみて」
渡された本人よりも、贈り物をする側の方が何故かわくわくするのよね。
「紫の花が入った、……水晶?」
フォートは震える指で、そっと包み紙を開いた。
「そうなの、この前街で見つけて、これみて貴方のことを思い出したから、良かったら貰ってくれると嬉しいな。本来は良い香りがするみたいだけど……」
ユーグと、久しぶりの息抜きで、街へと遊びに行った際に、お守り屋さんで見つけた石。
気がついたら購入していて。
他にも綺麗な石をたくさん買ってきたので、今度家族にも、日頃心配をかけているから、手紙と一緒に贈るつもりでいる。
「異国に咲いているラベンダーっていうお花らしいの。見た目の色も、フォートの瞳にぴったりでしょう」
本人には、元気が出るおまじない、とは言ったものの。
実は。
(フォートを、お守りください……)
そう願って購入したお守り石。
すごく透明感があってつるつるしている、光を通す石。
「ラベンダー…………」
フォートはそう言って言葉を失ってしまったように……。
それから、手で顔を覆って下を向いた。
「え?……ど、どうしたの?」
彼の肩が少しだけ震えているようで。
「……ごめんね、嫌だった?」
アリセアは慌てて、彼の背中にそっと優しく触れた。
(やっぱり、震えてる?何か嫌なものを連想させてしまったかしら。買う前にきいておくべきだった……)
元気づけようとしたのに、まさかこんな反応をされるとは思わず、おろおろしてしまう。
「フォート?ごめんね、私、何かしちゃったんだよね?」
アリセアはゆっくりと、彼の背中をさすって、彼の様子を伺う。
そうしてしばらくして……。
「いや、…………ごめん」
彼は一瞬、深く呼吸をして、……そして私の顔を見た。
フォートの目尻が赤くなっている気がして……。
(なんだか、泣きそう?)
切なげな表情で見つめられて、ドキッとした。
「……ちょっと昔のこと思い出して。この花の香り、すきなんだ。ありがとな、アリセア、大事にするよ。……すごく嬉しい」
そう言ってフォートは口元を緩ませた。
「ほんと?……喜んでくれたなら良かった」
(でも……無理してないかな。
何か嫌な記憶が蘇ったとかでなければいいのだけど)
ーーーーーー
アリセアから貰った石。
今の俺に物凄くささった。
本当に、彼女はいつも……俺を良い意味で驚かしてくれる。
フォートは目の前で戸惑っているアリセアの方に、ハンカチを差し出した。
「これ、アリセアのだろ?この前顔にかかっててびっくりしたんだけど、オレの寝顔そんなに酷かった?」
少しからかいを込めて笑うと、やっとアリセアも安堵したように笑ってくれた。
「返さなくても良かったのに。あ……もしかしてわざわざ洗濯してくれたの?気を使ってくれてありがとう」
そっと、彼女に差し出したハンカチを、手渡す時だけ、ほんの一瞬力が入った。
渡したくない。
……まだ、アリセアと、繋がっていたい。
それは、無意識の行動だった。
「フォート?」
けれど、そんな些細な抵抗を受けて、流石に彼女も首を傾げてきた。
「いや、女性用の可愛らしいハンカチだから、俺が貰ってもね」
なんて、誤魔化すように軽口を言うも、指は震えていた。
「もう、確かにそうなんだけど」
そう言って彼女は笑った。
……彼女が笑っていればいいと、笑顔が見れればそれで……そう思っているのはたしかなのに。
先日の、ヤールからの言葉が脳裏によみがえった。
「フォート・セフィオル……今は邪魔しないで貰っていいでしょうか」
あの日、ハンカチの件で話したくて、アリセアがいるだろう食堂へ行った時に。
入口にいた、ユーグスト殿下の護衛、ヤールと目があって開口一番そう言われた。
きっと、俺の表情で察したのだろう、鋭い視線で牽制されて。
今、あの2人は一緒に食べているのだと瞬時に悟った。
ここ最近、3人でよく食事をしているのは分かっていたけれど、今日も、か。
ちらっと遠方を見るとアリセアと目が合った。
その隣にはユーグスト殿下もいて。
「そんな権利あるんですか」
魔力暴走が起きた後だ。
ユーグスト殿下が、心配するのも頷ける。
けれど、2人の様子を見たら。
一瞬、なげやりな気持ちになって、つい、不貞腐れたような、突っかかる言葉が出てしまった。
ヤールは目を見張り、それから——ほんの少しだけ眉尻を下げて、苦笑した。
「確かに権利はないだろう。
……でも、今あの二人はやっと落ち着いた頃なんだ。分かってやってくれないか」
なんて、まるで、同情されるように、なだめられるように言われたもんだから、退散するしかなかった。
その回想を引き裂くように笑顔のアリセアがこちらを見つめてきた。
「フォート、明日無理しないようにね」
「……それはアリセアもな」
「うん、代表だけ戦うなら、私は観戦するだけだからいいのだけど。……そうだ!フォートが、出るのなら、記録係の1人として、私も立候補しようかな。フォート頑張ってね!」
「見てくれるんだ?」
「それはそうよ、フォートは大切な"友達”なんだから」
そう言って楽しそうに笑うアリセアに、気がつけば見惚れていてーー。
この無自覚な、花が開くような笑顔。
何度向けられても……やられてしまう。
あぁ、やっぱり、俺……アリセアのことが……
ーー好きなんだ。
いつからだろうか。
理屈じゃない。
ただ、気がつけば……アリセアに落ちていたんだ。
友だちだと言われたら、確かに胸の痛みを感じる。
これが恋ではなかったら……なんだと言うのだろうか。
フォートの手の中。
お守り石が、
ーー熱を帯びた気がした。
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