外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!

東導 号

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第696話「うふふ、パイモン様、えらく気合が入ってるね。火属性の従士が凄く増えたじゃない」

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そんなこんなで……パイモンが師となった、火属性魔法の修行は順調に進んだ。

リオネルは上級魔法の溶岩弾。そして最上級魔法の爆炎溶岩群弾を無詠唱でスムーズに発動出来るようになり、制御もほぼ完璧に。
次の修行の機会があれば、また新たな火属性魔法の習得を目指す事となった。

今回の火属性魔法も含め、様々な新魔法、新スキル、
それも上位、高難度のものを容易く習得し、あっという間に完璧に使いこなす。

以前と違い、度々心の内なる声は告げないが、
レアなチートスキル『エヴォリューシオ』『見よう見まね』の絶大なる効果だと、
リオネルは確信している。

またアリスティドが励んだ習得済みの火属性魔法のレベルアップも、
はっきりと分かるくらい結果を出していた。

憧れのパイモンに直々に修行をつけて貰い、
モチベーションダダ上がりのアリスティドは猛烈に感激していた。
もうリオネルに、ぐだぐだ不満を言う事はないだろう。

そして今回の修行の仕上げとして、
ふたりとも能力として有している『火炎全無効』のテストを行う事に。

念の為、補足しよう。
『火炎全無効』とは火の攻撃を受け付けず、無効化する能力。

テストとは、パイモンの火属性攻撃魔法『爆炎――小』を受け、耐久力を試すのだ。

アリスティドが、リオネルに話しかける。

『リオネルよ』

『はい、何でしょうか、アリスティド様』

『うむ、修行とはいえ凄すぎるテストだ』

『ですね』

『いくら小規模でも、パイモン様の爆炎を、無抵抗状態の我が身へ、直撃で受けるとなるとさすがに緊張するぞ』

『分かります』

『ああ、このような経験は初めてだからな』

『成る程』

反応が淡々としているリオネルに、アリスティドはれて来る。

『むう! 我に同意している割にはリオネル、お前がそんなに塩対応で、落ち着き払っているのはどういう事だ?』

『落ち着き払うって、そう見えますか? 以前、同じ訓練をしたからかもしれません』

『な、何!? 以前、同じ訓練をしたからだと!?』

『はい、俺は以前、従士ファイアドレイクの火の息をフルパワーで受けましたから、パイモン様の爆炎、小ならば、その数割増しという気構えで受けたいと思います』

『はあ!!?? ファイアドレイクの火の息をフルパワーで受けただとおお!!??
そ、それで、平気だったのか?』

『はい、まあ何とか』

『し、しれっと、ま、まあ何とかって……お、お前という奴は……本当に呆れた奴だな』

『呆れますか? 申し訳ありません。もっともっと上を目指し、頑張りますね』

『馬鹿者! 未熟者と責めているのではない! 褒めているのだ!』

という会話もあったが……

結果はふたりともパイモンの爆炎――小を見事に無効化し、退けた。

これでドラゴンや火を使う敵との攻防戦にも自信を持って臨む事が出来る。

そんなこんなで、ぶっ通しとなった今回の修行はとりあえず終了。
日夜のない地下迷宮ではあるが、時刻は既に午後4時を過ぎている。

だがリオネルには更に、パイモンから新たな従士の派遣が行われる。

『リオネルよ、本日の修行が終わったから、申した通り、新たな火の従士を授けよう』

『ありがとうございます、パイモン様』

パイモンはピン!と指を鳴らす。
すると紅蓮の炎に包まれた異界門が現れた。

パイモンが棲む炎の異界と現世をつなげた火属性特有の魔法門である。

『うむ、まずはこいつだ。出でよ、ブライム!』

パイモンの声に応え、異界門が開いた。

そこからひとり、燃え盛る紅蓮の炎に包まれたひとりの人型が現れる。

と、同時に異界門は消え去った。

人型を包んだ炎が消えて行く……

炎が消え、現れたのは身長2m超の偉丈夫。
ティエラの父アマイモンに勝るとも劣らない筋骨隆々の肉体を持っていた。

張りのある褐色の肌と、太い首に乗った小さな顔。

銅色の短髪、鼻筋の通った彫りの深く濃い顔立ち。

人間族で言えば、30代後半の壮年男性。

腕組みをし、切れ長の目がこちらを見据えている。

『来たか、ブライムよ! 彼が、これから炎の魔人イフリートたるお前が仕える新しいあるじ、リオネル・ロートレックだ!』

『は! かしこまりました! パイモン様!』

補足しよう。
炎の魔人イフリートは、精霊ジンの一族。
燃え盛る灼熱の身体を持ち、口から炎のブレスや高熱の蒸気を噴き出す。
また変身魔法を始めとして、様々な魔法も使いこなすという。

『ブライムよ、お前は異界から見ていたであろう、リオネルの実力を』

『は! パイモン様! 仰る通り、拝見致しておりました! 底知れぬリオネル・ロートレック様のお力! ブライムは大いに感服致しました!』

『うむ! では改めてリオネルへあいさつをせい!』

『は!』

と返事をしたイフリートのブライムはリオネルへ向き直り、直立不動。

『初めまして! 新たなるあるじリオネル・ロートレック様! 火界王パイモン様の命により、これから貴方様の従士の端に加わる炎の魔人イフリートたるブライムでございます! 忠実にお仕えしますので、遠慮なく使い回してくださいませ! 以後お見知りおきを!』

はきはきと、礼儀正しくあいさつをしたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

『こちらこそ、宜しくお願い致します』

直立不動のイフリート、ブライムへ丁寧に一礼したリオネル。

相変わらず礼儀正しい。

『ふむふむ、よし! では次にこいつだ!』

満足げに頷いたパイモンはまたもピン!と指を鳴らす。
すると、再び紅蓮の炎に包まれた異界門が現れた。

『さあ! 出でよ! 霊鳥フェニックス!』

きえ~ん!と鋭く鳴き、異界門から現れたのは、
イフリート同様、紅蓮の炎に包まれた1羽の鳥である。
翼を広げた体長は15m超、包む炎同様、毛色も真紅だ。

補足しよう。
霊鳥フェニックスは、火の鳥、もしくは 不死鳥とも言われ、砂漠に住む。
そして500年に1回、自ら火中に入って焼かれ、
その灰の中から若い姿で再生するといわれる魔鳥だ。
くちばし、爪の物理攻撃は勿論、様々な火属性の攻防魔法を使いこなす。

頭上をゆうゆうと飛翔するフェニックスを一瞥したパイモン。

視線をリオネルへ戻し、

『リオネル』

『はい』

『私としてはフェニックスを、オリエンスがつかわしたジズに勝るとも劣らない者と思っておる』

こう言われた場合、リアクションは難しい。
下手に認めれば、ジズとの優劣の判断をくだす事になるからだ。

それゆえリオネルは無言で応える。

『………………………………』

『おお、言いにくいか?』

『ですね。適材適所で起用しますから、どちらがどうとは言わないです』

『はははは! まあ良い! フェニックスは、ファイアドレイク同様、擬態もサイズの変化も自由自在だ。存分に使い回すが良い』

『ありがとうございます』

『うむ! 最後に純正の火蜥蜴サラマンダー100体を引き渡すぞ』

パイモンはそう言うと、燃え盛る異界門を出現させ、開き、
純正の火蜥蜴サラマンダー100体を呼んだ。

パイモンからリオネルの従士になるべく命じられ、
火蜥蜴サラマンダー100体は、歓喜を見せるが如く、乱舞する。

100体の火蜥蜴サラマンダーが乱舞する。
壮観といえる光景だ。

炎の魔人イフリート、不死の霊鳥フェニックス、
そして猛炎を吐き、高速で飛翔する火蜥蜴サラマンダー100体が加われば、
わずかファイアドレイク1体だったリオネル火の従士軍団は、一気に一大勢力となる。

そんな状況を見て、本日の修行に一応の目途がついた、と判断したのだろう。

ティエラが個人念話で話しかけて来る。

『リオ、お疲れ様。どうお、修行は終わった』

『はい、ティエラ様、お疲れ様です。トラブルなく終わりました』

『うふふ、パイモン様、えらく気合が入ってるね。火属性の従士が凄く増えたじゃない』

『ですね、イェレミアスさんはどうですか? こちらからは転移して離れていたみたいですけど』

『ええ、安全の為にね。それでこちらも無事に終わったわ。リオのレベルまでは到底及ばないけど、イェレミアスにも初歩レベルの威圧スキルを習得させたの』

『おお、威圧を1日かからずに習得しましたか、それは中々ですね』

『ええ、イェレミアスに元々、素養はあったみたい。お父様と私の簡単な指導、手本披露で、すぐコツを掴んだわ』

『成る程、威圧なら後々大いに使えますね』

『まあね、ただあくまで初歩レベルだから、現状ではイェレミアスのレベルに準じた、ちょっとやんちゃな人間族、同じくちょっとやんちゃな他の種族、低級な魔族、普通の獣くらいしか効果がないけど』

『いえいえ、とりあえずは充分だと思います。以降の上達はイェレミアスさんが修行すれば良いのですから』

『うふふ、だよね! でもリオ達の修行の迫力、私達の方の威圧の波動放射で、さすがのドラゴンども、巨人族どもが、一切近寄って来なかったわ』

『です!』

『じゃあ、3人一緒に、一旦そっちへ行くわ!』

……という事で、アマイモン、ティエラ父娘、イェレミアスが、
リオネル達の居る場所へ転移して来た。

3人はとても上機嫌。

ティエラは勿論、愛娘の結婚が決まったアマイモン、
同じく愛孫の結婚が決まったイェレミアス。
イェレミアスは修行も上手く行ったから尚更である。

そして修行が上手く行ったのはアリスティドも同じ。

『イェレミアス様! 新たなスキルをご習得されたとか!』

『はい! アリスティド様、まだ初歩レベルですが、アマイモン様とティエラ様の手解きで威圧のスキルを』

『おお! そうですか! 私はパイモン様のご指導で習得済み火属性魔法のレベルアップが叶いました!』

『おお! それは良かったですな!』

と大盛り上がり。

『では、そろそろ帰還しましょう』

とリオネルが言えば、

『ええ、昼抜きでがっつり修行したから、お腹が空いたわ。今夜の夕飯はたくさん作るから、全員で準備をしましょうね!』

と、ティエラも元気良く、呼びかけたのである。
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