最弱の俺が神の血を継いで世界を救う旅に出る(仮)

RYOアズ

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187話「意志の鍛冶」

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ゼイクは金の聖遺跡の門をくぐり、聖殿内部の通路に足を踏み入れた。金と鋼でできた壁には、星輝文明の鍛冶紋様が刻まれ、薄暗い光が床を照らす。通路は迷路のように入り組み、遠くで響く金属音が不気味にこだまする。星舟アストレイアが上空で待機し、仲間たちの足音が重く響いていた。

「ゴルド・フォージマスター」を倒した達成感はあったが、聖殿の奥からの低い響きが、次なる試練の厳しさを予感させた。  「やっと中に入ったぜ、ゼイク! 次は何が来るか楽しみだな!」  ガルドが盾を肩に担ぎ、赤茶色の短髪を掻く。革鎧が軋み、彼の豪快な声が通路に反響する。ゼイクが剣を握り、「ガルド、お前が騒ぐと敵が隠れちまうぞ」と笑う。ガルドがニヤリと返す。「そりゃいいな! 隠れても俺の盾でぶちかましてやるぜ!」  「あんた達、ふざけるのやめなさいよ!」  リノアが杖を手に、赤い軽鎧を鳴らして一歩進む。「レジェンドクエストがこんな簡単なわけないでしょ! 私の炎で何でも焼き尽くしてやるから、あんた達気を引き締めなさい!」

シエルが弓を構え、金髪をなびかせる。「リノア姉さん、熱いのは分かったぜ。俺の風が敵を切り刻む前に、何か出てくればいいけどな」リノアが目を吊り上げる。「あんた、私より目立つつもり!? 絶対許さないよ!」  エルヴィが緑のローブを握り、小さく呟く。「この聖殿、金神ゴルディアの意志が試される場所だよね……壁の紋様が熱くなってる気がする……」彼女の純粋な瞳が不安そうに揺れ、メモを手に持つ。ミリエが優しく頷き、「エルヴィちゃんの言う通りだね。記憶の部屋で見たよ。ゴルディアが『意志が闇を輝かせる』って言ってた。ここで私たちの意志が試されるんだよ」水色のローブが微かに揺れ、「ルシアの涙」が静かに光る。  ゼイクが一歩進み、「なら、ここで俺たちの意志を証明するんだ。みんな、気を抜くなよ」と言う。

だが、次の瞬間、壁の鍛冶紋様が眩しく光り、通路が歪んだ。熱気が溢れ、仲間たちの姿が金色の霧に溶ける。「ゼイク!」「ミリエ!」叫び声が響くが、一瞬にして全員が分断された。  ゼイクは一人、熱い通路に立っていた。目の前に現れたのは、自分自身の幻影だ。白マントを纏い、剣を握る姿だが、目が金色に輝き冷たい。「お前の意志は弱い。仲間を導けない」と幻影が呟く。ゼイクが剣を構え、「何!?」と叫ぶが、幻影が続ける。「お前が迷えば、みんな死ぬだけだ」その言葉が胸を焼き、ゼイクの手が汗で滑る。「違う……俺は仲間を信じてる!」  別の通路で、ミリエが水色のローブを握り締めていた。目の前には、逃げる仲間の幻影が。「ミリエ、お前の優しさじゃ俺たちを守れない!」その声に、ミリエが涙ぐむ。「そんな……私がみんなを支えたいのに!」アクア・リヴァイアサンが低く唸るが、幻影は消えない。「お前は弱い」と繰り返す。

  ガルドは盾を手に、自分の盾が砕ける幻影と対峙していた。「ゼイクがやられた! お前の意志が弱いからだ!」幻影が叫び、ガルドが吼える。「ふざけんな、ゼイク! 俺の盾は折れねぇって言ったろ!」だが、幻影が笑う。「お前の力は無意味だ」その言葉に、ガルドが盾を叩く。  リノアは炎を手に、消える仲間の幻影を見ていた。「あんた達、私の情熱が足りないから消えたって言う気!?」彼女が「テラ・イグニス!」と叫ぶが、幻影は消えず、「お前の炎は冷めてる」と嘲る。「冷めてないよ! 私があんた達を燃やすんだから!」リノアの声が震える。  シエルは弓を構え、立ちすくむ自分の幻影と向き合う。「お前、迅さしかねぇ臆病者だ」と幻影が笑う。「ふざけんな! 俺は仲間と戦うぜ!」シエルが「迅風の舞!」を放つが、幻影は消え、壁に響く金属音だけが残る。 

 エルヴィは緑のローブを握り、役立たずの自分の幻影を見つめていた。「私なんかいらないよね……みんなに迷惑かけてるだけだもん……」涙がこぼれ、彼女が膝をつく。だが、仲間たちの声が記憶に響く。「エルヴィちゃん、あなたが必要だよ」「お前がいて助かったぜ!」その言葉に、エルヴィが立ち上がる。「違うよ……私、みんなの力になりたい!」  「フォレスト・ブレス!」  エルヴィの緑の光が聖殿全体に広がり、幻術の核を照らし出す。壁の紋様が揺れ、一行が再び集まった。「エルヴィちゃん!」ミリエが駆け寄り、エルヴィの手を握る。「あなたが私たちを繋いでくれたよ」エルヴィが涙を拭き、「私、みんなの意志を信じてるよ」と微笑む。  ゼイクが剣を握り、「お前のおかげだ、エルヴィ。俺たちの意志は幻なんかじゃねぇ!」ガルドが笑う。「ゼイク、俺の盾はお前らを守るぜ!」リノアが杖を振る。「あんた達、私の炎が本物だって分かったでしょ!」シエルが弓を構え、「俺の迅さもな!」ミリエが頷き、「みんなで超えていくよ」  聖殿の奥で光が点り、最深部への道が開いた。ゼイクが一歩進み、「次が最終試練だ。行くぞ!」仲間たちの意志が試練を乗り越え、聖殿の深奥が一行を待っていた。

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