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43. サファイアの回想 〈サファイア視点〉
しおりを挟む「アデル様は迎えに来ないつもりかしら…」
サファイアはすぐにアデル様が反省して迎えに来てくれると考えていたのだが…。
「おかあしゃま…」
サファルにも両親の事で心配させてしまって…ダメな母親ですね。しっかりしないといけないのに。
アデル様と出会ってから色々とありすぎよね。
最初はこの世界に転生したことに驚いていたのに今ではこの世界の国の王妃になろうとしていることにも驚きだけど…。
人生は本当に分からないわ。
もし、アデル様と出会っていなければ私はどんな人生を歩んでいたのかしら…。
私は最初、神様の手違いで人間ではなく猫として異世界で目覚めた。まあ、理由はいろいろとあったのですが…。神様のスランプだとか、魔法をかけられていたりだとかね。
そして猫の長老さんと出会い、長老さんの飼い主だったアデル様と出会ったんです。もし長老さんが野良猫さんだったらアデル様と出会わなかったんですよね。
あの頃は猫の生活に慣れなくて何をするにも恥ずかしかったのを思い出します。おトイレやお風呂を人に見られるなんて…今考えても恥ずかしい!
本当に動物の皆さんは毎日大変ですわね。
あの時はストレスが貯まってしかたがなかったけど癒してくれる存在があったからやっていけてました。
犬のザジさん…。
いつもザジさんのお腹の辺りに顔をあててモフモフさせてもらっていました。温かくて気持ちよくて…ずっとモフモフしていたいと思っていました。
そのザジさんは今はもう天国ですが…。
ザジさんが生きていたらきっとサファルを可愛がってくれただろうな…。サファルも私の血を受け継いでいるのだからモフモフ好きかもしれないし…って話し方が猫の時の砕けた口調になってますね。
まあ、誰も聞いてないから良いですね。
そう言えば西の魔女さんな東の魔女さん達も元気かな…。
久しぶりに会いたいな。
サファルも一緒に連れて行ったら喜んでくれるかな?
せっかくだからこの家にいる間にお世話になった皆さんに御礼を言いに挨拶周りというのも良いかもしれない!
今まではアデル様が心配症であまり外に出してもらえなかったから簡単に人に会いに行くことが難しかったんですよね。今ならアデル様はいないし時間はたっぷりあるしチャンスですよね。
そうと決まれば日程を決めないといけません。
忙しくなりそうです。
アデル様…暫くお迎えに来なくて良いですよ。
応援ありがとうございます!
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