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第541話「はい、イエーラ富国作戦の立案ですね!」
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話はまとまり……
結局、リオネルは、イェレミアスの持つ悩みを解消し、アールヴ族を手助けする為、
アールヴ族の国イエーラへ赴く事となった。
イェレミアスの持つ悩みの解消とは、ソウェルを継いだ彼の孫娘の価値観を変え、
アールヴ族全員の極端な先入観かつ排他的な性格、主義を是正し、
広い世界へ目を向けさせる事。
そして、大まかな着地点はといえば、
シンプルに故国イエーラを発展させ、国民を富ませ、世界に誇れる国にする事。
その為には、論より証拠。
人間族でありながら、4大精霊に愛される術者、全属性魔法使用者たるリオネルの存在と実力を孫娘以下アールヴ族へ知らしめ、尽力して貰う。
リオネルの実力を見せて、自分たちアールヴ族だけでなく、
人間族を含めた他種族も優れているのだと認識させ、
極端な先入観かつ、排他的な傾向を失くす事も必要である。
具体的な方法としては、リオネルが自身の能力の秘匿部分を、
許容範囲内で披露した上……
救援資材の輸送と搬入。
既存道路の整備や新規開通道路に伴う土木工事。
町村を外敵から防ぐ防護用の岩壁の建設と整備。
町村内外の整備&土木工事。
災害防止の土木工事。
イエーラ内、様々な場所における魔物の調査、討伐。
農地の開拓、拡充、灌漑、農作業指導。
農地を外敵から防ぐ防護用の岩壁の建設と整備。
商店の開設、運営指導、フォロー。
武技訓練等々……
過去に行った『町村支援施策』の数多の項目から、
イエーラで必要な項目をチョイスし、前ソウェルのイェレミアスと、
現ソウェルの孫娘と相談の上、粛々と実施するのだ。
そして、ティエラが魔法で製作した依頼契約書の要項は下記の通りである。
最終的に、リオネル、イェレミアス双方で合意。
ティエラが、強権発動し、彼女から、いくつかの条件を追加した形となった。
冒険者ギルドを介在しない、リオネルへの直依頼である事。
アールヴ族は契約期間、解決方法、作業時期の判断、決着の内容、時期まで、
異論を唱えず受け入れて、リオネルへ全て任せる事。
イェレミアスは当該の契約金のみで、金貨1億枚をリオネルへ前払いする事。
それ以外、イエーラへの旅費、各所の滞在費、食費等々、もろもろの必要経費は別途、随時、イェレミアスからリオネルへ支払いの事。
特別な事案があった場合、またはアールヴ族の要望が追加された場合、
イェレミアスは、契約金以外にオプション料金をリオネルへ支払う事。
たとえ決着内容がアールヴ族には納得いかずとも、支払った契約金、必要経費はリオネルから返却はしない。
アールヴ族は当該契約とそれ以外に、リオネルの求める情報開示に対し、速やかに応じる事。
アールヴ族は同じく当該契約とそれ以外に、リオネルが求める依頼完遂に必要な資金、資材の調達には、速やかに応じる事。
アールヴ族はたとえ決着内容が納得いかずとも、提供した資金、資材は返却しない。
アールヴ族はドワーフことドヴェルグ族と完全に和解し、国交断絶を廃止、
積極的に交流する事。
アールヴ族は依頼完遂後は引き止めず、リオネルは完全に自由行動となる事。
以上において、トラブル、問題が発生した場合、イェレミアスが全責任を持つ事。
リオネルとイェレミアスは、契約書を何度も読み返し、不明の部分はティエラも加わり、質疑応答で確認。
もろもろが記載された人間語、アールヴ語の契約書……
それぞれにサイン、捺印したものを、持つ事となったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ははははは、とんでもない契約を結んでしまいましたな」
遂に、リオネルとの契約が締結され、苦笑するイェレミアスだが、後悔の念はない。
晴れ晴れとした表情になっていた。
「ティエラ様、リオネル君。私は覚悟を決め、腹をくくりました。イエーラの、明るい希望と未来を夢見て、わくわくして来ましたよ」
そんなイェレミアスを見て、ティエラが柔らかく微笑む。
「うふふ、イェレミアスったら、以前の合理的かつ冷静で理知的な貴方へ戻ったようね。勇気と度胸に、謙虚さも得たようで何よりだわ」
「はい! ありがとうございます! ティエラ様からお褒めを頂き光栄です」
イェレミアスも柔らかく微笑み、深々と頭を下げた。
「うん! よろしい!」
満足そうに頷くティエラ。
ここでリオネルが口を開く。
「ええっと、イエーラへ旅立つまでの約1か月間……準備でこれから、忙しくなりますね」
「うふふふ♡ いえ~す! 大忙しね。最初が肝心だから、まずはアールヴ族との、とっかかりをどうするのか、じっくり作戦を練りましょ」
「はい、イエーラ富国作戦の立案ですね!」
「そうそう! ぴったりじゃない? イエーラ富国作戦! うふふ♡ 私もリオに全面的に協力するし、他にも良い考えがあるの。まだ内緒だけどね」
「ありがとうございます! そして期待していますよ」
「うん! ばっちり! 上手く行くと思うから大いに期待して♡ でもリオはイエーラへ旅立つまで、この迷宮の古代文明も徹底的に学びたいんでしょ?」
「です! 作戦立案と並行して、イェレミアスさんからいろいろ教授して頂き、ひたすらフォルミーカ迷宮の古代文明と付随する魔法の勉強ですね。捕獲したゴーレムたちも修復し、再稼働させたいですし。ゴーレムたちのアタッチメントも造りたいです」
驕らず、誇らず、人生常に勉強という雰囲気の前向きなリオネル。
そんなリオネルに、イェレミアスは、嬉しそうに目を細めていたのである。
結局、リオネルは、イェレミアスの持つ悩みを解消し、アールヴ族を手助けする為、
アールヴ族の国イエーラへ赴く事となった。
イェレミアスの持つ悩みの解消とは、ソウェルを継いだ彼の孫娘の価値観を変え、
アールヴ族全員の極端な先入観かつ排他的な性格、主義を是正し、
広い世界へ目を向けさせる事。
そして、大まかな着地点はといえば、
シンプルに故国イエーラを発展させ、国民を富ませ、世界に誇れる国にする事。
その為には、論より証拠。
人間族でありながら、4大精霊に愛される術者、全属性魔法使用者たるリオネルの存在と実力を孫娘以下アールヴ族へ知らしめ、尽力して貰う。
リオネルの実力を見せて、自分たちアールヴ族だけでなく、
人間族を含めた他種族も優れているのだと認識させ、
極端な先入観かつ、排他的な傾向を失くす事も必要である。
具体的な方法としては、リオネルが自身の能力の秘匿部分を、
許容範囲内で披露した上……
救援資材の輸送と搬入。
既存道路の整備や新規開通道路に伴う土木工事。
町村を外敵から防ぐ防護用の岩壁の建設と整備。
町村内外の整備&土木工事。
災害防止の土木工事。
イエーラ内、様々な場所における魔物の調査、討伐。
農地の開拓、拡充、灌漑、農作業指導。
農地を外敵から防ぐ防護用の岩壁の建設と整備。
商店の開設、運営指導、フォロー。
武技訓練等々……
過去に行った『町村支援施策』の数多の項目から、
イエーラで必要な項目をチョイスし、前ソウェルのイェレミアスと、
現ソウェルの孫娘と相談の上、粛々と実施するのだ。
そして、ティエラが魔法で製作した依頼契約書の要項は下記の通りである。
最終的に、リオネル、イェレミアス双方で合意。
ティエラが、強権発動し、彼女から、いくつかの条件を追加した形となった。
冒険者ギルドを介在しない、リオネルへの直依頼である事。
アールヴ族は契約期間、解決方法、作業時期の判断、決着の内容、時期まで、
異論を唱えず受け入れて、リオネルへ全て任せる事。
イェレミアスは当該の契約金のみで、金貨1億枚をリオネルへ前払いする事。
それ以外、イエーラへの旅費、各所の滞在費、食費等々、もろもろの必要経費は別途、随時、イェレミアスからリオネルへ支払いの事。
特別な事案があった場合、またはアールヴ族の要望が追加された場合、
イェレミアスは、契約金以外にオプション料金をリオネルへ支払う事。
たとえ決着内容がアールヴ族には納得いかずとも、支払った契約金、必要経費はリオネルから返却はしない。
アールヴ族は当該契約とそれ以外に、リオネルの求める情報開示に対し、速やかに応じる事。
アールヴ族は同じく当該契約とそれ以外に、リオネルが求める依頼完遂に必要な資金、資材の調達には、速やかに応じる事。
アールヴ族はたとえ決着内容が納得いかずとも、提供した資金、資材は返却しない。
アールヴ族はドワーフことドヴェルグ族と完全に和解し、国交断絶を廃止、
積極的に交流する事。
アールヴ族は依頼完遂後は引き止めず、リオネルは完全に自由行動となる事。
以上において、トラブル、問題が発生した場合、イェレミアスが全責任を持つ事。
リオネルとイェレミアスは、契約書を何度も読み返し、不明の部分はティエラも加わり、質疑応答で確認。
もろもろが記載された人間語、アールヴ語の契約書……
それぞれにサイン、捺印したものを、持つ事となったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ははははは、とんでもない契約を結んでしまいましたな」
遂に、リオネルとの契約が締結され、苦笑するイェレミアスだが、後悔の念はない。
晴れ晴れとした表情になっていた。
「ティエラ様、リオネル君。私は覚悟を決め、腹をくくりました。イエーラの、明るい希望と未来を夢見て、わくわくして来ましたよ」
そんなイェレミアスを見て、ティエラが柔らかく微笑む。
「うふふ、イェレミアスったら、以前の合理的かつ冷静で理知的な貴方へ戻ったようね。勇気と度胸に、謙虚さも得たようで何よりだわ」
「はい! ありがとうございます! ティエラ様からお褒めを頂き光栄です」
イェレミアスも柔らかく微笑み、深々と頭を下げた。
「うん! よろしい!」
満足そうに頷くティエラ。
ここでリオネルが口を開く。
「ええっと、イエーラへ旅立つまでの約1か月間……準備でこれから、忙しくなりますね」
「うふふふ♡ いえ~す! 大忙しね。最初が肝心だから、まずはアールヴ族との、とっかかりをどうするのか、じっくり作戦を練りましょ」
「はい、イエーラ富国作戦の立案ですね!」
「そうそう! ぴったりじゃない? イエーラ富国作戦! うふふ♡ 私もリオに全面的に協力するし、他にも良い考えがあるの。まだ内緒だけどね」
「ありがとうございます! そして期待していますよ」
「うん! ばっちり! 上手く行くと思うから大いに期待して♡ でもリオはイエーラへ旅立つまで、この迷宮の古代文明も徹底的に学びたいんでしょ?」
「です! 作戦立案と並行して、イェレミアスさんからいろいろ教授して頂き、ひたすらフォルミーカ迷宮の古代文明と付随する魔法の勉強ですね。捕獲したゴーレムたちも修復し、再稼働させたいですし。ゴーレムたちのアタッチメントも造りたいです」
驕らず、誇らず、人生常に勉強という雰囲気の前向きなリオネル。
そんなリオネルに、イェレミアスは、嬉しそうに目を細めていたのである。
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