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49. 真実 〈レリア視点〉
しおりを挟むレオナから手紙がきた。
こんな不思議なことあるのかと夫と驚いている。
手紙にはリオンと言う名前の幼い子供の事を知らないか…と書いてあった。
夢に出てきて忘れてしまったのかと責められるらしい。
産んだ事も覚えていないのに…。
リオンという名前は確かにレオナの寝言を聞いて名付けたけど…。
手紙に書いてあるリオンの特徴までピタリとあっていて…これは親子の不思議な力なのかと思えてしまう。
「どうしたら良いのでしょうか…」
私は夫に相談した。
「リオンの事…出産の事…全てを話すしかないかもしれないね」
「でも、そうすればリオンは…」
私達の元からいなくなってしまう。
「多分…わかっても引き取る事はレオナさんには出来ないだろうから我が家で育てると言えば大丈夫だと思う」
そうだろうか…。
「問題はレオナさんにどう伝えるかだ…」
「どう伝える?」
どういう意味かしら?
「ああ…もし手紙で書いて送るとする。その手紙を君達のご両親が見ないとも限らないよね…」
「そうね、両親なら勝手に手紙を読んだりする事が無いとは言えないわ…」
「…とすると、手紙は危険。じゃあ、別の手段として直接話をするとするよね、レオナさんに我が家に来てもらうか、私達が向こうに行くか…でもそうすると、一体何事かと思われないかい?」
「…本当だわ。私はそこまで気がまわらなかった…両親なら調べるかもしれないわね」
何度も里帰りをしていたなら怪しまれないだろうけど、実家が嫌いで結婚してから帰ったことが無いのに急に帰るなんて変だと思われるかも…。
だけど、レオナも仕事が忙しいみたいだし…。
何か良い方法はないだろうか…。
ゆっくりしていたら、レオナの結婚が決まってしまう。
まさか、婚約者まで決めていたなんて…自分の親だけど信じられないわ。
結婚してから、子供がいる事を知らせるのはレオナをもっと悩ませることになる…。
…だけど、どうすれば良いの…。
姉妹なのに役にたてない姉で申し訳ないわ…。
姉妹…そうだ!
「旦那様!これはどうでしょう」
「何か思いついたみたいだね」
私は思いついた事を夫に話した。
「それは、良いかも…だけど、そんな大事な事を任せて良いのかい?」
「ええ、信頼していますもの。本人が嫌ならばお願いはできませんが、全てを知っているのでたぶん引き受けてくれると思います」
もう、これしかないと思うんです…。
「今から頼んでみます」
「上手くいくと良いね」
私は笑顔で旦那様を見た後、ある人の元へ向かった。
どうか引き受けてくれます様にと願いながら…。
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