5月の雨の、その先に

藍音

文字の大きさ
48 / 152

第四十三話 軽食の時間 ※※

しおりを挟む
ちゅくちゅくと音を立てながら絡み合う舌。アウレリオの身体の重みに押されながら、リオは室内に目を泳がせた。

「アウレリオさま、だめです。誰か来たら・・・」

軽食のワゴンの上には手もつけられていない菓子が整然と並んだまま。
部屋の外に護衛はいるが、今室内ではふたりきりだ。だけど、いつ誰が入ってくるか分からない。ここはアウレリオの書斎なんだから。

「誰も来ない」

アウレリオは落ち着いた声でリオに告げる。リオが入ってくるとすぐに扉が開かないように力を使ったのだが、それはリオにはわからないことだった。
リオがワゴンを押す車輪のきしみを聞いただけで胸が高鳴る。
部屋に入った瞬間にリオの手を引き押し倒した。息も出来ないほど激しくキスをして、抱きしめる。
これほど離れているのは辛いものなのか。

リオだって、アウレリオのそばにいつもいたい。いつもくっついていたいけど、だからこそ、この間の侍従の反応にすっかり怯えてしまっていた。何を言われたわけでもない。ただ、何となく。侍従長の目つきやため息が、何かを悟っているのではないかと思わせる。
あの方はアウレリオ様のことを第一に考えてはいらっしゃるけど、もとはアウレリオの母の第一夫人の遠縁だと聞いている。何かあったら、引き離されてしまう・・・

それなのに、アウレリオは少しも恐れていない。
この間触れ合ってから、リオがそばに近づけばすぐに手が伸び、触れようとする。
口づけされたり、服の中に手が入ってきたり。その度リオは気が気ではなく、怯えと快感の間でどうしたらいいのかわからなくなった。

今もそうだ。
アウレリオの舌が自分のものだを言わんばかりに、口の中を好き勝手に動き回っている。熱い舌の感触と、蕩けそうな腰のぐすぐずと、そして奥底から湧き上がる快感に溶けてしまいそうだ。同時に、誰かに見られたら、という怯えは、ますますリオの身体を敏感にさせた。体中が性感帯になったように、どこを触られても熱く、感じてしまう。

「だめだといいながら、随分感じてるようだが」

アウレリオがリオのピンク色の乳首を舌先で転がすと電流が走り、全身にしびれたような快感が広がった。

「だ、だから、だめなんですってばぁ」

反論もふにゃふにゃで、呂律が回らない。
しかもリオの身体はリオを裏切って、ドロドロに溶け始めていた。

体の中心はパンパンに熱くなり、腹の底はじんじんして、触れてほしくてたまらない。
着ている服が邪魔で仕方ない。今すぐ、全部脱いで、裸で触れ合いたい。

リオはアウレリオの身体に手を伸ばし、シャツの間から手のひらでアウレリオの身体を撫で回した。
すべすべとした肌からは、麝香のような香りが立ち上る。肌に口づけしたい。舐めたい。

リオはアウレリオの首元のリボンの端を歯で抑え、ぐっと引いた。
リボンがはらりと落ち、胸元があらわになる。すかさず胸元の肌に口づけ、肌のにおいを吸い込んだ。
胸に口づけし、両手で乳首を刺激すると、アウレリオの頬が赤く染まった。

「いたずらをしたら、やり返されるんだぞ」

アウレリオはリオのシャツを腕から抜き取り、ズボンの前立てをゆるめた。
すっかり立ち上がったリオの分身はふるえながら触れられるのを待っている。

「あっ」

アウレリオはリオのペニスを口に含んだ。
この間もしてくださったのに、また、こんなことを・・・
アウレリオの口の中は柔らかくて、熱くて湿っている。何度かこすられただけで、リオはたまらなくなる。
同時にいたずらな指がリオの尻を撫で、ゆっくりと尻の間の敏感なところをこすりはじめた。

「離して、だめです、だめですったら!」

陰嚢が上がり、もういってしまいそうだ。前と後ろを同時に刺激され、体の中はぶるぶると快感に震えている。たまらず必死に腰を引くと、アウレリオの歯が亀頭に当たった。

「あっ・・・!」

予期せぬ刺激に、耐えられずに精を放ってしまう。

「だめだって、言ったのにぃ・・・」

白いドロリとした液体がアウレリオの顔から胸にかけて広がった。
アウレリオ様の顔にかけてしまうなんて・・・ありえない・・・

「すみません・・・アウレリオさま、洗わないと・・・」

泣きそうなリオを見て、アウレリオは笑い出した。

「そんなに気持ちが良かったのか。随分早かったが」
「は、早・・・!だって、それはアウレリオ様が」

だめだって、言ったのに。恥ずかしいし、無礼だし、もう、どうしたらいいのかわからない。
リオは自分のシャツでアウレリオについた精液を必死にぬぐった。

「私が何だ」
「アウレリオ様が、気持ちいいことばかり・・・」
「はは」
「もう、においがついちゃうじゃないですか」
「お前のならいいだろう?」

笑いながらリオに大人しく顔を差し出している姿を見ると、胸がきゅんとなった。
まるで、恋人みたいだ。
くすぐったい思いで胸がいっぱいになりながら、アウレリオの顔と身体を優しく拭き取った。
いま、こうしているときだけは少し幸せな気持ちに浸りたい。

「たまたま、服にはかかりませんでした。あとは、濡れたリネンでお拭きしますので・・・」リオが立ち上がろうとすると、アウレリオが腕を抑え込んだ。
「後でいい。それよりも・・・」リオにまた口づけた。「今は、お前が欲しい」

胸が大きくどくんと鳴った。
こんなに、ドキドキさせられてばかりで、俺ばっかり・・・

「俺も、したいです」

リオはアウレリオのズボンに手を伸ばした。アウレリオのそこも熱く勃ち上がり、ズボンを突き破ってしまいそうだ。下から上に向かいゆるゆるとなでさすると、アウレリオはうめき声を漏らした。

「俺にも、させてください」

アウレリオの力がゆるみ、リオは前立ての紐を解いた。つんと草のようなにおいがする。
ようやく開放されたアウレリオのペニスは、我慢ならないと大きく勃ち、震えている。
リオはアウレリオの竿を両手でこすりながら、先端を舌で舐めた。
涙がこぼれている中心を舌先でつつきながら、そっと舌先で穴と線をなぞると、アウレリオがうめいた。

「リオ、どこでそんなことを覚えたんだ」
「アウレリオ様から」
「ああ、くそっ」

アウレリオのペニスはまた大きくなり、リオは目を見張った。こんなに大きくなって・・・アウレリオ様はこれを俺に挿れたいのかな。口にすら入りそうにないのに・・・
でも、まずは、口で気持ちよくして差し上げたい。
リオが精一杯口を開いてアウレリオを口に含んだ。
つんとした青臭いにおいが鼻腔に広がる。

しんとした部屋の中、自分の胸の鼓動と、ちゅっちゅとリオが舌を使う音だけが、聞こえていた。





******************





(お礼)
年末の忙しい中、お読みいただきましてありがとうございました。
皆さん掃除とか料理とか買い物とかお忙しいところだと思います。
風邪など引かれませんように!

そして、ハートと広告もありがとうございました♡
明日も晴れますように。そして小さな幸せがありますように(*^^*)
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

もう一度、その腕に

結衣可
BL
もう一度、その腕に

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!

はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。 ******** 癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー! ※ちょっとイチャつきます。

神子は二度、姿を現す

江多之折(エタノール)
BL
1/7外伝含め完結 ファンタジー世界で成人し、就職しに王城を訪れたところ異世界に転移した少年が転移先の世界で神子となり、壮絶な日々の末、自ら命を絶った前世を思い出した主人公。 死んでも戻りたかった元の世界には戻ることなく異世界で生まれ変わっていた事に絶望したが 神子が亡くなった後に取り残された王子の苦しみを知り、向き合う事を決めた。 戻れなかった事を恨み、死んだことを後悔し、傷付いた王子を助けたいと願う少年の葛藤。 王子様×元神子が転生した侍従の過去の苦しみに向き合い、悩みながら乗り越えるための物語。 ※小説家になろうに掲載していた作品を改修して投稿しています。 描写はキスまでの全年齢BL

辺境伯は嵌められた元令息から目が離せない

コムギ
BL
冤罪により、辺境の地へ追いやられた元侯爵令息ユベール。 だが彼は、あまりのことに気を病んで――はいなかった。 野山を駆け回り、虫を捕まえ、草花をスケッチし、のんびり釣りをする。 それはすべて、侯爵家の令息として縛られていた頃には許されなかった自由だった。 そんな生活から一年。 冤罪を証明できそうだと、幼なじみの王太子から報せが届く。 ――王都へ戻れる。 それは同時に、あの窮屈で冷たい場所へ戻るということでもあった。 迷うユベールの前に現れたのは、これまで静かに見守るだけだった辺境伯ラドヴァン。 「ならば、ずっとここにいろ」 「俺と婚約すればいい」 不器用に、しかし真っ直ぐに差し伸べられた手。 優しく(時に暑苦しく)包囲してくる辺境伯と、元侯爵令息の恋物語。 ※他サイトにも掲載しています。

秘匿された第十王子は悪態をつく

なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。 第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。 第十王子の姿を知る者はほとんどいない。 後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。 秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。 ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。 少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。 ノアが秘匿される理由。 十人の妃。 ユリウスを知る渡り人のマホ。 二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。

氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された

楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。 何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。 記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。 ---------- ※注) かっこいい攻はいません。 タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意! 貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。 ハッピーエンドです。 激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします! 全16話 完結済み/現在毎日更新予定 他サイトにも同作品を投稿しています。 様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。 初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...