最弱の俺が神の血を継いで世界を救う旅に出る(仮)

RYOアズ

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177話「神殿の門」

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ゼイクは星舟アストレイアの甲板に立ち、聖域大陸の北西に広がる霧深い大地を見下ろした。雲海の下に現れたのは「忘れられた神殿」だ。崩れた石柱と苔むした石碑が並び、星輝文明の紋様が薄く光る。船体が低く唸り、銀と青の流線型が霧を切り裂く。

天空の裂け目での勝利から数日、ルミスの言葉と記憶の部屋でのアルテオンの啓示が一行をここへ導いた。レジェンドクエストの入口が、今、目の前に広がっている。  「でけぇ遺跡だな! ここで俺の盾が試されるぜ!」  ガルドが盾を肩に担ぎ、赤茶色の短髪を風に揺らす。革鎧が軋み、テラ・ゴーレムがその背後で低く唸る。

ゼイクが笑う。「ガルド、お前が壊さなきゃいいけどな」ガルドがニヤっと返す。「壊すのは敵だけでいいだろ、ゼイク! 派手にぶちかましてやるぜ!」  「あんた達、真剣にしなさいよ!」  リノアが鍛冶場で磨いた杖を手に、赤い軽鎧を鳴らして前に出る。「レジェンドクエストがどんな試練か分からないんだから、気合い入れなさい! 私の炎で全部焼き尽くしてやるんだから!」シエルが弓を構え、金髪をなびかせる。「リノア姉さん、熱いのは分かったぜ。俺の風が先に敵を切り刻むから、見ててくれよ」

リノアが目を吊り上げる。「あんた、私より目立つつもり!? 許さないよ!」  エルヴィが図書室で調べたメモを手に、小さく呟く。「忘れられた神殿って、星輝文明が神々に挑んだ場所らしいよ……石碑に『絆が試される』って書いてあったって……」緑のローブが霧に濡れ、彼女の純粋な瞳が仲間を見回す。ミリエが治療室から出て頷く。「エルヴィちゃん、すごいね。私も記憶の部屋で見たよ。アルテオンがここにレジェンドの鍵を隠したんだね」  ゼイクが剣を握り、「なら、ここが俺たちの絆を証明する場所だ。全員、行くぞ!」と叫ぶ。星舟が神殿の入口に近づき、一行は霧深い地面に降り立つ。石碑に刻まれた星輝文明の紋様が微かに光り、「最初の試練が始まる」と低く響いた。ガルドが盾を叩き、「来いってんだよ!」と吼えると、地面が揺れ、巨大な影が現れた。  「ゲート・ウォッチャー」だ。

星術技術で動く機械守護者で、全身がスターメタルで覆われ、両腕が巨大な刃に変形している。目は赤く光り、星輝文明の魔導炉が背中で唸る。シエルが「迅風の舞!」と風刃を放つが、金属装甲に弾かれ、火花が散る。「何!? 俺の風が効かねぇぜ!」  「テラ・イグニス!」  リノアが炎を放ち、イグニス・ドラゴンが熔岩を吐く。「あんた達、私の炎で溶かしてやるから動き止めなさいよ!」だが、炎が装甲に当たっても溶けず、ウォッチャーが刃を振り下ろす。

ガルドが「アース・ウォール!」と土壁を展開し、刃を受け止める。「くそっ、重てぇぜ! 俺の壁じゃ耐えきれねぇ!」壁にヒビが入り、ゼイクが「サンダー・ストライク!」と雷撃を放つが、装甲に吸収され、逆に雷が跳ね返る。  「みんな、気を付けて!」  ミリエが「ヒーリング・タイド!」と水流を広げ、仲間を癒す。アクア・リヴァイアサンが水を纏い、雷を和らげる。「この敵、星輝文明の魔導工学だよ。力だけじゃ倒せないんだね」エルヴィが「フォレスト・ブレス!」と緑の光で仲間を鼓舞し、「装甲が硬すぎるよ……でも、どこかに弱点があるはずだよね」と目を凝らす。  ウォッチャーが両腕の刃を振り回し、地面を切り裂く。

シエルが「風隠れの極意!」で背後に回り、「動力炉が背中にあるぜ!」と叫ぶ。だが、刃が素早く反応し、シエルが跳んで避ける。「ちくしょう、迅さじゃ届かねぇ!」ゼイクが剣を構え、「なら、俺たちが援護する! リノア、ガルド、行くぞ!」  「あんた達、私に任せなさいよ!」  リノアが「フレイム・インフェルノ!」と炎の嵐を放ち、ウォッチャーの動きを一瞬止める。ガルドが盾で突進し、「テラ・ゴーレムでぶちかますぜ、ゼイク!」と刃を押し返す。「今だ、シエル!」シエルが跳び、「迅風の舞!」で動力炉に風刃を叩き込む。炉が火花を散らし、ウォッチャーが悲鳴のような金属音を上げる。だが、完全に止まらず、片腕が動き、石碑を切り裂いた。

  「まだ動くよ!」  エルヴィが「ルート・バインド!」と蔓でウォッチャーを縛る。シルヴァ・トレントが根を伸ばし、動きを抑える。「みんなで一緒なら止められるよ!」ゼイクがミリエと目を合わせ、「ライズ・アクアストーム!」を発動。雷と水が螺旋となり、動力炉を貫く。ウォッチャーが崩れ落ち、霧が晴れると、神殿内部への門が開いた。

  「やったぜ! 俺の風が決め手だろ!」  シエルが弓を肩に担ぎ、笑う。ガルドが盾を叩き、「俺の壁がなきゃやられてたぜ、ゼイク! リノアの炎も効いたな!」リノアが鼻を鳴らす。「あんた達、私が一番活躍したって認めなさいよ! この程度で満足しないからね!」ミリエが微笑み、「エルヴィちゃんの蔓がなかったら危なかったよ。みんなの力が合わさったね」エルヴィが頬を赤らめ、「私、役に立てて嬉しいよ……」  ゼイクが門を見つめ、「これがレジェンドクエストの始まりか。まだ試練が待ってるな」門の奥から低いうなり声が響き、次の戦いを予感させた。星舟が上空で待機し、一行は神殿内部へと足を踏み入れる決意を固めた。

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