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35. 御披露目は続く

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「アデルの息子だから…何かあるかもしれないとは思っていたが…。まさか、ここまでとは…」

お母様はまだ頭を抱えていらっしゃいますね。

義父は無言で笑顔のままです。

「流石…お兄様の子供ですね」

オルハは受け入れてくれたみたいですね。

「…何で」

オズは口が開いたままの状態ですね。

僕の家族達は様々な反応を見せている。

オズはまだ受け入れられていないみたいだな。

「まあ、何て可愛らしいのかしら。抱かせて頂いてもよろしいですか?」

流石、サファイアのお母様だ。

いち早くサファルの元に来て可愛がって下さっている。

サファイアのお父様は…。

顔が驚いたままだが声は出していない。

辺境伯だけあって少々の事では大きな声を出さないのかもしれない。

サファイアの兄…クルシュナは…。

まあ、サファイアを溺愛していたクルシュナは僕と同じでサファイアによく似た女の子が生まれることを考えていたからな…。

僕にそっくりな男の子の赤ちゃんに対してどうして良いのかが分からないかもしれない。

何も言わずに無表情でこちらを見ている。

「おばあしゃま、よろしくおねがいしましゅ」

「きゃー!可愛い!その話し方がたまらないわね。こちらこそよろしくお願いします、サファル様」

サファイアのお母様の声が静かな部屋に響いている。

「お母様…ありがとうございます、サファルを受け入れて下さって。少し心配していたんです…皆さんに受け入れてもらえるかどうかを…」

サファイアはまだ不安だったのか?

僕は夫なのに分かってやることが出来なかった…。

サファイアの夫としてはまだまだだな。

「私の娘の子供よ、受け入れるに決まっているわ。それにこんなに可愛い子よ、可愛がらないなんて考えられません」

「お母様…」

僕の胸も熱くなる…感動的な光景だな。

「いや…、話せるのはおかしくないのか?」

オズが納得いかないみたいだね。

「赤ちゃんで話せるって…そんな事があって良いのか…」

混乱しているオズに兄のオルハが話しかける。

「お兄様が誰の子かを教えたのを覚えている?その影響だと思うよ」

やはりオルハひ頭も良いし、察しも良い。

「え…あっ、神…いや、そうか…」

オズはまだ混乱しているみたいだね。

まあ、僕としては今日は顔合わせのつもりだったし、すぐに受け入れてもらえるとは思っていないからこの反応は想定内だ。

後は秘密にするように念を押しておくだけ。

あ~、早く帰ってサファイアと2人きりになりたい。

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