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第3章 異世界レジスタンス
第5話 奪還(後編)
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「なはははは、なんか変な感じだな…アキ?」
「アキ?じゃないよ!!詩で間違いない?」
「おう!初めまして?」
<…わお…>
先ほどまで死にかけていた少女が若干ではあるが元気を取り戻し、詩を名乗っている。
詩がアキの脳内から姿を消し、そして目の前に現れた詩の人格。
この異世界では驚くべきことが沢山続くが、今はのんびり驚いてもいられなかった。
ズドーーーーン
「なあ!?」
「うおっ!」
事情を知らない人々が驚くのも無理はない。
「アキ、早く開けてくれ!」
城門に仕掛けた罠が爆発する。脱出を急かす合図であった。牢内がパニックに陥る。
「皆さん、足枷だけでも先に外します!」
残り数名、まだ解錠を終えていない人もいたが間に合わない。
「脱出します!付いてきてください。」
手枷をつけたままの人も引き連れ、体をまだ十分に動かせない詩を背負いアキが先導する。
火の手が上がっている城門と目指すスラムは方向が異なる。
50名近い列でも闇に紛れさえすれば、多少ばれたところで火事の混乱が逃亡を助けてくれた。
スラムまでは問題なく辿り着く。
そのまま一行はスラムのより奥深くへと潜っていくと、目の前にはホストラを長い間守り続けた城壁が顔を出す。
「お、おいアキ。行き止まりじゃねえか!」
「黙って!」
神経が過敏になっているアキ。普段ならば上手くたしなめることもできたのであろうがそんな余裕が、無かった。問い詰めた人物も素直に黙る他ない。
アキが懐から小さな笛を出し、思いっきり吹き始める。
「それなんだ?」
「犬笛だよ。」
詩の質問にさえ、無機質な答えしか返さない。精神年齢は40歳近いアキであるが、10歳の体で既に徹夜をし、1人でこれほどの準備を終えていたのだ。
「そこのゴミ山、撤去してもらえますか。」
何人かにお願いをし、ゴミ山の撤去を見守る。
直ぐに地面に穴が現れた。
この穴は昼間にアキがスラムのごろつきにお願いをし、教えてもらった脱出口だった。
これだけ古い街である。
城壁以外にも出入り口が必ずあると確信した詩の策だった。
「この穴が外に繋がっています。今外の仲間に合図を出しました。穴を潜っていけば仲間が保護してくれるはずです。」
歓声が上がる一行。
「静かに!」
まだ安全は確保できていない。皆に気を引き締め続けてもらわねばならない。
「では、俺が手助けできるのはここまでです。皆さんとまたお会いできるのを楽しみにしています。」
3つ子の内の誰かに詩を預け、挨拶を終える。
「待って!アキは一緒に行かにゃいの?」
ナディアである。今まで同郷の男性に肩を支えられなんとかここまでやって来たという様相だったのだが、アキの想定外の言葉に思わず反応してしまう。
「母さん。ごめんなさい。まだやることが残っているんです。」
アキたちが計画した作戦は現時点では半分ほど消化したに過ぎない。ここで、止めてしまう訳にはいかなかった。
「また明日にでも会えますから。」
ナディアに息子が抱きつく。今叶う精一杯のスキンシップだ。
「では、おじさん。お願いします。」
ナディアの肩を抱いたままの男性にナディアのことをお願いする。ナディアに残酷なことをしている自覚はあったが、どうしようもなかった。
「待って!!アキも!!一緒に!!」
錯乱するナディア。数日前にリリを奪われたばかりである。ここで別行動しようとする息子に母の姿を重ねてしまう。
続々と皆が穴の中に入っていく。急いでもらう必要があった。
「ごめんなさい。母さん。」
アキは布をナディアの鼻に当てる。抽出した睡眠薬を塗ったものだ。鼻がいいナディアは一瞬で意識を失う。
「よろしくお願いします。」
深々と頭を下げる10歳児がいた。男は自分を救いだしてくれた子供に母親を託されたことの重要さを噛みしめ、ああと短く呟いて穴に姿を消した。
1人の子供がまたスラム街に入っていくと、そこには不自然に積み上げられたゴミの山が残っていた。
==============================================
ホップス子爵領を守護する騎士団。
その副団長と努めるグレンは王都に勤務する有力貴族の庶子であった。
父親の顔と名前も知らないが、母親に勧められた騎士団の入団試験を受けたところすんなり合格してしまった。
体格と人格に恵まれた彼は団内でも少しずつ出世し、今の地位に就いている。
事件は彼が夜警で城壁の上にいた時に起きた。
突如、西側城門に火柱が立ち上がったのだ。今日は月も出ておらず闇が深い。かなり距離があったはずの城壁の上からも直ぐにわかった。
駆けつけたい衝動に駆られたが、命令を待つ必要がある。
グレンはそのまま警邏を続けていた。
「副団長!現状待機とのことです!」
伝令がグレンに指令を伝えに来る。伝令によると、市民の協力のもと、火元の消火を行っており、鎮火の目途がたったため、混乱が起きないようにだけ注意せよ。とのことだった。
西門には自分が可愛いがっていた後輩も何人か配属されている。伝令に聞いても安否はわからなかった。仕方がないと割り切るしかなかった。
彼が城門でそのまま警邏を続けていると、城壁の下を影が動いたように見えた。
注視していると影は1つではないようだ。尻尾が生えている者もいる。
(脱走者かっ!!)
ふと、ラウ村での自分たちの非道な行為が脳裏によぎった。
そう思った時には既に城壁を降り始めていた。
「馬を引け!!」
「副団長。出陣ですか?」
部下の1人が尋ねてくる。
「いや、ちょっとした確認だ。俺一人で行く。付いてくるなよ。」
そう言い残すとグレンは馬に跨り、影が見えた方向へと城門を潜り、馬を向けるのであった。
残された部下は首をかしげるしかなかった。
彼らかもしれない。
逃げているのも。火事を起こしたのも。
1騎で向かったのは単なる罪悪感からの愚かな判断だった。
見つけてどうこうするつもりもない。
だが、胸に閊えたままのモヤモヤが彼を突き動かした。
集団に追いつくのに時間は掛からなかった。
「待て。どこに行く?」
グレンは間抜けな質問をする。
答えるはずもないだろう。集団は必死でその足を動かしグレンから遠ざかろうとしている。
すると、集団の中からひと際大きな影が姿を現す。
「初めましてである。騎士殿。」
グレンは目を見開く。目の前の亜人には腕が4本もあるのだ。こんな形体をしているのは獣人族ではない。
「魔族か!?」
「いかにも。吾輩は魔族。鬼蜘蛛族である。」
自称鬼蜘蛛族は腕を組みグレンに向き合う。どうやら攻撃の意思はないようだ。
「何故、魔族が獣人族に手を貸す!?」
「義によるものとだけ。」
「詰め所にいた私の部下を殺したのはお前たちかっ!?」
伝令から火事の際、詰め所に騎士が詰めていたのを聞いている。現状行方不明だが、生存は絶望視されていた。
「手を下したのは吾輩ではないが、騎士殿の部下が亡くなる可能性があったのは吾輩も存じていたのである。なので肯定するのである。」
「なぜだ!なぜ殺した!?」
「なぜであると?先に剣を振り上げたのはそちらであると吾輩、記憶しているが。」
「彼らはラウ村には行っていない!!無実なのだぞ!!」
グレンの声からは怒声しか発されない。対して自称鬼蜘蛛族は淡々としたものだった。
「ラウ村の村人たちは無実ではないと?」
「ぐっぅ。」
「騎士殿は何を申されたいのか吾輩さっぱりわからないのである。騎士殿の部下を殺したことを責めたいのならお角違いである。彼らは子爵の紋を着けていたのであろう?ならば、村人を殺した、殺してないは関係ないのである。」
紋章にはそれだけの力がある。紋章は絶大な力で人々を平伏させるが、反対に相応の責任も負う。ましてや今回ラウ村を襲ったのは正規兵。関係ないでは済まされない。
言葉を発しないグレン。自称鬼蜘蛛族は後方を確認し、集団の姿が見えなくなるのを確認する。
「もうよいであるか?吾輩そろそろ失礼したいのであるが…」
グレンは何も言わない。
朝まで馬だけが嘶いていた。
「アキ?じゃないよ!!詩で間違いない?」
「おう!初めまして?」
<…わお…>
先ほどまで死にかけていた少女が若干ではあるが元気を取り戻し、詩を名乗っている。
詩がアキの脳内から姿を消し、そして目の前に現れた詩の人格。
この異世界では驚くべきことが沢山続くが、今はのんびり驚いてもいられなかった。
ズドーーーーン
「なあ!?」
「うおっ!」
事情を知らない人々が驚くのも無理はない。
「アキ、早く開けてくれ!」
城門に仕掛けた罠が爆発する。脱出を急かす合図であった。牢内がパニックに陥る。
「皆さん、足枷だけでも先に外します!」
残り数名、まだ解錠を終えていない人もいたが間に合わない。
「脱出します!付いてきてください。」
手枷をつけたままの人も引き連れ、体をまだ十分に動かせない詩を背負いアキが先導する。
火の手が上がっている城門と目指すスラムは方向が異なる。
50名近い列でも闇に紛れさえすれば、多少ばれたところで火事の混乱が逃亡を助けてくれた。
スラムまでは問題なく辿り着く。
そのまま一行はスラムのより奥深くへと潜っていくと、目の前にはホストラを長い間守り続けた城壁が顔を出す。
「お、おいアキ。行き止まりじゃねえか!」
「黙って!」
神経が過敏になっているアキ。普段ならば上手くたしなめることもできたのであろうがそんな余裕が、無かった。問い詰めた人物も素直に黙る他ない。
アキが懐から小さな笛を出し、思いっきり吹き始める。
「それなんだ?」
「犬笛だよ。」
詩の質問にさえ、無機質な答えしか返さない。精神年齢は40歳近いアキであるが、10歳の体で既に徹夜をし、1人でこれほどの準備を終えていたのだ。
「そこのゴミ山、撤去してもらえますか。」
何人かにお願いをし、ゴミ山の撤去を見守る。
直ぐに地面に穴が現れた。
この穴は昼間にアキがスラムのごろつきにお願いをし、教えてもらった脱出口だった。
これだけ古い街である。
城壁以外にも出入り口が必ずあると確信した詩の策だった。
「この穴が外に繋がっています。今外の仲間に合図を出しました。穴を潜っていけば仲間が保護してくれるはずです。」
歓声が上がる一行。
「静かに!」
まだ安全は確保できていない。皆に気を引き締め続けてもらわねばならない。
「では、俺が手助けできるのはここまでです。皆さんとまたお会いできるのを楽しみにしています。」
3つ子の内の誰かに詩を預け、挨拶を終える。
「待って!アキは一緒に行かにゃいの?」
ナディアである。今まで同郷の男性に肩を支えられなんとかここまでやって来たという様相だったのだが、アキの想定外の言葉に思わず反応してしまう。
「母さん。ごめんなさい。まだやることが残っているんです。」
アキたちが計画した作戦は現時点では半分ほど消化したに過ぎない。ここで、止めてしまう訳にはいかなかった。
「また明日にでも会えますから。」
ナディアに息子が抱きつく。今叶う精一杯のスキンシップだ。
「では、おじさん。お願いします。」
ナディアの肩を抱いたままの男性にナディアのことをお願いする。ナディアに残酷なことをしている自覚はあったが、どうしようもなかった。
「待って!!アキも!!一緒に!!」
錯乱するナディア。数日前にリリを奪われたばかりである。ここで別行動しようとする息子に母の姿を重ねてしまう。
続々と皆が穴の中に入っていく。急いでもらう必要があった。
「ごめんなさい。母さん。」
アキは布をナディアの鼻に当てる。抽出した睡眠薬を塗ったものだ。鼻がいいナディアは一瞬で意識を失う。
「よろしくお願いします。」
深々と頭を下げる10歳児がいた。男は自分を救いだしてくれた子供に母親を託されたことの重要さを噛みしめ、ああと短く呟いて穴に姿を消した。
1人の子供がまたスラム街に入っていくと、そこには不自然に積み上げられたゴミの山が残っていた。
==============================================
ホップス子爵領を守護する騎士団。
その副団長と努めるグレンは王都に勤務する有力貴族の庶子であった。
父親の顔と名前も知らないが、母親に勧められた騎士団の入団試験を受けたところすんなり合格してしまった。
体格と人格に恵まれた彼は団内でも少しずつ出世し、今の地位に就いている。
事件は彼が夜警で城壁の上にいた時に起きた。
突如、西側城門に火柱が立ち上がったのだ。今日は月も出ておらず闇が深い。かなり距離があったはずの城壁の上からも直ぐにわかった。
駆けつけたい衝動に駆られたが、命令を待つ必要がある。
グレンはそのまま警邏を続けていた。
「副団長!現状待機とのことです!」
伝令がグレンに指令を伝えに来る。伝令によると、市民の協力のもと、火元の消火を行っており、鎮火の目途がたったため、混乱が起きないようにだけ注意せよ。とのことだった。
西門には自分が可愛いがっていた後輩も何人か配属されている。伝令に聞いても安否はわからなかった。仕方がないと割り切るしかなかった。
彼が城門でそのまま警邏を続けていると、城壁の下を影が動いたように見えた。
注視していると影は1つではないようだ。尻尾が生えている者もいる。
(脱走者かっ!!)
ふと、ラウ村での自分たちの非道な行為が脳裏によぎった。
そう思った時には既に城壁を降り始めていた。
「馬を引け!!」
「副団長。出陣ですか?」
部下の1人が尋ねてくる。
「いや、ちょっとした確認だ。俺一人で行く。付いてくるなよ。」
そう言い残すとグレンは馬に跨り、影が見えた方向へと城門を潜り、馬を向けるのであった。
残された部下は首をかしげるしかなかった。
彼らかもしれない。
逃げているのも。火事を起こしたのも。
1騎で向かったのは単なる罪悪感からの愚かな判断だった。
見つけてどうこうするつもりもない。
だが、胸に閊えたままのモヤモヤが彼を突き動かした。
集団に追いつくのに時間は掛からなかった。
「待て。どこに行く?」
グレンは間抜けな質問をする。
答えるはずもないだろう。集団は必死でその足を動かしグレンから遠ざかろうとしている。
すると、集団の中からひと際大きな影が姿を現す。
「初めましてである。騎士殿。」
グレンは目を見開く。目の前の亜人には腕が4本もあるのだ。こんな形体をしているのは獣人族ではない。
「魔族か!?」
「いかにも。吾輩は魔族。鬼蜘蛛族である。」
自称鬼蜘蛛族は腕を組みグレンに向き合う。どうやら攻撃の意思はないようだ。
「何故、魔族が獣人族に手を貸す!?」
「義によるものとだけ。」
「詰め所にいた私の部下を殺したのはお前たちかっ!?」
伝令から火事の際、詰め所に騎士が詰めていたのを聞いている。現状行方不明だが、生存は絶望視されていた。
「手を下したのは吾輩ではないが、騎士殿の部下が亡くなる可能性があったのは吾輩も存じていたのである。なので肯定するのである。」
「なぜだ!なぜ殺した!?」
「なぜであると?先に剣を振り上げたのはそちらであると吾輩、記憶しているが。」
「彼らはラウ村には行っていない!!無実なのだぞ!!」
グレンの声からは怒声しか発されない。対して自称鬼蜘蛛族は淡々としたものだった。
「ラウ村の村人たちは無実ではないと?」
「ぐっぅ。」
「騎士殿は何を申されたいのか吾輩さっぱりわからないのである。騎士殿の部下を殺したことを責めたいのならお角違いである。彼らは子爵の紋を着けていたのであろう?ならば、村人を殺した、殺してないは関係ないのである。」
紋章にはそれだけの力がある。紋章は絶大な力で人々を平伏させるが、反対に相応の責任も負う。ましてや今回ラウ村を襲ったのは正規兵。関係ないでは済まされない。
言葉を発しないグレン。自称鬼蜘蛛族は後方を確認し、集団の姿が見えなくなるのを確認する。
「もうよいであるか?吾輩そろそろ失礼したいのであるが…」
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