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第179話「都市国家シリウス」
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それから更に……時は流れた……
人間の人生の約3倍以上にもあたる膨大な時間が……
隠れ勇者ダン……
否、救世の勇者となったダン・シリウスの名前を称《たた》え……
名付けられたシリウスの町が生まれ、もう3百年余りが経ったのだ。
造られた当初、住民500名のこじんまりしていた町は大幅に拡張され……
この世界では、もう立派な大都市といえる規模となり……
住人は軽く3万人を超えていた。
全世界の人々は、『都市国家シリウス』と呼んでいる。
また深き地の底に居たデックアールヴ達、そして彼等と血を合わせ、生まれた者達も全員が地上への移住を完了していた。
そう!
ダンが新たな国造りを決意してから、3百年の時を要し……
遂にデックアールヴ達の悲願、地上への帰還は完全に叶ったのだ……
この間《かん》、エリンの父や一族を始め、大勢の犠牲を出しながら……
同時に遥か古《いにしえ》に生きたアイディール王国開祖バートクリード、弟ローレンスの大きな夢も叶った。
またリョースアールヴ代々のソウェル達が葛藤した、『贖罪』も遂に成し得たといえるだろう。
そして……約3百年の長き時間は、シリウスに住まう者達も大幅に様変わりさせた。
数千年もの時を生きる、長命な種族アールヴやその血が合わさった者達は、殆どが健在だが……
当然ながら、町が誕生した時点で移住した人間族は、既にこの世を去っていた。
ダンやその仲間達も含めて……
あの日、エリン達へ告げた『遺言』通りに……
ダンは絶大な力を持つ救世の勇者となったが、自身へ魔法を使っての不老不死化は勿論、延命の処置さえもしなかったのだ。
結局、シリウスが誕生して、50年と少しで……ダンは死んだ。
ダンの妻となり、多くの家族を得た孤児のニーナと、完全に健康体となった王女ベアトリスも……
まるで『想い人』の後をすぐ追うが如く、ダンの死後数年の間に、この世を去ってしまった……
そしてダンが亡くなるまでに……
超人気店『新英雄亭』の主となったモーリスは念願叶って、ダンとニーナの子を抱き、心身とも幸せに満ち溢れ、世を去った。
ベアトリスに自分の人生を奉げたパトリシアも天に召された……
亡き妻と息子の魂に、遠く想いを馳せたローランドも……
難儀する人々を大勢救って、息子ディーンの遺志を果たし、この世を旅立っていた……
また師と仰いだローランドに同行、シリウスへ移住した忠実な部下クローディアも、彼女にとって最も幸せな人生を送り、笑顔で逝ってしまった……
ニーナの兄ルネも一流の職人として世界中にその名を響かせ……
クラン炎《フレイム》のチャーリー達も腕利きの冒険者として……
それぞれ、人生を充分全うし……亡くなった。
仲睦まじいアルバート&フィービー夫妻の姿も、とうにシリウスの城館からは消えている……
ダンが召喚した、魔獣ケルベロス&オルトロス、妖精猫のトムなど忠実な従士達も遥かなる異界へ還って行った……
しかし……
ダンや仲間達は亡くなっても……表舞台から退いても……
彼等の熱い血筋と崇高な遺志はしっかりと受け継がれていた。
ニーナを含め、ダンの妻達4人全員には、それぞれ子供が生まれたのだ。
子供達はすくすくと成長し……
救世の勇者の血は紡がれ、孫へ、さらにその子供達へと……
結果、ダンの子孫は仲間達の子孫らと共に、今や独立して都市国家となったシリウスを動かしていた。
現在、宰相となったデックアールヴの指導者リストマッティは、ダンの子孫達と共にシリウスをしっかりまとめ、治めている。
英雄バートクリードの弟ローレンスの子孫であるリストマッティは、祖先同様人心掌握に長けていた。
それ故、多種族国家となったシリウスでも、内部の争いは全くない。
一方……
リョースアールヴの象徴ともいえるヴィリヤの祖父ヴェルネリも、ソウェルを引退はしたが、イエーラに在住し健在だ。
今は亡きダンとの『約束』を守り、随時的確なアドバイスをしてくれる。
またアイディール王国も、既に10回以上代替わりしているが、ベアトリスとの血の繋がりから、イエーラと共に兄弟国として常に友好的だ。
そんな中……
エリンとヴィリヤは、そろそろ頃合いだと感じ、決断した。
無論、リストマッティ、ヴェルネリとじっくり相談して出した結論である。
つまり……
「救世の勇者ダンが創った都市国家シリウスはデックアールヴの血を引く国だ」
と、いう重大発表をしたのだ。
発表後は、エリンを始め、デックアールヴ達は本来の姿に戻った。
もう素性を隠さずに、堂々と振る舞った。
ダンが、我が子達や素質ある者達へ変身魔法を受け継がせ、エリン達は彼の死後もずっと姿を変えていたのである。
だが……
大きなリスクを覚悟し、万全のタイミングとして、3百年の長い時間を待ち、秘密を明かした割には……
全然、呆気なかった。
関係者は全員、拍子抜けしたと言って良い。
世界の誰もがシリウスを、呪われていると罵ったり、忌み嫌ったりなどしなかったのだ。
何故ならば……
今やシリウスは、世界中の人々から慕われ、希望と活力にあふれる素敵な国だから。
仮に誰かが……
救世の勇者ダン、クランディーン、そしてシリウスの住民達が、呪われているとイメージしようとしても……
創世神の名の下に、建国以来築き上げて来た、世界中の人々に尽力したという厳然たる実績……
その事実の前では、呪いなど単なる妄想に過ぎない……
と、誰もに一蹴されたからだ。
現に、魔物の害に留まらず……
国を滅ぼしかねない怖ろしい天災があっても……
シリウスからは勇者の血を引く頼もしき者達が赴き……
家族を失い、悲嘆にくれる人々を励まし、復興に尽力していた。
そんな『救世の勇者達』を世界の人々は深く信頼し、圧倒的な支持をしたのだ。
こうして……
勇者ダンの創った都市国家シリウスは、重大な事実を発表する前と全く変わらず、大いに繁栄して行ったのである。
人間の人生の約3倍以上にもあたる膨大な時間が……
隠れ勇者ダン……
否、救世の勇者となったダン・シリウスの名前を称《たた》え……
名付けられたシリウスの町が生まれ、もう3百年余りが経ったのだ。
造られた当初、住民500名のこじんまりしていた町は大幅に拡張され……
この世界では、もう立派な大都市といえる規模となり……
住人は軽く3万人を超えていた。
全世界の人々は、『都市国家シリウス』と呼んでいる。
また深き地の底に居たデックアールヴ達、そして彼等と血を合わせ、生まれた者達も全員が地上への移住を完了していた。
そう!
ダンが新たな国造りを決意してから、3百年の時を要し……
遂にデックアールヴ達の悲願、地上への帰還は完全に叶ったのだ……
この間《かん》、エリンの父や一族を始め、大勢の犠牲を出しながら……
同時に遥か古《いにしえ》に生きたアイディール王国開祖バートクリード、弟ローレンスの大きな夢も叶った。
またリョースアールヴ代々のソウェル達が葛藤した、『贖罪』も遂に成し得たといえるだろう。
そして……約3百年の長き時間は、シリウスに住まう者達も大幅に様変わりさせた。
数千年もの時を生きる、長命な種族アールヴやその血が合わさった者達は、殆どが健在だが……
当然ながら、町が誕生した時点で移住した人間族は、既にこの世を去っていた。
ダンやその仲間達も含めて……
あの日、エリン達へ告げた『遺言』通りに……
ダンは絶大な力を持つ救世の勇者となったが、自身へ魔法を使っての不老不死化は勿論、延命の処置さえもしなかったのだ。
結局、シリウスが誕生して、50年と少しで……ダンは死んだ。
ダンの妻となり、多くの家族を得た孤児のニーナと、完全に健康体となった王女ベアトリスも……
まるで『想い人』の後をすぐ追うが如く、ダンの死後数年の間に、この世を去ってしまった……
そしてダンが亡くなるまでに……
超人気店『新英雄亭』の主となったモーリスは念願叶って、ダンとニーナの子を抱き、心身とも幸せに満ち溢れ、世を去った。
ベアトリスに自分の人生を奉げたパトリシアも天に召された……
亡き妻と息子の魂に、遠く想いを馳せたローランドも……
難儀する人々を大勢救って、息子ディーンの遺志を果たし、この世を旅立っていた……
また師と仰いだローランドに同行、シリウスへ移住した忠実な部下クローディアも、彼女にとって最も幸せな人生を送り、笑顔で逝ってしまった……
ニーナの兄ルネも一流の職人として世界中にその名を響かせ……
クラン炎《フレイム》のチャーリー達も腕利きの冒険者として……
それぞれ、人生を充分全うし……亡くなった。
仲睦まじいアルバート&フィービー夫妻の姿も、とうにシリウスの城館からは消えている……
ダンが召喚した、魔獣ケルベロス&オルトロス、妖精猫のトムなど忠実な従士達も遥かなる異界へ還って行った……
しかし……
ダンや仲間達は亡くなっても……表舞台から退いても……
彼等の熱い血筋と崇高な遺志はしっかりと受け継がれていた。
ニーナを含め、ダンの妻達4人全員には、それぞれ子供が生まれたのだ。
子供達はすくすくと成長し……
救世の勇者の血は紡がれ、孫へ、さらにその子供達へと……
結果、ダンの子孫は仲間達の子孫らと共に、今や独立して都市国家となったシリウスを動かしていた。
現在、宰相となったデックアールヴの指導者リストマッティは、ダンの子孫達と共にシリウスをしっかりまとめ、治めている。
英雄バートクリードの弟ローレンスの子孫であるリストマッティは、祖先同様人心掌握に長けていた。
それ故、多種族国家となったシリウスでも、内部の争いは全くない。
一方……
リョースアールヴの象徴ともいえるヴィリヤの祖父ヴェルネリも、ソウェルを引退はしたが、イエーラに在住し健在だ。
今は亡きダンとの『約束』を守り、随時的確なアドバイスをしてくれる。
またアイディール王国も、既に10回以上代替わりしているが、ベアトリスとの血の繋がりから、イエーラと共に兄弟国として常に友好的だ。
そんな中……
エリンとヴィリヤは、そろそろ頃合いだと感じ、決断した。
無論、リストマッティ、ヴェルネリとじっくり相談して出した結論である。
つまり……
「救世の勇者ダンが創った都市国家シリウスはデックアールヴの血を引く国だ」
と、いう重大発表をしたのだ。
発表後は、エリンを始め、デックアールヴ達は本来の姿に戻った。
もう素性を隠さずに、堂々と振る舞った。
ダンが、我が子達や素質ある者達へ変身魔法を受け継がせ、エリン達は彼の死後もずっと姿を変えていたのである。
だが……
大きなリスクを覚悟し、万全のタイミングとして、3百年の長い時間を待ち、秘密を明かした割には……
全然、呆気なかった。
関係者は全員、拍子抜けしたと言って良い。
世界の誰もがシリウスを、呪われていると罵ったり、忌み嫌ったりなどしなかったのだ。
何故ならば……
今やシリウスは、世界中の人々から慕われ、希望と活力にあふれる素敵な国だから。
仮に誰かが……
救世の勇者ダン、クランディーン、そしてシリウスの住民達が、呪われているとイメージしようとしても……
創世神の名の下に、建国以来築き上げて来た、世界中の人々に尽力したという厳然たる実績……
その事実の前では、呪いなど単なる妄想に過ぎない……
と、誰もに一蹴されたからだ。
現に、魔物の害に留まらず……
国を滅ぼしかねない怖ろしい天災があっても……
シリウスからは勇者の血を引く頼もしき者達が赴き……
家族を失い、悲嘆にくれる人々を励まし、復興に尽力していた。
そんな『救世の勇者達』を世界の人々は深く信頼し、圧倒的な支持をしたのだ。
こうして……
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