外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!

東導 号

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第155話「『ちゃっちゃっ』と、やってしまいましょう」

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群がり襲って来るゴブリンどもの攻撃を受けても、ギフトスキル『ゴブリンハンター』が自動発動、全てを弾き飛ばし、逆に圧倒、無双しまくったリオネル。
そして暴れまくりの魔獣ケルベロス。

その結果、数多倒したゴブリンどもの死骸が不死者アンデッド化しないよう……
リオネルは葬送魔法『鎮魂歌《レクイエム》』を行使。
どんどんどんどん『塵』にしていた。

「リオネル君、本当に凄いな君は。あのとてつもない回復魔法だけでなく、葬送魔法も使えるのか?」

「はあ、まあ何とか」

「おいおいおい! まあ何とかではないぞ。素晴らしい手並だ。無詠唱ではないか、そして発動の速さ!」

「お褒め頂き、恐縮です」

ゴーチェに言われ、言葉を戻しながらも、リオネルは手を休めない。
そんなリオネルをゴーチェは改めて「しげしげ」と眺めた。

「リオネル君、本当に大丈夫……なのか? ケガはないのか?」

「ええ、全然、大丈夫でっす」

リオネルが答えると、灰色狼風のケルベロスも「当然だ!」とばかりに吠える。

わお~ん!

「うう~む、信じられん……あんなに大群のゴブリンに襲われてなぜ平気で、ケガひとつないんだ?」

「まあ、論より証拠。敢えて説明はしません」

「むむむ、疑問を持ったまま生きるというのはツライ事だ……………」

「まあまあまあ、ゴーチェ様でも誰でも、人生において『秘密』にしている事ってあるでしょ? それと同じですよ」

「う~むう……まあ確かにそうなのだが……」

「じゃあ構わないじゃないっすか、『結果良し』で。それより、何体か、洞窟内に逃げ戻ったみたいですけど……また明日以降って感じですね」

「……………」

「残りはミリアンとカミーユの修行を兼ねて、一緒に倒そうと思っています」

「……………」

話しながら、リオネルは最後の1体を塵にした。

リオネルは周囲を見回し、土中に埋まっている大岩をほいっといくつも抜き出し、
洞窟の出入り口に高く積んだ。
これで洞窟内のゴブリンは外へ出られない。

「ゴーチェ様。お待たせしました、終わりましたよ。もう打ち合わせは終わっているでしょうけど、念の為、途中で農地をのぞいてから、村へ戻りましょう」

「うむむむ……」

「まだ何か?」

「本当に呆れた、というか……君には驚かされっぱなしだが、ひとつお願いがある」

「何でしょう?」

「か、帰りはあの『快速走行』は勘弁してくれ。また息が上がる……」

「了解です。じゃあ半分くらいの速さで」

「半分でも速い! 人間が歩く速度くらいで頼む」

「分かりました」

わお~ん!

と、いう事で……リオネルとゴーチェは無人の『農地』を経由し、村へ戻ったのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

少し手前で灰色狼風のケルベロスを異界へ帰還させ、リオネルとゴーチェは正門から村へ入った。

リオネル達を入れてくれた村の門番によれば……

やはりモーリス達3人と、ブレーズの配下の冒険者、助役達は既に戻っているという。
村内で更に村民に聞くと、8人全員が村長宅だというので、訪ねてみれば……
先に打ち合わせをしていたブレーズも交え、打ち合わせを行っていた。

ゴーチェは村長宅へ入り、ブレーズの姿を認めると直立不動で敬礼する。

「ブ、ブレーズ様! た、ただいま戻りましたあ!」

部下の大音声だいおんじょうを聞き、ブレーズは柔らかく微笑む。

「ああ、良かった。ふたりとも無事のようだね。モーリス殿と助役から、農地にゴブリンどもが現れた顛末てんまつは聞いたよ」

リオネルがケルベロスを召喚し、農地で暴れていたゴブリンどもを威圧。
怯えて逃げ出したゴブリンどもを追撃した事はその場に居た全員が知っている。

なので、ゴーチェはありのまま報告するしかない。

「はっ、はいっ! リオネル・ロートレック君がゴブリンを怯えさせ、そのまま、素晴らしい速度で追撃。私も何とか後を追い、ともに本拠の洞窟を突き止めました」

「ふふふ、そのまま終わらなかっただろう?」

「は、はい! リオネル君は召喚した『犬』を勢子に使い、洞窟からゴブリンどもを追い出し、攻撃をしかけ、少なくとも100体以上を倒しました。任せろと言われて、私は仕方なく、後方で自分の身を守りながら、リオネル君と犬がゴブリンどもと戦うのを見届けました」

「ほう!」

おおおお……

ブレーズは感嘆して頷き、村長以下村民は驚き、どよめいた。
モーリス、ミリアン、カミーユは「さもありなん」とばかりに頷いていた。

更にゴーチェの報告は続く。

「その後、リオネル君は倒したゴブリンの不死者アンンデッド化を防ぐ為に、葬送魔法で塵とし、残党が再び現れないよう、出入り口を大岩でふさぎ、戻りました。……報告は以上です!」

「ははははは! 結構、結構。リオネル君、良くやった」

「はあ、ありがとうございます」

「ふむ、君は期待通りの働きをしてくれたよ。それでゴーチェ」

「は、はいっ! な、何でしょうか?」

「お前はずばり、リオネル君をどう思う?」

「はい! とんでもない大器だと思います」

「ふむ……とんでもない大器か。大いに同意するが、人間的にはどうかな?」

「まだ完全には分かりません」

「うむ、確かにそうだ、ゴーチェ。お前にはもう少し時間が必要だな」

「御意! しかし、ブレーズ様」

「ん?」

「人間的にはまだ完全には分かりませんが………私はリオネル君を、とても気に入りました!」

「ほう! めずらしいな、ゴーチェ。武辺者で簡単に他人を認めないお前がそこまで言うとは」

「はい、リオネル君はとても面白い男です。今回は、彼と、とことんと行動をともにし、本質を見極めたいと思います!」

「うむ! 許す! 今回に限り、私の護衛役は他の者へ命じよう」

「はは! ありがたき幸せ!」

盛り上がるブレーズ、ゴーチェ主従だが……

「あのぉ……おふたり様」

「何だい、リオネル君」
「どうした、リオネル君」

「そこまでお褒め頂き、大変光栄ですけれど……俺の本質とかよりも、明日以降の大事な打ち合わせを『ちゃっちゃっ』と、やってしまいましょう」

相変わらずリオネルは『冷静』である。

「分かった! リオネル君! 確かにそうだ! では『ちゃっちゃっ』とやろうか! なあ、ゴーチェ」
「はいっ! ブレーズ様!」

モーリス、ミリアン、カミーユ。
そして村長、助役、自警団員達もこの会話でなごんで、全員の心の距離が大きく縮まった。

このように、『場』を和ませるのも、
リオネルの『魅力』――『能力』かもしれない。

結果、段取りに関して綿密な打ち合わせが持たれ、村の各案件の話は一気に進んだのである。
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