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《第3章》 ロミオ at 玉川上水
吉祥寺で1
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マンガ喫茶でナイト八時間パック、鍵つき完全個室、一五分シャワーも含めて二四八〇円。
これを安いと言っていいのか、高いと言っていいのか。とにかく、別で家賃を払っているにもかかわらず外泊をつづけているのは、無駄のきわみである。
――先週末泊まった西新宿のホテル、ベッドも広かったしアメニティも充実してたし、とにかく清潔だったな。シーツも枕カバーも丸ごと取りかえられてる感じ。ホテルだから当たり前なんだけど。
マンガ喫茶でも清掃や除菌作業が行われているとはいえ、行き届いていない印象がぬぐえない。椅子の合成皮革や空間そのものに、今までここで過ごしてきた人たちの皮脂や体臭が染みついている。
――おうち、帰りたい……。
大型のゲーム専用チェアをゆりかごのように使って体を丸めて眠っても、首や腰に負担がかかってしまう。全身の筋肉がこわばっていて、体中がミシミシと軋んでいる。関節が歪んでいる気さえする。
夜二三時すぎに入店して八時間フルに使っても、とても眠りたりなかった。自宅の布団が恋しい。
一八〇度体を横たえて、いつもの寝具のなかで安心して眠りたい。あぁ、約束の地よ。
四連休最初の日の午前九時、スキンケアと洗面雑貨、授業で読んでいる論文と筆記用具をいれたトートバッグを肩にかけて、瞳子はマンガ喫茶の入っている雑居ビルを出た。ぬかりなく左右を確認して、速足で歩きはじめる。向かったのは、市立中央図書館だった。
結局、安全なのは公共の場所だ。吉祥寺を選んだのも、歩行者が多く人目がある上、駅から徒歩一〇分圏内に主要施設がまとまっているからだ。
――持久戦なら慣れてる。あんな連中に、いいようにされたくない。
瞳子はできるかぎり隙のない動きをしようと決めていた。
大学や公共の施設内にいるかぎり、山根たちが狙ってくるのは人気のない道を単独で歩いている時間か、夜間の自宅だけになる。なら、自宅に帰らず、できるだけ自転車で移動すればいい。
彼らが焦れてボロを出したタイミングで、現行犯で警察に突きだすつもりでいた。
――今度こそ、きちんと被害者になってやる。なんなら動画で撮影して、決定的瞬間をおさえて。……ん、そうすると、防犯ブザー見せびらかして外歩いていたの、方針間違ってた?
負けない自信があるわけではない。
ただ、バレエのレッスンでは、毎日毎日年単位で同じことを執念深く繰りかえし、一ミリ二ミリの精度を上げていく日々だった。五年前まで全日本レベルで踊っていたのだ。
――自己管理と土壇場での度胸、意思の強さにだけは自信がある。逆に言えば、今のわたしはそれしか持っていない。
今日はバイトが始まる夜九時まで、吉祥寺で過ごさなければいけない。長い一日になりそうだった。
図書館の自習スペースに陣どって、持ってきた論文を読み、ルーズリーフにボールペンでざくざくと要約と重要事項、疑問点を書きつらねていく。後はPCで入力すればレジュメの一丁上がり! だった。
周囲の人々が読書や勉強に精をだしているので、おかげさまで作業が捗った。皆さん、ありがとう。
すっきりした気持ちで論文のコピーをバッグにしまうと、今度は図書館の検索用パソコンで気になっていたテーマの書籍をさがした。
複数の本を書架から取りだしてきて丹念に読みこんでいく。裏付けとなる条文や判例もチェックして理解に納得がいくと、ようやく安心することができた。
気がつくと、時計は午後二時をまわっていた。
アルバイトまであと七時間弱。空腹は感じないが外を歩きたい気分になって、瞳子は荷物をまとめた。
五月はじめの空は、「絶好の行楽日和です」というラジオ・アナウンサーの声が聞こえてきそうな、ご機嫌な晴天だった。その突きぬけた青さは、先週末に西新宿のホテルの窓から眺めた青さと同じだった。
彼からは、昨晩メールが入っていた。
メールは、翌々日の夜の都合を尋ねるものであった。つまり、明日の夜。
明日はバイトを入れていない。彼と会って体を重ねる。
セックスは数年ぶりだったが、繰りかえすうちに体が順応をはじめていた。前回もまた軽く首を絞められたり有無を言わさずに激しくされたが、不愉快な思いや死ぬほどの痛みは味わっていない。
――本当は、そっちを軽めにして寝たいんだけどな。……いやいや、ご飯まで食べさせてもらってるんだから、そこは我慢すべきトコロ‼ 五〇〇万、気前よく貸してくれる人なんて、他にいないんだから。
楽なほうへと流れそうになる自分をたしなめながら、瞳子は明日の夜、おそらく連れていってもらえるであろう夕飯に、もう期待をはじめている。待ち合わせ時間が前回と同じ一七時半だからだ。
――明日は何かな~、んふふ楽しみ。別に高いところでなくていいんだ。小鉢が多い和定食のお店だと嬉しいな。
「セックス+飛豪=夕ご飯」という、おいしい方程式が頭のなかで出来つつあるせいか、彼のことを考えると、なんとなくお腹がすいてきたり、ホテルのベッドの滑らかなシーツの感触に顔がほころんでしまう。
現金なものだが、要所要所で幸せを自覚的にひろっていくのも生きる知恵なのではないか、と思う。
自然と足がむいたのは、北口の百貨店裏にあるスペイン系のファッションブランドだった。白い外壁に大きな曲面ガラスのはまった三階だての建物は、モダンな洋館のようで、吉祥寺お気に入りスポットである。
――とりあえず、一時間は時間つぶしになるかな。
色とりどりの服飾があふれるショップへと、瞳子は少しだけ上向いた気分で入っていった。
これを安いと言っていいのか、高いと言っていいのか。とにかく、別で家賃を払っているにもかかわらず外泊をつづけているのは、無駄のきわみである。
――先週末泊まった西新宿のホテル、ベッドも広かったしアメニティも充実してたし、とにかく清潔だったな。シーツも枕カバーも丸ごと取りかえられてる感じ。ホテルだから当たり前なんだけど。
マンガ喫茶でも清掃や除菌作業が行われているとはいえ、行き届いていない印象がぬぐえない。椅子の合成皮革や空間そのものに、今までここで過ごしてきた人たちの皮脂や体臭が染みついている。
――おうち、帰りたい……。
大型のゲーム専用チェアをゆりかごのように使って体を丸めて眠っても、首や腰に負担がかかってしまう。全身の筋肉がこわばっていて、体中がミシミシと軋んでいる。関節が歪んでいる気さえする。
夜二三時すぎに入店して八時間フルに使っても、とても眠りたりなかった。自宅の布団が恋しい。
一八〇度体を横たえて、いつもの寝具のなかで安心して眠りたい。あぁ、約束の地よ。
四連休最初の日の午前九時、スキンケアと洗面雑貨、授業で読んでいる論文と筆記用具をいれたトートバッグを肩にかけて、瞳子はマンガ喫茶の入っている雑居ビルを出た。ぬかりなく左右を確認して、速足で歩きはじめる。向かったのは、市立中央図書館だった。
結局、安全なのは公共の場所だ。吉祥寺を選んだのも、歩行者が多く人目がある上、駅から徒歩一〇分圏内に主要施設がまとまっているからだ。
――持久戦なら慣れてる。あんな連中に、いいようにされたくない。
瞳子はできるかぎり隙のない動きをしようと決めていた。
大学や公共の施設内にいるかぎり、山根たちが狙ってくるのは人気のない道を単独で歩いている時間か、夜間の自宅だけになる。なら、自宅に帰らず、できるだけ自転車で移動すればいい。
彼らが焦れてボロを出したタイミングで、現行犯で警察に突きだすつもりでいた。
――今度こそ、きちんと被害者になってやる。なんなら動画で撮影して、決定的瞬間をおさえて。……ん、そうすると、防犯ブザー見せびらかして外歩いていたの、方針間違ってた?
負けない自信があるわけではない。
ただ、バレエのレッスンでは、毎日毎日年単位で同じことを執念深く繰りかえし、一ミリ二ミリの精度を上げていく日々だった。五年前まで全日本レベルで踊っていたのだ。
――自己管理と土壇場での度胸、意思の強さにだけは自信がある。逆に言えば、今のわたしはそれしか持っていない。
今日はバイトが始まる夜九時まで、吉祥寺で過ごさなければいけない。長い一日になりそうだった。
図書館の自習スペースに陣どって、持ってきた論文を読み、ルーズリーフにボールペンでざくざくと要約と重要事項、疑問点を書きつらねていく。後はPCで入力すればレジュメの一丁上がり! だった。
周囲の人々が読書や勉強に精をだしているので、おかげさまで作業が捗った。皆さん、ありがとう。
すっきりした気持ちで論文のコピーをバッグにしまうと、今度は図書館の検索用パソコンで気になっていたテーマの書籍をさがした。
複数の本を書架から取りだしてきて丹念に読みこんでいく。裏付けとなる条文や判例もチェックして理解に納得がいくと、ようやく安心することができた。
気がつくと、時計は午後二時をまわっていた。
アルバイトまであと七時間弱。空腹は感じないが外を歩きたい気分になって、瞳子は荷物をまとめた。
五月はじめの空は、「絶好の行楽日和です」というラジオ・アナウンサーの声が聞こえてきそうな、ご機嫌な晴天だった。その突きぬけた青さは、先週末に西新宿のホテルの窓から眺めた青さと同じだった。
彼からは、昨晩メールが入っていた。
メールは、翌々日の夜の都合を尋ねるものであった。つまり、明日の夜。
明日はバイトを入れていない。彼と会って体を重ねる。
セックスは数年ぶりだったが、繰りかえすうちに体が順応をはじめていた。前回もまた軽く首を絞められたり有無を言わさずに激しくされたが、不愉快な思いや死ぬほどの痛みは味わっていない。
――本当は、そっちを軽めにして寝たいんだけどな。……いやいや、ご飯まで食べさせてもらってるんだから、そこは我慢すべきトコロ‼ 五〇〇万、気前よく貸してくれる人なんて、他にいないんだから。
楽なほうへと流れそうになる自分をたしなめながら、瞳子は明日の夜、おそらく連れていってもらえるであろう夕飯に、もう期待をはじめている。待ち合わせ時間が前回と同じ一七時半だからだ。
――明日は何かな~、んふふ楽しみ。別に高いところでなくていいんだ。小鉢が多い和定食のお店だと嬉しいな。
「セックス+飛豪=夕ご飯」という、おいしい方程式が頭のなかで出来つつあるせいか、彼のことを考えると、なんとなくお腹がすいてきたり、ホテルのベッドの滑らかなシーツの感触に顔がほころんでしまう。
現金なものだが、要所要所で幸せを自覚的にひろっていくのも生きる知恵なのではないか、と思う。
自然と足がむいたのは、北口の百貨店裏にあるスペイン系のファッションブランドだった。白い外壁に大きな曲面ガラスのはまった三階だての建物は、モダンな洋館のようで、吉祥寺お気に入りスポットである。
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