最弱の俺が神の血を継いで世界を救う旅に出る(仮)

RYOアズ

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178話「絆の迷宮」

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ゼイクは忘れられた神殿の門をくぐり、霧が晴れた先の通路に足を踏み入れた。星輝文明の遺跡らしい石壁には、微かに光る紋様が刻まれ、崩れた天井から差し込む光が床を照らす。通路は迷路のように入り組み、どこか不気味な静けさが漂う。星舟アストレイアが上空で待機し、仲間たちの足音だけが響き合っていた。

ゲート・ウォッチャーを倒した達成感はあったが、門の奥から響いた低いうなり声が、次なる試練の厳しさを予感させた。  「やっと中に入ったぜ。次は何が来るか分かんねぇな、ゼイク!」  ガルドが盾を肩に担ぎ、赤茶色の短髪を掻く。革鎧が軋み、彼の豪快な声が通路に反響する。ゼイクが剣を握り、「ガルド、お前が騒ぐと敵が先に逃げるぞ」と笑う。ガルドがニヤリと返す。「そりゃいいな! 俺の盾でぶちかましてやる前に逃げちまえば楽だぜ!」  「あんた達、ふざけるのやめなさいよ!」  リノアが杖を手に、赤い軽鎧を鳴らして一歩進む。「レジェンドクエストがこんな簡単なわけないでしょ! 私の炎で何でも焼き尽くしてやるから、あんた達気を引き締めなさい!」シエルが弓を構え、金髪をなびかせる。「リノア姉さん、熱いのは分かったぜ。俺の風が敵を切り刻む前に、何か出てくればいいけどな」リノアが目を吊り上げる。「あんた、私より目立つ気!? 絶対許さないよ!」 

 エルヴィが緑のローブを握り、小さく呟く。「この迷宮、星輝文明の幻術技術みたいだよ……壁の紋様が動いてる気がする……」彼女の純粋な瞳が不安そうに揺れ、メモを手に持つ。ミリエが優しく頷き、「エルヴィちゃんの言う通りだね。私、記憶の部屋で見たよ。アルテオンが言ってた『絆の試練』って、これなのかも」水色のローブが微かに揺れ、彼女の声が仲間を落ち着かせる。  ゼイクが一歩進み、「なら、ここで俺たちの絆が試されるんだな。みんな、気を抜くなよ」と言う。だが、次の瞬間、壁の紋様が眩しく光り、通路が歪んだ。視界が揺れ、仲間たちの姿が霧に溶ける。「ゼイク!」「ミリエ!」叫び声が響くが、一瞬にして全員が分断された。 

 ゼイクは一人、暗い通路に立っていた。目の前に現れたのは、自分自身の幻影だ。白マントを纏い、剣を握る姿だが、目が虚ろで冷たい。「お前はリーダー失格だ。仲間を守れない」と幻影が呟く。ゼイクが剣を構え、「何!?」と叫ぶが、幻影が続ける。「お前が弱いから、みんな危険に晒されるんだ」その言葉が胸を刺し、ゼイクの手が震える。「違う……俺は仲間を信じてる!」  別の通路で、ミリエが水色のローブを握り締めていた。目の前には、傷ついたゼイクの幻影が倒れている。「ミリエ、お前が癒せなかったからだ……」その声に、ミリエが涙ぐむ。「そんな……私がみんなを救いたいのに!」アクア・リヴァイアサンが低く唸るが、幻影は消えない。「お前じゃ足りない」と繰り返す。  ガルドは盾を手に、崩れる壁の幻影と対峙していた。「ゼイクがやられた! お前が盾になれなかったからだ!」幻影が叫び、ガルドが吼える。「ふざけんな、ゼイク! 俺が壁になってやるって言ったろ!」だが、幻影が笑う。「お前の壁は脆いだけだ」その言葉に、ガルドが拳を握り潰す。

  リノアは炎を手に、燃える仲間の幻影を見ていた。「あんた達、私の炎が弱いから死んだって言う気!?」彼女が「テラ・イグニス!」と叫ぶが、幻影は消えず、「お前の情熱は偽物だ」と嘲る。「偽物じゃないよ! 私があんた達を守るんだから!」リノアの声が震える。  シエルは弓を構え、逃げる自分の幻影と向き合う。「お前、迅さしかねぇ臆病者だ」と幻影が笑う。「ふざけんな! 俺は仲間と一緒に戦うぜ!」シエルが「迅風の舞!」を放つが、幻影は消え、壁に響く笑い声だけが残る。  エルヴィは緑のローブを握り、孤独な自分の幻影を見つめていた。「私なんかいらないよね……みんなに迷惑かけてるだけだもん……」涙がこぼれ、彼女が膝をつく。

だが、仲間たちの声が記憶に響く。「エルヴィちゃん、あなたの力が必要だよ」「お前がいて助かったぜ!」その言葉に、エルヴィが立ち上がる。「違うよ……私、みんなと一緒にいたい!」  「フォレスト・ブレス!」  エルヴィの緑の光が迷宮全体に広がり、幻術の核を照らし出す。壁の紋様が揺れ、一行が再び集まった。「エルヴィちゃん!」ミリエが駆け寄り、エルヴィの手を握る。「あなたが私たちを繋いでくれたよ」エルヴィが涙を拭き、「私、仲間がいるから強くなれるんだね」と微笑む。  ゼイクが剣を握り、「お前のおかげだ、エルヴィ。俺たちの絆は幻なんかじゃない!」ガルドが笑う。「ゼイク、俺の壁はお前らを守るぜ!」リノアが杖を振る。「あんた達、私の炎が本物だって分かったでしょ!」シエルが弓を構え、「俺の迅さもな!」ミリエが頷き、「みんなで超えていくよ」  迷宮の奥で光が点り、最深部への道が開いた。ゼイクが一歩進み、「次が最終試練だ。行くぞ!」仲間たちの絆が試練を乗り越え、神殿の深奥が一行を待っていた。

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