外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!

東導 号

文字の大きさ
464 / 777

第464話「ありがとう! 充分気を付けるし、絶対に油断はしない」

しおりを挟む
六つの足と甲羅を持つワニのようなドラゴン、タラスクスの口へ、
貫通撃付きの強力な岩弾を撃ち込み、一蹴したリオネル。

……引き続き、地下121階層の探索を続ける。

リオネルは、道がなく倒木等でまっすぐ進めない複雑な地形の密林、
ごつごつした巨石だらけの岩場、砂漠、あらゆる地形の踏破にも完全に慣れ、
次々とクリアしていく。

そして、ある方角から異様な『瘴気』を感じたリオネルは、慎重な足取りとなり、
ゆっくりと当該地区へ接近した。

補足しよう。

瘴気とは……
病気や体調不良を引き起こす『悪しき大気』の事をいう。
あるいは、汚染された土地から生まれた『悪しき水』だとも。
またある魔法学者、歴史研究者、術者等は、
冥界もしくは異界から漏れ出た、人間に害為す邪悪な大気や水だと主張するのだ。

瘴気……悪しき大気を吸った者、悪しき水を飲んだ者は身体のバランスを崩し、
病気や体調不良をもたらすと考えられている。
また瘴気を吸って病気を患った人間も、瘴気の発生源になるらしい。

このように人間や普通の動物にとっては有害な瘴気だが、
魔族や魔物は体内へ吸収しても害を及ぼす事は少ないという。

却って瘴気の無い人間界よりも、異界に棲む魔族や魔物がパワーアップする傾向が多く見られる。
そして瘴気は、人間を操る、人間を魔物化する、人間を不死化する、などの悪しき作用を合わせ持つこともあるらしい。

ちなみに、破邪霊鎧はじゃれいがいの効果効能により、
リオネルには悪影響を及ぼさない事は、実戦を兼ねた修行により、既に何度も実証済みである。

さてさて!
リオネルが気になり……近づいた地区は、
常人あらば反吐が出そうな物凄い悪臭を発する、広大な湿地帯であった。

こういった悪臭もリオネルは、破邪霊鎧の効能効果で耐性が生じるのも実証済み。
しかし、鼻孔に忍び込む悪臭はけして心地良いものではない……

……この周囲に立ち込める瘴気はそこから発生しているようだ。

また、その湿地帯には、大きな岩と砂の原野が隣接しているという、
不可思議な地形でもあった。

飛翔魔法で湿地帯を飛び越えたリオネルは、原野へ向かう……

その原野でリオネルが目撃したのは…………
完全に白骨化した、おびただしい竜の死骸であった。

「おいおい、ここって……いろいろ話を聞いたり、本や資料で読んだ事はあるけど、もしかして……竜――ドラゴンの墓場か!」

誰も目にした事はないという伝説、この世界のどこかにあると伝えられる、
竜――ドラゴンの墓場。

誰も知らない世界のどこかに、無数の骨が散らばる無情な風景の境地があると、
これまた魔法学者、歴史研究者、術者等は言うのだ。

自身の死期を悟った竜は自身で墓場に向かい、死に際を見せないと言われていた。

その伝説の境地が今、リオネルの目の前に広がっていたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

長居はしようとは思わない。
しかし、後学の為、記憶に留めておこうと、リオネルは荒涼とした竜の墓場を、
ゆっくりと探索する。

いつものように肉声の独り言で、自問自答する癖が出る。

「う~ん。竜の墓場って、人間の造った整然とした墓地とは、やはり違うなあ……」

「……あちこちに無造作に死骸がある。でも墓場って、弔う者が居なければこういうものなのか」

「もし俺が死んだら、弔ってくれる家族は居るのか? まあ、俺には、新たな人間の家族が出来るのかさえ、分からないからなあ……」

「仲間になってくれたケルベロス、オルトロスの魔獣兄弟は冥界の住人だ。もしかしたら、俺は死んでも彼らと、こうやって冥界を旅するのかもしれないぞ」

そのケルベロス、オルトロスの魔獣兄弟、火の精霊サラマンダーに擬態したファイアドレイク、1mの鷹に擬態した鳥の王ジズ、そしてアスプ20体は……
この竜の墓場を含め、近辺を巡回していた。

ケルベロス、オルトロスの魔獣兄弟が、念話で話しかけて来る。

あるじよ。この辺りは濃い瘴気が立ち込め、人間を害そうとする邪悪な念がこもる。不死者アンデッドや亡霊が好む場所だ。充分に気を付ける事だな』

『ああ、兄貴の言った通り、ここはまるで冥界の僻地のような場所だぞ。まあ、油断さえしなければ、主には全く問題ないぜ』

ファイアドレイク、ジズ、アスプも「注意するよう」念話で思念を伝えて来た。

対して、

『ありがとう! 充分気を付けるし、絶対に油断はしない』

とリオネルは返事を戻した。

……冒険者になる前のリオネルなら、この竜の墓場は勿論、人間の墓地でさえ、
怯えて身体がすくみ、足を踏み入れるなど不可能だったに違いない。

しかし、冒険者となってから数多の経験を積んだ。
仕事の一環として、墓地の夜間警備、様々な不死者討伐等も、
何度となく経験し、クリアした。

……それらの経験則が裏打ちされ、自信となっている。

だから今のリオネルは泰然自若且つ全く隙が無い。
加えて『隠形』『忍び足』で、すっ、すっ、すっ、と空気の如く進む完璧な探索だ。

それまで全く異常はなかった。

と、ここで突如。

リオネルの行く手、少し先に横たわる白骨化した巨大な竜の死骸が、
ぎしぎしぎし!と音を立て、ゆっくりと起き上がったのである。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます

水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。 勇者、聖女、剣聖―― 華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。 【戦術構築サポートAI】 【アンドロイド工廠】 【兵器保管庫】 【兵站生成モジュール】 【拠点構築システム】 【個体強化カスタマイズ】 王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。 だが―― この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。 最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。 識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。 「今日からお前はレイナだ」 これは、勇者ではない男が、 メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。 屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、 趣味全開で異世界を生きていく。 魔王とはいずれ戦うことになるだろう。 だが今は―― まずは冒険者登録からだ。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

処理中です...