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第四話 干し草のベッド
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石がのどに詰まったような気まずい沈黙が流れ、遠くでのんきに鳴く牛の声に赤ん坊の泣き声が混ざった。
「その・・・まだ、奉公にも出せないし・・・たったの一年だけだ。勘弁してやってくれ」
女の顔は真っ赤に染まり、憎々しげにリオをにらみつけた。
「ふん!小綺麗な格好したってだまされないからね!あんたからは汚い匂いがプンプンするよ!」
「パストラ!言い過ぎだ!」
「あんただって同類だよ!思い出すだけで虫唾が走る!」
怒りの矛先は村長にも向いた。
二人はにらみ合い、硬直した空気が流れた。
「一年だけだ」
「母屋のベッドでは寝かさないよ」
「・・・わかった」
「あたしの家族じゃない」
「・・・お前に母親になることは求めない」
「約束は守って」
そう言うと、女はもう一度リオをにらみ、茶色の長いスカートをひるがえして出てきたドアに戻っていった。
村長は肩をすくめ、首を振り、ひとつため息をついた。
「・・・まあ、そういうことだ。こっちに来い」
どういうことなのかわからないが、初めてみたときは山のように大きく見えた村長は、一回り小さくなったように見えた。
案内された先は母屋の脇にある、先程にわとりが逃げ込んでいった家畜小屋だった。
入口の柱の横には小さなドアがあり、小さな歌声が聞こえてくる。赤ん坊の笑い声もかすかに混じっている。
「悪いが、そこじゃない」
村長はドアと反対側に親指を向けたが、そこは薄暗く、大きな動物がひしめいていた。
(うわ、でっかい)
通りを走る馬や畑を耕す牛を見たことはあったが、こんなに近くで見たことはなかった。
「用もなく近づくな。柵から中には絶対に入っちゃいかん。お前みたいな子どもは踏み殺されるぞ」
牛がムウォーと大きな声で鳴き、びくっと肩が跳ね上がった。獣臭い匂いにもぞっとする。
少しでも距離を取るため、こわごわと壁際を進んだ。
どの牛も恐ろしく、馬もまた恐ろしい。
ただ、馬はリオには関心がないらしく、村長をおもねるように見つめ、足元の土を掻いていた。
「今は何も持っていないんだ」
村長はポケットを裏返してみせると、馬は諦めきれないと鼻を擦り寄せてくる。それを軽くかわし、一番奥のはしごをするすると登っていった。
「お前も登れ」
ホコリ臭い空気の中、はしごをのぼると、その奥は意外なほど広々としていた。
先に登った村長は、ひょいひょいと干し草の束を重ね、リオの居場所を作っていた。
「あとでシーツを持ってきてやる。いいな」
リオが村長の言っている意味がわからず、首をかしげると、村長は言いづらそうに口を開いた。
「その、おまえは今夜からここで寝るってことだ。干し草にシーツを乗せれば、ふかふかのベッドと同じだ。いいだろう?」
ようやく言っている意味がわかった。
あの怒っていた女は「母屋のベッドでは寝かせない」と言った。つまり、ここは母屋ではないということなんだ。
いままで一間しかない家しか知らないリオには母屋も家畜小屋も違いがわからなかった。
「馬や牛がいるから、冬も温かいし・・・下の部屋には家畜番の家族が住んでいるから、お前をいれるのは難しいだろう。赤ん坊もいるし・・・だから・・・」
「はい」
リオは平気なふりをして頭を下げた。
本当は、牛や馬が恐ろしかった。だが、ここにおいてくれると言うならそれでいい。
もしかして、寝ている間に牛や馬が上がってきて食われてしまうかもしれないけど・・・
でも、今目の前の男の機嫌を損ねて殴られるよりはマシだろう。
「ありがとうございます。村長様」
習ったばかりの言葉を使い、深々と頭を下げると、村長は困ったような顔になった。
「いや・・・その・・・悪いな?今のところはここで勘弁してくれ」
「・・・・」
これ以上言う言葉もなくなり、黙り込んでしまったリオに、気まずくなったのか、村長は慌てて立ち上がった。
「また、後でな」
ひとりになると、急に牛や馬の蹄の音や鳴き声が聞こえてきた。
だが、牛や馬がはしごを登ってくる気配はない。
(ここにいれば安全なのかもしれない)
大きく伸びをして干し草の山に身をあずけると、ふわりと全身を包みこまれ、干し草のいい香りがした。
(ここで寝ていいんだ・・・こんないいところで・・・)
干し草に潜り込むと、暖かく、ホッとした。
(村長様って、すごい人なんだな。俺にこんないいねどこをくださるなんて・・・明日からたくさん働いて追い出されないようにしないと・・・メイに教わったように清潔にして。臭いって言われないように・・・)
緊張がとけたのか、眠りの底に引きずり込まれていった。
********************
半年が過ぎた。
リオの朝は早い。
一番鶏の鳴き声とともに跳ね起きると、井戸に走り、素早く顔を洗い、次に台所の水瓶をいっぱいにする。
家畜小屋に駆け戻って卵を集め、台所に届けたあと、また家畜小屋に戻り乳搾りを手伝う。
最初は怖くて近づけなかったが、今ではすっかり慣れてしまった。
牛の鳴き声も、リオに甘えているのか怒っているのかもわかるようになった。
家長の子どもを、いくら私生児とはいえ家畜小屋で寝かしていることについて、ヒソヒソと話すものはいたが、当の本人は幸せだった。
ここでは、無体に殴られることはない。
朝と夕方に食事がもらえ、干し草のベッドは快適だった。
何よりも、リオは「まともな人間」の生活がどういうものなのか、知ることができた。
毎日朝からずっと飲んだくれている人間はいない。
雨だから、酒瓶が空だから、と殴りつける人間もいない。
挨拶をする。
頑張ればほめてもらえることもある。
たまには殴られたり小突かれたりすることもあるが、今までの生活とは大違いだった。
三月もすると、枝のようだった腕に少しずつ肉がついてきた。
男たちや女たちの冗談に少しずつ反応するようになり、心の奥で何かが芽吹き始めた。
引き取られてしばらくしてから、村長を怒鳴りつけていた女は村長の妻で、この家の奥様だと知ったが、リオを母屋で寝かさないことで溜飲を下げたのか、冷ややかな態度のまま存在を無視することに決めたようだった。
「リオ!今日は床磨きをしてちょうだい」
手伝いの女が声をかけ、リオは「はい」と元気に返事をする。
(このままここに置いてもらえたらいいのに・・・)
ただ、そうはいかないこともわかっていた。7歳になったら遠くの街のどこかに奉公に出されることは、最初からの約束だったからだ。
自分の人生で自分で選べることなどないんだろうな、とぼんやりと感じながら女の手伝いをするために母屋に向かった。
***********************
その日の夕方、夕焼けが真っ赤に空を染めた時刻に、黒い馬に乗った男たちの集団が、突然村長の屋敷の中庭に現れた。
「東の村の村長はここに参れ」
家畜小屋にいる馬たちよりも一回り大きな、猛々しい馬の馬具がガシャガシャと音を立てながら、夕日を受けて輝いている。
男も女も遠巻きにその姿をこわごわと見つめるばかり。
その中を転がるように村長が駆け出してきた。
いつも男たちを取りまとめる堂々とした姿はなく、小さく背中を丸めて地面に額をすりつけた。
銀色に輝く軍装の大男が大声を出した。
「お前たちの領主様よりありがたいお達しである。8歳から10歳の男子をお城に奉公に出すように。刻限は1週間後。わかったな」
************************
(ここからはお礼です)
本日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
ハート♡もありがとうございます。
とてもうれしいです。
いよいよリオの運命が動き出します(ゆっくりですけど)
相手役がでてくるまでもう少しです!
「その・・・まだ、奉公にも出せないし・・・たったの一年だけだ。勘弁してやってくれ」
女の顔は真っ赤に染まり、憎々しげにリオをにらみつけた。
「ふん!小綺麗な格好したってだまされないからね!あんたからは汚い匂いがプンプンするよ!」
「パストラ!言い過ぎだ!」
「あんただって同類だよ!思い出すだけで虫唾が走る!」
怒りの矛先は村長にも向いた。
二人はにらみ合い、硬直した空気が流れた。
「一年だけだ」
「母屋のベッドでは寝かさないよ」
「・・・わかった」
「あたしの家族じゃない」
「・・・お前に母親になることは求めない」
「約束は守って」
そう言うと、女はもう一度リオをにらみ、茶色の長いスカートをひるがえして出てきたドアに戻っていった。
村長は肩をすくめ、首を振り、ひとつため息をついた。
「・・・まあ、そういうことだ。こっちに来い」
どういうことなのかわからないが、初めてみたときは山のように大きく見えた村長は、一回り小さくなったように見えた。
案内された先は母屋の脇にある、先程にわとりが逃げ込んでいった家畜小屋だった。
入口の柱の横には小さなドアがあり、小さな歌声が聞こえてくる。赤ん坊の笑い声もかすかに混じっている。
「悪いが、そこじゃない」
村長はドアと反対側に親指を向けたが、そこは薄暗く、大きな動物がひしめいていた。
(うわ、でっかい)
通りを走る馬や畑を耕す牛を見たことはあったが、こんなに近くで見たことはなかった。
「用もなく近づくな。柵から中には絶対に入っちゃいかん。お前みたいな子どもは踏み殺されるぞ」
牛がムウォーと大きな声で鳴き、びくっと肩が跳ね上がった。獣臭い匂いにもぞっとする。
少しでも距離を取るため、こわごわと壁際を進んだ。
どの牛も恐ろしく、馬もまた恐ろしい。
ただ、馬はリオには関心がないらしく、村長をおもねるように見つめ、足元の土を掻いていた。
「今は何も持っていないんだ」
村長はポケットを裏返してみせると、馬は諦めきれないと鼻を擦り寄せてくる。それを軽くかわし、一番奥のはしごをするすると登っていった。
「お前も登れ」
ホコリ臭い空気の中、はしごをのぼると、その奥は意外なほど広々としていた。
先に登った村長は、ひょいひょいと干し草の束を重ね、リオの居場所を作っていた。
「あとでシーツを持ってきてやる。いいな」
リオが村長の言っている意味がわからず、首をかしげると、村長は言いづらそうに口を開いた。
「その、おまえは今夜からここで寝るってことだ。干し草にシーツを乗せれば、ふかふかのベッドと同じだ。いいだろう?」
ようやく言っている意味がわかった。
あの怒っていた女は「母屋のベッドでは寝かせない」と言った。つまり、ここは母屋ではないということなんだ。
いままで一間しかない家しか知らないリオには母屋も家畜小屋も違いがわからなかった。
「馬や牛がいるから、冬も温かいし・・・下の部屋には家畜番の家族が住んでいるから、お前をいれるのは難しいだろう。赤ん坊もいるし・・・だから・・・」
「はい」
リオは平気なふりをして頭を下げた。
本当は、牛や馬が恐ろしかった。だが、ここにおいてくれると言うならそれでいい。
もしかして、寝ている間に牛や馬が上がってきて食われてしまうかもしれないけど・・・
でも、今目の前の男の機嫌を損ねて殴られるよりはマシだろう。
「ありがとうございます。村長様」
習ったばかりの言葉を使い、深々と頭を下げると、村長は困ったような顔になった。
「いや・・・その・・・悪いな?今のところはここで勘弁してくれ」
「・・・・」
これ以上言う言葉もなくなり、黙り込んでしまったリオに、気まずくなったのか、村長は慌てて立ち上がった。
「また、後でな」
ひとりになると、急に牛や馬の蹄の音や鳴き声が聞こえてきた。
だが、牛や馬がはしごを登ってくる気配はない。
(ここにいれば安全なのかもしれない)
大きく伸びをして干し草の山に身をあずけると、ふわりと全身を包みこまれ、干し草のいい香りがした。
(ここで寝ていいんだ・・・こんないいところで・・・)
干し草に潜り込むと、暖かく、ホッとした。
(村長様って、すごい人なんだな。俺にこんないいねどこをくださるなんて・・・明日からたくさん働いて追い出されないようにしないと・・・メイに教わったように清潔にして。臭いって言われないように・・・)
緊張がとけたのか、眠りの底に引きずり込まれていった。
********************
半年が過ぎた。
リオの朝は早い。
一番鶏の鳴き声とともに跳ね起きると、井戸に走り、素早く顔を洗い、次に台所の水瓶をいっぱいにする。
家畜小屋に駆け戻って卵を集め、台所に届けたあと、また家畜小屋に戻り乳搾りを手伝う。
最初は怖くて近づけなかったが、今ではすっかり慣れてしまった。
牛の鳴き声も、リオに甘えているのか怒っているのかもわかるようになった。
家長の子どもを、いくら私生児とはいえ家畜小屋で寝かしていることについて、ヒソヒソと話すものはいたが、当の本人は幸せだった。
ここでは、無体に殴られることはない。
朝と夕方に食事がもらえ、干し草のベッドは快適だった。
何よりも、リオは「まともな人間」の生活がどういうものなのか、知ることができた。
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三月もすると、枝のようだった腕に少しずつ肉がついてきた。
男たちや女たちの冗談に少しずつ反応するようになり、心の奥で何かが芽吹き始めた。
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***********************
その日の夕方、夕焼けが真っ赤に空を染めた時刻に、黒い馬に乗った男たちの集団が、突然村長の屋敷の中庭に現れた。
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家畜小屋にいる馬たちよりも一回り大きな、猛々しい馬の馬具がガシャガシャと音を立てながら、夕日を受けて輝いている。
男も女も遠巻きにその姿をこわごわと見つめるばかり。
その中を転がるように村長が駆け出してきた。
いつも男たちを取りまとめる堂々とした姿はなく、小さく背中を丸めて地面に額をすりつけた。
銀色に輝く軍装の大男が大声を出した。
「お前たちの領主様よりありがたいお達しである。8歳から10歳の男子をお城に奉公に出すように。刻限は1週間後。わかったな」
************************
(ここからはお礼です)
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