勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま

文字の大きさ
93 / 171
追憶編

聖女の祈り、結ばれる縁

しおりを挟む
 教会の前に立つと、朝の光を受けた花飾りが風に揺れていた。
 昨日、子供たちとセリナが飾りつけていた花々――淡い桃色の花弁に朝露が光り、まるで祝福のようにきらめいている。

「ここだ」

 バニッシュが軽く息を整え、扉をノックした。

 ――コン、コン。
 しばらくして、木の扉が軋む音とともにゆっくりと開く。
 顔を出したのは、黒い修道服に白いヴェールをかけたシスター――セリナだった。

「あ……」

 驚いたように目を瞬かせたあと、彼女はふわっと花が咲くような笑顔を浮かべる。

「バニッシュさん、来てくれたんですね」

 両手を胸の前で合わせ、嬉しそうに微笑むその姿は、まるで聖母のように柔らかい。

「ああ。ちょっと頼みたいことがあってな」

 バニッシュは気まずそうに後頭部をかく。

「頼みたいこと?」

 セリナは小首を傾げ、澄んだ瞳で問い返した。

「実はな――」

 バニッシュはスッと身体をずらし、背後にいたカイルを見せた。
 カイルは左腕を押さえ、顔をしかめながらも平静を装っている。
 その姿を見た瞬間、セリナの表情が一変した。

「た……大変!」

 彼女は慌てて扉を大きく開き、スカートの裾を掴んで駆け寄る。

「どうぞ中へ! すぐに治療の準備をします!」

「すまない、助かる」

 カイルが礼を言うと、セリナは力強く頷いた。

「そんな、お礼なんて……とにかく、中へどうぞ!」

 その言葉には偽りのない純粋さがあった。
 教会の中は、静謐そのものだった。
 天窓から差し込む淡い光が、空気中の埃を金の粒子のように照らし、その先には――白大理石で作られた女神ルミナ=リュミエールの像が立っていた。
 柔らかな微笑みを湛えたその像の前で、シスター・タリズが静かに祈りを捧げている。

「タリズさん!」

 セリナの声に、祈りを終えたタリズがゆっくりと振り返る。

「あら、皆さん。今日はどうされたのですか?」

 いつものように落ち着いた微笑みを浮かべるタリズ。

「タリズさん、カイルさんが怪我をされているようなのです!」

 セリナが焦りを帯びた声で告げると、タリズはすぐにカイルの方へ視線を向けた。
 血で袖を濡らしながら腕を押さえるカイル――その様子を見たタリズの表情が一瞬にして引き締まる。

「まぁ……大変だわ!」

 彼女は即座に判断し、穏やかだが的確な声で指示を飛ばす。

「セリナ、奥の部屋へ案内して。それと聖水とお湯、清潔な布を用意してちょうだい」

「はいっ!」

 セリナは素早く返事をして、バニッシュたちを奥の部屋へと案内する。
 その部屋は、教会の執務室を兼ねた小さな治療室だった。
 整然と並ぶ書類と祈祷書、壁には女神の紋章が刻まれた金の装飾。
 質素ながらも、どこか神聖な気配が漂っている。

「こちらにお掛けください!」

 セリナは椅子を引き、カイルを座らせるとすぐに準備に走った。
 聖水の瓶を取り、お湯を沸かし、真新しい白布を揃える――その動作は手慣れており、無駄のない動きだった。
 ほどなくして、タリズが部屋に入ってくる。

「さあ、見せてください」

 彼女は静かに膝を折り、カイルの腕を確かめる。
 深くはないが、切り傷は長く、血が滲み続けていた。

「少し染みますよ」

 優しく告げると、タリズは聖水を手に取り、カイルの腕にそっとかけた。

 ――ジュッ。

 血が薄まり、聖水の透明な輝きが傷を清めていく。
 カイルは息を詰め、顔を歪めながらも声を押し殺す。

「ぐっ……!」

 「我慢してください。すぐに終わります」

 タリズは微笑みながらも、その手の動きには一切の迷いがなかった。
 聖水で血を洗い流した後、彼女は立ち上がり、床に聖水で小さな魔法陣を描き始める。
 淡い青白い光が円を形づくり、やがてカイルの身体を中心に広がっていった。

「女神ルミナよ――光の慈悲にて、この身の痛みを癒しを……」

 タリズの祈りの言葉が部屋に響く。
 その瞬間、陣がふわりと輝きを増し、柔らかな光がカイルを包み込んだ。
 カイルの傷口がじわりと閉じ、血が止まり、皮膚が再生していく。
 まるで時が巻き戻るように――セリナは祈るように手を組み、ミレイユは胸の前で息を呑んだ。

 次第に、光が静かに収束していく。
 柔らかな輝きがタリズの掌の中に集まり、やがて淡い残滓だけを残して消えていった。
 部屋の空気には、女神の祈りの香気がまだ漂っている。
 神聖な光が消えた後も、まるでそこに温もりが宿っているかのようだった。

「ふぅ……」

 タリズは一息つき、額にかかった髪を整えながら優しく微笑む。

「これでもう大丈夫ですよ」

 穏やかな声が響いた瞬間、室内の張り詰めた空気がふっと緩む。

「セリナ、後の処置は任せましたよ」

「はい、タリズさん」

 セリナは静かに頷き、手早く準備を始める。
 カイルの腕を見ると、先ほどまで血に濡れていたはずの肌が、まるで初めから傷などなかったかのように綺麗に塞がっていた。
 流れ落ちた血すらも、光と共に浄化されたのだろう。
 皮膚は健康な赤みを取り戻し、力強く再生していた。

「……すごいな」

 思わずバニッシュが呟く。
 その声には感嘆と、ほんの少しの敬意が混じっていた。
 ミレイユは震える唇を押さえ、潤んだ瞳でカイルを見つめる。

「よ、よかった……!」

 涙が頬を伝い、安堵に満ちた笑みが零れる。

 セリナはお湯で湿らせた白布を取り、
 そっとカイルの腕に触れ、傷の周囲を丁寧に拭き取り、残った血痕をやさしくぬぐっていく。
 彼女の指先は慎重で、まるで壊れ物に触れるような繊細さだった。
 布に残る赤が次第に薄くなり、最後には清らかな白だけが残る。
 セリナは静かに息を吐き、別の布を取り出して腕に巻きつけた。
 白布が柔らかく結ばれ、神聖な香がふわりと漂う。

 セリナの指先は、まるで祈りの延長線のように静かで優しかった。
 白布を結ぶたびに彼女の袖が小さく揺れ、淡い髪が頬をなでて落ちる。
 カイルはその様子を、まるで時間が止まったかのように見つめていた。
 その眼差しには、感謝だけではなく、何かもっと深い――言葉にできない温もりが宿っていた。
 その様子を見ていたミレイユは、すぐ隣でぷくっと頬を膨らませた。
 ――まるで、見えない距離を測るように。
 小さく「ふん」と鼻を鳴らし、腕を組む仕草がどこか子供っぽい。
 そんな微妙な空気をよそに、バニッシュはいつも通りの調子でタリズに話しかけた。

「それにしても、完全治癒とは凄いな。タリズさんは……聖女だったりするのか?」

 彼の問いに、タリズは目を細め、ふふっと柔らかく笑う。

「いいえ、違いますよ。私はただの年寄りのシスターです」

「でも、さっきの光は……」

「私のはね、真似事に過ぎません」

 タリズは静かに首を振りながら諭すように言い添えた。

「本当の奇跡を起こす人というのは、もっと純粋で、もっと相応しい人がするものですよ」

 その視線の先には、ちょうどカイルの腕の包帯を整えているセリナの姿があった。
 彼女の周囲には、わずかに残る祈りの光がまだ漂っている。
 バニッシュはその意味がすぐには飲み込めず、首をかしげる。

「そうなのか……一度でいいから本物の聖女様ってやつに会ってみたいもんだな」

 タリズは小さく笑みをこぼし、口元に手を添えた。

「ふふふ……案外、もう出会っているかもしれませんよ」

 その声にはどこか含みがあり、バニッシュはぽかんとしながら「?」と首を傾げた。
 ――だが、その言葉の意味を知るのは、もう少し先のことになる。

 教会の白壁を背に、柔らかな夕光が差し込んでいた。
 その前で、バニッシュたちは深く頭を下げる。

「本当に、ありがとうございました」

 バニッシュの声に続いて、カイルも静かに一礼する。

「助かりました。おかげで仕事に戻れそうです」

 セリナは微笑みながら手を胸の前で合わせた。

「どうかご無事で。女神ルミナの加護がありますように」

 その隣でタリズも柔らかく頷く。

「あなた方の道に、光があらんことを」

「じゃあ――警備に戻るか」

 カイルが背を伸ばして言うと、バニッシュも笑ってうなずいた。

「そうだな。まだ祭りは終わっちゃいないしな」

 そのすぐそばで、ミレイユはカイルの腕にそっと寄り添い、
 まるで守るように彼を見つめていた。
 3人が教会を離れようとした、そのとき――

「バニッシュさん」

 タリズの静かな声が背中を呼び止めた。
 振り返ると、彼女はどこか遠くを見るような瞳をしていた。

「あなた方の出会いは……セリナも含め、運命なのでしょう」

 その声音には、確信にも似た静けさがあった。
 バニッシュは思わず眉を上げる。

「運命……?」

 タリズは一歩近づき、まるで祈るように言葉を紡ぐ。

「そして――あなたとカイルさんには、すでに深い縁が結ばれています。どうか……慈悲ある行動を」

 その目は、まるで未来の悲劇を見通しているようだった。
 だが、バニッシュにはその意味がわからない。

「……ああ、そうするよ」

 軽く笑ってそう答え、彼はカイルたちの後を追った。
 タリズはただ静かに見送る。
 その掌には、まだ祈りの余韻が温かく残っていた。
 ――それが、後に二人の運命を左右する予言のような言葉だと、この時のバニッシュは気づいていなかった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

​『追放された底辺付与術師、実は【全自動化】のチートスキル持ちでした〜ブラックギルドを追い出されたので、辺境で商会を立ち上げたら勝手に世界規

NagiKurou
ファンタジー
​「お前のような、一日中デスクに座って何もしない無能はクビだ!」 国内最大のギルド『栄光の剣』で、底辺の付与術師として働いていたアルスは、ある日突然、強欲なギルドマスターから追放を言い渡される。 しかし、彼らは知らなかった。ギルドの武器の自動修復、物流の最適化、資金管理に至るまで、すべてアルスの固有スキル【全自動化(ワークフロー構築)】によって完璧にシステム化され、回っていたことを。 「俺がいなくなったら、あの自動化システム、全部止まるけど……まあいいか」 管理権限を解除し、辺境へと旅立ったアルス。彼は自身のスキルを使って、圧倒的な耐久力を誇る銀色の四輪型重装ゴーレムを作り出し、気ままな行商を始める。 一度構築すれば無限に富を生み出す「全自動」のチートスキルで、アルスの商会は瞬く間に世界規模へとスケールしていく! 一方、すべてを失ったギルドは、生産ラインが崩壊し、絶望のどん底へと突き落とされていくのだった……。

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

処理中です...