最弱の俺が神の血を継いで世界を救う旅に出る(仮)

RYOアズ

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第64話:神殿への道

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スノーヴェイルの村長の声は、凍てつく風に掻き消されそうになりながらも、ゼイクの耳にしっかりと届いた。「氷の神殿だ。あそこにすべての原因がある。頂上に眠る神の力が、この吹雪と氷を生み出してるんだ」。その言葉を聞いた瞬間、ゼイクは目を細めてクリムゾードの頂上を見上げた。鋭い峰が雲を突き刺し、吹雪が渦を巻いて山全体を白く覆い尽くしている。陽光が届かぬ極寒の地に、ただ一つ、赤みを帯びた岩肌が夕陽に染まり、血のように浮かび上がっていた。そこに神殿がある――ゼイクの胸に熱い決意が湧き上がる。

彼は振り返り、星舟アストレイアの甲板に立つ仲間たちを見渡した。凍傷から回復したばかりのシエルが軽く肩を回し、ミリエがその隣で穏やかに見守っている。ガルドは盾を肩に担ぎ、リノアは腕を組んで鋭い視線を投げ、エルヴィは小さく寄り添うように立っていた。ゼイクは胸を張り、短く力強い言葉を放つ。「俺がやる。神殿まで行って、この氷を止める。村を救うんだ」。

ガルドが一歩前に出て、大股で甲板を響かせた。「お前一人で行かせねえよ。星舟で行くなら俺も乗るぜ!」と豪快に笑い、肩を叩いてくる。シエルは肩をすくめ、指を鳴らして軽いノリで応えた。「俺が主役だぜ?置いてかれちゃ困るな。風なら俺の庭だしさ」とニヤリと笑う。リノアは髪をかき上げ、挑発するように指をさした。「燃やしてやるよ、あの吹雪。邪魔するなら容赦しないからな!」と熱く言い放つ。ミリエは控えめに手を握り締め、静かに微笑んだ。「私も行くよ。大丈夫、みんなを癒してあげるから」。そしてエルヴィが、目を潤ませながら小さく呟いた。「一緒に頑張ろう…ゼイクと仲間がいるなら、私、怖くないよ」。

全員の視線がゼイクに集まる。彼は拳を握り締め、仲間を見守るように立った。「仲間が全てだ。お前たちがいるから俺は戦える」。その言葉に、ガルドが「ガハハ!その意気だ!」と笑い、シエルが「楽勝だろ!」とウィンクを返す。リノアは「負けるかよ!」と気合いを入れ、ミリエとエルヴィがそっと頷いた。

ゼイクは操縦席に座り、神紋に手を置いた。星舟アストレイアのエンジンが低く唸り、船体がゆっくりと浮かび上がる。村の住民たちが凍えた手で手を振る中、ゼイクはアストレイアを頂上へ向けた。船は雲を突き抜け、一瞬、赤い夕陽に照らされたクリムゾードの全貌が姿を現す。だが、次の瞬間、吹雪が視界を奪った。氷の粒が甲板を叩き、船体が大きく揺れる。シエルが「風にお任せ!って言いたいけど、これマジでヤバいぞ!」と叫び、髪を押さえる。ガルドが盾を構えて風を防ぎ、「ぶっ飛ばすぜ、この嵐!」と吠えたが、船は進むどころか後退していく。

ゼイクは操縦席で歯を食いしばった。神紋が微かに光るが、吹雪の勢いは止まらない。「ダメだ…このままじゃ届かない」。彼の声に仲間全員が顔を見合わせる。星舟の力でも、この吹雪を貫くのは無理だ。風が唸り、甲板に立つ全員の体温を奪っていく。ゼイクは立ち上がり、剣を握り直した。「なら、歩くしかない」。

「俺が行く。神殿まで貫くぜ!」。ゼイクが剣を背に担ぎ、甲板に立つ。吹雪が彼の髪を乱すが、その背中は揺るがない。仲間たちを見据え、彼は決意を込めて言い放った。「星舟はここまでだ。徒歩で頂上を目指す。お前たちは村に残って――」

「ふざけんな!」とリノアが即座に割り込んだ。腰に手を当て、ゼイクを睨みつける。「負けるかよ!私も行く!お前一人でカッコつける気なら、燃やしてやるからな!」と熱い声が響く。ガルドが肩を叩いて笑い、「ガハハ!俺が支えるぜ、お前らの道を!盾がなけりゃ進めねえだろ?」と盾を手に持つ。シエルは軽やかにステップを踏み、「楽勝だろ、風なら俺の庭だぜ。こんな吹雪、風影族の忍技で切り抜けてやるよ」とウィンクした。

ミリエがそっと手を差し出し、穏やかな声で言った。「癒してあげるから、私も行くよ。みんなが一緒なら、私にもできる」。エルヴィは目を潤ませ、小さく寄り添うようにゼイクの隣に立った。「私も…ゼイクと一緒なら怖くない。一緒に頑張ろう」。その言葉に、ゼイクの胸が熱くなる。彼は仲間一人ひとりを見渡し、拳を握り締めた。「お前たち…本当に頼もしいよ。なら、一緒に貫くぜ!」。

全員の意志が揃った瞬間、ゼイクは星舟を村に降ろし、仲間と共に山脈へ足を踏み入れる決断をした。村長が震える手で毛布を渡し、「頼んだぞ、命の恩人たちよ」と涙を浮かべる。住民たちが凍えた体で手を振る中、ゼイクは振り返り、力強く言い切った。「必ず戻る。この村を救ってやる」。

星舟を村に残し、ゼイクたちは登山道へ向かった。足元は氷に覆われ、一歩踏み出すごとに滑る。風が顔を切りつけ、息さえ白く凍りそうになる。だが、進むにつれ、奇妙で美しい光景が広がった。氷柱が陽光を反射し、虹色の輝きが道を照らし出す。まるで自然が彼らを導くかのように、七色の光が雪に散らばり、凍てついた空気を一瞬和らげた。

シエルが目を丸くして、「すげえな、これ!風聖峰でも見たことねえぜ!」と指を鳴らす。リノアは冷静に、「綺麗だけど油断するな。敵が潜んでてもおかしくない」と鋭く周囲を見渡した。ガルドが「ガハハ!こんな光なら俺の盾も映えるぜ!」と笑い、盾を掲げる。ミリエは微笑み、「この光…まるで希望みたい」と呟き、エルヴィが「涙が…出そう」と目を潤ませた。

ゼイクは剣を握り、真っ直ぐ前を見据えた。虹色の道が神殿へと続く。その先には試練が待っていると分かっていても、彼の心は揺るがない。「仲間が全てだ。この絆があれば、どんな吹雪も貫ける」。その声が風に乗り、仲間たちの心に響き渡った。ガルドが「その通りだ!」と肩を叩き、リノアが「燃やしてやる!」と気合いを入れる。シエルは「俺が主役だぜ!」と軽くステップを踏み、ミリエとエルヴィが静かに頷いた。

頂上はまだ遠い。だが、一歩一歩に熱い決意が刻まれていく。氷の神殿への道は、仲間と共に切り開かれる――ゼイクはそう確信していた。

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