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6 ついに受けさま登場♡

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私のBLセンサーは、バッキバッキのヤンキーのリーゼントばりの硬さで一点を指している。
どれだけ速く走ろうと、一筋も乱れずに、ぐいぐいと目的を示していた。

(はいわかりました、BL神様、これがご神託なのですね。つい浮気心ばかり出してすみません、これからは必ず・・・)

心でお約束はするものの、うっかり周りが気になってしまうのが私の悪い癖♡
ここは異世界。
でも、異世界って割には普通の人間が歩いてるってところがキモですわね。
だって、どんな異世界モノ(男女問わず)を読んでも、頭が三つあるタコと恋愛するとか?机と恋に落ちるとか?ナメクジになっちゃったとか?ありませんものね?(えっ、スラ○ム?げふんげふん)
レッツ御都合主義ですわ!

そして必ず、美形が多い。
あ、これは女性ものに限るのかもしれませんけど。
いえそんなことはありませんわね。
男性向けの小説は「男はフツー(しかも無職かフリーターかさえないサラリーマンで仕事できない)」「女は美人でボインボインでエロエロでなぜか男とのエッチに夢中」って設定多いですもんね?
あほらし。
あ、失礼。
いえ、つい本音が出てしまっただけで。

わかってますから大丈夫です。お互い様ってことで。

しかしこの世界、本当にインチキっぽいし胡散臭くていいですわ。
国も時代考証も関係なし!専門家が見たら頭の血管切れそうなほど妙な異世界にはついつい馴染んでしまいます。
柔軟さが命ですよ、この世界は!
まるでハリボテのような・・・もしかして、私のためにBL神様が急ごしらえで作ってくださったのかしら?
萌え要素満載感があって大好物ですわ。

この世界で、私がお手伝いできる方をお探しすればよいのでは?
恋の手助けをして差し上げれば、きっと感謝の気持ちから、閲覧させてくださるに違いありません。
あの、営みを・・・げふふふふ。

そんなことをただひたすらピュアに考え続けていると、グイッとリーゼントではなくてBLセンサーに引っ張られる勢いで前に進まされた。

痛い、痛いですわBL神様引っ張らないでー忠実なしもべが今いきますよーーー



チャリラリララ~~~

怪しげな西洋風の道をほぼ強引に走り続けていると、突然、どこかから変なBGMが流れてきた。
なんか安っぽい場末の劇場みたいな?

そしてBGMと共に登場したのは・・・かんっぺきな「受・け・様」
なんと上半身裸で笑顔で汗を拭いていらっしゃる。
長い金髪がキラキラと陽の光に輝きながら、陽の光よりも爽やかに笑うその笑顔。
白い歯が眩しい。キラーン。
屈託というものがかけらもない。その尊さに、

ずっきゅん♡♡♡

一瞬で恋に堕ちました。

「か、かみ・・・・!!!」

念の為言っておきますけど、トイレットペーパーじゃございませんことよ?


目の前に突然現れたあなたはまるで美の化身。
完璧な肉体美を惜しげも無く晒しながら、笑顔で半裸の少年たちと戯れていらっしゃる(←注:ただ話してるだけ)

こ、こ、これは・・・・まさに完璧なう・け・さ・ま!!!
ぎゃひーーーー!!!

声にならない悲鳴が起こります。
私の割れた悲鳴で神の化身のお耳を穢してはなりませんから。

あ、今更ですが、いきなり道端で裸になってる変態じゃありませんから。
BLセンサーが指し示したところ。そこは未来の騎士たちが集まる訓練場。
そして、今日の鍛錬を終えた美少年たちが、諸肌脱いで汗をお拭きになっているところです。

尊い尊い尊い!!!!!!

これは和洋問いませんね!きっと亡者となった先輩たちも、こんな場面に出くわしたら大騒ぎしていたに違いありません!

こ、これはまさに神様のくださったチャンス!
とにもかくにもウオッチングですわ。
この貴重な機会、逃すわけにはいきません。
もう少し寄れば汗の匂いが・・・くんかくんか♡
いやんばかん。

こんな悶え喜んでいたら、いくらモブでもバレて成敗されてしまうかもしれません。気をつけなさい!私!
これからの長き萌のためには、しっかりと敵=受け様を観察させていただき、対策を練らねば!

ただ、受け様に目をうばわれて全く忘れてましたけど、ここ、矢印だらけじゃありません?
もちろん、私を指す矢印はありませんけど。
あ、私に貴重な矢印を消費するような無駄はご遠慮くださいね?閲覧機会が減っちゃうじゃないですか。

あそこにいらっしゃる神にも等しい完璧なる美貌をお持ちになっていてキューティクルツヤツヤお肌はきめこまやかでさらに程よくついた筋肉が眩しくてほんのちょっとだけ触りたいいえとんでもないそんな御無礼は見せていただくだけで十分に幸せをいただいておりますけどでもやっぱりその肩のラインと胸筋にブオッフォとついでに鼻血までごめんなさいさっきからチラチラ見える乳首とキュッとしまった腰のラインそしてその下はまさかふんどし?ふんどしですの?鼻血どころかヨダレと涙まで出て失神しそうなだけではなくて匂いまでかぐわしい尊くてちょっと図々しかもしれませんけどあの汗拭きタオルになりたいとついつい願ってしまうけれどそれも恐れ多くて悶絶しながらこの美しさを残すためスマホを探してしまったけどそういえばここは異世界だったから持ってないししかも絶海の孤島だから電波飛んでないけど精神力でついつい念写してしまったけどやっぱりその尊さには到底叶わないあの生き神様こと受け様には矢印が集中している。
(句読点打てって?あ、すみませんつい夢中になってしまって)

あの矢印は一体・・・?

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